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情報処理技法(リテラシ)II 第5回

目次
索引

資料の重要性

レポート作成や論文作成で、最初にやることは、資料集めです。 適切な資料を効率的に探すことができれば、じっくりとレポートや論文を書くことができます。

「適当なキーワードで検索すれば、資料なんて、すぐに集まる。」と思うかもしれません。 しかし、インターネット上の情報は、貴重なものもありますが、いい加減なものも多いです。

例えば、フリー百科事典「Wikipedia」の場合、英語のページはよく書けているのに、日本語のページは書きかけで放置されていることがあります。 そういう中途半端な情報を元にレポートや論文を書いても、説得力はありません。

資料の種類

レポート作成や論文作成に役立つ資料は、次のようなものです。

新聞については、 縮刷版 というものがあります。 これは、過去の新聞の紙面を縮小印刷して製本したり、PDFファイルにしてDVDに記録したものです。 多くの図書館で利用可能で、数十年分の新聞記事が閲覧できます。

論文雑誌 とは、学会などが定期的に発行する雑誌で、研究者が投稿した論文が掲載されているものです。 論文雑誌は、普通、書店では売っていません。 大学などの図書館で閲覧できます。 特に研究レベルでは、論文雑誌が重要になります。

データベース とは、特定の研究分野に関するデータの検索などが行えるシステムです。 誰でも無料で利用できるものもあれば、大学が契約していて、大学のパソコンだけから利用できるものもあります。

図書館の利用

レポート作成や論文作成で、必要な資料を集めるには、図書館に行く必要があります。 まず、一般的な図書館の利用法について説明します。

図書館の書籍の並べ方( 配架 といいます)は、 NDC 日本十進分類法 )に従っていることが多いです。 以下は、NDCの最も大きな分類です。

NDC(日本十進分類法)
分類記号 分野
0 総記
1 哲学・宗教
2 歴史・地理
3 社会科学
4 自然科学
5 技術
6 産業
7 芸術
8 言語
9 文学

ただし、専門図書館では、独自の配架方式を採用している場合があります。 また、雑誌の配架は、NDCと関係なく、雑誌名の五十音順やアルファベット順になっていたりします。

図書館には 司書 とよばれる人がいます。 司書は情報探索のプロです。 図書館でうまく資料が探せないときは、司書に相談してみてください。

うまく資料が見つかったら、次に、借りるかコピーするかです。 普通、書籍は借りられますが、リファレンス類、新聞縮刷版、一般雑誌、論文雑誌は借りられません。 図書館の職員に依頼すると、(著作権の範囲内で)実費でコピーしてもらえます。

東京女子大学図書館

次に、東京女子大学図書館についてです。 東京女子大学のホームページ( http://www.twcu.ac.jp/ )を開き、「学生生活」→「図書館」→「東京女子大学図書館ウェブサイト」とクリックすると、図書館のトップページ( https://library.twcu.ac.jp/ )が開きます。

図書館のトップページは、蔵書検索データベースOPACを利用するのに便利ですが、「トップページ」をクリックすると戻れるので、OPACは後回しにして、「図書館総合案内」→「フロアガイド」とクリックすると、フロアガイドのページ( https://library.twcu.ac.jp/floor/ )が開きます。

フロアガイドを見ると、書籍については地階、2階、3階に、NDCに従って配架されているのが分かります。 また、リファレンス類や新聞縮刷版、雑誌バックナンバーは地階にあり、最近の新聞と雑誌は1階にあることも分かります。 1階のカウンターに行けば、文献探索の質問を受け付けてくれることや、新聞・雑誌は貸出不可であることも分かります。

データベースの利用

「資料の探し方」→「テーマ別データベース検索」とクリックすると、テーマ別データベース検索のページ( https://library.twcu.ac.jp/found/dbsearch/ )が開きます。 (このページは、トップページの「データベース検索」をクリックしても開きます。)

テーマ別データベース検索を見ると、それぞれの専門分野で、文献検索や研究データの検索ができることが分かります。 この授業では、

の3種類のデータベースを使ってみます。 なお、「資料の探し方」→「資料の探し方ナビ」とクリックすると、資料の探し方ナビのページ( https://library.twcu.ac.jp/found/find/ )が開きますので、データベースの使い方が確認できます。

東京女子大学OPAC https://opac.library.twcu.ac.jp/opac/opac_search/ )は、学内の書籍や雑誌を探す検索システムです。 キーワードで検索する「簡易検索」と、著者名やタイトルなどで検索する「詳細検索」があります。 図書館のトップページから使えるようになっています。

以下は、文献検索をするときの、レポートのテーマの例です。

例1 仏像を修復したという新聞記事を読んだが、仏像を修復していいのか。

例2 地球温暖化はデマだというテレビ番組を見たが、最近の異常気象は何なのか。

例3 都内の大学の定員を減らすというニュースを聞いたが、過疎化対策になるのか。

仏像の修復について調べる場合、まず、OPACの入力欄に「仏像 修復」と入力して「簡易検索」をクリックします。 すると、キーワードにヒットする書籍が一覧表示されます。 タイトルをクリックすると、

などが表示されます。 「検索結果一覧に戻る」をクリックすると、一覧表示に戻ります。

キーワード検索で、うまく検索できない場合は、キーワードを変えてみます。 「仏像 修復」の検索結果を見ていると、「文化財 修復」のほうがよさそうです。 キーワードの入力欄を「文化財 修復」に変更して「検索」をクリックすると、文化財修復を論じている書籍が数件見つかります。

地球温暖化について調べる場合、「地球温暖化 異常気象」で検索すると、「地球温暖化だから異常気象だ」という内容の書籍ばかり表示されます。 そこで、「地球温暖化」と「異常気象」を別々に検索すると、そうではない内容の書籍が数件見つかります。

過疎化対策について調べる場合、「過疎化対策」で検索すると、何も表示されません。 「過疎」なら表示されるので、検索結果を見ていると、「地方創生」というキーワードに気づきます。 実際、「地方創生」で検索すると、過疎化対策を論じている書籍が数件見つかります。

東京女子大学OPACの「詳細検索」は、次のようなときに利用します。

ここでは、書籍のデータベースとしてCiNii Booksを利用し、OPACの「詳細検索」で、その書籍が学内にあるかを確かめます。 また、論文のデータベースとしてCiNii Articlesを利用し、OPACの「詳細検索」で、その雑誌が学内にあるかを確かめます。

CiNii Books https://ci.nii.ac.jp/books/ )(CiNiiはサイニィと読みます)は、国立情報学研究所が提供する、書籍のデータベースです。

図書館のトップページから「資料の探し方」→「テーマ別データベース検索」とクリックするか、一般の検索エンジンで「cinii」と検索して、「大学図書館の本を探す」をクリックしてください。

使い方はOPACと大体同じで、キーワード入力欄にキーワードを入力して「検索」をクリックします。 違いは、検索結果のタイトルをクリックすると、所蔵している大学図書館が一覧表示されるところです。

その一覧から「東京女子大学図書館」を探してもいいですが、ここでは著者名をメモし、OPACの「詳細検索」をやってみます。 図書館のトップページを開き、OPACの「詳細検索」をクリックしてください。 そして、最初の入力欄に著者名を入力し、「著者名に左の語句を含む」を選択して「検索」をクリックしてください。 もし学内にその書籍があれば、検索結果に表示されます。

CiNii Articles https://ci.nii.ac.jp/ )は、国立情報学研究所が提供する、論文のデータベースです。

図書館のトップページから「資料の探し方」→「テーマ別データベース検索」とクリックするか、一般の検索エンジンで「cinii」と検索して、「日本の論文を探す」をクリックしてください。

使い方はOPACと大体同じで、キーワード入力欄にキーワードを入力して「検索」をクリックします。 違いは、検索結果が論文一覧になっていて、タイトルをクリックすると(あれば)概要が表示されるところです。

論文一覧には雑誌名が書いてありますが、その雑誌が学内にあるとは限りません。 そこで、雑誌名をメモし、OPACの「詳細検索」をやってみます。 図書館のトップページを開き、OPACの「詳細検索」をクリックしてください。 そして、最初の入力欄に雑誌名を入力し、「書名に左の語句を含む」を選択して「検索」をクリックしてください。 もし学内にその雑誌があれば、検索結果に表示されます。

もし、他の大学図書館にある書籍や論文を閲覧したければ、本学の図書館のカウンターに相談してください。 その大学図書館を利用するための紹介状を書いてくれたり、その大学図書館から取り寄せたりしてくれます。


演習5

[文献リスト作成]最後の3回の授業で、最終レポートと最終プレゼンテーション・スライドを作成してもらいます。 今日の授業では、レポートのテーマの例として、「仏像の修復」、「地球温暖化」、「過疎化対策」を取り上げました。 これらのテーマを参考にして、社会問題、先端技術、有名人など、自分が興味を持てるテーマを、最後の3回の授業までに考えておいてください。

今日は、文献検索の演習として、今興味があるテーマを1つ決めてください。 そして、それに関するキーワードを考え、OPACやCiNii Books, CiNii Articlesで書籍や論文を探し、文献リストを作成してください。

この演習で決めたテーマをそのまま最終レポートのテーマにすると、最終レポートでこの文献リストが役立ちますが、最終レポートでテーマを変えてしまっても構いません。


レポート課題

今日の演習5の答案(メール本文かWordファイル)をメールで提出してください。 差出人は大学発行のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(10月19日)を明記してください。


参考文献


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2022年10月19日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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