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情報処理技法(リテラシ)II 第10回

目次
索引

PowerPoint(1)

研究発表の重要性

多くの学科・専攻では、卒業論文を提出した後で、その内容を研究発表しなくてはいけません。 実際、卒業論文を読むのは指導教員だけで、他の教員は卒業論文の内容が分かりません。 研究発表を聞くことで、教員全員が卒業論文の内容を理解するのです。

たとえ、卒業論文がうまく書けたとしても、研究発表で失敗してしまうと、指導教員以外の教員は「この学生を卒業させていいのか?」と思ってしまいます。 そうならないためにも、卒業論文だけでなく、研究発表も十分に準備をするべきです。

学科・専攻によっては、卒業論文だけでなく、授業のレポートでも研究発表を求められることがあります。 大学生活では、レポート作成や論文作成と同じくらい、研究発表は重要なのです。

スライド作成の手順

Wordでレポートや論文を作成するときは、1ページ目から順番に書くのではなく、まず見出しを固めてから文章を書いたほうがよいと説明しました。 PowerPointでスライドを作成するときも、1枚目から順番に作るのではなく、まずスライド・タイトルを全部決め、それから箇条書きや図表を作成すると、うまくいきます。 スライド・タイトルができた段階で、スライドの全体像が見えるからです。

ただ、多くの場合は、自分がWordで書いたレポートや論文をもとにして、そこから取捨選択してPowerPointのスライドにします。 そこで、この授業では、文字だけが入力されたWord文書やPDF文書を、効率的にPowerPointのスライドにする方法を紹介します。 (総務省統計局の文書を利用するのは練習のためで、剽窃を勧めているわけではありません。)

スライド・マスター

PowerPointでスライドを作成するときは、最初にスライドのテーマを決定します。 PowerPointには、数十種類のテーマが用意されていますので、内容にあったものを選びます。 ここでは、白いテーマのままにします。

テーマを決めたらスライドを作成してもいいですが、ここでは、スライド・マスターを設定します。 スライド・マスター を設定すると、すべてのスライドについて、スライド・タイトルや箇条書きのフォントや字の大きが設定できます。 1枚1枚のスライドのフォントや字の大きを変更してもいいですが、スライド・マスターを利用すると、自動的に統一感のあるスライドが作成できるのです。

ここでは、最近の(Office 2016以降の)游ゴシックではなく、伝統的な(Office 2013以前の)MS ゴシックを使うことにします。

それでは、PowerPointを起動し、リボンの「表示」をクリックし、「スライドマスター」をクリックします。 すると、左側に数枚のスライドが表示されます。

スライド・マスターの設定(1)
スライド・マスターの設定(1)

上から順に、

  1. Office テーマ スライド マスター
  2. タイトル スライド レイアウト
  3. タイトルとコンテンツ レイアウト

です。 基本的に、2番目の「タイトル スライド レイアウト」と、3番目の「タイトルとコンテンツ レイアウト」のみ設定します。

リボンの「ホーム」をクリックし、左側の「タイトル スライド レイアウト」(上から2番目)をクリックします。 右側のスライドの「マスタータイトルの書式設定」をドラッグし、リボンでフォントを「MS ゴシック」にし、字の大きさを「60」にします。 これで、タイトル・スライドのタイトルのフォントが設定されます。 同じように、「マスターサブタイトルの書式設定」をドラッグし、リボンでフォントを「MS ゴシック」にし、字の大きさを「36」にします。 これで、タイトル・スライドのサブタイトルのフォントが設定されます。

スライド・マスターの設定(2)
スライド・マスターの設定(2)

左側の「タイトルとコンテンツ レイアウト」(上から3番目)をクリックします。 右側のスライドの「マスタータイトルの書式設定」をドラッグし、リボンのフォントを「MS ゴシック」にし、字の大きさを「48」にします。 これで、「タイトルとコンテンツ」スライドのタイトルのフォントが設定されます。 同じように、「マスターテキストの書式設定」をドラッグし、リボンでフォントを「MS ゴシック」にし、字の大きさを「36」にします。 これで、「タイトルとコンテンツ」スライドの箇条書きのフォントが設定されます。

スライド・マスターの設定(3)
スライド・マスターの設定(3)

スライド・マスターの設定が終わったら、リボンの「スライドマスター」をクリックし、「マスター表示を閉じる」をクリックします。

アウトライン

PowerPointのスライドにするWord文書の例として、国勢調査の報告書から抜粋したものを利用します。 以下のファイルをダウンロードしてください。

lit2_10_data.docx

このWord文書の元になる報告書は、次の方法で開けます。 総務省統計局のホームページ( https://www.stat.go.jp/ )を開き、「統計データ」→「分野別一覧」→「国勢調査」→「前回調査の結果」とクリックすると、国勢調査の報告書へのリンクがまとめられています。( https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka.html ) 人口等基本集計結果の「要約」をクリックすると、「平成27年国勢調査人口等基本集計結果要約」という報告書が表示されます。

Wordの原稿(文字だけ)をドラッグし、右クリックして「コピー」をクリックします。

PowerPointのリボンの「表示」をクリックし、「アウトライン表示」をクリックして、左側に アウトライン (文字だけ)が表示されるようにします。

アウトラインの作成(1)
アウトラインの作成(1)

アウトライン領域をクリックし、Enterキーを2回押して、3枚目にカーソルがある状態にします。 (カーソルが現れない場合は、右側のスライド領域をクリックしてから、左側のアウトライン領域をクリックしてください。)

アウトラインの作成(2)
アウトラインの作成(2)

リボンの「ホーム」をクリックし、「貼り付け」ボタンの下の三角をクリックして、「形式を選択して貼り付け」をクリックして、「書式なしテキスト」を選択します。 (これで、原稿全体が3枚目のタイトルになります。)

アウトラインの作成(3)
アウトラインの作成(3)
アウトラインの作成(4)
アウトラインの作成(4)

3枚目の原稿の先頭をクリックしてカーソルを移動し、Tabキーを押します。 または、原稿全体をドラッグし、右クリックして「レベル下げ」をクリックします。 (これで、原稿全体が2枚目の箇条書きになります。)

アウトラインの作成(5)
アウトラインの作成(5)

スライド・タイトルにしたい行の先頭で、Shiftキーを押しながらTabキーを押すと、スライド・タイトルになります。 または、行をドラッグし、右クリックして「レベル上げ」をクリックします。

アウトラインの作成(6)
アウトラインの作成(6)

余計な文字や空白を削除します。

アウトラインの作成(7)
アウトラインの作成(7)

アウトライン領域では、Tabキーを押すとレベルが下がります。 つまり、スライド・タイトル→箇条書き→箇条書きの箇条書きと変化します。 Shiftキーを押しながらTabキーを押すと、レベルが上がります。 つまり、箇条書きの箇条書き→箇条書き→スライド・タイトルと変化します。

アウトライン領域では、スライド・タイトルでEnterキーを押すと、新しいスライドが挿入されます。 また、箇条書きでEnterキーを押すと、新しい項目が挿入されます。

箇条書きが多くて数枚に分割したい場合は、スライド・タイトルの右でEnterキーを押します。 そして、新しいスライド・タイトルを入力し、スライド・タイトルをドラッグし、下にドラッグします。

アウトラインの作成(8)
アウトラインの作成(8)
アウトラインの作成(9)
アウトラインの作成(9)

箇条書きが少なくて1枚にまとめたい場合は、スライド・タイトルを削除すればよいです。

リボンの「表示」をクリックし、「標準」をクリックすると、左側がスライドの縮小表示になります。

アウトライン(1)
アウトライン(1)

演習10

[アウトライン]スライド・マスターとアウトラインを利用して、効率的にPDF文書をPowerPointのスライドにしてください。 PDF文書は、総務省統計局の平成18年(2006年)以降の家計調査年報のp.3からp.5に載っている、「平成xx年の家計をめぐる事象」または「20xx年の家計をめぐる主な動き」とします。

総務省統計局のホームページ( https://www.stat.go.jp/ )を開き、「統計データ」→「分野別一覧」→「家計調査」→「調査の結果」→「結果の解説」とクリックすると、毎年の年報へのリンクがまとめられています。( https://www.stat.go.jp/data/kakei/gaikyo/ ) 平成18年(2006年)以降で興味のある年をクリックし、「家計収支の概要」をクリックすると、PDFファイルが表示されます。 このPDFファイルのp.3からp.5に、「平成xx年の家計をめぐる事象」または「20xx年の家計をめぐる主な動き」が載っていますので、この原稿を授業で説明した方法でPowerPointのスライドにします。 (総務省統計局の文書を利用するのは練習のためで、剽窃を勧めているわけではありません。)

アウトライン(2)
アウトライン(2)
アウトライン(3)
アウトライン(3)

レポート課題

今日の演習10の答案(PowerPointファイル)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(12月2日)を明記してください。


参考文献


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2020年11月29日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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