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コンピュータI(コンピュータリテラシ)第8回

目次
8.1 ファイルとフォルダ(5)
8.1.1 ファイルの復習
8.1.2 ファイルの管理情報
8.1.3 階層的ファイルシステム
8.1.4 階層構造の表示
8.1.5 階層構造の例
8.1.6 ファイルに関する注意事項
8.2 ワープロ(3)
8.2.1 ワープロとは
8.2.2 Wordの基本
8.2.3 フォントの変更
8.2.4 文字列の位置揃え
8.2.5 見出し
8.2.6 段落
8.3 参考文献
索引
アクセス権   引用   親フォルダ   階層的ファイルシステム   サイズ   所有権   フォント   変更日   ホームフォルダ   見出し   ルートフォルダ   ワープロ  

8.1 ファイルとフォルダ(5)

8.1.1 ファイルの復習

ファイルとフォルダについては、すでに説明しましたが、重要な内容なので復習します。 今日もテスト・ファイルを作成しますので、以前のテスト・ファイル(test.docなど)はゴミ箱に入れておいてください。

ファイル名の拡張子は、ファイルの種類を示す目印なので、拡張子を正しく付けないと、ファイルが開けない場合があります。 ファイルのアイコンをダブルクリックすると、適切なアプリケーションでファイルが開きますが、ファイルのアイコンを右クリックすると、他のアプリケーションでファイルを開くことができます。

ファイル名はファイルを識別するための名前なので、同じフォルダの中の2つのファイルに、同じファイル名を付けることはできません。 異なるフォルダの中の2つのファイルなら、同じファイル名を付けることができます。

Macでは、ホーム・フォルダ(ログイン名のフォルダ)の中に、自由にファイルを保存できます。 ホーム・フォルダの中にある、デスクトップ・フォルダや書類(Documents)フォルダの中にも、自由にファイルを保存できます。 しかし、アプリケーション(Applications)フォルダの中には、自由にファイルを保存することはできません。

8.1.2 ファイルの管理情報

ファイルやフォルダには、ファイル名やフォルダ名の他にも、色々な管理情報が付加されています。 重要な管理情報は次の通りです。

サイズsize
ファイルが何バイトで構成されているかを示します。
変更日modified date
ファイルが最後に変更された日時を示します。
所有権ownership
ファイルがどのユーザのものかを示します。
アクセス権permission
ファイルの読み書きの許可/禁止を示します。

ファイルやフォルダの管理情報を確認するには、確認したいファイルやフォルダのアイコンを右クリックして、「情報を見る」を選択します。 すると、管理情報をまとめたウィンドウが開きます。

ファイルやフォルダのサイズについては、"KB", "MB", "GB"という単位が使われます。 これらの意味は、以下の通りです。

表 8.1  ファイルやフォルダのサイズの単位
単位 読み方 意味
KB キロバイト 約千バイト
MB メガバイト 約百万バイト
GB ギガバイト 約十億バイト

ファイルやフォルダに所有権やアクセス権があるということは、例えば「このファイルは、自分は読み書きできるが、他人は読み書きできない」という設定ができるということです。 「情報を見る」で開いたウィンドウで、「共有とアクセス権」をクリックすると、どのユーザにどのアクセス権が設定されているのかが表示されます。 ここで、自分以外のアクセス権を「アクセス不可」にすると、他のユーザはそのファイルを読み書きできなくなります。 ただし、むやみにアクセス不可にすると、Macが動かなくなるかもしれません。 アクセス権を変更するのは、自分が作成したファイルやフォルダだけにしてください。 なお、現在の東京女子大学のMacでは、システムの問題で、アクセス権の変更はできません。

8.1.3 階層的ファイルシステム

フォルダには、ファイルだけなく、他のフォルダも格納できます。 フォルダAの中身がファイルBやフォルダCであることを、Aの下にBやCを書いて表現すると、木の形になります。 (自然界の木は枝が上に伸びますが、この木の形では枝が下に伸びます。) この木の形の構造を、 階層的ファイルシステムhierarchical filesystem ) と呼びます。

木の形の根に相当するフォルダを ルートフォルダroot folder ) と呼びます。 木の形で一つ上のフォルダを 親フォルダparent folder ) と呼びます。 ユーザに割り当てられたフォルダを ホームフォルダhome folder ) と呼びます。

東京女子大学のMacでは、五千人余りのユーザのホームフォルダを、一つの階層的ファイルシステムにまとめています。 例えば、ユーザk10c3000のホームフォルダは、languages_fsの中のhomeの中のk10c3の中にあります。

ファイルシステム(1)
図 8.1  ファイルシステム(1)

また、ユーザk10a4000のホームフォルダは、history_fsの中のhomeの中のk10a4の中にあります。

ファイルシステム(2)
図 8.2  ファイルシステム(2)

8.1.4 階層構造の表示

Finderでこの階層構造を確認するには、次のようにします。 まず、メニューバーの「移動」をクリックして、「コンピュータ」を選択すると、ルートフォルダが開きます。 そして、次々とフォルダを開くと、階層構造を上から下へたどることができます。

階層構造を下から上へたどることもできます。 メニューバーの「移動」をクリックして、「内包しているフォルダ」を選択すると、親フォルダが開きます。

階層構造をまとめて見るには、Finderをカラム表示にします。 階層構造の上下がカラム表示の左右に対応します。

8.1.5 階層構造の例

ここで、具体的な例を見ながら、階層構造の利用法について説明します。

学生番号K10X1001の東京子は、次の2つのテーマについて、調査を行っているとします。

そして、最初に次の資料を集めたとします。

  1. 東京の神田祭
  2. 京都の祇園祭
  3. 森鴎外の『舞姫』
  4. 夏目漱石の『坊っちゃん』

東京子は、Wordを起動してこれらの資料を入力し、ファイル名を「資料1.doc」〜「資料4.doc」としてデスクトップに保存しました。

ファイルシステム(3)
図 8.3  ファイルシステム(3)

ファイル名が「資料1.doc」〜「資料4.doc」では、後で見たとき何の資料か分かりません。 そこで、東京子は、ファイル名を分かりやすいものに変えました。

ファイルシステム(4)
図 8.4  ファイルシステム(4)

明日以降も集めた資料を入力すると、祭りの資料と近代文学の資料が混在します。 また、いずれデスクトップがアイコンだらけになってしまいます。 そこで、東京子は、ホームフォルダの中に「レポート」フォルダを作成し、その中に「祭り」フォルダと「近代文学」フォルダを作成しました。

ファイルシステム(5)
図 8.5  ファイルシステム(5)

そして、デスクトップにあるファイルを適切なフォルダに移動しました。

ファイルシステム(6)
図 8.6  ファイルシステム(6)

これで、資料が増えても大丈夫になりました。 東京子は、資料がもっと増えたなら、「祭り」フォルダの中に地域ごとのフォルダを作成したり、「近代文学」フォルダの中に作者ごとのフォルダを作成しようと考えています。

8.1.6 ファイルに関する注意事項

ここで、ファイルを取り扱う際に注意すべき点を列挙します。 前半は、一般的な注意点です。 後半は、大学のMacと自宅のパソコンの両方を利用する人向けです。

1. ファイル名は分かりやすいものにする。

パソコンをしばらく利用していると、ファイルはどんどん増えていきます。 このとき、「レポート1.doc」、「レポート2.doc」…のようなファイル名を付けたのでは、後で目的のレポートを探すとき、全てのファイルを開くことにもなりかねません。 ファイルには、後で内容が思い出せるようなファイル名を付けてください。

2. 重要なファイルはバックアップを取る。

東京女子大学のMacは専門家が管理しているので、地震や火災でもない限り、ファイルが消滅することはありません。 それに対し、自宅のパソコンの場合は、パソコンが故障したらファイルが読めなくなるでしょう。 また、USBメモリなどにファイルを保存しても、USBメモリを紛失するかもしれません。

卒業論文などの重要なファイルについては、必ずバックアップ(コピー)を取るようにしてください。 例えば、卒業論文を自宅のパソコンに保存し、定期的にUSBメモリにコピーする方法が考えられます。 逆に、卒業論文をUSBメモリに保存し、定期的に自宅のパソコンにコピーしてもよいでしょう。

3. メールにファイルを添付するとき、ファイル名は半角英数にする。

「ファイル名は分かりやすいものにする」という注意点とは矛盾しますが、メールにファイルを添付するとき、ファイル名を半角英数に変更した方がよいでしょう。 理由は、Webメールの場合、日本語のファイル名は文字化けすることが多いからです。 さらに悪いことに、ファイル名に濁点や半濁点を使うと、添付すらできない場合があります。

4. ファイル名の拡張子は省略しない。

Macでは、ファイル名の拡張子を省略しても、そのファイルはダブルクリックで開けます。 それに対し、Windowsでは、ファイル名の拡張子を省略すると、そのファイルはダブルクリックでは開けません。 MacのファイルをWindowsで利用する場合、必ずファイル名に拡張子を付けるようにしてください。

5. "._"から始まるファイル名のファイルは無視する。

例えば、Macのファイル「卒業論文.doc」をWindowsで利用するとき、「卒業論文.doc」の他に「._卒業論文.doc」というファイルが見えるかもしれません。 このような、"._"から始まるファイル名のファイルは、Mac専用のファイルで、Windowsでは無意味です。 Windowsで無理に開こうとはせず、単に無視してください。

6. Macでファイルのアイコンをダブルクリックして、期待したアプリケーションで開かなければ、「情報を見る」で設定をする。

例えば、Windowsのファイル「卒業論文.doc」をMacで利用するとき、ダブルクリックしても、Microsoft Wordでなく他のアプリケーションで開くかもしれません。 そのようなときは、ファイルのアイコンを右クリックして「情報を見る」を選択し、「このアプリケーションで開く」項目で開くアプリケーションを設定してください。


8.2 ワープロ(3)

8.2.1 ワープロとは

ワープロword processor ) とは、人が読む文書を作成・編集・印刷する機械のことです。 ワープロの機能を持つアプリケーションを、ワープロ・ソフトと呼びます。

ワープロは文書を清書する機械であると考えられがちですが、より重要なのは、ワープロを使うと文書が編集できることです。 ワープロでは、文章を順番に入力する必要はありません。 思いついた文章を次々と入力し、それらを移動・削除しながら文書を作り上げることができます。 また、できあがった文書の加筆・訂正も簡単です。

さらに、ワープロでは、字の大きさや色を変えたり、図や表を埋め込むこともできます。 ワープロを使えば、報告書や手紙だけでなく、チラシやポスターも書けるのです。

ワープロ・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社のWordが最も使われています。 なお、この授業ではMac用のWordを利用しますが、使い方はWindows用のWordとだいたい同じです。

なお、Wordは、バージョン2007以降、ファイル形式を変更しました。 新しいWordのファイルと古いWordのファイルは、ファイルの拡張子で区別します。 新しいWordは.docxで、古いWordは.docです。 東京女子大学のMacのWord(バージョン2008)で作成したファイルを、古いWordで開く可能性がある場合は、ファイルを保存するときに、「フォーマット」メニューを「Word文書(.docx)」から「Word 97-2004文書(.doc)」に変更してください。

8.2.2 Wordの基本

授業では、すでにWordの最低限の使い方は説明しました。 ここでは、まだ触れていない基本的な内容を紹介します。

まず、Wordを起動すると、新規文書のウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規作成」を選択します。 Dockのアイコンを何度クリックしても、ウィンドウは増えません。

Wordを起動すると、文書ウィンドウの上側にツールバーなどが表示され、書式パレットなどのウィンドウも開きます。 ツールバーや書式パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作は、メニューバーから選択します。 したがって、基本操作については、メニューバーでもツールバーでも書式パレットでもできるわけです。 この授業では、主に書式パレットを利用することにします。 なお、書式パレットが表示されていない場合は、メニューバーの「表示」をクリックし、「書式パレット」を選択してください。

Wordの使用中に、操作ミスで文章が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーの「編集」をクリックし、「元に戻す」を選択すると、たいていは元に戻ります。

ただし、Wordのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなると、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない文章はたいていは消滅します。 文書を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。

8.2.3 フォントの変更

画面に表示したり紙に印刷したりする文字の種類を、 フォントfont ) と呼びます。 日本語のフォントには、明朝体やゴシック体などがあります。 英語のフォントには、TimesやCourierなどがあります。 文字の大きさ、太さ、傾きなども、フォントの要素です。

文字列のフォントを変更するには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「フォント」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「名前」を変更します。

「名前」の代わりに「サイズ」を変更すると、文字の大きさが変わります。 また、「B」をクリックすると太字になり、「I」をクリックすると斜体になります。 「U」をクリックすると下線が引かれます。

8.2.4 文字列の位置揃え

普通、文章は左端から書き始めますが、部分的に文字列を中央に揃えることがあります。 このとき、スペースをたくさん入力して揃えるのは正しくありません。

文字列を中央に揃えるには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に「横位置」の中央揃えのボタンをクリックします。

中央揃えボタンの代わりに右揃えボタンをクリックすると、右に揃います。

8.2.5 見出し

本などでは、全体はいくつかの章に分かれ、それぞれの章はいくつかの節に分かれ、それぞれの節はいくつかの小節に分かれます。 レポートなどでは、普通は章は設けませんが、節や小節は使われます。 章や節の最初にある、「第1章 東京女子大学の歴史」や「1.1 歴史の概要」のような部分を、 見出しheading ) と呼びます。

見出しは目立つように書かれますが、そのスタイルを自分で決め、文書全体で統一するのは面倒です。 あらかじめ用意されているスタイルを利用すれば、簡単にスタイルを統一できます。

ここで、最も大きな文書単位(章や節)の見出しをレベル1の見出し、次に大きな文書単位の見出しをレベル2の見出し、…と呼びます。

文字列をレベル1の見出しにするには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「スタイル」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「見出し1」をクリックします。

「見出し1」の代わりに「見出し2」をクリックすると、レベル2の見出しになります。 「標準」をクリックすると、見出しではなくなります。

なお、見出しの左端には四角の印が表示されますが、これは印刷されません。

8.2.6 段落

ワープロ・ソフトでは右端で自動的に改行されるので、returnキーは段落の終わりに使うことは、以前説明しました。 Wordでは、段落ごとに行間を広げたり、余白を設けたりできます。

段落の行間を広げるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「行間」欄のボタンをクリックします。

特殊な段落として、 引用quotation ) があります。 引用は他人が書いた文章なので、自分が書く文章と区別する必要があります。 引用を示す一つの方法は、上下左右に余白を設けることです。

段落の上下左右に余白を設けるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「段落の間隔」欄の「段落前」と「段落後」を例えば1にし、「インデント」欄の「左」と「右」を例えば2にします。


8.3 参考文献


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2010年6月9日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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