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情報処理技法(リテラシ)I 第3回

目次
索引

パスワード(3)

キーチェーン・パスワード

Macでは、キーチェーンと呼ばれる機能が使えます。 これは、色々なパスワードを一括管理する仕組みで、うまく使えば、パスワードを入力する手間を省くことができます。 逆に、今のままの設定では、ウェブ・ページを開くたびに「キーチェーンのパスワードを入力してください」というウィンドウが表示されてしまいます。 ここでは、キーチェーンをリセット(初期状態に設定)します。

  1. DockのFinderのアイコンをクリックする。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリックする。
  3. 必要に応じてスクロールし、「ユーティリティ」のアイコンをダブルクリックする。
  4. 必要に応じてスクロールし、「キーチェーンアクセス」のアイコンをダブルクリックする。
  5. メニューバーで「キーチェーンアクセス」→「環境設定」とクリックする。
  6. 「一般」タブをクリックし、「自分のデフォルトキーチェーンをリセット」ボタンをクリックする。
  7. ログイン・パスワードを入力して「OK」ボタンをクリックする。
  8. 「ログインキーチェーンが作成されました」と表示されたら、「OK」ボタンをクリックする。
  9. メニューバーで「キーチェーンアクセス」→「キーチェーンアクセスを終了」とクリックする。
  10. ログアウトする。

電子メール(1)

電子メールとは

電子メール electronic mail )とは、インターネットを利用した、メッセージ交換システムです。 電子メールは、郵便よりも高速にメッセージが送受信できます。 また、電話と違って、都合のよいときにメッセージが送受信できます。

メールアドレス

メールアドレス mail address )とは、電子メールの宛先を表す文字列です。 メールアドレスは、一般的に「ログイン名@ドメイン名」という形式を持ちます。

東京女子大学での電子メール

東京女子大学では、電子メールは「東女Gmail」を利用します。 Gmail とは、Googleが提供するメール・サービスです。 Gmailは、誰でも無料で利用できますが、広告が付いてしまいます。 東京女子大学では、Googleと契約して、東京女子大学専用のGmail(東女Gmail)を提供してもらいました。 東女Gmailは、東京女子大学関係者のみが利用でき、広告は付きません。

東女Gmailでは、メールアドレスは「ログイン名@cis.twcu.ac.jp」です。

東女Gmailを最初に使うときは、設定が必要です。 次のように操作してください。

  1. 「情報処理センター」と書かれたウィンドウをアクティブにする。 もしそのようなウィンドウがなければ、DockのSafariのアイコンを右クリックし、「新規ウィンドウ」をクリックする。
  2. 3つ並んだ正方形の最も左の「東女Gmailログイン」をクリックする。
  3. 「メール」欄に「ログイン名@cis.twcu.ac.jp」、「パスワード」欄にパスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックする。
  4. 歪んだ文字列が表示されるので、何とか読み取って入力し、「同意します」ボタンをクリックする。

ここで、「受信トレイ」画面が表示されたら、設定は完了です。 次回からは、メールアドレスとパスワードを入力するだけて、「受信トレイ」画面になります。 東女Gmailからログアウトするには、右上のメールアドレスをクリックして、「ログアウト」ボタンをクリックしてください。

メールの送信

今日は、練習として、東女Gmailを使って自分宛にメールを送信します。 次のように操作してください。

  1. 「メール」欄に「ログイン名@cis.twcu.ac.jp」、「パスワード」欄にパスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックする。
  2. 左側にある「作成」ボタンをクリックする。
  3. 「To」欄に宛先(今回は自分のメールアドレス)を入力する。
  4. 「件名」欄に件名(今回は「test」)を入力する。
  5. 下半分の欄に本文(今回は「test」)を入力する。
  6. 下側にある「送信」ボタンをクリックする。

メールの受信

メールを送信したので、続いてこのメールを受信します。 左側の「受信トレイ」をクリックしてください。 すると、受信メールの一覧が表示されます。 その中の項目をクリックすると、そのメールが開きます。

東女Gmailについて詳しくは、次の授業で説明します。


WWW(1)

WWWとは

WWW とは、World Wide Webの略で、世界規模の文書閲覧システムです。 テキスト・データの閲覧だけでなく、画像や音楽といったマルチメディア・データも閲覧・再生できます。 また、ハイパーテキストと呼ばれる機能を持ち、リンクされたページに素早く移動できます。 Webとは、もともとクモの巣の意味ですが、WWWでは、世界中に設置されたページが、あたかもクモの巣のようにリンクで結ばれているのです。 WWWは、単に Web とも呼ばれます。

Webを利用するには、 Webブラウザ Web browser )と呼ばれるソフトを使います。 東京女子大学のMacでは、Webブラウザとして、Safari, Mozilla Firefox, Google ChromeおよびOperaが用意されています。 Webの話であることが明らかなら、Webブラウザを単に ブラウザ browser )と呼びます。

ブラウザに表示される内容を、 Webページ Web page )と呼びます。 Webページに似た言葉に、 ホームページ home page )があります。 ホームページという言葉は曖昧で、次のように色々な意味があります。

Webの話であることが明らかなら、Webページを単にページと呼びます。

URL

電子メールでは、メールアドレスで宛先や差出人を特定しました。 Webでは、URLというものでWebページを特定します。

URL とは、Uniform Resource Locatorの略で、情報源の設置場所の統一表現という意味です。 WebページのURLは「http://ドメイン名/パス名」という形式が基本です。 これで、ドメイン名で特定されたコンピュータの、パス名で特定されたファイルを示します。

例えば、東京女子大学のホームページのURLは「http://www.twcu.ac.jp/index.html」です。 このWebページは、ドメイン名「www.twcu.ac.jp」で特定されるコンピュータに設置されている、パス名「index.html」で特定されるファイルということです。 ファイル名「index.html」は特別で、URLでは省略可能です。 したがって、「http://www.twcu.ac.jp/」でも同じWebページが特定されます。

Webページの閲覧

今日は、Macの標準Webブラウザである Safari を使って、Webページを閲覧してみます。 DockのSafariのアイコンを右クリックし、「新規ウィンドウ」をクリックして、新しいウィンドウを開いてください。

Safariのウィンドウで、タイトルバーの直下の部分をツールバーと呼びます。 ツールバーの入力欄にURLを入力してreturnキーを押して離すと、そのWebページが表示されます。 例えば、ツールバーに「http://www.twcu.ac.jp/」と入力すると、東京女子大学のホームページが表示されます。 入力欄が左から右へ水色になるのは、Webページの内容を転送している途中であることを示しています。

Safariについて詳しくは、次の次の授業で説明します。


インターネット

インターネットとは

インターネット Internet )とは、世界各地のコンピュータ・ネットワークを相互接続して構成された、地球規模のコンピュータ・ネットワークです。 ここで、 コンピュータ・ネットワーク computer network )とは、コンピュータ同士がデータ通信を行うためのシステムです。 コンピュータの話であることが明らかなら、コンピュータ・ネットワークを単にネットワークと呼びます。 インターネットと対比して、会社、学校、プロバイダなど、組織内のネットワークを LAN (Local Area Network)と呼びます。

インターネットのイメージ
インターネットのイメージ

インターネットにおけるサービス

インターネットを利用したデータ通信の種類を、 サービス service )と呼びます。 インターネットにおけるサービスとして、電子メールやWWWがあげられます。 言い替えれば、インターネットは電子メールやWWWなどのサービスを提供するための基盤です。

IPアドレス

IPアドレス IP address )とは、インターネットに接続されたコンピュータに割り当てられる番号です。 ここでIPとは、 インターネット・プロトコル Internet Protocol )の略です。 プロトコルという専門用語は、通信規約という意味で使われています。

原則として、それぞれのコンピュータには異なるIPアドレスが割り当てられます。 IPアドレスは、インターネットの中からコンピュータを特定するのに使われます。

例えば、東京女子大学のWWWサーバのコンピュータのIPアドレスは「203.180.136.86」です。 IPアドレスの書式は、0から255までの範囲の数をドット(.)で区切って4つ書き並べたものです。

ドメイン名

インターネットに接続されたコンピュータには、IPアドレスという固有番号がついています。 しかし、IPアドレスは人間にとっては覚えにくいものです。 できれば、コンピュータに名前をつけ、その名前でコンピュータを指定したいところです。 そのためには、次の問題を解決する必要があります。

前者はドメイン名という概念によって、後者はDNSという仕組みによって実現されています。

ドメイン名 domain name )とは、インターネットにおいて住所の役割を果たす文字列です。 ドメイン名は階層構造を持ちます。 具体的には、狭い順に階層の名前を並べ、各階層をドット(.)で区切ります。

例えば、東京女子大学のドメイン名は「twcu.ac.jp」です。 これは、日本(jp)の研究教育機関(ac)の東京女子大学(twcu)という階層構造を表しています。 また、東京女子大学情報処理センターのドメイン名は、「cis.twcu.ac.jp」です。 日本(jp)の研究教育機関(ac)の東京女子大学(twcu)の情報処理センター(cis)という階層構造です。

ドメイン名の階層構造
ドメイン名の階層構造

東京女子大学のWWWサーバのコンピュータに「www」と名前をつけた場合、このコンピュータは「www.twcu.ac.jp」という名前で特定できます。 東京女子大学情報処理センターのWWWサーバのコンピュータに、同じ「www」という名前をつけても大丈夫です。 このコンピュータは「www.cis.twcu.ac.jp」で特定できます。 なお、「www.twcu.ac.jp」や「www.cis.twcu.ac.jp」はコンピュータの名前ですが、これもドメイン名と考えます。

ドメイン名の具体的な割り当ては次の通りです。 まず、階層構造の一番上のドメイン名(トップレベルドメインとよばれます)には、主に以下のようなものがあります。

com
主に営利を目的とした組織
edu
アメリカの教育機関
gov
アメリカの政府機関
net
主にネットワークを運営している組織
org
主に営利を目的としない組織

トップレベルドメインには、この他に国別のドメイン名があります。 日本の場合は「jp」です。 ドメイン名「jp」の下には、主に以下のようなドメイン名があります。

ac.jp
日本の教育機関
co.jp
日本の会社組織
go.jp
日本の政府機関
ne.jp
日本のネットワーク運営組織
or.jp
日本の各種組織

ドメイン名「jp」の下には、この他に都道府県を表すドメイン名(地域型JPドメイン名)や、自由に付けられるドメイン名(汎用JPドメイン名)があります。

クライアントとサーバ

インターネットにおけるサービスの実現方式には、いくつかのパターンがあります。 その中で基本的なのが、クライアント・サーバ・システムです。 クライアント・サーバ・システム client-server system )とは、クライアントがサーバに何らかのリクエスト(要求)を送信し、そのレスポンス(応答)を待つというパターンです。 ここで、 クライアント client )とは、データを要求する側のことで、 サーバ server )とは、データを提供する側のことです。

クライアントとサーバ
クライアントとサーバ

どのようにリクエスト(要求)を送り、どのようにレスポンス(応答)を返すかは、それぞれのサービスごとに通信規約として決まっています。 この通信規約を、そのサービスの プロトコル protocol )と呼びます。

メールにおけるクライアントとサーバ

上記は抽象論でしたが、最初に、電子メールについて具体的に話します。 まず、電子メールはインターネットにおけるサービスの一種です。 そして、電子メールはクライアント・サーバ・システムに基づいています。 メール送信のためのプロトコルは、 SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)と呼ばれます。 メール受信のためのプロトコルは、 POP (Post Office Protocol)と呼ばれます。

電子メールのためのクライアント・ソフトウェアは、メール・ソフトと呼ばれたり、メーラーと呼ばれたりします。 WindowsではOutlook ExpressやWindows Mail, Windows Live Mail, Mac OS XではApple Mailが標準のメール・ソフトです。 また、フリーソフトではMozilla Thunderbirdが有名です。

電子メールのためのサーバは、 メール・サーバ mail server )と呼ばれます。 特に、SMTPのためのサーバをSMTPサーバと呼び、POPのためのサーバをPOPサーバと呼びます。

メール・ソフトとSMTPサーバ
メール・ソフトとSMTPサーバ
メール・ソフトとPOPサーバ
メール・ソフトとPOPサーバ

Webにおけるクライアントとサーバ

続いて、Webについて具体的に話します。 まず、Webはインターネットにおけるサービスの一種です。 そして、Webはクライアント・サーバ・システムに基づいています。 Webのためのプロトコルは、 HTTP (HyperText Transfer Protocol)と呼ばれます。

Webのためのクライアント・ソフトウェアは、Webブラウザと呼ばれます。 WindowsではInternet Explorer, Mac OS XではSafariが標準のWebブラウザです。 また、フリーソフトではMozilla FirefoxやGoogle Chromeが有名です。

Webのためのサーバは、 Webサーバ web server )と呼ばれます。

WebブラウザとWebサーバ
WebブラウザとWebサーバ

IPv6

IPアドレスは、256×256×256×256=約40億通りあるので、計算上は約40億台のパソコンまでインターネットに接続できます。 しかし、最近、このIPアドレスも使い尽くしてしまいました。 近い将来、インターネットは IPv6 (アイピーブイシックス)と呼ばれる規格に移行するでしょう。

IPv6におけるIPアドレスの具体例は、「2001:db8::1」です。 このように、0〜9とa〜fの1〜4桁の文字列を最大8つ並べ、それらをコロン(:)で区切ります。 IPv6では、億や兆をはるかに超える数のIPアドレスができるので、それらを使い尽くすことはありません。

クラウド・コンピューティング

インターネットが普及していなかったころ、パソコンの使い方としては、必要なソフトをパソコンにインストールし、データをパソコンに保存するのが一般的でした。 インターネットが普及した現在、パソコン・ソフトの代わりにインターネット上のサービスを利用し、データもインターネット上に保存するということが可能になりました。 このようなパソコンの使い方を、 クラウド・コンピューティング cloud computing )と言います。 「クラウド」とは「雲」のことですが、ネットワーク業界ではインターネットを雲の形で表現するので、このような名前がつきました。

クラウド・コンピューティングには利点と欠点があります。 利点は、高性能のパソコンが要らなくなり、インターネットに接続できるパソコン(またはスマートフォンやタブレット)で間に合うことです。 また、世界中のどこからでも自分のデータにアクセスできるので便利です。 欠点は、サービスを提供している会社が倒産すると、そのサービスを利用できなくなることです。 倒産しなくても、その会社がサイバー攻撃を受けて、自分のデータが盗まれてしまうことも考えられます。 近い将来、クラウド・コンピューティングが常識になるかもしれません。 利点と欠点を理解して、クラウド・コンピューティングを行うようにしてください。


参考文献


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2014年5月7日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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