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表計算とは、表の形式でデータの入力と処理を行うことです。 表計算の機能を持つアプリケーションを、表計算ソフトと呼びます。
表計算ソフトを利用しますと、まず、データを表の形式でまとめられます。 データの位置を揃えたり、罫線を引いたりして、自由に表が作成できます。 そして、数式を入力しますと、その数式が自動的に計算されます。 計算は、加減乗除だけではなく、広い範囲の集計も行えます。 さらに、集計データからグラフが作成できます。 質問に答えるだけで、棒グラフや折れ線グラフなどが描けます。
東京女子大学のMacには、表計算ソフトとしてMicrosoft社のExcelがインストールされています。 現在、世界中で最も利用されている表計算ソフトはWindows用のExcelです。 Mac用のExcelは、Windows用のExcelとだいたい同じように使えます。
Excelを起動するには、DockのFinderアイコンをクリックし、サイドバーの「アプリケーション」をクリックし、「Microsoft Office 2004」→「Microsoft Excel」とダブルクリックします。 すると、「プロジェクト ギャラリー」ウィンドウが開きますので、「新規」タブをクリックし、「Excelブック」をクリックし、「開く」をクリックします。
Excelを起動しますと、新規ブックのウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規作成」を選択します。
また、ブックウィンドウの他にも、ツールバーや設定パレットなどのウィンドウが開きます。 ツールバーや設定パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作は、メニューバーから選択します。 この授業では、主に設定パレットを利用します。 設定パレットが表示されていない場合は、メニューバーの「表示」をクリックし、「設定パレット」を選択してください。
Excelを終了するには、メニューバーの「Excel」をクリックし、「Excelを終了」を選択します。
Excelで表を作成するときの手順は、おおむね次の通りです。
Excelのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなりますと、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していないデータは普通は消滅します。 表を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。
なお、操作ミスによってデータが消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーの「編集」をクリックし、「元に戻す」を選択しますと、元に戻ります。
新規ブックのファイル名を決定するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「別名で保存」を選択します。 すると、ウィンドウが開きますので、「別名で保存」欄の右の三角ボタンを数回クリックして詳細表示にし、保存先のフォルダを選択し、「別名で保存」欄にファイル名(〜.xls)を入力し、「保存」をクリックします。
ファイル名を決定した後に文書を保存するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「保存」を選択します。
ウィンドウを閉じた後に保存したファイルを開くには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「開く」を選択します。 「開く」ウィンドウが開きますので、開くファイルを選択し、「開く」をクリックします。 なお、Finderのウィンドウのファイルのアイコンをダブルクリックしても、ファイルは開けます。
ここでは、例として、次のような架空の買い物リストを作成します。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
---|---|---|---|
切手 | ¥80 | 60 | ¥4,800 |
官製はがき | ¥50 | 60 | ¥3,000 |
封筒(10枚入り) | ¥150 | 6 | ¥900 |
合計 | ¥8,700 |
Excelでは、データが入力できる一つ一つの長方形をセルと呼びます。 セルが縦横に並んでいる領域をシートと呼びます。 利用者は、シートの一部に表を作成します。 一枚のシートに複数の表を作ることも可能です。
Excelでは、一つのウィンドウには複数のシートがまとめられます。 このシートのまとまりを、ブックと呼びます。 ウィンドウの下側のタブをクリックしますと、シートが切り替えられます。 ファイルへの保存は、ウィンドウと同じく、ブック単位で行われます。
セルにデータを入力するには、そのセルをダブルクリックします。 カーソルが現れたら、データを入力します。 入力は、returnキーで確定し、escキーで取り消されます。 すでにデータが入力されているセルをダブルクリックしますと、そのデータが編集できます。
なお、セルをダブルクリックする手間を省き、tabキーとreturnキーで能率よく入力する方法もあります。 また、セルの中で改行するには、optionキーとcontrolキーを押しながらreturnキーを押して離します。
上記の例のデータを入力しますと、以下のようになります。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
切手 | 80 | 60 | |
官製はがき | 50 | 60 | |
封筒(10枚入り) | 150 | 6 | |
合計 |
カット、コピー、ペーストについては、だいたい今まで通りです。 コピー元を指定するには、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 コピーされた範囲は点線で囲まれますが、これはescキーで消えます。 ペーストはペースト先をクリックしてから行いますが、もし、セルの範囲をドラッグしてからペーストしますと、データが繰り返しペーストされます。 なお、カットは移動の意味になり、データはすぐには消えません。 データを消すには、メニューバーの「編集」をクリックし、「消去」→「すべて」と選択します。
シートの上側にA, B, C, ..., シートの左側に1, 2, 3, ...と書かれていることに注目してください。 これは、セルの名前を示しています。 つまり、左上のセルはA1という名前、その右のセルはB1という名前です。
数式とは、セルの名前や数値を、プラスやマイナスで結合したり、関数を適用したりして得られる表現のことです。 ここで、足し算はプラス(+)、引き算はマイナス(-)ですが、掛け算はアスタリスク(*), 割り算はスラッシュ(/)を使います。 Excelにはいろいろな関数が用意されています。 以下は、基本的な関数の適用例です。
セルに数式を入力しますと、セルにはその計算結果が表示されます。 この計算結果は、セルの名前で参照することによって、他のセルの数式の計算で利用できます。 表計算では、一つ一つのセルの数式を計算することによって、全体としてまとまったデータ処理を行うのです。
数式は、参照するデータが変更されますと、自動的に再計算されます。 この機能は、表計算がテンプレートとして使えることを意味します。 例えば、テストの度に生徒の合計点と科目の平均点を計算する教員を考えます。 この教員は、合計点や平均点を計算する数式をシートに入力し、テストの回数分コピーしておきます。 テストが終わったら、シートに得点を入力すれば、自動的に数式が計算され、成績表が完成するというわけです。
実際にセルに数式を入力するには、データと区別するために、イコール(=)を入力してから数式を入力します。
入力した数式を確認するには、数式バーを使います。 メニューバーの「表示」をクリックし、「数式バー」を選択してください。
上記の例では、セルD2に=B2*C2と入力します。 すると、セルB2とC2の積の4800という計算結果がセルD2に表示されます。 セルD2をクリックしますと、数式バーには=B2*C2と表示されます。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
切手 | 80 | 60 | 4800(数式は=B2*C2) |
官製はがき | 50 | 60 | |
封筒(10枚入り) | 150 | 6 | |
合計 |
数式のセルをコピーしますと、計算結果ではなく、数式がコピーされます。 しかも、数式中のセルの名前は、コピー元での位置関係を保存するように変更されます。 このメカニズムをうまく利用することが、表計算のポイントになります。
上記の例では、セルD2をセルD3とD4にコピーします。 すると、セルD3の数式はB3*C3となり、セルD4の数式はB4*C4となります。 コピー元のセルD2の数式=B2*C2は、「二つ左と一つ左の積」という意味としてコピーされたのです。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
切手 | 80 | 60 | 4800(数式は=B2*C2) |
官製はがき | 50 | 60 | 3000(数式は=B3*C3) |
封筒(10枚入り) | 150 | 6 | 900(数式は=B4*C4) |
合計 |
最後に合計を計算します。 セルD5に=D2+D3+D4と入力してもできますが、ここでは関数を利用して、=SUM(D2:D4)と入力します。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
切手 | 80 | 60 | 4800(数式は=B2*C2) |
官製はがき | 50 | 60 | 3000(数式は=B3*C3) |
封筒(10枚入り) | 150 | 6 | 900(数式は=B4*C4) |
合計 | 8700(数式は=SUM(D2:D4)) |
データと数式の入力が終わりましたら、表の体裁を整えます。
データのフォントを変更するには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「フォント」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「名前」を変更します。
「名前」の代わりに「サイズ」を変更しますと、文字の大きさが変わります。 また、「B」をクリックしますと太字になり、「I」をクリックしますと斜体になります。 「U」をクリックしますと下線が引かれます。
データ80を表示するとき、80円の場合と80個の場合とでは、適切な表示の仕方は異なります。 データの表示の仕方を、表示形式と呼びます。
データの表示形式を変更するには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「数値」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「表示形式」を変更します。
上記の例では、円が付くデータの表示形式を「通貨」に変更します。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
切手 | ¥80 | 60 | ¥4,800 |
官製はがき | ¥50 | 60 | ¥3,000 |
封筒(10枚入り) | ¥150 | 6 | ¥900 |
合計 | ¥8,700 |
セルの大きさを変更するには、シートの上側のA, B, C, ...や左側の1, 2, 3, ...の境界線をドラッグします。
データをセルの中央に揃えるには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「横位置」の中央揃えボタンをクリックします。
セルの範囲は、一つの(大きな)セルにまとめられます。 これを、セルの結合と言います。
セルを結合するには、まず、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「セルの結合」のチェックを有効にします。
上記の例では、「合計」のセルを結合し、表の見出しを中央揃えにします。
品名 | 単価 | 数量 | 金額 |
---|---|---|---|
切手 | ¥80 | 60 | ¥4,800 |
官製はがき | ¥50 | 60 | ¥3,000 |
封筒(10枚入り) | ¥150 | 6 | ¥900 |
合計 | ¥8,700 |
画面上は、シートに薄く罫線が引かれていますが、この罫線は印刷されません。 表に罫線を引くには、まず、セルをクリックするか、セルの範囲をドラッグします。 次に、設定パレットの「罫線と網かけ」をクリックして詳細表示にします。 最後に、罫線のタイプを選択します。
シートが完成しましたら、必要に応じて、紙に印刷します。 メニューバーの「ファイル」をクリックし、「プリント」を選択します。 「プリント」ウィンドウが開きますので、「プリント」をクリックします。
以下の表は、架空の会社の社員構成をまとめたものです。 このデータをExcelシートに入力してから、数式を入力して、合計を計算してください。
年齢 | 男性 | 女性 | 合計 |
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10代 | 0 | 3 | |
20代 | 4 | 5 | |
30代 | 9 | 6 | |
40代 | 8 | 2 | |
50代 | 7 | 0 | |
60代 | 1 | 0 | |
合計 |
余力のある人は、背景色などを利用して、表を読みやすくしてください。
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