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連想記憶

ホップフィールドは彼のモデルが連想記憶に適用できることを示しました。 ネットワークが記名すべきパターンベクトルを 0,1 ではなく -1,1 をとるものとするgif。 ネットワークに記憶させたいパターン数を P 個、s 番目のパターンを tex2html_wrap_inline764 とする。 パターン s を記憶するとは、そのパターンに対するエネルギー関数を最小化す ることに相当する。しきい値を 0 としたときパターン tex2html_wrap_inline766 に関するエ ネルギー関数

equation249

を最小化するもっとも簡単な方法は、 tex2html_wrap_inline768tex2html_wrap_inline770 に依存するように tex2html_wrap_inline772 を設定するばよいgiftex2html_wrap_inline778 とすれば

equation259

となる(相関行列)。

すべてのパターンについての結合係数は、

equation272

によって近似的に求めるめることができる。 記憶すべきパターンが似ていたり、パターンベクトルの次元数 n に対して パターン数 P の数が多すぎると正しき記憶できないことがある。 このパターン間の相互干渉のことをクロストークという。 ホップフィールドは記憶できるパターン数はユニット数の 15 % 程度である ことを示した。

相関行列を用いてホップフィールドネットの結合強度を決定する方法に対し、 一般化逆行列 generalized inverse matrix の概念を導入し、クロ ストークを生じさせないようパターンを直交化して記憶する方法が提案されてい る。一般化逆行列にはいくつかの定義があるが、ムーア-ペンローズ Moore-Penrose の定義を用いることにすれば、

equation278

記名するパターンを tex2html_wrap_inline780 のように並べて できる tex2html_wrap_inline782 行列を tex2html_wrap_inline784 としたとき tex2html_wrap_inline786 は一般化逆行列を 用いて以下のように求められる。

equation288

なおネットワークの状態変化を行なうには、W を結合強度行列として 1 を用いればよい。



Shinichi Asakawa
Fri Dec 10 18:28:22 JST 1999