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情報処理技法(リテラシ)II 第3回

目次
索引

Excel(2)

統計グラフの種類

レポートや論文では統計データが重要ですが、それらの統計データをグラフで表すと、より分かりやすくなります。

統計グラフには、色々な種類があります。 それぞれの統計グラフには、統計データの表現方法に特徴があります。 統計データを分かりやすくするには、適切な統計グラフを選ぶ必要があります。

今日は、基本的な統計グラフである、

について説明します。

なお、今日扱うデータは、総務省統計局の平成27年国勢調査のホームページから引用しました。

棒グラフ

棒グラフ bar chart )は、棒の高さ・長さでデータの大きさを表します。 データの大小を比較するときは、棒グラフが適しています。

以下の例は、世界各国の人口の上位10か国です。 棒の長さで、人口の比較ができます。

なお、棒グラフはデータの大きい順に並べることが多いです。

世界各国の人口(2015年)
国名 人口(百万人)
中国 1,376
インド 1,311
アメリカ 322
... ...
日本 127
棒グラフの例(世界各国の人口)
棒グラフの例(世界各国の人口)

折れ線グラフ

折れ線グラフ line chart )は、線の方向でデータの増減を表します。 データの変化を見るときは、折れ線グラフが適しています。

以下の例は、日本の人口の推移です。 線の傾きで、人口の増え方が分かります。

日本の人口の推移
年次 人口(千人)
1920年 55,963
1925年 59,737
1930年 64,450
... ...
2015年 127,095
折れ線グラフの例(日本の人口の推移)
折れ線グラフの例(日本の人口の推移)

円グラフ

円グラフ pie chart )は、扇形の面積でデータの構成比を表します。 全体の中の割合を見るには、円グラフが適しています。

以下の例は、地位別雇用者数の割合です。 面積を比べると、正規・非正規の比率が分かります。

なお、円グラフはデータ(割合)の大きい順に並べることが多いです。

地位別雇用者数(2015年)
地位 雇用者数(千人)
正規の職員・従業員 30,333
労働者派遣事業所の派遣社員 1,544
パート・アルバイト・その他 14,728
円グラフの例(地位別雇用者数の割合)
円グラフの例(地位別雇用者数の割合)

帯グラフ

帯グラフ stacked bar chart )は、帯の区分の位置関係で、構成比の大小を表します。 割合を比較するときは、帯グラフが適しています。

以下の例は、年齢別人口の割合の推移です。 どの年齢が増えているかが分かります。

年齢別人口の推移(千人)
年次 15歳未満 15〜64歳 65歳以上
2000年 18,472 86,220 22,005
2005年 17,521 84,092 25,672
2010年 16,803 81,032 29,246
2015年 15,887 76,289 33,465
帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)
帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)

Excelによる棒グラフ

それでは、Excelを利用して、上記の4種類の統計グラフを作成しましょう。 以下のExcelファイルをダウンロードしてください。

lit2_03_data.xlsx

まず、世界各国の人口の表を棒グラフにします。 この表は、すでに人口の多い順に並んでいます。

表全体(A2からB12まで)をドラッグします。 リボンの「挿入」をクリックし、「縦棒/横棒グラフの挿入」→「集合横棒」とクリックします。 すると、横棒グラフが表示されます。

棒グラフの作成(1)
棒グラフの作成(1)

上側のグラフ・タイトルをダブル・クリックし、「世界各国の人口」に変更します。 凡例を消すには、右側の凡例の「人口(百万人)」をクリックし、deleteキーを押して削除します。

棒グラフの作成(2)
棒グラフの作成(2)

リボンの「デザイン」をクリックし、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1横軸」とクリックして、軸ラベルを「人口(百万人)」に変更します。 同様に、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1縦軸」とクリックして、軸ラベルを「国名」に変更します。 軸ラベルを縦書きにするには、軸ラベルを右クリックし、「軸ラベルの書式設定」をクリックし、「タイトルのオプション」→「サイズとプロパティ」とクリックして、「文字列の方向」を「縦書き」にします。

棒グラフの作成(3)
棒グラフの作成(3)

ただし、このままでは、人口の多いデータが下に来てしまいます。 縦軸をダブル・クリックすると、「軸の書式設定」設定領域が開くので、「軸のオプション」→「軸のオプション」とクリックし、「最大項目」ラジオ・ボタンをオンにし、「軸を反転する」チェックボックスをオンにします。

棒グラフの作成(4)
棒グラフの作成(4)

すると、人口の多いデータが上に来て、横棒グラフが完成します。

棒グラフの例(世界の人口)
棒グラフの例(世界の人口)

Excelによる折れ線グラフ

次に、日本の人口の推移の表を折れ線グラフにします。

表全体(A15からB35まで)をドラッグします。 リボンの「挿入」をクリックし、「折れ線/面グラフの挿入」→「マーカー付き折れ線」とクリックします。 すると、折れ線グラフが表示されます。

折れ線グラフの作成(1)
折れ線グラフの作成(1)

上側のグラフ・タイトルをダブル・クリックし、「日本の人口の推移」に変更します。 凡例を消すには、右側の凡例「人口(千人)」をクリックし、deleteキーを押して削除します。

折れ線グラフの作成(2)
折れ線グラフの作成(2)

リボンの「デザイン」をクリックし、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1横軸」とクリックして、軸ラベルを「年次」に変更します。 同様に、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1縦軸」とクリックして、軸ラベルを「人口(千人)」に変更します。 軸ラベルを縦書きにするには、軸ラベルを右クリックし、「軸ラベルの書式設定」をクリックし、「タイトルのオプション」→「サイズとプロパティ」とクリックして、「文字列の方向」を「縦書き」にします。 すると、折れ線グラフが完成します。

折れ線グラフの例(日本の人口の推移)
折れ線グラフの例(日本の人口の推移)

Excelによる円グラフ

次に、地位別雇用者数の表を円グラフにします。

グラフにする前に、雇用者数の多い順に並べ替えます。

表全体(A38からB41まで)をドラッグします。 リボンの「データ」をクリックし、「並べ替え」をクリックします。 すると、「並べ替え」ウィンドウが開くので、「先頭行をデータの見出しとして使用する」チェックボックスをオンにし、「最優先されるキー」を「雇用者数(千人)」にし、「順序」を「大きい順」にします。

円グラフの作成(1)
円グラフの作成(1)

すると、雇用者数の多い順に並び変わります。

円グラフの作成(2)
円グラフの作成(2)

表を並べ替えたら、グラフにします。

再び、表全体(A38からB41まで)をドラッグします。 リボンの「挿入」をクリックし、「円またはドーナツ グラフの挿入」→「円」とクリックします。 すると、円グラフが表示されます。

円グラフの作成(3)
円グラフの作成(3)

上側のグラフ・タイトルをダブル・クリックし、「地位別雇用者数の割合(2015年)」に変更します。 凡例を右に移動するには、凡例を右クリックし、「凡例の書式設定」をクリックし、「凡例のオプション」→「凡例のオプション」とクリックして、「右」ラジオボタンをオンにします。 グラフの隙間をなくすには、グラフを右クリックし、「データ系列の書式設定」をクリックし、「塗りつぶしと線」→「枠線」とクリックして、「線なし」ラジオボタンをオンにします。

円グラフの作成(4)
円グラフの作成(4)

グラフを右クリックし、「データラベルの追加」をクリックします。 すると、ラベルとして値が表示されます。

円グラフの作成(5)
円グラフの作成(5)

ラベルを右クリックし、「データラベルの書式設定」をクリックします。 「データラベルの書式設定」設定領域が開くので、「ラベル オプション」→「ラベル オプション」とクリックし、「パーセンテージ」チェックボックスをオンにし、「値」チェックボックスをオフにします。

円グラフの作成(6)
円グラフの作成(6)

すると、円グラフにラベルとしてパーセンテージが表示されます。

円グラフの例(地位別雇用者数の割合)
円グラフの例(地位別雇用者数の割合)

Excelによる帯グラフ

最後に、年齢別人口の推移の表を帯グラフにします。

円グラフと違い、帯グラフでパーセンテージは自動的には表示されません。 別途、パーセンテージの表を作成すると、グラフ上にパーセンテージが表示できます。

まず、セルE44に「合計」と入力します。

帯グラフの作成(1)
帯グラフの作成(1)

次に、セルE45に数式=SUM(B45:D45)を入力し、このセルのフィルハンドルをセルE48までドラッグします。

帯グラフの作成(2)
帯グラフの作成(2)

次に、元の表の数値以外を、セルG44にコピー・アンド・ペーストします。

帯グラフの作成(3)
帯グラフの作成(3)

次に、セルH45に数式=B45/$E45を入力し、このセルのフィルハンドルをセルH48までドラッグしてからセルJ48までドラッグします。

帯グラフの作成(4)
帯グラフの作成(4)

最後に、セルH45からJ48までをドラッグし、右クリックして「セルの書式設定」をクリックし、「表示形式」タブをクリックし、「パーセンテージ」をクリックします。

帯グラフの作成(5)
帯グラフの作成(5)

これで、パーセンテージの表ができます。

帯グラフの作成(6)
帯グラフの作成(6)

続いて、パーセンテージの表全体(G44からJ48まで)をドラッグします。 リボンの「挿入」をクリックし、「縦棒/横棒グラフの挿入」→「100%積み上げ横棒」とクリックします。 すると、横棒グラフが表示されます。

帯グラフの作成(7)
帯グラフの作成(7)

上側のグラフ・タイトルをダブル・クリックし、「年齢別人口の割合の推移」に変更します。 凡例を右に移動するには、凡例を右クリックし、「凡例の書式設定」をクリックし、「凡例のオプション」→「凡例のオプション」とクリックして、「右」ラジオボタンをオンにします。 リボンの「デザイン」をクリックし、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1横軸」とクリックして、軸ラベルを「人口の割合」に変更します。 同様に、「グラフ要素を追加」→「軸ラベル」→「第1縦軸」とクリックして、軸ラベルを「年次」に変更します。 軸ラベルを縦書きにするには、軸ラベルを右クリックし、「軸ラベルの書式設定」をクリックし、「タイトルのオプション」→「サイズとプロパティ」とクリックして、「文字列の方向」を「縦書き」にします。

帯グラフの作成(8)
帯グラフの作成(8)

ただし、このままでは、古い年次のデータが下に来てしまいます。 縦軸をダブル・クリックすると、「軸の書式設定」設定領域が開くので、「軸のオプション」→「軸のオプション」とクリックし、「最大項目」ラジオ・ボタンをオンにし、「軸を反転する」チェックボックスをオンにします。

帯グラフの作成(9)
帯グラフの作成(9)

すると、古い年次のデータが上に来ます。

帯グラフの作成(10)
帯グラフの作成(10)

グラフを右クリックし、「データラベルの追加」をクリックします。 するとラベルが表示されるので、これをすべての列について行います。

帯グラフの作成(11)
帯グラフの作成(11)

リボンの「デザイン」をクリックし、「グラフ要素を追加」→「線」→「区分線」とクリックすると、区分線が表示され、帯グラフが完成します。

帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)
帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)

演習3

[統計グラフ作成]以下のExcelファイルをダウンロードしてください。

lit2_03_report.xlsx

(1)世帯人員別一般世帯数の表を棒グラフにしてください。 1人世帯、2人世帯、…という順序には意味があるので、並べ替える必要はありません。 1人世帯のデータが上に来るようにしてください。

世帯人員別一般世帯数(2015年)
世帯 世帯数(千世帯)
1人 18,418
2人 14,877
3人 9,365
... ...
7人以上 389
棒グラフの例(世帯人員別一般世帯数)
棒グラフの例(世帯人員別一般世帯数)

(2)女性の労働力率の表を折れ線グラフにしてください。

女性の労働力率(2015年)
年齢 労働力率(%)
15〜19歳 14.7
20〜24歳 69.5
25〜29歳 81.4
... ...
65歳以上 16.7
折れ線グラフの例(女性の労働力率)
折れ線グラフの例(女性の労働力率)

(3)住宅別一般世帯数の表を円グラフにしてください。 表は、世帯数の多い順に並べ替えておいてください。

住宅別一般世帯数(2015年)
住宅 世帯数(千世帯)
持ち家 32,694
公営の借家 2,046
都市再生機構・公社の借家 845
... ...
間借り 476
円グラフの例(住宅別一般世帯数の割合)
円グラフの例(住宅別一般世帯数の割合)

(4)産業別就業者数の推移の表を帯グラフにしてください。 パーセンテージの表を作成しておくと、グラフ上にパーセンテージが表示できます。 古い年次のデータが上に来るようにしてください。

産業別就業者数の推移(千人)
年次 第1次産業 第2次産業 第3次産業
2000年 3,208 18,392 40,671
2005年 2,981 15,957 41,425
2010年 2,381 14,123 39,646
2015年 2,222 13,921 39,615
帯グラフの例(産業別就業者数の割合の推移)
帯グラフの例(産業別就業者数の割合の推移)

レポート課題

今日の演習3の答案(Excelファイル)をメールで提出してください。 差出人は大学発行のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(10月5日)を明記してください。


参考文献


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2022年10月5日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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