主に、脳卒中により大脳の言語野が損傷を受け失語症(話す・聴く・読む・書くの障害)となった方々に対して、言語聴覚士が行う検査です。

実際の下位検査課題例としては、

  • 呼称:線画を提示して、その名前を言う課題。
  • 復唱:聴覚提示された単語をそのまま言う課題。
  • 単語の聴覚的理解:聴覚提示された単語に対して、6つの線画からその単語と合致するものを選択する。

これらの課題を実施する中で、失語症の中核症状を抽出し、リハビリ提供の根拠にしています。

失語症の中核症状は、

  • 発語失行(アナルトリー):構音運動の時間空間的なズレによる歪み
  • 音韻性錯語:単語レベルでの音の入れ替え。りんご→ごんり、みんご
  • 喚語困難:目標の単語がそのものが想起されない、また目標語に関連した情報が想起される。
  • 単語の理解障害:聴覚的に提示された単語と提示された線画が一致しない

SLTAの下位検査項目と失語症の中核症状との関連が、シミュレーションで再現されるのであれば、リハビリを考えるうえで、幅が広がるのではないかと思っています。

  • 上記は大門 正太郎先生談
検査項目 下位項目
聴く 1. 単語の理解
2. 短文の理解
3. 口頭命令に従う
4. 仮名の理解
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話す 5. 呼称
6. 単語の復唱
7. 動作説明
8. まんがの説明
9. 文の復唱
10. 語の列挙
11. 漢字単語の音読
12. 仮名1文字の音読
13. 仮名単語の音読
14. 短文の音読
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読む 15. 漢字単語の理解
16. 仮名単語の理解
17. 短文の理解
18. 書字命令に従う
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書く 19. 漢字単語の書字
20. 仮名単語の書字
21. まんが説明
22. 仮名1文字の書取
23. 漢字単語の書取
24. 仮名単語の書取
25. 短文の書取
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計算 26. 計算