アカデミック環境におけるコンピュータの活用
情報処理技法(リテラシ)Iをもう1段階強化して実践的にアカデミックライティング技術とアカデミックなプレゼンテーション技術を習得する。 そのために、Officeソフトを効果的に利用するためのスキルを身につける。 また、アカデミックライティングやアカデミックなプレゼンテーション資料の作成を通して、論理的思考力を養う。 すなわち文献検索の方法やインターネットの利用方法を学び、情報を効率良く検索し批判的に取捨選択し、それらを用いて生産的に自らのレポートや論文、発表資料として構成しなおす作業を、情報技術を用いて効率良く行える力を身に付ける。
教室外学習(課題)の内容は「情報処理技法(リテラシ)I」の教科書を読む、また担当教員がクラスごとに課題を指示する(スケジュール欄を参照のこと)。 予習・復習の他に、課題は各自が計画的に行うこと。
特にないが、2020年度の「情報処理技法(リテラシ)I」の教科書は、参考書として授業の中で引き続き用いるため、必ず持参すること。
情報処理技法(リテラシー)I教科書(奥村晴彦・森本尚之著「改訂第3版Ver2 基礎からわかる情報リテラシー」技術評論社)
そのほか、内容に応じて適宜紹介する。
以下の4点が評価基準である。
回数 | 授業内容 | 教室外学習 | |
---|---|---|---|
内容 | 時間の目安 | ||
1 |
オリエンテーション、シラバスの説明
クラスごとに進め方の説明 Microsoft365の利用方法の説明 |
シラバスをよく読む。 | 120 |
2 | エクセル(表計算) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のエクセルの箇所を読む。 | 120 |
3 | エクセル(グラフ) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のエクセルの箇所を読む。 | 120 |
4 | エクセルを使った実習 | 担当教員が指示した課題を行う。 Excel(表計算とグラフ)を復習する。 | 120 |
5 | 情報検索(専門用語の意味の検索、国内論文と海外論文の検索、Cinii、OPAC、図書館利用) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書の情報検索の箇所を読む。 | 120 |
6 | 情報検索(ネット上の情報の探し方) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書の情報検索の箇所を読む。 | 120 |
7 | ワード(レポートや論文の基本的な構成) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のWordの箇所を読む。 | 120 |
8 | ワード(レポートや論文の作成で役立つテクニック) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のWordの箇所を読む。 | 120 |
9 | ワードでレポートの作成実習 | 担当教員が指示した課題を行う。 Wordの授業内容を復習する。 | 120 |
10 | パワーポイント(プレゼンテーションの基本、スライドの適切な構成とスライドの作り方) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のPowerPointの箇所を読む。 | 120 |
11 | パワーポイント(スライド作成で役立つテクニック、アニメーションの適切な利用) | 担当教員が指示した課題を行う。 情報処理技法(リテラシ)1の教科書のPowerPointの箇所を読む。 | 120 |
12 | 最終課題1 | 担当教員が指示した課題を行う。 PowerPointの授業内容を復習する。 また発表スライドを作成する。 | 120 |
13 | 最終課題2 | 担当教員が指示した課題を行う。 これまでの授業の内容を復習する。 | 120 |
14 | 最終課題3 | 担当教員が指示した課題を行う。 これまでの授業の内容を復習する。 | 120 |
15 | まとめ | 担当教員が指示した課題を行う。 |
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備考 |
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例年、情報処理技法(リテラシ)Iではタイピング試験を行っています。 今年は、情報処理技法(リテラシ)Iはオンライン授業だけれど、情報処理技法(リテラシ)IIでは対面授業ができるだろうから、そこでタイピング試験を行うという計画でした。 しかし、情報処理技法(リテラシ)IIもオンライン授業になったため、タイピング試験は中止になりました。
この授業の内容を一言で言うと、「アカデミック・ライティング」です。 つまり、レポートや論文の書き方についてです。 「アカデミック・ライティング」と英語で言っていますが、日本語でレポートや論文を書いてもいいです。
今の時代、レポートや論文を書くときは、パソコンを使います。 このとき、パソコンをどう利用したらよいかについて、この授業で説明します。
この授業の進め方は、以下のとおりです。
なお、成績は提出物のみで決まり、試験は実施しません。
レポートや論文を作成するとき、最初に行うのは、資料収集です。 ネット上の情報は参考程度にして、なるべく書籍や論文雑誌を探すようにしてください。
書籍や論文雑誌を探すときは、 文献検索 を行います。 これについては、授業で取り上げます。
ネット上の情報は参考程度にと言いましたが、統計データについては、最新のものをネットから入手したほうがよいです。
統計データを集めるときは、 データ検索 を行います。 これについては、授業で取り上げます。
さて、ちょうどよい統計データを見つけても、そのままでは使えないことが多いです。 必要な部分を取り出し、または組み合わせ、合計や割合を計算するといった作業が必要になります。 これらの作業を、データ加工とよぶことにします。
Excelでの データ加工 については、授業で取り上げます。
資料を十分に検討したあとは、いよいよ文書作成を始めます。 ただし、長文の場合、頭から書き始めても、うまくいきません。 それよりも、まず、文書の全体像を考えたほうがよいです。
文書の全体像ができあがったら、次にそれを見出しにします。 見出しとは、「第1章」「1.1節」のような部分です。 見出しができたら、その間に段落を書いていけばいいのです。
Wordにはアウトラインという機能があり、見出しを書いてから段落を書くという作業がやりやすくなっています。 アウトライン については、授業で取り上げます。
見出しで問題になるのが、見出し番号です。 これを手入力してしまうと、後で見出しを追加・削除したときに、番号を振り直さなくてはいけなくなります。 この作業が間違いやすいのです。 間違えて、「第1章」の次が「第1章」になっていると、それだけで論文の価値が下がります。 図番号や表番号にも同じ問題があります。
Wordには相互参照という機能があり、見出し番号、図番号、表番号を自動的に付けてくれます。 相互参照 については、授業で取り上げます。
また、Wordには参考文献を管理する機能があり、参考文献の一覧が自動的に作成できます。 参考文献作成 については、授業で取り上げます。
論文の場合、その内容をプレゼンテーション・スライドにまとめて、研究発表をすることが多いです。 スライドは、一目見て分かるようにするのが理想です。 ただし、研究分野によっては、スライドが文章中心になる場合もありますし、図形中心になる場合もあります。
PowerPointにはアウトラインという機能があり、文章中心のスライドを効率的に作成できます。 アウトライン については、授業で取り上げます。
また、PowerPointにはSmartArtという機能があり、図形中心のスライドを効率的に作成できます。 SmartArt については、授業で取り上げます。
テキストpp.57--79を参照。
Microsoft 365とは、Microsoft Officeがサブスクリプションで利用できるサービスです。 ここで、一般的にサブスクリプションとは、毎月または毎年料金を支払うと、その期間は利用可能だという購入方法です。
今まで、自宅のパソコンでMicrosoft Officeを利用するには、Microsoft Officeがインストールされたパソコンを買うか、電気店などでパッケージ版のMicrosoft Officeを購入して、パソコンにインストールするか、でした。 パッケージ版はそれなりの金額がしますが、一度購入すればずっと使い続けられます。
これに対して、Microsoft Officeのサブスクリプション版であるMicrosoft 365は、一定期間しか使えませんが、パッケージ版より安くなっています。
現在、最新のパッケージ版はMicrosoft Office 2019ですが、Microsoft 365とMicrosoft Office 2019は、機能的にはほぼ同じです。
この授業のテーマは、Microsoft Officeを利用したレポート・論文作成法ですが、自宅のパソコンにMicrosoft Officeがインストールされていない人のために、東京女子大学情報処理センターがMicrosoft 365を導入したということです。
なお、自宅のパソコンに、すでにMicrosoft Officeがインストールされているのであれば、それをそのまま使った方がよいです。