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5 1章のまとめ

5.1 「日用品の精神病理学」

"The Psychopathology of Everyday Things"「日用品の精神病理学」

われわれの回りには使いにくい製品があふれている.どうすればこの状況を変えられるだろうか?

5.2 よいデザインに必要なもの

  1. 使い方を示す可視的な手がかり(visible clue),可視性(visibility).どこを押せばドアが空くのかはドアのデザインによって示されるべき.デザインにより,使い方が自然にわかる.
  2. やりたいこととできそうなことの間に自然な対応付け(natural mapping).ハンドルは回すことをaffordし,右に回せば車が右に曲がるのは自然な対応付け.
  3. 操作の結果が見えること(feedback).
  4. よい概念モデル(conceptual models).利用者は概念モデルを使って自分の行為の結果を予測するので,よい概念モデルを利用者に与える必要がある.概念モデルがない場合は闇雲に試してみるしかない.

アフォーダンス(affordance):物の知覚された又は現実の特性,特にその物がどのように使用されうるかを決定する基本的な特性.アフォーダンスによって,物をどう扱えばよいかの手がかりが与えられる.見ただけでどう使えばよいかわかる.単純なものにラベルや説明や図が必要ならば,デザインが悪い.

概念モデル(conceptual models):物がどのように機能するかの頭の中でのシミュレーション.「アフォーダンス」と「制約(constraints)」と「対応付け」は更なる手がかりを与える.概念モデルはメンタルモデルの一部.メンタルモデルは自分自身や他者や環境や使用する物に対して持つモデル.経験や訓練や指示を通してメンタルモデルは構築される.道具のメンタルモデルは,知覚された道具の動作と見た目の構造によって形作られる.

概念モデルはメンタルモデルの一部:デザイナが持つ「デザインモデル」,システムを利用することで生じる利用者の「ユーザモデル」,システム(物)が実際に持っていてユーザに示す「システムイメージ」.ユーザモデルとデザインモデルが同じならばよいが,ユーザはシステムモデルを通じてユーザモデルを構築する.

5.3 デザイナの仕事

技術が進歩したおかげで人生は容易になり楽しくなった.しかし同時に世の中は複雑になってしまった.技術の登場期には複雑で使いにくいが,技術が成熟すると使いやすくなる.その市場が広がると新参者が新しい機能を引っさげてやってくるので機能がてんてこ盛りの複雑な装置になってしまう.

機能が増え,サイズが小さくなると対応付けや可視性を与えることが難しくなる.製造コストも考えなければならない.しかし,上記のポイントを知って上手にデザインすれば複雑で使いにくい製品になることは避けられる.