プレゼンテーション ( presentation ) とは、資料を示しながら他人に何かを説明することです。 また、そのときの資料もプレゼンテーションと呼ぶことがあります。
プレゼンテーションの身近な例として、テレビの情報番組があげられます。 キャスターは、要点をまとめた厚紙(フリップ)を数枚用意していて、一枚ずつ取り出しながら説明をします。 大学においては、研究発表などがプレゼンテーションと言えます。 発表者は、資料をOHPシートに印刷しておいたり、パソコンを液晶プロジェクタに接続したりして、資料をスクリーンに投影しながら説明をします。
プレゼンテーション資料はワープロ文書と似ていますが、いくつかの違いがあります。 まず、プレゼンテーション資料は一枚一枚の独立性が高いです。 ワープロ文書のように文章がページをまたぐことは、ほとんどありません。 次に、プレゼンテーション資料では、文章は少なく、箇条書きや図表が多用されます。 あくまでも、説明への理解を助けるための資料だというわけです。 最後に、プレゼンテーション資料では、アニメーションなどの効果を利用することがあります。 例えば、Q&A形式で説明をするとき、答えの部分を最初は隠しておき、後で表示させることなどです。
プレゼンテーション資料を作成・表示・印刷するソフトウェアを、プレゼンテーション・ソフトと呼びます。 プレゼンテーション・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社の PowerPoint が最も使われています。 なお、この授業ではMac用のPowerPointを利用しますが、使い方はWindows用のPowerPointとだいたい同じです。
PowerPointを起動するには、DockのFinderアイコンをクリックし、サイドバーの「アプリケーション」をクリックし、「Microsoft Office 2004」→「Microsoft PowerPoint」とダブルクリックします。 すると、「プロジェクト ギャラリー」ウィンドウが開きますので、「新規」タブをクリックし、「PowerPointプレゼンテーション」をクリックし、「開く」をクリックします。
PowerPointを起動しますと、新規プレゼンテーションのウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規作成」を選択します。
また、プレゼンテーション・ウィンドウの他にも、ツールバーや設定パレットなどのウィンドウが開きます。 ツールバーや設定パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作は、メニューバーから選択します。 この授業では、主に設定パレットを利用します。 設定パレットが表示されていない場合は、メニューバーの「表示」をクリックし、「設定パレット」を選択してください。
PowerPointを終了するには、メニューバーの「PowerPoint」をクリックし、「PowerPointを終了」を選択します。
PowerPointでプレゼンテーション資料を作成するときの手順は、おおむね次の通りです。
PowerPointのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなりますと、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない資料は普通は消滅します。 プレゼンテーション資料を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。
なお、操作ミスによって資料が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーの「編集」をクリックし、「元に戻す」を選択しますと、元に戻ります。
新規プレゼンテーションのファイル名を決定するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「別名で保存」を選択します。 すると、ウィンドウが開きますので、「別名で保存」欄の右の三角ボタンを数回クリックして詳細表示にし、保存先のフォルダを選択し、「別名で保存」欄にファイル名(〜.ppt)を入力し、「保存」をクリックします。
ファイル名を決定した後に文書を保存するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「保存」を選択します。
ウィンドウを閉じた後に保存したファイルを開くには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「開く」を選択します。 「開く」ウィンドウが開きますので、開くファイルを選択し、「開く」をクリックします。 なお、Finderのウィンドウのファイルのアイコンをダブルクリックしても、ファイルは開けます。
ファイル名を決定しましたら、次に、スライドのデザインを決定します。 デザインを決定しますと、スライドの背景だけでなく、文字の色なども決まります。 PowerPointには数多くのデザインが用意されていますので、その中から内容にふさわしいものを選択します。
スライドのデザインを決定するには、まず、設定パレットの「スライドの変更」をクリックします。 次に、「スライドのデザイン」ボタンをクリックします。 最後に、スライドのアイコンをクリックします。
デザインを決定しましたら、次に、タイトルのスライドを作成します。 このスライドには、プレゼンテーションのタイトルの他に、発表する日付けや発表者の名前なども書きます。
新規のプレゼンテーションでしたら、最初にタイトルのスライドが用意されます。 この「クリックしてタイトルを入力」と書いている部分をクリックして、タイトルを入力します。 「クリックしてサブタイトルを入力」の部分には、日付や名前などを入力します。
PowerPointでは、文字のフォントはデザインに応じて自動的に決まります。 そのフォントを変更するには、設定パレットを利用します。 設定パレットの「フォント」をクリックしますと、フォントの種類、サイズ、色などが変更できます。
フォントと同様、文字列の位置揃えもデザインに応じて自動的に決まります。 その位置揃えを変更するにも、設定パレットを利用します。 設定パレットの「配置と間隔」をクリックしますと、文字列の位置揃えや行間などが変更できます。
スライドの各要素についても、大きさと位置はデザインに応じて自動的に決まります。 その大きさや位置を変更するには、まず、その要素をクリックします。 すると、四角印の付いた枠が表示されますので、四角印をドラッグしますと大きさが変えられますし、枠をドラッグしますと移動できます。
タイトルのスライドを作成しましたら、次に、本文のスライドを作成します。 本文のスライドは、箇条書きが基本です。 PowerPointには、箇条書き以外にも、表や画像など、いろいろなレイアウトが用意されています。
スライドを挿入するには、メニューバーの「挿入」をクリックし、「新しいスライド」を選択します。 すると、表示されているスライドの次に、新しいスライドが挿入されます。 スライドのレイアウトを変更するには、設定パレットの「スライドの変更」をクリックし、「スライドのレイアウト」タブをクリックし、レイアウトのアイコンをクリックします。
表示するスライドを切り替えるには、左端の番号をクリックします。
それでは、挿入したスライドに文字を入力します。 ほとんどのレイアウトでは、上側に「クリックしてタイトルを入力」と表示されます。 そこには、そのスライドのタイトルを入力します。
箇条書きのスライドの場合、「クリックしてテキストを入力」と表示されますので、そこをクリックして項目を入力します。 returnキーで次の項目が入力できます。 強制改行は、shift+returnキーです。
スライドでは、箇条書きの中でさらに箇条書きを行うことがあります。 この箇条書きの中へ入る回数を、箇条書きのレベルと呼びます。 箇条書きのレベルを変えるには、設定パレットの「箇条書きと段落番号」をクリックし、「インデント」のボタンをクリックします。
箇条書きの左に付く記号・番号を変えるには、設定パレットの「箇条書きと段落番号」をクリックし、「種類」メニューから記号・番号を選択します。 順番に意味がないときは記号、順番に意味があるときは番号にします。
PowerPointでは、スライドの順番を入れ替えたり、スライドをコピーしたりできます。 この操作は、ウィンドウを標準表示にしていても可能ですが、スライド一覧表示にしますと分かりやすくできます。
ウィンドウの左下にある、四角が四つのスライド一覧表示ボタンをクリックしますと、スライドの一覧が表示されます。 ここで、スライドをドラッグ・アンド・ドロップしますと、スライドの順番が入れ替わります。 また、カット、コピー、ペーストは、スライドに対して行われます。 標準表示に戻すには、ウィンドウの左下にある、四角が三分割された標準表示ボタンをクリックします。
スライドの基本は箇条書きですが、表のスライドも利用できます。
スライドを挿入しましたら、設定パレットの「スライドの変更」の「スライドのレイアウト」で、表のスライドに変更してください。 すると、「ダブルクリックして表を追加」と表示されます。 そこをダブルクリックしますと、「表の挿入」ウィンドウが開きますので、列数と行数を入力してから「OK」をクリックしてください。
罫線をドラッグしますと、罫線が移動できます。 また、設定パレットの「罫線と網かけ」や「表」で、罫線を消したりセルを結合したりできます。
なお、表を削除するには、カットで行います。
惑星 | 衛星 |
---|---|
水星 | なし |
金星 | なし |
地球 | 1 |
火星 | 2 |
表と同様、画像のスライドも利用できます。
スライドを挿入しましたら、設定パレットの「スライドの変更」の「スライドのレイアウト」で、画像のスライドに変更してください。 すると、「ダブルクリックして画像を追加」と表示されます。 そこをダブルクリックしますと、「図の選択」ウィンドウが開きますので、ファイルを選択してから「挿入」をクリックしてください。
なお、画像を削除するには、カットで行います。
PowerPointでは、Wordと同じように、テキストボックスやオートシェイプが利用できます。
まず、メニューバーの「表示」をクリックし、「ツールバー」→「図形描画」と選択してください。 すると、図形描画用のツールバーが表示されます。 後は、Wordのときと同様に操作します。
○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○ 太陽 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星
アニメーション ( animation ) とは、スライドの要素が動くことです。 アニメーションは、パソコンを使ってプレゼンテーションを行う場合に意味があります。
PowerPointでは、様々なアニメーションが設定できます。 ここでは、例として、箇条書きの項目が順次表示されるというアニメーションを設定します。
アニメーションを設定するには、設定パレットの「アニメーション」をクリックし、「ユーザー設定」のボタンをクリックします。 すると、「アニメーションの設定」ウィンドウが開きますので、「アニメーションの設定」欄で設定する要素をクリックし、「効果の追加」をクリックします。 さらに、「アニメーション効果」ウィンドウが開きますので、「開始」タブをクリックし、「アピール」をクリックし、「OK」をクリックします。 「アニメーションの設定」ウィンドウの「プレビュー」欄で「再生」をクリックしますとアニメーションの概略が分かりますので、問題がなければ「OK」をクリックします。
アニメーションを確認するには、ウィンドウの左下にあるパネル印のスライドショーボタンをクリックします。 すると、スライドが全画面表示になり、設定したアニメーションが実行されます。
なお、アニメーションを取り消すには、「アニメーションの設定」ウィンドウでバツ印ボタンをクリックします。
プレゼンテーションをOHPや書画カメラで行う場合、スライドが完成しましたら印刷をします。 印刷するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「プリント」を選択します。 すると、「プリント」ウィンドウが開きますので、「プリント」ボタンをクリックします。
プレゼンテーションを行う際に、聞く人にスライドの縮小版を手渡すのが親切です。 この場合は、「プリント」ウィンドウの「印刷対象」を配布資料にします。
OHPや書画カメラでプレゼンテーションを行う場合は、スライドを一枚一枚投影します。
パソコンでプレゼンテーションを行う場合は、パソコンを液晶プロジェクタや大型ディスプレーに接続し、PowerPointファイルを開きます。 そして、ウィンドウの左下にあるパネル印のスライドショーボタンをクリックしますと、スライドが全画面表示になります。 後は、マウスをクリックしますと、次のスライドが表示されます。 前のスライドに戻ったり、途中のスライドに移動したりする場合は、マウスを右クリックします。
以下は、プレゼンテーション資料を作成するときの注意点です。
スライドは、聞く人が即座に理解できるものでなければなりません。 だらだら書いたり、ぎっしり書いたのでは、聞く人はスライドに気を取られ、話を聞かなくなります。 また、一枚のスライドを説明するのに、普通は一分程度の時間がかかります。 何枚もスライドを用意しますと、結局、時間オーバーになってしまいます。
プレゼンテーションを実行する際の注意点は次の通りです。
普通のプレゼンテーションは、何時何分から何時何分までと時間が決まっています。 時間オーバーは主催者のみならず、皆に迷惑をかけます。 また、スクリーンの方ばかり見ていますと、聞いている人に背を向けて話すことになります。 聞いている人に話しかけるような態度をとってください。 だらだらした話は、「結局、何を言いたいの?」と思われてしまいます。 事前に十分に練習をするようにしてください。
最終課題のプレゼンテーションは、以下のように行います。
発表時間を考えますと、スライドは10枚前後になります。 例えば、「コンピュータのセキュリティ」の「コンピュータウィルス」を選択した場合、用意するスライドは次のようになります。
最終課題の成績評価については、以下の項目を採点します。