ファイルとフォルダについては、すでに説明しましたが、重要な内容なので復習します。 今日もテスト・ファイルを作成しますので、以前のテスト・ファイル(test.docなど)はゴミ箱に入れておいてください。
ファイル名の拡張子は、ファイルの種類を示す目印なので、拡張子を正しく付けないと、ファイルが開けない場合があります。 ファイルのアイコンをダブルクリックすると、適切なアプリケーションでファイルが開きますが、ファイルのアイコンを右クリックすると、他のアプリケーションでファイルを開くことができます。
ファイル名はファイルを識別するための名前なので、同じフォルダの中の2つのファイルに、同じファイル名を付けることはできません。 異なるフォルダの中の2つのファイルなら、同じファイル名を付けることができます。
Macでは、ホーム・フォルダ(ログイン名のフォルダ)の中に、自由にファイルを保存できます。 ホーム・フォルダの中にある、デスクトップ・フォルダや書類(Documents)フォルダの中にも、自由にファイルを保存できます。 しかし、アプリケーション(Applications)フォルダの中には、自由にファイルを保存することはできません。
ファイルやフォルダには、ファイル名やフォルダ名の他にも、色々な管理情報が付加されています。 重要な管理情報は次の通りです。
ファイルやフォルダの管理情報を確認するには、確認したいファイルやフォルダのアイコンを右クリックして、「情報を見る」を選択します。 すると、管理情報をまとめたウィンドウが開きます。
ファイルやフォルダのサイズについては、"KB", "MB", "GB"という単位が使われます。 これらの意味は、以下の通りです。
単位 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
KB | キロバイト | 約千バイト |
MB | メガバイト | 約百万バイト |
GB | ギガバイト | 約十億バイト |
ファイルやフォルダに所有権やアクセス権があるということは、例えば「このファイルは、自分は読み書きできるが、他人は読み書きできない」という設定ができるということです。 「情報を見る」で開いたウィンドウで、「共有とアクセス権」をクリックすると、どのユーザにどのアクセス権が設定されているのかが表示されます。 ここで、自分以外のアクセス権を「アクセス不可」にすると、他のユーザはそのファイルを読み書きできなくなります。 ただし、むやみにアクセス不可にすると、Macが動かなくなるかもしれません。 アクセス権を変更するのは、自分が作成したファイルやフォルダだけにしてください。 なお、現在の東京女子大学のMacでは、システムの問題で、アクセス権の変更はできません。
フォルダには、ファイルだけなく、他のフォルダも格納できます。 フォルダAの中身がファイルBやフォルダCであることを、Aの下にBやCを書いて表現すると、木の形になります。 (自然界の木は枝が上に伸びますが、この木の形では枝が下に伸びます。) この木の形の構造を、 階層的ファイルシステム ( hierarchical filesystem ) と呼びます。
木の形の根に相当するフォルダを ルートフォルダ ( root folder ) と呼びます。 木の形で一つ上のフォルダを 親フォルダ ( parent folder ) と呼びます。 ユーザに割り当てられたフォルダを ホームフォルダ ( home folder ) と呼びます。
東京女子大学のMacでは、五千人余りのユーザのホームフォルダを、一つの階層的ファイルシステムにまとめています。 例えば、ユーザk10c3000のホームフォルダは、languages_fsの中のhomeの中のk10c3の中にあります。
また、ユーザk10a4000のホームフォルダは、history_fsの中のhomeの中のk10a4の中にあります。
Finderでこの階層構造を確認するには、次のようにします。 まず、メニューバーの「移動」をクリックして、「コンピュータ」を選択すると、ルートフォルダが開きます。 そして、次々とフォルダを開くと、階層構造を上から下へたどることができます。
階層構造を下から上へたどることもできます。 メニューバーの「移動」をクリックして、「内包しているフォルダ」を選択すると、親フォルダが開きます。
階層構造をまとめて見るには、Finderをカラム表示にします。 階層構造の上下がカラム表示の左右に対応します。
ここで、具体的な例を見ながら、階層構造の利用法について説明します。
学生番号K10X1001の東京子は、次の2つのテーマについて、調査を行っているとします。
そして、最初に次の資料を集めたとします。
東京子は、Wordを起動してこれらの資料を入力し、ファイル名を「資料1.doc」〜「資料4.doc」としてデスクトップに保存しました。
ファイル名が「資料1.doc」〜「資料4.doc」では、後で見たとき何の資料か分かりません。 そこで、東京子は、ファイル名を分かりやすいものに変えました。
明日以降も集めた資料を入力すると、祭りの資料と近代文学の資料が混在します。 また、いずれデスクトップがアイコンだらけになってしまいます。 そこで、東京子は、ホームフォルダの中に「レポート」フォルダを作成し、その中に「祭り」フォルダと「近代文学」フォルダを作成しました。
そして、デスクトップにあるファイルを適切なフォルダに移動しました。
これで、資料が増えても大丈夫になりました。 東京子は、資料がもっと増えたなら、「祭り」フォルダの中に地域ごとのフォルダを作成したり、「近代文学」フォルダの中に作者ごとのフォルダを作成しようと考えています。
ここで、ファイルを取り扱う際に注意すべき点を列挙します。 前半は、一般的な注意点です。 後半は、大学のMacと自宅のパソコンの両方を利用する人向けです。
1. ファイル名は分かりやすいものにする。
パソコンをしばらく利用していると、ファイルはどんどん増えていきます。 このとき、「レポート1.doc」、「レポート2.doc」…のようなファイル名を付けたのでは、後で目的のレポートを探すとき、全てのファイルを開くことにもなりかねません。 ファイルには、後で内容が思い出せるようなファイル名を付けてください。
2. 重要なファイルはバックアップを取る。
東京女子大学のMacは専門家が管理しているので、地震や火災でもない限り、ファイルが消滅することはありません。 それに対し、自宅のパソコンの場合は、パソコンが故障したらファイルが読めなくなるでしょう。 また、USBメモリなどにファイルを保存しても、USBメモリを紛失するかもしれません。
卒業論文などの重要なファイルについては、必ずバックアップ(コピー)を取るようにしてください。 例えば、卒業論文を自宅のパソコンに保存し、定期的にUSBメモリにコピーする方法が考えられます。 逆に、卒業論文をUSBメモリに保存し、定期的に自宅のパソコンにコピーしてもよいでしょう。
3. メールにファイルを添付するとき、ファイル名は半角英数にする。
「ファイル名は分かりやすいものにする」という注意点とは矛盾しますが、メールにファイルを添付するとき、ファイル名を半角英数に変更した方がよいでしょう。 理由は、Webメールの場合、日本語のファイル名は文字化けすることが多いからです。 さらに悪いことに、ファイル名に濁点や半濁点を使うと、添付すらできない場合があります。
4. ファイル名の拡張子は省略しない。
Macでは、ファイル名の拡張子を省略しても、そのファイルはダブルクリックで開けます。 それに対し、Windowsでは、ファイル名の拡張子を省略すると、そのファイルはダブルクリックでは開けません。 MacのファイルをWindowsで利用する場合、必ずファイル名に拡張子を付けるようにしてください。
5. "._"から始まるファイル名のファイルは無視する。
例えば、Macのファイル「卒業論文.doc」をWindowsで利用するとき、「卒業論文.doc」の他に「._卒業論文.doc」というファイルが見えるかもしれません。 このような、"._"から始まるファイル名のファイルは、Mac専用のファイルで、Windowsでは無意味です。 Windowsで無理に開こうとはせず、単に無視してください。
6. Macでファイルのアイコンをダブルクリックして、期待したアプリケーションで開かなければ、「情報を見る」で設定をする。
例えば、Windowsのファイル「卒業論文.doc」をMacで利用するとき、ダブルクリックしても、Microsoft Wordでなく他のアプリケーションで開くかもしれません。 そのようなときは、ファイルのアイコンを右クリックして「情報を見る」を選択し、「このアプリケーションで開く」項目で開くアプリケーションを設定してください。
ワープロ ( word processor ) とは、人が読む文書を作成・編集・印刷する機械のことです。 ワープロの機能を持つアプリケーションを、ワープロ・ソフトと呼びます。
ワープロは文書を清書する機械であると考えられがちですが、より重要なのは、ワープロを使うと文書が編集できることです。 ワープロでは、文章を順番に入力する必要はありません。 思いついた文章を次々と入力し、それらを移動・削除しながら文書を作り上げることができます。 また、できあがった文書の加筆・訂正も簡単です。
さらに、ワープロでは、字の大きさや色を変えたり、図や表を埋め込むこともできます。 ワープロを使えば、報告書や手紙だけでなく、チラシやポスターも書けるのです。
ワープロ・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社のWordが最も使われています。 なお、この授業ではMac用のWordを利用しますが、使い方はWindows用のWordとだいたい同じです。
なお、Wordは、バージョン2007以降、ファイル形式を変更しました。 新しいWordのファイルと古いWordのファイルは、ファイルの拡張子で区別します。 新しいWordは.docxで、古いWordは.docです。 東京女子大学のMacのWord(バージョン2008)で作成したファイルを、古いWordで開く可能性がある場合は、ファイルを保存するときに、「フォーマット」メニューを「Word文書(.docx)」から「Word 97-2004文書(.doc)」に変更してください。
授業では、すでにWordの最低限の使い方は説明しました。 ここでは、まだ触れていない基本的な内容を紹介します。
まず、Wordを起動すると、新規文書のウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規作成」を選択します。 Dockのアイコンを何度クリックしても、ウィンドウは増えません。
Wordを起動すると、文書ウィンドウの上側にツールバーなどが表示され、書式パレットなどのウィンドウも開きます。 ツールバーや書式パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作は、メニューバーから選択します。 したがって、基本操作については、メニューバーでもツールバーでも書式パレットでもできるわけです。 この授業では、主に書式パレットを利用することにします。 なお、書式パレットが表示されていない場合は、メニューバーの「表示」をクリックし、「書式パレット」を選択してください。
Wordの使用中に、操作ミスで文章が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーの「編集」をクリックし、「元に戻す」を選択すると、たいていは元に戻ります。
ただし、Wordのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなると、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない文章はたいていは消滅します。 文書を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。
画面に表示したり紙に印刷したりする文字の種類を、 フォント ( font ) と呼びます。 日本語のフォントには、明朝体やゴシック体などがあります。 英語のフォントには、TimesやCourierなどがあります。 文字の大きさ、太さ、傾きなども、フォントの要素です。
文字列のフォントを変更するには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「フォント」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「名前」を変更します。
「名前」の代わりに「サイズ」を変更すると、文字の大きさが変わります。 また、「B」をクリックすると太字になり、「I」をクリックすると斜体になります。 「U」をクリックすると下線が引かれます。
普通、文章は左端から書き始めますが、部分的に文字列を中央に揃えることがあります。 このとき、スペースをたくさん入力して揃えるのは正しくありません。
文字列を中央に揃えるには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に「横位置」の中央揃えのボタンをクリックします。
中央揃えボタンの代わりに右揃えボタンをクリックすると、右に揃います。
本などでは、全体はいくつかの章に分かれ、それぞれの章はいくつかの節に分かれ、それぞれの節はいくつかの小節に分かれます。 レポートなどでは、普通は章は設けませんが、節や小節は使われます。 章や節の最初にある、「第1章 東京女子大学の歴史」や「1.1 歴史の概要」のような部分を、 見出し ( heading ) と呼びます。
見出しは目立つように書かれますが、そのスタイルを自分で決め、文書全体で統一するのは面倒です。 あらかじめ用意されているスタイルを利用すれば、簡単にスタイルを統一できます。
ここで、最も大きな文書単位(章や節)の見出しをレベル1の見出し、次に大きな文書単位の見出しをレベル2の見出し、…と呼びます。
文字列をレベル1の見出しにするには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「スタイル」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「見出し1」をクリックします。
「見出し1」の代わりに「見出し2」をクリックすると、レベル2の見出しになります。 「標準」をクリックすると、見出しではなくなります。
なお、見出しの左端には四角の印が表示されますが、これは印刷されません。
ワープロ・ソフトでは右端で自動的に改行されるので、returnキーは段落の終わりに使うことは、以前説明しました。 Wordでは、段落ごとに行間を広げたり、余白を設けたりできます。
段落の行間を広げるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「行間」欄のボタンをクリックします。
特殊な段落として、 引用 ( quotation ) があります。 引用は他人が書いた文章なので、自分が書く文章と区別する必要があります。 引用を示す一つの方法は、上下左右に余白を設けることです。
段落の上下左右に余白を設けるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「段落の間隔」欄の「段落前」と「段落後」を例えば1にし、「インデント」欄の「左」と「右」を例えば2にします。