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コンピュータI(コンピュータリテラシ)第10回

目次
10.1 表計算(1)
10.1.1 表計算とは
10.1.2 Excelの起動
10.1.3 表の作成の手順
10.1.4 ファイル名の決定
10.1.5 シートの構成
10.1.6 データの入力
10.1.7 数式とは
10.1.8 数式の入力
10.1.9 フォントの変更
10.1.10 データの表示形式
10.1.11 データの位置揃え
10.1.12 表の罫線
10.1.13 シートの印刷
10.2 演習10
10.3 レポート課題
10.4 参考文献
索引
Excel     参照   シート   数式   セル   表計算   ブック    

10.1 表計算(1)

10.1.1 表計算とは

表計算spreadsheet ) とは、表の形式でデータ入力やデータ処理を行うことです。 表計算の機能を持つソフトウェアを、表計算ソフトと呼びます。

表計算ソフトを利用しますと、まず、データを表の形式でまとめられます。 データの位置を揃えたり、罫線を引いたりして、自由に表が作成できます。 そして、数式を入力しますと、その数式が自動的に計算されます。 計算は、加減乗除だけではなく、広い範囲の集計も行えます。 さらに、集計データからグラフが作成できます。 質問に答えるだけで、棒グラフや折れ線グラフなどが描けます。

表計算ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社の Excel が最も使われています。 なお、この授業ではMac用のExcelを利用しますが、使い方はWindows用のExcelとだいたい同じです。

10.1.2 Excelの起動

Excelを起動するには、DockのFinderアイコンをクリックし、サイドバーの「アプリケーション」をクリックし、「Microsoft Office 2004」→「Microsoft Excel」とダブルクリックします。 すると、「プロジェクト ギャラリー」ウィンドウが開きますので、「新規」タブをクリックし、「Excelブック」をクリックし、「開く」をクリックします。

Excelを起動しますと、新規ブックのウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規作成」を選択します。

また、ブックウィンドウの他にも、ツールバーや設定パレットなどのウィンドウが開きます。 ツールバーや設定パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作は、メニューバーから選択します。 この授業では、主に設定パレットを利用します。 設定パレットが表示されていない場合は、メニューバーの「表示」をクリックし、「設定パレット」を選択してください。

Excelを終了するには、メニューバーの「Excel」をクリックし、「Excelを終了」を選択します。

10.1.3 表の作成の手順

Excelで表を作成するときの手順は、おおむね次の通りです。

  1. 新規にウィンドウを開く。
  2. ファイル名を決定する。
  3. データを入力する。
  4. 数式を入力する。
  5. 表の体裁を整える。
  6. Word文書に貼り付けたり、紙に印刷したりする。

10.1.4 ファイル名の決定

Excelのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなりますと、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していないデータは普通は消滅します。 表を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。

なお、操作ミスによってデータが消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーの「編集」をクリックし、「元に戻す」を選択しますと、元に戻ります。

新規ブックのファイル名を決定するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「別名で保存」を選択します。 すると、ウィンドウが開きますので、「別名で保存」欄の右の三角ボタンを数回クリックして詳細表示にし、保存先のフォルダを選択し、「別名で保存」欄にファイル名(〜.xls)を入力し、「保存」をクリックします。

ファイル名を決定した後にブックを保存するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「保存」を選択します。

ウィンドウを閉じた後に保存したファイルを開くには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「開く」を選択します。 「開く」ウィンドウが開きますので、開くファイルを選択し、「開く」をクリックします。 なお、Finderのウィンドウのファイルのアイコンをダブルクリックしても、ファイルは開けます。

10.1.5 シートの構成

Excelでは、データが入力できる一つ一つの長方形を セルcell ) と呼びます。 セルが横に並んでいる部分を row ) と呼び、セルが縦に並んでいる部分を column ) と呼びます。 セルが縦横に並んでいる領域を シートsheet ) と呼びます。 利用者は、シートの一部に表を作成します。 一枚のシートに複数の表を作ることも可能です。

Excelでは、一つのウィンドウに複数のシートがまとめられます。 このシートのまとまりを、 ブックbook ) と呼びます。 ウィンドウの下側のタブをクリックしますと、シートが切り替えられます。 ファイルへの保存は、ウィンドウと同じく、ブック単位で行われます。

10.1.6 データの入力

ここでは、例として、次のような架空の買い物リストを作成します。

表 10.1  架空の買い物リスト(1)
品名 単価 数量 金額
切手 ¥80 60 ¥4,800
官製はがき ¥50 60 ¥3,000
封筒(10枚入り) ¥150 6 ¥900
合計 ¥8,700

セルにデータを入力するには、そのセルをダブルクリックします。 カーソルが現れたら、データを入力します。 入力は、returnキーで確定し、escキーで取り消されます。 すでにデータが入力されているセルをダブルクリックしますと、そのデータが編集できます。

なお、セルをダブルクリックする手間を省き、tabキーとreturnキーで能率よく入力する方法もあります。 また、セルの中で改行するには、optionキーとcontrolキーを押しながらreturnキーを押して離します。

上記の例のデータを入力しますと、以下のようになります。

表 10.2  架空の買い物リスト(2)
品名 単価 数量 金額
切手 80 60
官製はがき 50 60
封筒(10枚入り) 150 6
合計


行や列をシートに挿入したり、行や列をシートから削除することもできます。 そのためには、まず、対象となる行や列を選択します。 行を選択するには、シートの左側の行番号をクリックします。 列を選択するには、シートの上側の列記号をクリックします。 行や列を挿入するには、行や列を選択してから、メニューバーの「挿入」をクリックし、「行」または「列」を選択します。 行や列を削除するには、行や列を選択してから、メニューバーの「編集」をクリックし、「削除」を選択します。

カット、コピー、ペーストについては、だいたい今まで通りです。 コピー元を指定するには、セルをクリックするか、行番号や列記号をクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 コピーされた範囲は点線で囲まれますが、これはescキーで消えます。 ペーストはペースト先をクリックしてから行いますが、もし、セルの範囲をドラッグしてからペーストしますと、データが繰り返しペーストされます。 なお、カットは移動の意味になり、データはすぐには消えません。 データを消すには、メニューバーの「編集」をクリックし、「消去」→「すべて」と選択します。

10.1.7 数式とは

シートの上側の列記号A, B, C, ... と、シートの左側の行番号1, 2, 3, ... に注目してください。 これは、セルの名前を示しています。 つまり、左上のセルはA1という名前、その右のセルはB1という名前です。 このA1やB1のことを、セルの 参照reference ) と呼びます。

数式formula ) とは、セルの名前や数値を、プラスやマイナスで結合したり、関数を適用したりして得られる表現のことです。 ここで、足し算はプラス(+)、引き算はマイナス(-)ですが、掛け算はアスタリスク(*), 割り算はスラッシュ(/)を使います。

Excelにはいろいろな関数が用意されています。 以下は、基本的な関数の適用例です。

SUM(A1:C4)
セルA1からセルC4までのデータの合計
AVERAGE(A1:C4)
セルA1からセルC4までのデータの平均
COUNT(A1:C4)
セルA1からセルC4までのデータの個数
MAX(A1:C4)
セルA1からセルC4までのデータの最大値
MIN(A1:C4)
セルA1からセルC4までのデータの最小値

セルに数式を入力しますと、セルにはその計算結果が表示されます。 この計算結果は、セルの名前で参照することによって、他のセルの数式の計算で利用できます。 表計算では、一つ一つのセルの数式を計算することによって、全体としてまとまったデータ処理を行うのです。

数式は、参照するデータが変更されますと、自動的に再計算されます。 この機能は、表計算がテンプレートとして使えることを意味します。 例えば、テストの度に成績表を作成する教員を考えます。 この教員は、あらかじめ合計点や平均点を計算する数式をシートに入力しておき、テストの回数分コピーしておきます。 テストが終わったら、生徒の得点をシートに入力するだけで、自動的に合計点や平均点が計算され、成績表が完成するというわけです。

10.1.8 数式の入力

実際にセルに数式を入力するには、データと区別するために、イコール(=)を入力してから数式を入力します。

入力した数式を確認するには、数式バーを使います。 メニューバーの「表示」をクリックし、「数式バー」を選択してください。

上記の例では、セルD2に=B2*C2と入力します。 すると、セルB2とC2の積の4800という計算結果がセルD2に表示されます。 セルD2をクリックしますと、数式バーには=B2*C2と表示されます。

表 10.3  架空の買い物リスト(3)
品名 単価 数量 金額
切手 80 60 4800(数式は=B2*C2)
官製はがき 50 60
封筒(10枚入り) 150 6
合計


数式のセルをコピーしますと、計算結果ではなく、数式がコピーされます。 しかも、数式中のセルの名前は、コピー元での位置関係を保存するように変更されます。 このメカニズムをうまく利用することが、表計算のポイントになります。

上記の例では、セルD2をセルD3とD4にコピーします。 すると、セルD3の数式はB3*C3となり、セルD4の数式はB4*C4となります。 コピー元のセルD2の数式=B2*C2は、「二つ左と一つ左の積」という意味としてコピーされたのです。

表 10.4  架空の買い物リスト(4)
品名 単価 数量 金額
切手 80 60 4800(数式は=B2*C2)
官製はがき 50 60 3000(数式は=B3*C3)
封筒(10枚入り) 150 6 900(数式は=B4*C4)
合計


最後に合計を計算します。 セルD5に=D2+D3+D4と入力してもできますが、ここでは関数を利用して、=SUM(D2:D4)と入力します。

表 10.5  架空の買い物リスト(5)
品名 単価 数量 金額
切手 80 60 4800(数式は=B2*C2)
官製はがき 50 60 3000(数式は=B3*C3)
封筒(10枚入り) 150 6 900(数式は=B4*C4)
合計

8700(数式は=SUM(D2:D4))

10.1.9 フォントの変更

データと数式の入力が終わりましたら、表の体裁を整えます。

データのフォントを変更するには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「フォント」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「名前」を変更します。

「名前」の代わりに「サイズ」を変更しますと、文字の大きさが変わります。 また、「B」をクリックしますと太字になり、「I」をクリックしますと斜体になります。 「U」をクリックしますと下線が引かれます。

10.1.10 データの表示形式

データ80を表示するとき、80円の場合と80個の場合とでは、適切な表示の仕方は異なります。 データの表示の仕方を、表示形式と呼びます。

データの表示形式を変更するには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「数値」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「表示形式」を変更します。

上記の例では、円が付くデータの表示形式を「通貨」に変更します。

表 10.6  架空の買い物リスト(6)
品名 単価 数量 金額
切手 ¥80 60 ¥4,800
官製はがき ¥50 60 ¥3,000
封筒(10枚入り) ¥150 6 ¥900
合計

¥8,700

10.1.11 データの位置揃え

セルの大きさを変更するには、シートの上側の列記号やシートの左側の行番号の境界線をドラッグします。

データをセルの中央に揃えるには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「横位置」の中央揃えボタンをクリックします。

セルの範囲は、一つの(大きな)セルにまとめることができます。 これを、セルの結合と言います。

セルを結合するには、まず、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「セルの結合」のチェックを有効にします。

上記の例では、「合計」のセルを結合し、表の見出しを中央揃えにします。

表 10.7  架空の買い物リスト(7)
品名 単価 数量 金額
切手 ¥80 60 ¥4,800
官製はがき ¥50 60 ¥3,000
封筒(10枚入り) ¥150 6 ¥900
合計 ¥8,700

10.1.12 表の罫線

画面上は、シートに薄く罫線が引かれていますが、この罫線は印刷されません。 表に罫線を引くには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「罫線と網かけ」をクリックして詳細表示にします。 最後に、罫線のタイプを選択します。

10.1.13 シートの印刷

シートが完成しましたら、必要に応じて、紙に印刷します。 メニューバーの「ファイル」をクリックし、「プリント」を選択します。 「プリント」ウィンドウが開きますので、「プリント」をクリックします。


10.2 演習10

以下の表は、架空の会社の社員構成をまとめたものです。 このデータをExcelシートに入力してから、空欄に数式を入力して、合計を計算してください。

表 10.8  架空の会社の社員構成
年齢 男性 女性 合計
10代 0 3
20代 4 5
30代 9 6
40代 8 2
50代 7 0
60代 1 0
合計


余力のある人は、背景色などを利用して、表を読みやすくしてください。


10.3 レポート課題

今日の演習10の答案(Excelファイル)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(b04a001@twcu.ac.jpなど)とし、宛先はkonishi@twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(6月20日)を明記してください。

注意: メールにファイルを添付するときは、そのファイルを正しく保存してから添付してください。 また、ファイルを添付しますと、メールの本文欄にはそのファイルのアイコンが表示されますが、送信前にそのアイコンをダブルクリックしないでください。


10.4 参考文献


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2007年6月20日更新
小西 善二郎 <konishi@twcu.ac.jp>
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