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コンピュータI(コンピュータリテラシ)第11回

目次 索引
11.1 Webページ作成(1)
11.1.1 Jedit(2)
11.1.2 文字コード
11.1.3 HTMLとは
11.1.4 Webページ作成の準備
11.1.5 Webページ作成の手順
11.1.6 HTMLの基本
11.1.7 HTML文書の構造
11.1.8 見出し
11.1.9 段落
11.1.10 引用
11.1.11 整形済みテキストと強制改行
11.1.12 リスト(1)
11.2 参考文献

11.1 Webページ作成(1)

11.1.1 Jedit(2)

今日は、テキストファイルを扱います。 テキストファイルとは、文字だけで構成されるファイルであることを思い出してください。 また、テキストファイルを作成するには、テキストエディタと呼ばれるアプリケーションを利用することも思い出してください。 以前と同じように、テキストエディタとしてJeditを使います。

11.1.2 文字コード

テキストファイルを扱うときには、文字コードに関する理解が必要です。 文字コードをいい加減にしますと、ファイルの処理がうまくいかなかったり、文字化けに悩まされたりします。

パソコンの内部では、文字は直接処理されるわけではありません。 一つ一つの文字には番号が割り当てられていて、その番号をパソコンは処理するのです。 この、文字と番号の対応が、文字コードです。

文字コードは言語によって異なります。 さらに、同じ言語でも複数の文字コードが使われることがあります。 世界共通の文字コードも提案されていますが、これは最近の話です。

以下では、日本語に限って説明をします。

まず、全角文字と半角文字は、文字コードの意味で別物です。 全角文字とは、日本語モードで入力される、幅の広い文字のことです。 半角文字とは、英数モードで入力される、幅の狭い文字のことです。 全角文字の文字コードと半角文字の文字コードは異なります。 したがって、全角文字の"A"と半角文字の"A"は、パソコンの内部では区別されます。 「半角文字で入力してください」と書かれた入力欄に、全角文字を入力しますと、文字の番号が違うので、うまく処理されないのです。 特に、スペースと全角スペースは混乱しやすいので、Jeditでは全角スペースを灰色の四角で表示します。

そして、全角文字については、いくつかの文字コードが使われています。 重要なものは以下の通りです。

表 11.1  日本語に関係する文字コード
文字コード 主な用途
JIS(ISO-2022-JP) メール
シフトJIS パソコン
EUC ワークステーション
UTF-8 Web

同じ文字でも、文字コードが異なれば、割り当てられる番号も違います。 テキストファイルには、実際には文字の番号が記録されます。 したがって、保存する文字コードと開く文字コードが食い違うと、文字化けが起こるのです。

例えば、「瑕」という文字には、シフトJISで224-234という番号が割り当てられています(瑕疵(かし)で欠点という意味)。 また、「琲」という文字には、EUCで224-234という番号が割り当てられています(珈琲でコーヒー)。 テキストファイルに「瑕」と入力してシフトJISで保存し、EUCで開きますと、「琲」という文字に化けてしまいます。

表 11.2  文字化けを起こす文字コードの例(10進)
文字 シフトJIS EUC
224-232 224-234
224-234 224-236

11.1.3 HTMLとは

HTMLとは、HyperText Markup Languageの略で、Webページを記述するための言語です。

HTMLで書かれた文書をHTML文書と呼び、HTML文書が格納されたファイルをHTMLファイルと呼びます。

Webページを作成することは、HTMLファイルを作成し、補助的に画像ファイルなどを用意することです。

HTMLファイルはテキストファイルです。 したがって、テキストエディタで作成できます。

11.1.4 Webページ作成の準備

一般的に、Webページを作成するには、HTMLファイルを作成し、そのファイルをアップロードします。 この授業では、もう少し簡単な方法でWebページを作成します。

まず、東京女子大学のMacでは、ファイルをアップロードする必要はありません。 ホームフォルダにWWW-localというフォルダを作成し、その中にファイルを格納しますと、そのファイルは学内に公開されます。 ファイル名が filename .htmlならば、URLはhttp://www-local.twcu.ac.jp/~ loginname / filename .htmlです。

なお、ホームフォルダにWWWというフォルダを作成し、その中にファイルを格納しますと、そのファイルは世界中に公開されます。 ファイル名が filename .htmlならば、URLはhttp://www.twcu.ac.jp/~ loginname / filename .htmlです。 世界中に情報を公開することの責任を理解するまでは、WWWフォルダは作成しないでください。

それでは、次のようにしてWWW-localフォルダを作成してください。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーのホームをクリック。
  3. メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規フォルダ」を選択。
  4. フォルダ「新規フォルダ」のフォルダ名をクリックし、「WWW-local」に変更。

次に、HTMLファイルを作成するわけですが、一から書くのは大変なので、テンプレート(雛形)をコピーし、それを変更することにします。 次のようにして、テンプレートをコピーしてください。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリック。
  3. 「Jedit4.0フォルダ」をダブルクリック。
  4. 「Jedit4」をダブルクリック。
  5. メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規」を選択。
  6. DockのSafariアイコンをクリック。
  7. アドレスバーに、http://www-local.twcu.ac.jp/ip-edu/comp1/と入力。
  8. 「HTML雛形」をクリック。
  9. <!DOCTYPE から </HTML> までをドラッグ。
  10. メニューバーの「編集」をクリックし、「コピー」を選択。
  11. Jeditのウィンドウをクリック。
  12. メニューバーの「編集」をクリックし、「ペースト」を選択。
  13. メニューバーの「ファイル」をクリックし、「別名で保存」を選択。
  14. 「別名で保存」欄の右の三角ボタンをクリックして詳細表示にする。
  15. ホーム→「WWW-local」とクリック。
  16. 「ファイル形式」を「Jeditテキストのみ」にし、「漢字コード」を「UTF8」にし、「改行コード」を「CR(Mac)」にする。
  17. 「別名で保存」欄にindex.htmlと入力。
  18. 「保存」とクリック。

なお、index.htmlというファイル名は特別で、URLではファイル名を省略できます。 つまり、WWW-localフォルダの中にindex.htmlという名前で保存しますと、そのファイルはhttp://www-local.twcu.ac.jp/~ loginname /で開けます。

ということで、最後に、Safariのアドレスバーにhttp://www-local.twcu.ac.jp/~ loginname /と入力してください。

11.1.5 Webページ作成の手順

後は、このテンプレートを編集すれば、Webページが完成します。 ただし、HTMLファイルを編集しても、即座にブラウザに表示されるわけではありません。 ブラウザに表示するには、次の操作を繰り返します。

  1. HTMLファイルを編集し、保存。
  2. Safariのウィンドウをクリックし、再読み込みボタンをクリック。

11.1.6 HTMLの基本

HTMLの基本は、「タグで囲むと文書要素になる」です。

例えば、HTML文書に「 私の趣味はサイクリングです。 」と書きますと、「私の趣味はサイクリングです。」という文字列と見なされ、ブラウザではそのまま表示されます。 ところが、「 <P>私の趣味はサイクリングです。</P> 」と書きますと、「私の趣味はサイクリングです。」という段落と見なされ、ブラウザでは段落らしく表示されるのです。 この <P></P> がタグです。 詳しくは、 <P> が開始タグ、 </P> が終了タグです。 P は、段落という意味のParagraphに由来します。

HTMLには、いろいろなタグが用意されています。 開始タグ < elt > と終了タグ </ elt > で囲みますと、そこは文書要素 elt と見なされ、ブラウザではその文書要素らしく表示されます。

タグによっては、開始タグだけを書き、終了タグは書かないものがあります。 例えば、タグ <HR> は水平線を表します(Horizontal Rule)。 このタグに終了タグはありません。 HTML文書には、水平線を表示したい所に <HR> とだけ書きます。

タグには属性を与えることができます。 属性とは、タグに対する追加情報です。 タグ < elt > に対して、属性 att の値を value とするには、 < elt att =" value "> と書きます。 属性が2つある場合は、 < elt att1 =" value1 " att2 =" value2 "> となります。 なお、終了タグには属性は書きません。

HTMLでは、文字 < はタグの開始と見なされます。 本当に<と表示するには、代わりに &lt; と書きます。 このような、特別な文字の代わりになる文字列を、文字実体参照と呼びます。 基本的な文字実体参照は、以下の表の通りです。

表 11.3  文字実体参照
文字 文字実体参照 覚え方
スペース(改行禁止) &nbsp; No-Break SPace
< &lt; Less Than
> &gt; Greater Than
& &amp; AMPersand
" &quot; QUOTe

11.1.7 HTML文書の構造

テンプレートについて、簡単に説明します。

<!DOCTYPE ...>
HTMLのバージョン情報を表します。
<HTML></HTML>
HTML文書を表します。
<HEAD></HEAD>
HTML文書のヘッダ(本文以外の内容)を表します。
<META ...>
HTML文書の様々な情報を表します。
<TITLE></TITLE>
タイトルバーに表示する文字列を表します。
<BODY></BODY>
HTML文書の本文を表します。
<ADDRESS></ADDRESS>
メールアドレスなどの連絡先を表します。

11.1.8 見出し

一般的に、文書では、全体はいくつかの章に分かれ、それぞれの章はいくつかの節に分かれ、それぞれの節はいくつかの小節に分かれます。 文書の規模によっては、章の上に部が設けられたり、章がなかったりします。 それぞれの文書単位(部、章、節、小節など)には見出しが付きます。 ここでは、もっとも大きな文書単位の見出しをレベル1の見出し、次に大きな文書単位の見出しをレベル2の見出し、…と呼ぶことにします。

HTMLでは、レベル1の見出しを <H1></H1> で囲みます(Heading)。 すると、ブラウザでは、上下に余白が設けられ、太字の大きなフォントで表示されます。 レベル2の見出しは <H2></H2> です。 レベル2では、やや大きなフォントになります。 レベル3, 4, 5, 6の見出しは、それぞれ <H3></H3> , <H4></H4> , <H5></H5> , <H6></H6> です。 レベル3, 4, 5, 6となるにつれて、だんだん小さなフォントが使われます。

11.1.9 段落

HTMLでは、段落を <P></P> で囲みます。 すると、ブラウザでは、上下に余白が設けられて表示されます。

11.1.10 引用

引用とは、参考目的で取り込んだ他人の文章のことです。 引用は、自分の文章とは区別する必要があります。

HTMLでは、引用を <BLOCKQUOTE></BLOCKQUOTE> で囲みます。 すると、ブラウザでは、上下左右に余白が設けられて表示されます。

11.1.11 整形済みテキストと強制改行

HTML文書で改行しても、ブラウザでは原則として改行されません。 改行は、ウィンドウの幅に合わせて行われます。 また、HTML文書でスペースをいくら並べても、ブラウザでは一つのスペースになります。

改行やスペースの個数に意味があるテキストを、整形済みテキストと呼びます。 HTMLでは、整形済みテキストを <PRE></PRE> で囲みます(PREforamtted)。 すると、ブラウザでは、上下に余白が設けられ、改行は改行のまま、スペースはスペースのまま表示されます。

また、整形済みテキストではないけれど、強制的に改行するところには、タグ <BR> を書きます(line BReak)。 すると、ブラウザでは、強制的に改行されます。

11.1.12 リスト(1)

HTMLでは、箇条書きができます。 ここでは、箇条書きのことをリストと呼びます。 HTMLには、3種類のリストが用意されています。

最初は、番号無しリストです。 これは、項目の順番に意味がないリストです。 HTMLでは、まず、一つ一つの項目を <LI></LI> で囲みます(List Item)。 そして、項目の並びを <UL></UL> で囲みます(Unordered List)。 すると、ブラウザでは、上下に余白が設けられ、一つ一つの項目が記号付きで表示されます。

次は、番号付きリストです。 これは、項目の順番に意味があるリストです。 HTMLでは、まず、一つ一つの項目を <LI></LI> で囲みます。 そして、項目の並びを <OL></OL> で囲みます(Ordered List)。 すると、ブラウザでは、上下に余白が設けられ、一つ一つの項目が番号付きで表示されます。

最後の定義リストについては、次回説明します。


11.2 参考文献


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2005年6月29日更新
小西 善二郎 <konishi@twcu.ac.jp>
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