前回は文章中心のスライドを作成しましたが、今回は図形中心のスライドを作成します。 スライド上で図形を作成するには、自分で基本図形を組み合わせる方法と、あらかじめ用意された図形のパターンを利用する方法があります。 そこで、まずは、基本図形を組み合わせたスライドを作成してみます。
作成するスライドは、理科の授業を想定した、太陽系の模式図です。
それでは、PowerPointを起動し、「新しいプレゼンテーション」を選択してください。 用意されるスライドはタイトル・スライドなので、リボンの「ホーム」の「レイアウト」ボタンをクリックして、「タイトルのみ」に変更します。
スライド・タイトルの部分に「太陽系」と入力し、フォントと字の大きさを、例えばMS Pゴシック48に変更します。
図形を挿入するボタンは、リボンの「ホーム」や「挿入」にあります。 ここではリボンの「ホーム」にある「図形」から、「楕円」を選択します。
図形を選択したあと、挿入したい場所でドラッグすると、図形が挿入されます。 図形の設定をするには、図形をクリックしてからリボンの「図形の書式」で行います。 この場合、楕円を正確な円にするには、サイズの縦横を同じにします。
ここで、円を黒い太枠にします。 まず、「図形の枠線」ボタンをクリックして黒を選択します。 そして、「図形の枠線」→「太さ」→「3pt」とクリックして、枠線を太くします。
円の内部は白にします。 「図形の塗りつぶし」ボタンをクリックして、白を選択してください。
これで円が1つできました。 この円をあと8個作るのですが、コピー・アンド・ペーストでやることにします。 まず、図形をクリックし、リボンの「ホーム」の「コピー」ボタンをクリックします。
そして、「貼り付け」ボタンを8回クリックします。
すると、円が9個になります。
これら9個の円を水平かつ等間隔に並べるのですが、ここでは、リボンの「ホーム」や「図形の書式」にある、配置機能を利用します。 その準備として、最後に貼り付けた円を右側に移動します。
そして、9個の円すべてを含むようにドラッグします。
すると、9個の円すべてが選択されます。
そして、リボンの「ホーム」の「配置」ボタンをクリックし、「配置」→「上下中央揃え」とクリックします。
そして、リボンの「ホーム」の「配置」ボタンをクリックし、「配置」→「左右に整列」とクリックします。
これで、9個の円が水平かつ等間隔に並びます。 この全体が選択された状態で、キーボードの矢印キーを押すと、全体の位置が微調整できます。
次に水平線を引きます。 これは、リボンの「ホーム」の「図形」から、「線」を選択します。
そして、線を挿入したい場所でドラッグします。 もし、どうしても線が水平にならないならば、ほぼ水平の状態にして、リボンの「図形の書式」の「サイズ」で、縦をゼロにしてください。 そして、「図形の枠線」ボタンで、黒で太さ3ptにしてください。
水平線を9個の円の後ろ側にするには、水平線が選択された状態で、リボンの「ホーム」の「配置」ボタンをクリックし、「最背面へ移動」をクリックします。
最後に、円の下に「太陽」、「水星」などのテキストを入れます。 これはテキスト・ボックスを利用します。 リボンの「ホーム」の「図形」から、「テキスト ボックス」を選択してください。
テキスト・ボックスを挿入したい場所でドラッグします。 そして、「太陽」と入力します。 フォントと字の大きさを、例えばMS Pゴシック24に変更します。 ここで、「中央揃え」ボタンでテキストをボックスの中央に揃えておくと、テキスト・ボックスをコピー・アンド・ペーストしても揃えやすくなります。
円のときと同じように、コピー・アンド・ペーストでテキスト・ボックスを9個にします。
そして、最後に貼り付けたテキスト・ボックスを右側に移動します。
円のときと同じように、すべてのテキスト・ボックスを選択された状態にし、リボンの「ホーム」の「配置」ボタン→「配置」→「上下中央揃え」とクリックし、「配置」ボタン→「配置」→「左右に整列」とクリックします。
この全体が選択された状態で、キーボードの矢印キーを押して、全体の位置を微調整します。
最後に、左端の「太陽」以外のテキストを入力しなおすと、完成です。
自分で基本図形を組み合わせる方法は、やはり大変です。 それに対する「あらかじめ用意された図形のパターンを利用する方法」とは、SmartArtのことです。 SmartArt とは、リスト、手順、階層構造などを表した図形の枠組みです。 スライドにSmartArtを挿入し、そこにテキストを入力すると、リスト、手順、階層構造などのスライドが完成します。 SmartArtの色やスタイルは、変更することができます。 また、SmartArtに項目を追加することも可能で、そのときは、図形の配置やテキストの大きさが自動的に調節されます。
SmartArtのテキストは、内部では箇条書きになっています。 つまり、図形にテキストを入力する代わりに、SmartArtの「テキストウィンドウ」を開き、その中に箇条書きを入力してもよいのです。 また、箇条書きをSmartArtに変換することができますし、SmartArtを箇条書きに変換することもできます。
前回のとおりにWord文書をアウトラインで箇条書きにし、今回のとおりに箇条書きをSmartArtに変換すると、非常に効率的にスライドを作成できます。
SmartArtを使うには、以下の方法があります。
いずれの方法でも、アイコンをクリックするか、分類(リスト、手順、階層構造など)をクリックしてからアイコンをクリックします。
なお、SmartArtのレイアウトは、一度決めても後で変更できます。 変更するには、「レイアウト」のアイコンをクリックするか、「その他のレイアウト」をクリックし、「SmartArtグラフィックの選択」ウィンドウのアイコンをクリックします。
SmartArtのレイアウトを決定したら、[テキスト]にテキストを入力していきます。
SmartArtをクリックし、リボンの「SmartArtのデザイン」をクリックすると、以下のボタンでSmartArtを変更できます。
なお、「色の変更」ボタンでSmartArtの色が変更できますし、「SmartArtのスタイル」のアイコンをクリックすると、SmartArtのスタイルを変更できます。 また、「変換」をクリックし、「テキストに変換」をクリックすると、SmartArtが箇条書きになります。
SmartArtの変更の仕方は、レイアウトによって少しずつ違います。 そこで今回は、はじめから演習にして、SmartArtを操作することにします。 内容は、文部科学省の小学校学習指導要領に基づいています。
[SmartArt]例を参考にして、SmartArtを作成してください。 作成するSmartArtについては、
(1)タイトルに「小学校で教えること」と入力し、サブタイトルにスペース1つを入力します。 (これはSmartArtではありません。)
(2)タイトルに「小学校の教科」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「リスト」→「横方向箇条書きリスト」とクリックします。 右に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。
(3)タイトルに「小学校の教科以外の授業」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「リスト」→「縦方向箇条書きリスト」とクリックします。 下に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。 箇条書きが書けるようにするには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「行頭文字の追加」とクリックします。
(4)タイトルに「小学校で教える国語」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「階層構造」→「階層」とクリックします。 右に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。 下に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「下に図形を追加」とクリックします。 いらない項目を削除するには、Deleteキーを押します。
(5)タイトルに「小学校の国語で教える漢字」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「ピラミッド」→「基本ピラミッド」とクリックします。 下に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。 箇条書きが書けるようにするには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「行頭文字の追加」とクリックします。
(6)タイトルに「小学校で教える社会」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「ピラミッド」→「反転ピラミッド」とクリックします。 箇条書きが書けるようにするには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「行頭文字の追加」とクリックします。
(7)タイトルに「小学校の算数で教える数」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「手順」→「縦方向プロセス」とクリックします。 下に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。
(8)タイトルに「小学校の算数で教える平面図形」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「手順」→「強調ステップ」とクリックします。 右に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。
(9)タイトルに「小学校で教える理科」と入力し、SmartArtアイコンをクリックして、「階層構造」→「横方向階層」とクリックします。 下に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「後に図形を追加」とクリックします。 右に項目を追加するには、リボンで「SmartArtのデザイン」→「図形の追加」の三角→「下に図形を追加」とクリックします。
(10)タイトルに「参考文献」と入力し、箇条書きに「[1] 小学校学習指導要領(平成20年3月)(文部科学省)」と入力します。 (これはSmartArtではありません。)
今日の演習11の答案(PowerPointファイル)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(12月9日)を明記してください。