我々が勉強や仕事で読み書きする文章は、有用な情報を読み手に伝えるための文章です。この目的を果たすためには、読者に伝えたい情報をわかりやすく的確に書かなければなりません。必要な情報があちこちに散在していたりなにが言いたいのかわからないような文章では読んでもらえません。
英語には「パラグラフ・ライティング」という技術があって、パラグラフ(段落)を中心として文章が構成されています。このパラグラフ・ライティングを知っておくと、今回のような本やTimesやNews Weekなどの雑誌を読む時の助けになります。また、卒論や仕事のレポートを日本語で書くときにも役立つはずです。
有用な情報を読者に伝える文章には、以下の「3つのC」が重要です。パラグラフ・ライティングは、「明解」な文章を書く手助けになります。
ひとつのパラグラフは、ひとつの主題を扱います。その主題を表すのが主題文です。主題文はパラグラフの最初に置かれることが多いですが、2番目あるいはパラグラフの最後に置かれることもあります。
この「1パラグラフ1トピック」が重要です。文章を書くときは自分の考えをよくまとめて、同じ主題があちこちに散在したり、ひとつのパラグラフに複数の主題が混じったりしなないように注意しなければなりません。逆にいうと、パラグラフ・ライティングに則ってかかれた文章ならば、パラグラフの主題文を見つけるだけで、そのパラグラフに何が書かれてているのかがわかります。
主題文以外のパラグラフの文章は、その主題を説明したり補足したりしています。英文を読んでいてパラグラフの最初の文が抽象的過ぎて何を言っているのかよくわからないときは、慌てず騒がずそのままパラグラフを読み進めていくと、主題文の説明が書いてあるはずです。
パラグラフ・ライティングでは「結束性」も重要です。結束性とは文章の展開や結びつきのことです。この結束性を意識して読むと、何を書いてあるのかがわかりやすくなります。
たとえば、"in addition"と書いてあったら、前の文に対し情報を付加していますし、"as a result"だったら、前の文章が引き起こす結果が次に書かれています。こういう文の展開のパターンを意識して読むと、辞書を引いてもわからない抽象的な表現がでてきても、前後の文章を照らし合わせることで何が書いてあるのかを推測できます。
また英語では、言い換えもよく使われます。前に述べたことを違う表現で言い直すのです。この代名詞は何を指しているのかとか、この文は前のどの文を言い換えているのかなどを意識して読んでください。
英語は、抽象と具象の階段を自在に上り下りします。主題文で抽象的な名詞表現をしておいてその後に続く文章で具体的に説明したり、ある文で述べた具体例を後の文では抽象的な代名詞で受けたりします。抽象的な表現が出てきたときは、どこかでそれを具体的に説明していないか探してみてください。
パラグラフ・ライティングを意識しながら読むと,文書の理解が容易になります.文章全体を丁寧に読まなくても,各パラグラフの主題文だけを意識して拾い読みすれば,概略がつかめるはずです.