9 (6/30,7/7)Webページ作成
9.1 Webページ(HTML)入門
「計算機利用の手引き」の付録Dも参照すること.
HTML (Hyper Text Markup Language)=ハイパーテキスト(リンク)+データの意味をマークする言語
HTMLのお約束;どんなHTMLファイルでも以下の基本構造を持っています.
リスト 9.1.1 HTMLの基本構造
<html>
<head>
<title>
Webブラウザーのタイトル行に表示される見出し
</title>
</head>
<body>
ここに本文を書く。
</body>
</html>
つまり、
- いつも見ているWebページの正体は、拡張子がhtmlやhtmのファイルである。
- HTMLのファイルは、<html>で始まって、</html>で終わる。
- このように<と>で囲まれた部分をタグと呼び、HTMLの要素を示している。
- ひとつの要素は、<XXXX>で始まって</XXXX>で終わる。(終わりのしるしである</XXXX>タグを省略できる場合もある。)
- HTMLファイルは、さらに前半の"head"部分と、後半の"body"部分に分かれる。前半のhead要素はHTMLファイルの見出し情報を書き込む場所であり、後半のbody要素がHTMLの本文を書く場所である。
- head要素の中にtitle要素を置くことができる。そこに書いた文字列は、IEやNetscapeなどのWebブラウザのウインドウのタイトル行に表示されたり、ブックマーク(お気に入り)したときに記録される情報に使われたりする。
- このようにHTMLファイルは、要素の中に別の要素が含まれる入れ子構造(正確に言うと木構造)になっている。ある要素は別の要素の中に完全に埋め込まれる。
というわけです。
木構造というのは、
html-+--head----title
+
+--body-+--h1
+--hr
+--address
のように、木が根っこから枝分かれしていくようにHTMLの構造が枝分かれしていくことを示します。右側の細い枝別れは、その左側の大きな枝分かれをまたぐことはありません。
ですから自分でHTMLを書こうという人は、上記の内容をあらかじめ書き込んであるHTMLのテンプレートを作っておくと便利です。授業で使っているXEmacsは大変賢いので、拡張子がhtmlのファイルを新たに作成すると、自動的に上記のような内容を埋め込んでくれます。(この賢さがEmacsのすごさです。EmacsはLispプログラミング言語を持っているので、いろいろ賢いことができます。)
リスト 9.1.2 XEmacsが自動的に補うテンプレート
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN"
"http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-2022-jp">
<title></title>
</head>
<body>
<h1></h1>
<hr>
<address><a href="mailto:nabe@twcu.ac.jp">Takayuki Watanabe</a></address>
<p>
<!-- Created: Mon Apr 15 13:29:50 JST 2002 -->
<!-- hhmts start -->
<!-- hhmts end -->
</p>
</body>
</html>
XEmacsが作るファイルは以下の点が最初に説明した基本構造と異なっています。
- htmlタグの前に得体の知れない"!DOCTYPE ..."という行がある:この行は、このファイルがHTMLバージョン4.01のstrict型の文法で書いてあることを示しています。
- body要素の中にh1要素がある:h1 (header level 1)タグは、大見出しを示します。この他にh2やh3要素などもあり、それぞれ中見出しや小見出しに相当します。
- hr要素はhorizontal lineの略で、水平線を表します。
- address要素は、このHTMLファイルの作者への連絡先を書く部分です。
- <!--と-->で囲まれた部分はコメントを示します。この中に書いた文字列は無視されます。
- address要素の下の行には、このHTMLファイルの保存日時が自動的に埋め込まれます。
- さらにその下の2行は無視してください。でも消さないでください。これら3行はコメント要素の中に埋め込まれているので、Webブラウザには表示されません。
9.2 初めて作るWebページ
- xemacsを起動する.
- Openアイコンをクリックして,(或いは「ファイル」メニューから「ファイルを開く...」を選んで)first.htmlというファイル名でファイルを開く.
- 初めてxemacsでHTMLを編集する場合,あなたのメールアドレスを聞かれるかもしれない.その場合,最初のあなたのメールアドレスを確認する質問には[Enter]を押し,次のこのアドレスをこの後も使うかというy/nの質問には
y
で答えること.
- 以下の例のように適当にtitle要素やh1要素などを書き込む.
- Saveアイコンをクリックして保存する.
- Netscapeを立ち上げて,「ファイル」メニュー,「ページを開く...」と選んでから,「ファイルを選択...」をクリックしてfirst.htmlを選択して開く.
- するとNetscapeにあなたが作ったWebページが表示されるはず.
- おめでとう.初めてのWebページができました.修正作業もして見ましょう.
- first.htmlに手を加えて書き換えたら,まずxemacsで保存し(Saveアイコンをクリック),次にNetscapeの「再読込」ボタンをクリックするとHTMLファイルの変更がNetscapeに反映されるはず.(Netscapeのバグのせいか,画像ファイルの変更などが反映されない場合がある.その場合は一度Netscapeを終了してからもう一度立ち上げるとうまくいくはず.)
リスト 9.2.1 初めて作るHTMLの例
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN"
"http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-2022-jp">
<title>渡辺のWebサイト</title>
</head>
<body>
<h1>渡辺のWebサイト</h1>
<h2>初めての授業</h2>
<p>今日はじめて、東京女子大学で授業をしました。</p>
<hr>
<address><a href="mailto:nabe@twcu.ac.jp">Takayuki Watanabe</a></address>
<p>
<!-- Created: Mon Apr 15 13:29:50 JST 2002 -->
<!-- hhmts start -->
<!-- hhmts end -->
</p>
</body>
</html>
これができたらさらに「利用の手引き」の付録D.2を真似してみましょう.この例では箇条書きを作る<ul>要素が使われています.付録Dには他にも色々な要素が紹介されていますから,興味がある人は「利用の手引き」の真似をして見てください.HTMLのような新しい知識を学ぶときは,まず「習うより慣れよ」です.つまり,人の真似をして自分で作ってみることからはじめることが肝心です.人が作った者を見ているだけでは上手になりません.自分の手を動かして失敗や成功の経験を重ねることが大事です.ある程度経験した段階でHTMLの文法をきちんと学ぶと,文法知識もよく頭に入ってきますよ.
9.3 課題
・上記HTMLに手を入れて簡単な自己紹介ページを作っておく.完成度は問わないので,とにかく書いて公開するという経験をする.
・「利用の手引き」の付録Dを読んでおく.
9.4 WWWの基礎知識
9.4.1 URL
http://www.linux.or.jp/en/index.htmlを例にとって、URLの意味を説明します.
- httpはプロトコル名(Hyper Text Transfer Protocol)で、このほかにftpやtelnetなどがあります.
- www.linux.or.jpはInternetドメイン名で,Internetの世界における住所の役割をしています.
- en/index.htmlがWebページ(HTMLファイル)がWebサーバのどこに置いてあるかを示します.今の場合は、Webページの置き場所の下のenディレクトリの下にindex.htmlが置いてあります.index.htmlはそのWebサイトのトップページ(ホームページとも言います)を示し、一般的にそのファイル名を省略可能です.Webページ(HTMLファイル)は一般的にhtmlまたはhtmの拡張子が付いています.
- www.linux.or.jpというInternetドメイン名は(住所と同じ)階層構造を持っています.右側が大きな構造で左に行くほど小さな構造を示しています.一番右側のjpは国を表すトップレベルドメインです.国別ではない組織別のトップレベルドメインもあって,or.jpの部分がcomやorgなどのように国名抜きの名前になることもあります.
- 2番目のwww.linux.or.jpの中のlinuxの部分はこのホームページの名称(ドメイン名)を表し、orの部分は日本では別表のような組織を表しています.
表 9.4.1.1 国を表すトップレベルドメイン名の例
au |
オーストラリア |
ca |
カナダ |
cn |
中国 |
fr |
フランス |
it |
イタリア |
jp |
日本 |
kr |
韓国 |
ru |
ロシア |
uk |
イギリス |
表 9.4.1.2 jpドメインでの組織種別の例
ac |
大学,研究機関 |
co |
企業 |
ne |
ネットワークサービス組織 |
go |
政府機関 |
or |
各種団体 |
つまりhttp://www.linux.or.jp/en/index.htmlというURLは、jp (日本で登録したドメイン名)の下のor (各種団体)の下のlinuxというドメイン名の中のwwwと名づけられたWebサーバ上にある、enディレクトリの下のindex.htmlというファイルを、httpプロトコルで表示することを意味します.
9.4.2 ハイパーリンク
HTMLファイル中にURLなどで別のデータ(リソース)の場所を示してやれば,Webブラウザー上でクリックするだけでその場所にジャンプできます.このような機能のことをハイパーリンクといいます.
<a href="http://www.twcu.ac.jp/">「東女のWebサイト」</a>
9.5 もっとHTML
リンクの貼り方や画像の入れ方も説明しましょう.「HTMLの例」(example.html)が参考になると思います.このHTMLファイルのソースは,Netscapeの「表示」メニューから「ページのソース」を選ぶと表示されます.
9.6 そのほか
言語指定
文字コード指定
DOCTYPE宣言
文法
9.7 HTMLページの公開方法
WWW(HTMLファイル)公開時の注意;個人情報を漏らさない、その他
- 東女では,~/WWW/の中に置いたファイルは世界中に公開される.
- 東女では,~/WWW-local/の中は、学内でしか見ることができない。
- ログイン名がx02y001の学生の場合、~/WWW/example.htmlというファイルは、http://www.twcu.ac.jp/~x02y001/example.htmlというURLになる。
- ログイン名がx02y001の学生の場合、~/WWW-local/hello.htmlというファイルは、http://www-local.twcu.ac.jp/~x02y001/hello.htmlというURLになる。
- 一般に、index.htmlやindex.htmなどの特定のファイル名は省略できる。したがって,~/WWW/index.htmlというファイルは、http://www.twcu.ac.jp/~x02y001/というURLで表示できる。
- ~/WWW/secret.htmlというファイルは、http://www.twcu.ac.jp/~x02y001/secret.htmlとしてファイル名まで指定しない限り見つからない.
9.8 課題
自己紹介ページを新規作成・公開する.締め切りは7月10日(木)夜.金曜日にチェックする.またHTMLの最初には,作成日付け,学生番号,氏名を必ず記入する.
自己紹介のページのbody要素内には以下の要素を含めること:<p>, <h1>, <h2>, <h3>, <ul>, <ol>, <dl>
,東女のトップページへのハイパーリンク.また,表要素やコメントを含めることも望ましい(加点する).
- 端末エミュレータを開く.
-
ls [Enter]
とタイプして,WWW-localという名前のディレクトリがあるかどうか調べる.
- もしなかったら,
mkdir WWW-local [Enter]
とタイプしてこのディレクトリを作る.
- もう一度
ls [Enter]
とタイプして,WWW-localという名前のディレクトリができたことを確認する.
-
cd WWW-local [Enter]
とタイプして,WWW-localディレクトリに移動する.
-
xemacs selfintro.html &[Enter]
とタイプするとXemacsが立ち上がる.
- 自己紹介を含むホームページを作成する.できるだけ多くのHTML要素(技術)を盛り込むこと.
- Netscapeで,http://www-local.twcu.ac.jp/~x02y001/selfintro.htmlとURLを指定して,Webブラウザーでこのホームページをきちんと表示できることも確認しておくこと.
- XEmacsでファイルを修正したときは、XEmacsでファイルを保存(「Save」アイコンをクリック)してから、Netscapeで「再読込」アイコンをクリックして修正済みのファイルをもう一度読み込む.
既にあるHTMLファイルを転用したい人
- 端末エミュレータを開く.
-
ls [Enter]
とタイプして,WWW-localという名前のディレクトリがあるかどうか調べる.
- もしなかったら,
mkdir WWW-local [Enter]
とタイプしてこのディレクトリを作る.
- もう一度
ls [Enter]
とタイプして,WWW-localという名前のディレクトリができたことを確認する.
-
cp ほにゃらら.html ~/WWW-local/selfintro.html [Enter]
とタイプする.(つまり,元ファイルの名前をselfintro.htmlに変えた上で,WWW-localディレクトリの下に移動する.)
-
cd WWW-local [Enter]
とタイプして,WWW-localディレクトリに移動する.
-
xemacs selfintro.html &[Enter]
とタイプするとXemacsが立ち上がる.
- 自己紹介を含むホームページを作成する.できるだけ多くのHTML要素(技術)を盛り込むこと.
- Netscapeで,http://www-local.twcu.ac.jp/~x02y001/selfintro.htmlとURLを指定して,Webブラウザーでこのホームページをきちんと表示できることも確認しておくこと.
- XEmacsでファイルを修正したときは、XEmacsでファイルを保存(「Save」アイコンをクリック)してから、Netscapeで「再読込」アイコンをクリックして修正済みのファイルをもう一度読み込む.
9.9 授業後に作業を継続する方法
「授業の後でHTMLファイルの編集をするにはどうすればよいか?」という質問が何件かあったので,以下に作業の手順をまとめます.
- 端末エミュレータを開く.
-
cd WWW-local [Enter]
とタイプして,WWW-localディレクトリに移動する.
-
xemacs selfintro.html &[Enter]
とタイプするとXEmacsが立ち上がり,授業で作ったファイルが表示される.
- XEmacsで編集作業を続ける.
- Netscapeで,http://www-local.twcu.ac.jp/~x02y001/selfintro.htmlとURLを指定して,Webブラウザでこのホームページをきちんと表示できることも確認する.
- XEmacsでファイルを修正したときは、XEmacsでファイルを保存(「Save」アイコンをクリック)してから、Netscapeで「再読込」アイコンをクリックして修正済みのファイルをもう一度読み込む.
意図したようにNetscapeで表示されない原因のほとんどは単純なタイプミスです.落ち着いてHTMLの中身によーく目を通してみて下さい.お手本と同じですか?
9.10 注意
宿題(自己紹介HTML)の一覧(学内限定公開)
- 意図したようにNetscapeで表示されない原因のほとんどは単純なタイプミスです.落ち着いてHTMLの中身によーく目を通してみて下さい.お手本と同じですか?
- タグの閉じ忘れ(<ul>があるのに</ul>がない)が多いです.
- WWW-localディレクトリの下にselfintro.htmlという名前のファイルがなければNetscapeで表示されません.
- WWW-localのWWWは大文字ですよ.
9.11 世界中に公開する方法
今回の課題はWWW-localディレクトリに置いたので学外からは見ることができません.世界中に公開したい人は以下の作業をしてください.その際,電話番号や住所などの個人情報を書かないように注意すること.
- XEmacsでselfintro.htmlを開く.
- 学外に公開してもよいように内容を書き換えてから,index.htmlというファイル名でWWWディレクトリに保存しましょう.XEmacsの「ファイル」メニューの下の「新規保存...」を選ぶとファイル名を指定するダイアログボックスが出てくるので,その最下行が~/WWW-local/となっているのを,~/WWW/index.htmlと書き換えてから保存します.
- Netscapeでhttp://www.twcu.ac.jp/~x02y001/とURLを指定するとこのホームページが表示されるはずです.
- これ以降はXEmacsで~/WWW/index.htmlというファイルを開けばこのホームページを編集できます.
9.12 TWCU外部ネットワークとの接続 (テキスト 17章)
注意
外部からの接続
内部から外部への接続
データのやり取りの仕方(ftp、scp)