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情報処理技法(リテラシ)I 第10回

目次
索引

最終課題(1)

「情報処理技法(リテラシ)I」では、通常の課題の他に、最終課題が用意されます。 最終課題は、成績評価の15%を占める重要なものです。 提出期限など、課題の詳細は後で発表しますが、テキストの169ページ以降を読み、今のうちに準備をしておいてください。

専攻によっては、「情報処理技法(リテラシ)I」の公式サイトに、最終課題の参考資料が載っています。 以下のURLを開いてください。

http://www.cis.twcu.ac.jp/ip-edu/literacy1/

ワープロ(3)

ワープロとは

ワープロ word processor )とは、人が読む文書を作成・編集・印刷する機械のことです。 ワープロの機能を持つアプリケーションを、ワープロ・ソフトと呼びます。

ワープロは文書を清書する機械であると考えられがちですが、より重要なのは、ワープロを使うと文書が編集できることです。 ワープロでは、文章を順番に入力する必要はありません。 思いついた文章を次々と入力し、それらを移動・削除しながら文書を作り上げることができます。 また、できあがった文書の加筆・訂正も簡単です。

さらに、ワープロでは、字の大きさや色を変えたり、図や表を埋め込むこともできます。 ワープロを使えば、報告書や手紙だけでなく、チラシやポスターも書けるのです。

ワープロ・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社のWordが最も使われています。 なお、この授業ではMac用のWordを利用しますが、使い方はWindows用のWordとだいたい同じです。

なお、Wordは、バージョン2007以降、ファイル形式を変更しました。 新しいWordのファイルと古いWordのファイルは、ファイルの拡張子で区別します。 新しいWordは.docxで、古いWordは.docです。 東京女子大学のMacのWord(バージョン2011)で作成したファイルを、古いWordで開く可能性がある場合は、ファイルを保存するときに、「フォーマット」メニューを「Word文書(.docx)」から「Word 97-2004文書(.doc)」に変更してください。

Wordの基本

授業では、すでにWordの最低限の使い方は説明しました。 ここでは、まだ触れていない基本的な内容を紹介します。

まず、Wordを起動すると、新規文書のウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーで「ファイル」→「新規作成」とクリックします。 または、ツールバーの「新規作成」ボタンをクリックしてもよいです。 Dockのアイコンを何度クリックしても、ウィンドウは増えません。

Wordを起動すると、文書ウィンドウの上側にツールバーとリボンが表示されます。 ツールバーとリボンでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作については、メニューバーを利用します。 したがって、基本操作については、メニューバーでもツールバーとリボンでもできるわけです。 この授業では、主にツールバーとリボンを利用することにします。 なお、リボンが表示されていない場合は、メニューバーで「表示」→「リボン」とクリックしてください。

Wordの使用中に、操作ミスで文章が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーで「編集」→「元に戻す」とクリックすると、たいていは元に戻ります。 または、ツールバーの「元に戻す」ボタンをクリックしてもよいです。

ただし、Wordのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなると、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない文章はたいていは消滅します。 文書を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。

今日は、ワープロ文書の例として、「情報処理技法(リテラシ)I」の公式サイトの「情報の発表」→「レポートの書き方のサンプル」にある、迷惑メールについてのレポートを取り上げ、同じものをWordで作ることにします。 このレポートを表示したら、右クリックで「Previewで開く」をクリックして「プレビュー」で開くと、コピー・アンド・ペーストがうまくいきます。 Wordの方は、「迷惑メール.docx」というファイル名にして、デスクトップに保存します。

フォントの変更

画面に表示したり紙に印刷したりする文字の種類を、 フォント font )と呼びます。 日本語のフォントには、明朝体やゴシック体などがあります。 英語のフォントには、TimesやCourierなどがあります。 文字の大きさ、太さ、傾きなども、フォントの要素です。

文字列のフォントを変更するには、まず、その文字列をドラッグします。 そして、リボンの「ホーム」をクリックし、「フォント」項目のフォントの名前の三角ボタンをクリックし、フォントを選択します。

フォントの名前の三角ボタンの代わりに、サイズの三角ボタンをクリックすると、文字の大きさが変えられます。 また、「B」をクリックすると太字になり、「I」をクリックすると斜体になります。 「U」をクリックすると下線が引かれます。

それでは、「平日と休日の迷惑メール数の変遷」と入力し、このフォントを色々変えてみてください。

文字列の位置揃え

普通、文章は左端から書き始めますが、部分的に文字列を中央に揃えることがあります。 このとき、スペースをたくさん入力して揃えるのは正しくありません。

文字列を中央に揃えるには、まず、その文字列をドラッグします。 そして、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目の中央揃えボタンをクリックします。 中央揃えボタンの代わりに右揃えボタンをクリックすると、右に揃います。

それでは、文字列「平日と休日の迷惑メール数の変遷」を中央揃えにしてください。 科目名なども入力し、適宜フォントを変更して、中央揃えにしてください。

見出し

本やレポートでは、全体はいくつかの章に分かれ、それぞれの章はいくつかの節に分かれ、それぞれの節はいくつかの小節に分かれます。 短いレポートでは、章を設けないこともありますが、節や小節は使われます。 章や節の最初にある、「第1章 はじめに」や「第1節 平日の迷惑メール件数 の調査結果」のような部分を、 見出し heading )と呼びます。

見出しは目立つように書かれますが、そのスタイルを自分で決め、文書全体で統一するのは面倒です。 あらかじめ用意されているスタイルを利用すれば、簡単にスタイルを統一できます。

ここで、最も大きな文書単位(章や節)の見出しをレベル1の見出し、次に大きな文書単位の見出しをレベル2の見出し、…と呼びます。

文字列をレベル1の見出しにするには、まず、その文字列をドラッグします。 そして、リボンの「ホーム」をクリックし、「スタイル」項目の三角ボタンをクリックし、「見出し1」をクリックします。

「見出し1」の代わりに「見出し2」をクリックすると、レベル2の見出しになります。 「標準」をクリックすると、見出しではなくなります。

なお、見出しの左端には四角の印が表示されますが、これは印刷されません。 見出しを一覧表示するには、ツールバーの「サイドバーの表示/非表示」ボタンをクリックし、サイドバーの「見出しマップ」ボタンをクリックしてください。

第1章 はじめに
第2章 迷惑メールの定義
第3章 迷惑メール件数調査
第1節 平日の迷惑メール件数の調査結果
第2節 休日の迷惑メール件数の調査結果
第4章 考察
第5章 おわりに
参考文献
見出しの例

段落

見出しを入力したら、本文は、例文から適宜コピー・アンド・ペーストしてください。 その際、右クリックで「形式を選択してペースト」を選び、テキストのみペーストすると、余計な書式をペーストしなくなります。

ワープロ・ソフトでは右端で自動的に改行されるので、returnキーは段落の終わりに使うことは、以前説明しました。 Wordでは、段落ごとに行間を広げたり、余白を設けたりできます。

段落の行間を広げるには、まず、その段落をドラッグします。 そして、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目の行間ボタンをクリックし、行間を選択します。

特殊な段落として、 引用 quotation )があります。 引用は他人が書いた文章なので、自分が書く文章と区別する必要があります。 引用を示す一つの方法は、上下左右に余白を設けることです。 さらに、枠で囲むと確実に区別できます。

段落の上下の余白は空行でよいです。 左右の余白については、まず、その段落をドラッグします。 そして、メニューバーで「書式」→「段落」とクリックし、「インデントと行間隔」タブの「左のインデント幅」入力欄と「右のインデント幅」入力欄を、例えば2字にします。 枠で囲むには、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目の罫線ボタンをクリックし、「外枠」をクリックします。

箇条書き

いくつかの項目を列挙する場合、それらを 箇条書き list )にすると読みやすくなります。 箇条書きには、番号付きのものと記号付きのものがあります。 順番に意味がある場合は番号を付けます。 順番に意味がない場合は記号を付けます。

箇条書きを入力するには、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目の箇条書きボタンまたは段落番号ボタンをクリックします。 番号や記号は三角ボタンで変更できます。

項目を入力し、returnキーを押して離すと、次の項目が入力できます。 もう項目がない場合は、deleteキーを押して離します。 項目の途中で改行する場合は、shiftキーを押しながらreturnキーを押して離します。

なお、箇条書きの全体をドラッグしてから箇条書きボタンまたは段落番号ボタンを再びクリックすると、標準の文章になります。 逆に、標準の文章をドラッグしてから箇条書きボタンまたは段落番号ボタンをクリックすると、箇条書きになります。

箇条書きは例文にはないので、以下の例を最後に追加してください。

箇条書き
●項目1
●項目2
●項目3
●項目4
箇条書きの例
箇条書き
1. 項目1
2. 項目2
3. 項目3
4. 項目4
箇条書きの例

文書のレイアウト

用紙の余白については、あらかじめ適切な長さが設けられますが、変更することもできます。 リボンの「レイアウト」をクリックし、「余白」項目の「上」、「下」、「左」、「右」を変更してください。

1行の文字数や1ページの行数など、より細かな設定が必要な場合は、リボンの「レイアウト」をクリックし、「テキストのレイアウト」項目の「文書」ボタンをクリックしてください。 この際、「フォントの設定」ボタンをクリックし、基準となるフォントを設定してから、1行の文字数などを設定してください。

ページ数の挿入

Word文書にページ数を挿入するには、リボンの「文書パーツ」をクリックし、「ヘッダーとフッター」項目の「ページ番号」をクリックします。 「ページ番号」ウィンドウが開くので、位置などを設定し、「OK」をクリックします。

ページ数を削除するには、ページ数を数回ダブルクリックしてページ数が選択されてから、deleteキーを押して離します。

図の挿入

Word文書に図を挿入するには、画像ファイルを埋め込む方法と、Wordで図形を描く方法があります。

最初は、画像ファイルについてです。 一般的に、画像ファイルを用意するには、

などの方法があります。

Word文書に画像ファイルを挿入するには、次のようにします。

  1. 画像を挿入する場所へカーソルを移動します。
  2. リボンの「ホーム」をクリックし、「挿入」項目の図ボタンをクリックし、「ファイルからの画像」をクリックします。
  3. 「図の挿入」ウィンドウが開くので、挿入する画像ファイルをクリックし、「挿入」をクリックします。

ここでは、画像ファイルの代わりに、例文の画像(棒グラフ)をコピー・アンド・ペーストしてください。 その際、画像をダブルクリックすると画像が選択できます。 また、ペーストは右クリックで「ペースト」で大丈夫です。

画像の大きさを変えるには、画像をクリックし、画像の枠に四角印や丸印が付いてから、四角印か丸印をドラッグします。

画像を移動するには、多少注意が必要です。 今のままでは、ドラッグで縦にしか移動できません。 縦横に移動するには、画像を右クリックし、「文字列の折り返し」を「行内」から「上下」に変更します。 そして、画像を目的の位置までドラッグします。

なお、画像を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。

図の書式

ここで、画像の左右に注目します。 「文字列の折り返し」が「行内」のままなら、画像の左右には一行だけ文章が書けます。 「文字列の折り返し」を「上下」に変更すると、画像の左右には文章は書けません。 画像の左右に、画像の高さと同じだけ文章が書けるようにするには、画像を右クリックし、「文字列の折り返し」を「四角」にします。 そして、画像を左端か右端に移動します。

図の描画

画像ファイルの次は、Wordで図形を描きます。

リボンの「ホーム」をクリックし、「挿入」項目に注目してください。 それぞれのボタンの意味は、次の通りです。

「テキストボックス」ボタン
横書きのテキストボックスを挿入します。 ここで、 テキストボックス text box )とは、文字が書ける長方形のことです。 三角ボタンをクリックすると、縦書きのテキストボックスも選べます。
「図形」ボタン
いろいろな図形を描きます。
「図」ボタン
画像ファイルを挿入します。 「ファイルからの画像」なら、フォルダから画像ファイルを選択します。 「クリップアート ブラウザー」または「クリップアート ギャラリー」なら、クリップアートを選択します。 ここで、 クリップアート ClipArt )とは、Wordに付属している画像集のことです。

図形を移動するには、図形をクリックしてからドラッグします。 図形の大きさを変えるには、図形をクリックし、図形の枠に四角印や丸印が付いてから、四角印か丸印をドラッグします。

図形を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。

テキストボックスや図形は例文にはないので、「テキスト」というテキストボックスと適当な図形(例えば丸)を最後に追加してください。

表の挿入

Word文書に表を挿入するには、リボンの「表」をクリックし、「表スタイルのオプション」項目の新規ボタンをクリックします。 すると、表の行数と列数を決めるウィンドウが開くので、希望する行数と列数になる所でクリックします。

表を移動するには、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をドラッグします。 表の全体の大きさを変えるには、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の右下に現れる四角をドラッグします。 表のセルの大きさを変えるには、表の罫線にマウスカーソルを置き、マウスカーソルの形が変わったらドラッグします。

表を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。 その際に、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をクリックすると、表の全体が選択できます。

表は例文にはないので、以下の例を最後に追加してください。

項目 数値
項目1 数値1
項目2 数値2
項目3 数値3
項目4 数値4
表の例

表の書式

挿入した表の罫線は、点線や二重線にしたり、太さを変えたりできます。

まず、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をクリックします。 次に、リボンの「表」をクリックし、「罫線の作成」項目の「線のスタイル」や「線の太さ」を変更します。 最後に、罫線ボタンをクリックして「格子」をクリックします。

ヘルプの利用

Wordについて分からないことがあるときは、ヘルプを利用してください。 メニューバーで「ヘルプ」→「Wordヘルプ」とクリックします。


参考文献


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2014年6月25日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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