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情報処理技法(リテラシ)II 第8回

目次
索引

Word(2)

相互参照とは

レポートや論文では、いくつかの図が使われます。 それらの図には 図番号 が振られます。 図番号は、「図1」、「図2」のような連番形式や、「図1.1」、「図1.2」のような「章番号.連番」形式が使われます。 そして、本文では図を図番号で参照し、「写真は図1.1のとおり」のように書きます。

レポートや論文では、図だけでなく表も使われます。 図番号と同じように、表には「表1」や「表1.1」のような 表番号 が振られます。 図番号と表番号をまとめて 図表番号 とよびます。

図表を追加、削除したときは、図表番号を振り直さなくてはいけません。 さらに、本文中の図表番号も修正する必要があります。 Wordの「図表番号の挿入」機能を利用すると、図表番号を自動的に振り直せます。 また、Wordの「 相互参照 」機能を利用すると、本文中の図表番号を自動的に変えられます。

Wordの「相互参照」機能は、見出し番号でも使えます。 つまり、本文に「詳細は第2章で説明する」などと書いた後で、見出しを追加、削除した場合、この「第2章」が直接入力したものならば修正しなくてはいけませんが、「相互参照」機能で入力したものならば、自動的に変えられます。

図表番号が「図2.1」や「表2.1」のような「章番号.連番」形式でも、Wordの「図表番号の挿入」機能と「相互参照」機能を利用していれば、後で見出しを追加、削除して章番号が変わっても、この「2」の部分を自動的に変えられます。

例えば、以下のようなWord文書を作成したとします。

相互参照(1)
相互参照(1)

もし、本文中の図表番号や見出し番号が直接入力したものならば、「はじめに」という章見出しを文書の最初に追加しても、本文中の図表番号や見出し番号はそのままなので、修正しなくてはいけません。

相互参照(2)
相互参照(2)

しかし、Wordの「図表番号の挿入」機能と「相互参照」機能を利用していれば、本文中の図表番号や見出し番号を自動的に変えられます。

相互参照(3)
相互参照(3)

図表番号

それでは、実際にやってみましょう。 まず、文字だけ入力します。 ここで、「(図)」、「(表)」、「(章)」は、後で図表番号や見出し番号を入れるという目印です。

相互参照の作成(1)
相互参照の作成(1)

次に、アウトライン・モードにし、「見出し 1 に変更」ボタンと「標準文字列」ボタンで、章見出しと本文に分けます。

相互参照の作成(2)
相互参照の作成(2)

印刷レイアウトに戻すと、見出しの左には点が表示されますが、本文には表示されません。

相互参照の作成(3)
相互参照の作成(3)

今日は、見出しのスタイルは設定しません。

カーソルを1行目に移動し、リボンの「ホーム」をクリックし、「アウトライン」ボタンをクリックし、「リスト ライブラリ」の中の「第1章、第1節、第1項」をクリックします。

相互参照の作成(4)
相互参照の作成(4)

今日は、見出しの番号は設定しません。

文字の部分ができたので、次に、図表を追加します。 図表については、次のExcelファイルをダウンロードしてください。 このExcelファイルは、年齢構造のそれぞれの都道府県1位をまとめたものです。

lit2_08_data.xlsx

そして、ExcelファイルからWordファイルにコピー・アンド・ペーストします。

相互参照の作成(5)
相互参照の作成(5)

一般的に、図番号は図の下に書きます。

Wordの図を右クリックし、「図表番号の挿入」をクリックすると、「図表番号」ウィンドウが開きます。

「図表番号」ウィンドウの「ラベル」メニューで「図」を選択し、「位置」メニューで「選択した項目の下」を選択します。

相互参照の作成(6)
相互参照の作成(6)

「番号付け」ボタンをクリックすると、「図表番号の書式」ウィンドウが開きます。 「書式」メニューで全角の数字を選択し、「章番号を含める」チェックボックスをオンにし、「章タイトルのスタイル」を「見出し 1」にし、「区切り文字」を「.(ピリオド)」にして、「OK」ボタンをクリックします。

相互参照の作成(7)
相互参照の作成(7)

「図表番号」ウィンドウの「図表番号」が「図 2.1」であることを確認して、「OK」ボタンをクリックします。

相互参照の作成(8)
相互参照の作成(8)

すると、図の下に「図 2.1」が追加されるので、番号の次にキャプション(説明文)を入力します。

相互参照の作成(9)
相互参照の作成(9)

図を右クリックし「文字列の折り返し」→「上下」とクリックします。

相互参照の作成(10)
相互参照の作成(10)

すると、図を横に移動できるので、中央に揃えます。 図番号とキャプションは、「中央揃え」ボタンで中央に揃えます。

他の図についても、同じように操作してください。 その際、「図表番号」ウィンドウの「図表番号」に「図 2.2」や「図 2.3」と表示されていれば、「OK」ボタンをクリックするだけでよいです。

一般的に、表番号は表の上に書きます。

Wordの表の中にマウスカーソルを入れ、出てきた左上の四角を右クリックし、「図表番号を挿入」をクリックすると、「図表番号」ウィンドウが開きます。

「図表番号」ウィンドウの「ラベル」メニューで「表」を選択し、「位置」メニューで「選択した項目の上」を選択します。

相互参照の作成(11)
相互参照の作成(11)

「番号付け」ボタンをクリックすると、「図表番号の書式」ウィンドウが開きます。 「書式」メニューで全角の数字を選択し、「章番号を含める」チェックボックスをオンにし、「章タイトルのスタイル」を「見出し 1」にし、「区切り文字」を「.(ピリオド)」にして、「OK」ボタンをクリックします。

相互参照の作成(12)
相互参照の作成(12)

「図表番号」ウィンドウの「図表番号」が「表 2.1」であることを確認して、「OK」ボタンをクリックします。

相互参照の作成(13)
相互参照の作成(13)

すると、表の上に「表 2.1」が追加されるので、番号の次にキャプション(説明文)を入力します。

相互参照の作成(14)
相互参照の作成(14)

表の左上の四角を右クリックし、「表のプロパティ」をクリックすると、「表のプロパティ」ウィンドウが開きます。 「表」タブをクリックし、「配置」を「中央揃え」にし、「文字列の折り返し」を「なし」にします。

相互参照の作成(15)
相互参照の作成(15)

すると、表が中央に揃います。 表番号とキャプションは、「中央揃え」ボタンで中央に揃えます。

相互参照

図表番号を振ったので、最後に「相互参照」機能を使って、図表番号や見出し番号を本文に入れます。

「(図)」、「(表)」、「(章)」のいずれかにカーソルを移動し、リボンの「参考資料」をクリックし、「相互参照」をクリックすると、「相互参照」ウィンドウが開きます。 「参照する項目」メニューで「図」、「表」、「見出し」のどれかを選択し、「相互参照の文字列」メニューで、「図」や「表」の場合は「番号とラベルのみ」、「見出し」の場合は「見出し番号」を選択し、「ハイパーリンクとして挿入する」チェックボックスをオンにし、「図表番号の参照先」欄で参照先をクリックし、「挿入」ボタンをクリックします。

相互参照の作成(16)
相互参照の作成(16)
相互参照の作成(17)
相互参照の作成(17)

これで、本文中に図表番号と見出し番号が入りました。

相互参照(1)
相互参照(1)

相互参照が本当に機能するかを確かめるために、文書の最初に「はじめに」と入力します。

相互参照の作成(18)
相互参照の作成(18)

そして、「はじめに」をドラッグし、「見出し 1」をクリックして章見出しにします。 この段階では、図表番号と見出し番号は変わりません。

相互参照(2)
相互参照(2)

最後に、リボンの「ホーム」→「選択」→「すべて選択」とクリックし、右クリックして「フィールド更新」をクリックしてください。 すると、図表番号と見出し番号が自動的に変わります。

相互参照(3)
相互参照(3)

なお、テキスト・ボックスの中などは、自動的に変わらない場合があります。 そのときは、個別に右クリックして「フィールド更新」をクリックしてください。

「参考文献」はレベル 1 の見出しになっていますが、見出し番号はいりません。

相互参照の作成(19)
相互参照の作成(19)

「参考文献」をドラッグし、リボンの「ホーム」→「アウトライン」→「なし」とクリックすると、見出し番号が消えます。

相互参照の作成(20)
相互参照の作成(20)
相互参照の作成(21)
相互参照の作成(21)

演習8

[相互参照]外務省のトップページ( https://www.mofa.go.jp/ )を開き、「Japanese」→「国・地域」とクリックすると、世界各国の国旗や基礎データ(面積や人口など)が閲覧できます。 そこで、今興味がある2か国を選び、それらの国の国旗をWordの図として貼り付けてください。 また、興味がある2種類の基礎データを選び、それらの基礎データが比較できるようにWordの表にまとめてください。 最後に、Wordの「図表番号の挿入」機能と「相互参照」機能を利用して、例のようなWord文書を作成してください。

相互参照(4)
相互参照(4)

レポート課題

今日の演習8の答案(Wordファイル)をメールで提出してください。 差出人は大学発行のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(11月9日)を明記してください。


参考文献


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2022年11月9日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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