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コンピュータI(コンピュータリテラシ)第11回

目次
11.1 プレゼンテーション(1)
11.1.1 プレゼンテーションとは
11.1.2 プレゼンテーションの作成手順
11.1.3 PowerPointの起動
11.1.4 ファイル名の決定
11.1.5 スライドのテーマの決定
11.1.6 タイトルのスライド
11.1.7 箇条書きのスライド
11.1.8 スライドの一覧
11.1.9 表のスライド
11.1.10 画像のスライド
11.1.11 図形の描画
11.1.12 アニメーション
11.1.13 スライドの印刷
11.1.14 プレゼンテーションの実行
11.1.15 プレゼンテーションの注意
11.1.16 ヘルプの利用
11.2 参考文献
索引
PowerPoint   アニメーション   プレゼンテーション  

11.1 プレゼンテーション(1)

11.1.1 プレゼンテーションとは

プレゼンテーションpresentation ) とは、資料を示しながら他人に何かを説明することです。 また、そのときの資料もプレゼンテーションと呼ぶことがあります。

プレゼンテーションの身近な例として、テレビの情報番組があげられます。 キャスターは、要点をまとめた厚紙(フリップ)を数枚用意していて、一枚ずつ取り出しながら説明をします。 大学においては、研究発表などがプレゼンテーションと言えます。 発表者は、資料をOHPシートに印刷しておいたり、パソコンを液晶プロジェクタに接続したりして、資料をスクリーンに投影しながら説明をします。

プレゼンテーション資料はワープロ文書と似ていますが、いくつかの違いがあります。 まず、プレゼンテーション資料は一枚一枚の独立性が高いです。 ワープロ文書のように文章がページをまたぐことは、ほとんどありません。 次に、プレゼンテーション資料では、文章は少なく、箇条書きや図表が多用されます。 あくまでも、説明への理解を助けるための資料だというわけです。 最後に、プレゼンテーション資料では、アニメーションなどの効果を利用することがあります。 例えば、Q&A形式で説明をするとき、答えの部分を最初は隠しておき、後で表示させることなどです。

プレゼンテーション資料を作成・表示・印刷するソフトウェアを、プレゼンテーション・ソフトと呼びます。 プレゼンテーション・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社の PowerPoint が最も使われています。 なお、この授業ではMac用のPowerPointを利用しますが、使い方はWindows用のPowerPointとだいたい同じです。

なお、PowerPointは、バージョン2007以降、ファイル形式を変更しました。 新しいPowerPointのファイルと古いPowerPointのファイルは、ファイルの拡張子で区別します。 新しいPowerPointは.pptxで、古いPowerPointは.pptです。 東京女子大学のMacのPowerPoint(バージョン2011)で作成したファイルを、古いPowerPointで開く可能性がある場合は、ファイルを保存するときに、「フォーマット」メニューを「PowerPointプレゼンテーション(.pptx)」から「PowerPoint 97-2004プレゼンテーション(.ppt)」に変更してください。

11.1.2 プレゼンテーションの作成手順

PowerPointでプレゼンテーション資料を作成するときの手順は、おおむね次の通りです。

  1. 新規にウィンドウを開く。
  2. ファイル名を決定する。
  3. スライドのテーマを決定する。
  4. 一枚ずつスライドを作成する。
  5. 必要に応じて印刷する。
  6. プレゼンテーションの練習をする。
  7. プレゼンテーションを行う。

11.1.3 PowerPointの起動

PowerPointを起動するには、DockのFinderアイコンをクリックし、サイドバーの「アプリケーション」をクリックし、「Microsoft Office 2011」→「Microsoft PowerPoint」とダブルクリックします。

PowerPointを起動すると、新規プレゼンテーションのウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーで「ファイル」→「新規作成」とクリックします。 または、ツールバーの「新規作成」ボタンをクリックしてもよいです。

PowerPointを起動すると、プレゼンテーション・ウィンドウの上側にツールバーとリボンが表示されます。 ツールバーとリボンでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作については、メニューバーを利用します。 したがって、基本操作については、メニューバーでもツールバーとリボンでもできるわけです。 この授業では、主にツールバーとリボンを利用することにします。 なお、リボンが表示されていない場合は、メニューバーで「表示」→「リボン」とクリックしてください。

PowerPointの使用中に、操作ミスで資料が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーで「編集」→「元に戻す」とクリックすると、たいていは元に戻ります。 または、ツールバーの「元に戻す」ボタンをクリックしてもよいです。

PowerPointを終了するには、メニューバーで「PowerPoint」→「PowerPointを終了」とクリックします。

11.1.4 ファイル名の決定

PowerPointのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなると、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない資料はたいていは消滅します。 プレゼンテーション資料を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。

新規プレゼンテーションのファイル名を決定するには、メニューバーで「ファイル」→「名前を付けて保存」とクリックします。 すると、ウィンドウが開くので、「名前」欄の右の三角ボタンを数回クリックして詳細表示にし、「フォーマット」欄を「PowerPointプレゼンテーション(.pptx)」または「PowerPoint 97-2004プレゼンテーション(.ppt)」にし、保存先のフォルダを選択し、「名前」欄にファイル名(〜.pptxまたは〜.ppt)を入力し、「保存」をクリックします。

ファイル名を決定した後にプレゼンテーションを保存するには、メニューバーで「ファイル」→「保存」とクリックします。 または、ツールバーの「保存」ボタンをクリックしてもよいです。

ウィンドウを閉じた後に保存したファイルを開くには、メニューバーで「ファイル」→「開く」とクリックします。 または、ツールバーの「開く」ボタンをクリックしてもよいです。 すると「開く」ウィンドウが開くので、開くファイルを選択し、「開く」をクリックします。 なお、Finderのウィンドウのファイルのアイコンをダブルクリックしても、ファイルは開けます。

11.1.5 スライドのテーマの決定

ファイル名を決定したら、次に、スライドのテーマを決定します。 テーマを決定すると、スライドの背景だけでなく、文字の色なども決まります。 PowerPointには数多くのテーマが用意されているので、その中から内容にふさわしいものを選択します。

スライドのテーマを決定するには、リボンの「テーマ」をクリックします。 「テーマ」項目に色々なテーマが表示されるので、使用するテーマのアイコンをクリックします。

11.1.6 タイトルのスライド

テーマを決定したら、次に、タイトルのスライドを作成します。 このスライドには、プレゼンテーションのタイトルの他に、発表する日付けや発表者の名前なども書きます。

新規のプレゼンテーションなら、最初にタイトルのスライドが用意されます。 この「クリックしてタイトルを入力」と書いている部分をクリックして、タイトルを入力します。 「クリックしてサブタイトルを入力」の部分には、日付や名前などを入力します。

PowerPointでは、文字のフォントはテーマに応じて自動的に決まります。 そのフォントを変更するには、リボンの「ホーム」をクリックします。 「フォント」項目の各種ボタンで、フォントの種類、サイズ、色などが変更できます。

フォントと同様、文字列の位置揃えもテーマに応じて自動的に決まります。 その位置揃えを変更するにも、リボンの「ホーム」をクリックします。 「段落」項目の各種ボタンで、文字列の位置揃えや行間などが変更できます。

スライドの各要素についても、大きさと位置はテーマに応じて自動的に決まります。 その大きさや位置を変更するには、まず、その要素をクリックします。 すると、四角印や丸印の付いた枠が表示されるので、四角印か丸印をドラッグすると大きさが変えられるし、枠をドラッグすると移動ができます。

11.1.7 箇条書きのスライド

タイトルのスライドを作成したら、次に、本文のスライドを作成します。 本文のスライドは、箇条書きが基本です。 PowerPointには、箇条書き以外にも、表や画像など、いろいろなレイアウトが用意されています。

スライドを挿入するには、リボンの「ホーム」をクリックし、「スライド」項目の「新しいスライド」の三角ボタンをクリックします。 色々なレイアウトが表示されるので、挿入するレイアウトのアイコンをクリックします。 スライドのレイアウトを変更するには、「レイアウト」をクリックし、レイアウトのアイコンをクリックします。 「タイトルとコンテンツ」スライドを選択すれば、箇条書き、表、画像などのスライドが作成できます。

表示するスライドを切り替えるには、左端のスライドのアイコンか番号をクリックします。 左側のスライド表示とアウトライン表示を切り替えるには、その上のボタンをクリックします。

それでは、挿入したスライドに文字を入力します。 ほとんどのレイアウトでは、上側に「クリックしてタイトルを入力」と表示されます。 そこには、そのスライドのタイトルを入力します。

「タイトルとコンテンツ」スライドの場合、「クリックしてテキストを入力」と表示されるので、そこをクリックして箇条書きの項目を入力します。 returnキーで次の項目が入力できます。 強制改行は、shift+returnキーです。

スライドでは、箇条書きの中でさらに箇条書きを行うことがあります。 この箇条書きの中へ入る回数を、箇条書きのレベルと呼びます。 箇条書きのレベルを変えるには、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目のインデント・ボタンをクリックします。

箇条書きの左に付く記号・番号を変えるには、リボンの「ホーム」をクリックし、「段落」項目の箇条書きボタンか段落番号ボタンの三角ボタンをクリックします。 順番に意味がないときは記号、順番に意味があるときは番号にします。

太陽系の構成
●太陽
●惑星(8個)
●惑星の衛星
●その他の天体
○小惑星
○すい星
○流星
図 11.1  箇条書きの例(太陽系の構成)

11.1.8 スライドの一覧

PowerPointでは、スライドの順番を入れ替えたり、スライドをコピーしたりできます。 この操作は、ウィンドウを標準表示にしていても可能ですが、スライド一覧表示にすると分かりやすくできます。

ウィンドウの左下にある、四角が四つのスライド一覧表示ボタンをクリックすると、スライドの一覧が表示されます。 ここで、スライドをドラッグ・アンド・ドロップすると、スライドの順番が入れ替わります。 また、カット、コピー、ペーストは、スライドに対して行われます。 標準表示に戻すには、ウィンドウの左下にある、四角が三分割された標準表示ボタンをクリックします。

11.1.9 表のスライド

スライドの基本は箇条書きですが、表のスライドも利用できます。

「タイトルとコンテンツ」スライドを挿入したら、表のアイコンをクリックしてください。 すると、「表の挿入」ウィンドウが開くので、列数と行数を入力してから「OK」をクリックしてください。

罫線をドラッグすると、罫線が移動できます。 また、リボンの「表」をクリックすると、「罫線の作成」項目で、罫線を点線にしたり、色や太さを変えたりできます。

なお、表を削除するには、deleteキーまたはカットで行います。

惑星の衛星
惑星 衛星
水星 なし
金星 なし
地球 1
火星 2
図 11.2  表の例(惑星の衛星)

11.1.10 画像のスライド

表と同様、画像のスライドも利用できます。

「タイトルとコンテンツ」スライドを挿入したら、画像のアイコンをクリックしてください。 すると、「図の選択」ウィンドウが開くので、ファイルを選択してから「挿入」をクリックしてください。

なお、画像を削除するには、deleteキーまたはカットで行います。

11.1.11 図形の描画

PowerPointでは、Wordと同じように、テキストボックスや各種図形が利用できます。

Wordのときと同様に、リボンの「ホーム」をクリックし、「挿入」項目の「テキスト」ボタンや「図形」ボタンで操作してください。

惑星の位置関係
○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○
太陽   水星   金星   地球   火星   木星   土星   天王星 海王星
図 11.3  図形の例(惑星の位置関係)

11.1.12 アニメーション

アニメーションanimation ) とは、スライドの要素が動くことです。 アニメーションは、パソコンを使ってプレゼンテーションを行う場合に意味があります。

PowerPointでは、様々なアニメーションが設定できます。 ここでは、例として、箇条書きの項目が順次表示されるというアニメーションを設定します。

アニメーションを設定するには、まず、リボンの「アニメーション」をクリックします。 そして、アニメーションを設定する要素をクリックし、「開始効果」項目の「アピール」をクリックします。

アニメーションを簡単に確認するには、リボンの「アニメーション」をクリックし、「プレビュー」項目の再生ボタンをクリックします。 アニメーションを正確に確認するには、プレゼンテーション・ウィンドウの左下にある「スライドショー」ボタンをクリックします。 スライドショーでは、必要に応じてマウスをクリックします。

なお、アニメーションを取り消すには、リボンの「アニメーション」をクリックし、「アニメーションのオプション」項目の「並べ替え」をクリックし、「アニメーションの設定」ウィンドウのバツ印ボタンをクリックします。

11.1.13 スライドの印刷

プレゼンテーションをOHPや書画カメラで行う場合、スライドが完成したら印刷をします。 印刷するには、メニューバーで「ファイル」→「プリント」とクリックします。 すると、「プリント」ウィンドウが開くので、「プリント」ボタンをクリックします。

プレゼンテーションを行う際に、聞く人にスライドの縮小版を手渡すのが親切です。 この場合は、「プリント」ウィンドウの「印刷対象」を「配布資料」にします。

11.1.14 プレゼンテーションの実行

OHPや書画カメラでプレゼンテーションを行う場合は、スライドを一枚一枚投影します。

パソコンでプレゼンテーションを行う場合は、パソコンを液晶プロジェクタや大型ディスプレーに接続し、PowerPointファイルを開きます。 そして、ウィンドウの左下にあるパネル印のスライドショーボタンをクリックすると、スライドが全画面表示になります。 後は、マウスをクリックすると、次のスライドが表示されます。 前のスライドに戻ったり、途中のスライドに移動したりする場合は、マウスを右クリックします。

11.1.15 プレゼンテーションの注意

以下は、プレゼンテーション資料を作成するときの注意点です。

スライドは、聞く人が即座に理解できるものでなければなりません。 だらだら書いたり、ぎっしり書いたのでは、聞く人はスライドに気を取られ、話を聞かなくなります。 また、1枚のスライドを説明するのに、普通は1分程度の時間がかかります。 何枚もスライドを用意すると、結局、時間オーバーになってしまいます。

プレゼンテーションを実行する際の注意点は次の通りです。

普通のプレゼンテーションは、何時何分から何時何分までと時間が決まっています。 時間オーバーは主催者のみならず、出席者の皆に迷惑をかけます。 また、スクリーンの方ばかり見ていると、聞いている人に背を向けて話すことになります。 聞いている人に話しかけるような態度をとってください。 だらだらした話は、「結局、何を言いたいの?」と思われてしまいます。 事前に十分に練習をするようにしてください。

11.1.16 ヘルプの利用

PowerPointについて分からないことがあるときは、ヘルプを利用してください。 メニューバーで「ヘルプ」→「PowerPointヘルプ」とクリックします。


11.2 参考文献


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2012年6月27日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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