講義「数学の世界」の参考書
2002年 9月, 永島 孝
注意
- 絶版, 品切れのものもあり, 書店で手に入るとは限りません.
- ここにあげたものだけを推薦する意図ではありません.
とくに推奨するもの
和算に関して, つぎの書物を必ず読んでほしいと思います.
- 富山 (とみやま) 和子 著 日本の米.
中公新書1156, 中央公論社, 1993.
とくに第四章第五節.
行列式に関しては, 行列について述べたつぎの書物がいくらか参考になります.
- ドナルド・コーエン, 新井 紀子 共著 アメリカ流 7歳からの行列
目で見てわかる!.
ブルーバックスB-1327, 講談社.
とくに第6章.
行列式に関するもの
行列式は行列の理論や線型代数学 (線形代数学) の一部として
教えられることが多く, 行列式だけを扱った書物は今は少なくなりました.
行列と線型代数学の参考書の中から三つだけあげておきます.
- ドナルド・コーエン, 新井 紀子 共著 アメリカ流 7歳からの行列
目で見てわかる!.
ブルーバックスB-1327, 講談社.
- 小寺 平治 著 クイックマスター線形代数 改訂版. 共立出版.
- 小寺 平治 著 明解演習 線形代数. 共立出版.
和算に関するもの
- 小倉 金之助 著 日本の数学. 岩波新書61, 岩波書店, 1940.
- 加藤 平左エ門 著 趣味の和算. 槙書店, 1974.
- 佐藤 健一 著 和算家の旅日記. 時事通信社, 1988.
- 佐藤 健一 著 数学の文明開化. 時事通信社, 1989.
- 佐藤 健一 著 日本人と数 江戸庶民の数学. 東洋書店, 1994.
- 佐藤 健一 編 (大竹 茂雄, 野口 泰助, 安富 有恒, 千喜良 英二, 弦間 耕一, 佐藤 健一 共著) 江戸の寺子屋入門 ── 算術を中心として ──. 研成社, 1996.
- 田崎 中 著 江戸時代の数学. 総合科学出版, 1983.
- 深川 英俊, ダン・ペドー 共著 日本の幾何 ── 何題解けますか?. 森北出版, 1991.
つぎの三つの書物とともに, 算額の問題からおもしろいのを集めて解説したもの.
- 深川 英俊, ダン・ソコロフスキー 共著 日本の数学 ── 何題解けますか? [上]. 森北出版, 1994.
- 深川 英俊, ダン・ソコロフスキー 共著 日本の数学 ── 何題解けますか? [下]. 森北出版, 1994.
- 深川 英俊 著 例題で知る日本の数学と算額. 森北出版, 1998.
- 吉田 光由 著 塵劫記. 1627(寛永四年).
江戸時代を通じてベストセラーであった入門的教科書.
復刻版は少なくともつぎの四つのものがあります.
- (1) 下平 和夫 監修, 勝見 英一朗 校注 塵劫記. 江戸初期和算選書 第1巻[3], 研成社, 1990.
- (2) 塵劫記刊行三百年記念顕彰事業実行委員会(委員長大矢真一)(編著); 吉田光由 著 塵劫記全三巻, 付 現代活字版および論文集. 大阪教育図書株式会社, 1977.
- (3) 与謝野 寛, 正宗 敦夫, 与謝野 晶子 編纂校訂 古代数学集 [上]. 日本古典全集 29, 日本古典全集刊行会, 1927.
- (4) 吉田 光由 著 (大矢 真一 校注) 塵劫記. 岩波文庫, 岩波書店, 1977.
和算に関するもっと専門的なもの
- 王 青翔 著 「算木」を超えた男 ──
もう一つの近代数学の誕生と関孝和 東洋書店, 1999.
- 平山 諦 著 関孝和. 恒星社厚生閣, 1959, 増補1974.
- 平山 諦 著 和算の誕生. 恒星社厚生閣, 1993. 和算の始まりには西洋の影響があるという仮説を述べたもの.
- 村田 全 著 日本の数学西洋の数学 ── 比較数学史の試み. 中公新書611, 中央公論社, 1981.
さらに, つぎの辞典・事典なども参考になります
- 日本数学会 編 岩波数学辞典. 岩波書店発行, 1985.
- 一松 信, 竹之内 脩 編 改訂増補新数学事典. 大阪書籍発行, 1991.
和算を題材にした文学作品など
言うまでもありませんが小説と史実とを混同しないように!
- 五十嵐 秀太郎 著 評伝 佐藤雪山 ── 越後和算学者の系譜 ── 恒文社, 1989. ノンフィクション
- 遠藤 寛子 作, 箕田 源二郎 絵 算法少女. 少年少女歴史小説シリーズ, 岩崎書店, 1973.
- 金 重明 (キム・チュンミョン) 著 算学武芸帳. 朝日新聞社, 1997. (原題: 鳳積術)
- 金 重明 著 戊辰算学戦記. 朝日新聞社, 1999.
- 永井 義男 著 算学奇人伝. TBSブリタニカ. 1997.
- 永井 義男 著 中山道算学奇談. 幻冬舎, 1998.
- 鳴海 風 (なるみ・ふう) 著 円周率を計算した男.
新人物往来社, 1998.
- 鳴海 風 著 算聖伝 関孝和の生涯. 新人物往来社, 2000.
和算に関する文献は上に挙げたもののほかに
http://www2s.biglobe.ne.jp/~hotori/wasan.html
も参照して下さい.
戻る