アカデミック環境におけるデータ・ICTの活用
DS・ICT入門Iをもう1段階強化して実践的にアカデミックライティング技術やアカデミックなプレゼンテーション技術を習得する。 そのために、Oficeソフトを効果的に利用するためのスキルを身につける。 あわせて、レポートや論文作成に必要な、大量のデータについて、基本的な分析方法を学び、表やグラフで的確に表現する方法を身に付ける。 また資料作成に必要な文献検索の方法やインターネットの利用方法を学び、情報を効率良く検索し批判的に取捨選択し、それらを用いて生産的に自らのレポートや論文、発表資料として構成しなおす作業を、情報技術を用いて効率良く行える力を身に付ける。
教室外学習(課題)の内容は教科書を読む、また担当教員がクラスごとに課題を指示する(スケジュール欄を参照のこと)。
予習・復習の他に、課題は各自が計画的に行うこと。
奥村晴彦・森本尚之『改訂第5版 基礎からわかる情報リテラシー』(技術評論社)
吉岡剛志・森倉悠介・小林領・照屋健作『AIデータサイエンスリテラシー入門』(技術評論社)
内容に応じて適宜紹介する。
以下の5点が評価基準である。
回数 | 授業内容 | 教室外学習 | |
---|---|---|---|
内容 | 時間の目安 | ||
1 |
オリエンテーション、シラバスの説明
クラスごとに進め方の説明 |
シラバスをよく読む。 | 120 |
2 | Excel(復習と時系列データ) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第6章とテキスト「AIデータサイエンスリテラシー入門」の第2章(2-1と2-2)を読む。 |
120 |
3 | Excel(平均と標準偏差) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「AIデータサイエンスリテラシー入門」の第2章(2-3と2-4)を読む。 |
120 |
4 | Excel(大量のデータと基本統計量、箱ひげ図) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「AIデータサイエンスリテラシー入門」の第2章(2-5と2-6)を読む。 |
120 |
5 | Excel(度数分布表とヒストグラム、散布図、相関係数) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「AIデータサイエンスリテラシー入門」の第2章(2-7と2-8)を読む。 |
120 |
6 | Excel(定性データとクロス集計、Excelを使った実習) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「AIデータサイエンスリテラシー入門」の第2章(2-9)を読む。 担当教員が指示した課題を行う。 Excelの復習をする。 |
120 |
7 | 情報検索(専門用語の意味の検索、国内論文と海外論文の検索、Cinii、OPAC、図書館利用) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第8章を読む。 |
120 |
8 | 情報検索(ネット上の情報の探し方) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第8章を読む。 |
120 |
9 | Word(レポートや論文の基本的な構成) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第5章を読む。 |
120 |
10 | Word(レポートや論文の作成で役立つテクニック) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第5章を読む。 |
120 |
11 | PowerPoint(プレゼンテーションの基本、スライドの適切な構成とスライドの作り方) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第7章を読む。 |
120 |
12 | PowerPoint(スライド作成で役立つテクニック、アニメーションの適切な利用) |
担当教員が指示した課題を行う。
テキスト「基礎からわかる情報リテラシー」の第7章を読む。 |
120 |
13 | Word・PowerPointを使った実習 |
担当教員が指示した課題を行う。
WordとPowerPointを復習する。 |
120 |
14 | 最終課題1 |
担当教員が指示した課題を行う。
これまでの授業の内容を復習する。 |
120 |
15 | 最終課題2 |
担当教員が指示した課題を行う。
これまでの授業の内容を復習する。 |
120 |
備考 | 授業内容やスケジュールは、各クラスの進み具合によって変動することがある。 |
この授業の内容を一言で言うと、「アカデミック・ライティング」です。 つまり、レポートや論文の書き方についてです。 「アカデミック・ライティング」と英語で言っていますが、日本語でレポートや論文を書いてもいいです。
今の時代、レポートや論文を書くときは、パソコンを使います。 このとき、パソコンをどう利用したらよいかについて、この授業で説明します。
この授業の進め方は、以下のとおりです。
なお、成績は提出物のみで決まり、試験は実施しません。
レポートや論文を作成するとき、最初に行うのは資料収集です。 ネット上の情報は参考程度にして、なるべく書籍や論文雑誌を探すようにしてください。
書籍や論文雑誌を探すときは、 文献検索 を行います。 これについては、授業で取り上げます。
ネット上の情報は参考程度にと言いましたが、統計データについては最新のものをネットから入手したほうがよいです。
統計データを集めるときは、 データ検索 を行います。 これについては、授業で取り上げます。
さて、ちょうどよい統計データを見つけても、それらは大量の数値です。 そのまま理解できるようなものではありません。
統計データを理解する第一の方法は、平均や標準偏差などの統計量を計算することです。
Excelでの 統計量の計算 については、授業で取り上げます。
統計データを理解する第二の方法は、データを集計して表にまとめることです。
Excelでの データ集計 については、授業で取り上げます。
統計データを理解する第三の方法は、データを統計グラフで表すことです。
Excelでの グラフ作成 については、授業で取り上げます。
資料を十分に検討したあとは、いよいよ文書作成を始めます。 ただし、長文の場合、頭から書き始めても、うまくいきません。 それよりも、まず、文書の全体像を考えたほうがよいです。
文書の全体像ができあがったら、次にそれを見出しにします。 見出しとは、「第1章」「1.1節」のような部分です。 見出しができたら、その間に段落を書いていけばいいのです。
見出しで問題になるのが、見出し番号です。 これを手入力してしまうと、後で見出しを追加・削除したときに、番号を振り直さなくてはいけなくなります。 この作業が間違いやすいのです。 間違えて、「第1章」の次が「第1章」になっていると、それだけで論文の価値が下がります。
Wordにはスタイルという機能があり、見出しにスタイルを設定すれば、見出し番号が自動的に付けられたり、目次が自動的に作成できたりします。 スタイル については、授業で取り上げます。
レポートや論文では、文字だけでなく、図や表も使われます。 図や表には番号を付けますが、これを手入力すると、後で図や表を追加・削除したときに、番号の振り直しを間違う可能性が高くなります。
Wordでは、図番号や表番号を自動的に付けることができます。 また、相互参照という機能があり、本文中の図番号や表番号を自動的に更新することができます。 相互参照 については、授業で取り上げます。
レポートや論文の最後には参考文献一覧を載せますが、Wordには参考文献を管理する機能があり、参考文献一覧が自動的に作成できます。 参考文献作成 については、授業で取り上げます。
論文の場合、その内容をプレゼンテーション・スライドにまとめて、研究発表をすることが多いです。 スライドは、見た目に統一感があり、図形を使って一目で理解できるのが理想です。
PowerPointにはスライドマスターという機能があり、スライドの見た目に統一感を持たせることができます。 スライドマスター については、授業で取り上げます。
また、PowerPointにはSmartArtという機能があり、図形中心のスライドを効率的に作成できます。 SmartArt については、授業で取り上げます。
PowerPointのアニメーション機能は、面白がって使うとふざけたスライドになりますが、適切に利用すると印象的なスライドになります。 アニメーション については、授業で取り上げます。
DS・ICT入門IではWebClassの教材「Infoss情報倫理」を利用しましたが、このときに「レポート作成入門」も利用可能にしました。 今日はこの「レポート作成入門」を説明します。 なお、「レポート作成入門」の「修了テスト」は、やらなくてもいいです。