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コンピュータIID(UNIXとHTML)第10回

目次
10.1 基本的なタグ(3)
10.1.1 フォント・スタイル
10.1.2 テキストの強調
10.1.3 フォントの大きさ
10.1.4 下付き添字、上付き添字
10.2 スタイルシート(1)
10.2.1 スタイルシートとは
10.2.2 スタイルシートの概略
10.2.3 スタイルシートの書式
10.2.4 フォントのプロパティ
10.2.5 色と背景のプロパティ
10.2.6 テキストのプロパティ
10.3 演習10
10.4 レポート課題
10.5 参考文献
索引
background-colorプロパティ   background-imageプロパティ   colorプロパティ   CSS   font-familyプロパティ   font-sizeプロパティ   font-styleプロパティ   font-weightプロパティ   STYLEタグ   text-alignプロパティ   text-decorationプロパティ   vertical-alignプロパティ   アンダーライン   イタリック体   上付き添字   打ち消し線   オーバーライン   カスケーディングスタイルシート   サンセリフ体   下付き添字   スタイルシート   タイプライタ体   中央揃え   点滅   左揃え   プロパティ   ベースライン   ボールド体   右揃え   ローマン体  

10.1 基本的なタグ(3)

10.1.1 フォント・スタイル

HTMLでは、テキストをイタリック体(斜体)、ボールド体(太字)などにすることができます。 フォントの切り換えは以下の表に従ってください。 タグを組み合わせることにより、ボールドイタリック体などにもできます。 ただし、システムに適切なフォントがなければ、タグが無視されたように表示されます。

表 10.1  フォント・スタイル
タグ フォント・スタイル 覚え方
<B></B> ボールド体 Bold
<I></I> イタリック体 Italic
<TT></TT> タイプライタ体 Typewriter Type
オリジナル: Good afternoon! こんにちは。<BR>
ボールド体: <B>Good afternoon! こんにちは。</B><BR>
イタリック体: <I>Good afternoon! こんにちは。</I><BR>
タイプライタ体: <TT>Good afternoon! こんにちは。</TT><BR>
ボールドイタリック体: <B><I>Good afternoon! こんにちは。</I></B>
オリジナル: Good afternoon! こんにちは。
ボールド体: Good afternoon! こんにちは。
イタリック体: Good afternoon! こんにちは。
タイプライタ体: Good afternoon! こんにちは。
ボールドイタリック体: Good afternoon! こんにちは。

10.1.2 テキストの強調

文章を書いていると、一部の語句を強調したくなることがあります。 英語などの場合、強調する語句はイタリック体を用いるのが習わしです。 しかし、強調だから <I></I> で囲むなどと考えていたのでは、作者は文章の内容に集中できません。 このため、HTMLには、ここからここまでを強調するというタグ <EM></EM> が用意されています。 作者は、慣習を意識せず、このタグを使って強調する語句を指定します。 ブラウザは、慣習に基いて、その語句をイタリック体で表示します。

ブラウザは、強調以外にもいくつかの慣習を知っています。 主なものを表に示します。

表 10.2  テキストの構造を表すタグ
テキスト タグ 表示 覚え方
強調 <EM></EM> イタリック体 EMphasize
より強い強調 <STRONG></STRONG> ボールド体
文献参照 <CITE></CITE> イタリック体
定義語句 <DFN></DFN> ボールド体 DeFiNition
プログラムコード <CODE></CODE> タイプタイタ体
出力例 <SAMP></SAMP> タイプライタ体 SAMPle
キー入力 <KBD></KBD> タイプライタ体 KeyBoarD
変数 <VAR></VAR> イタリック体 VARiable

なお、 <B> , <I> , <TT> タグと同様に、タグが無視されたように表示されることがあります。

<P>
<STRONG>Don't write</STRONG>
<CODE>if (x = y)</CODE> ....
A single equal sign (<CODE>=</CODE>) is used
in an <EM>assignment statement</EM>.
</P>
Don't write if (x = y) .... A single equal sign ( = ) is used in an assignment statement .

10.1.3 フォントの大きさ

フォントの大きさを切り換えるには、 <BIG> タグや <SMALL> タグを使います。 <BIG></BIG> で囲めば、より大きなフォントで表示されます。 <SMALL></SMALL> で囲めば、より小さなフォントで表示されます。

フォントの大きさによっては、タグが無視されたように表示されることがあります。

10.1.4 下付き添字、上付き添字

数式や化学式などでは、下付き添字や上付き添字が使われます。 HTMLでは、 <SUB></SUB> に囲まれると下付き添字(SUBscript)になり、 <SUP></SUP> に囲まれると上付き添字(SUPerscript)になります。

フォントの大きさによっては、タグが無視されたように表示されることがあります。

f(x) = a<SUB>1</SUB> x<SUP>2</SUP> + a<SUB>2</SUB> x + a<SUB>3</SUB>
f(x) = a 1 x 2 + a 2 x + a 3

10.2 スタイルシート(1)

10.2.1 スタイルシートとは

スタイルシートstyle sheet )とは、文書のデザインを整える仕組みです。 スタイルシートを用いると、全体的に統一感のある文書が作成できます。

HTMLでは、スタイルシートとして、 カスケーディングスタイルシートCascading Style Sheets , 以下 CSS )が利用できます。 CSSには、

という機能があります。

10.2.2 スタイルシートの概略

例として、「強く強調する部分は(ボールド体ではなく)赤で書く」という規則に従ってウェブ・ページを作成することにします。

本製品を取り付けるときには、 必ずパソコン本体の電源をお切りください。 パソコンの内部には高電圧の部品が使われており、 触ると危険です。

強く強調していることを示すために、 <STRONG> タグを使います。

<P>
本製品を取り付けるときには、
<STRONG>
必ずパソコン本体の電源をお切りください。
</STRONG>
パソコンの内部には高電圧の部品が使われており、
<STRONG>
触ると危険です。
</STRONG>
</P>

当然ですが、強調する部分は赤くはなりません。

ここでスタイルシートの出番です。 CSSでは、「 <STRONG> タグの部分をボールド体ではなく赤で書く」という規則を

STRONG {font-weight: normal; color: red}

と書き表します。 そして、これを <STYLE> タグで囲みます。

<HEAD>
<STYLE type="text/css">
STRONG {font-weight: normal; color: red}
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
<P>
本製品を取り付けるときには、
<STRONG>
必ずパソコン本体の電源をお切りください。
</STRONG>
パソコンの内部には高電圧の部品が使われており、
<STRONG>
触ると危険です。
</STRONG>
</P>
</BODY>

このスタイルシートによって、ウェブ・ページがカラーになり、また、「強く強調する部分は(ボールド体ではなく)赤で書く」という統一感も得られるのです。

10.2.3 スタイルシートの書式

スタイルシートの書式は、

tag {property: value}

が基本です。 ここで、 property はプロパティの名前です。 プロパティproperty )とは、テキストの色やフォントの大きさなど、見栄えに関する性質です。 CSSには数十種類のプロパティが定義されています。 この書式は、プロパティ property の値を value にするという意味です。

プロパティが2つあるときは、

tag {property1: value1; property2: value2}

と、セミコロンで区切って書きます。 3つ以上でも同様です。

HTMLファイルの中でスタイルシートを指定するには <STYLE> タグを用います。 <STYLE> タグは次のパターンに従ってください。

<HEAD>
<STYLE type="text/css">
tag {property: value; ...}
tag2 {property2: value2; ...}
...
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
document body ...
</BODY>

この雛形の要点は次の通りです。

まず、 <STYLE> タグは <HEAD></HEAD> の中に書くという決まりがあります。 次に、 <STYLE> タグの type 属性によって、スタイルシートがCSSであることを明示します。 最後に、表示内容の範囲を明確にするために、表示内容の全体を <BODY></BODY> で囲みます。

10.2.4 フォントのプロパティ

フォントに関するプロパティには、種類や傾き、太さ、大きさなどがあります。 システムに適切なフォントがなければ、指定は無視されます。

font-familyプロパティ

font-familyプロパティ は、フォントの種類を指定します。 セリフとはアルファベットに付いている「ひげ」のことです。 サンセリフとはセリフなしという意味です。

表 10.3  フォントの種類
プロパティと値 種類
font-family: serif ローマン体 Good afternoon!
font-family: sans-serif サンセリフ体 Good afternoon!
font-family: monospace タイプライタ体 Good afternoon!

font-styleプロパティ

font-styleプロパティ は、フォントを傾けるかどうか指定します。

表 10.4  フォントの傾き
プロパティと値 傾き
font-style: normal 傾けない Good afternoon!
font-style: italic イタリック体 Good afternoon!

font-weightプロパティ

font-weightプロパティ は、フォントの太さを指定します。

表 10.5  フォントの太さ
プロパティと値 太さ
font-weight: normal 太くしない Good afternoon!
font-weight: bold ボールド体 Good afternoon!
<HEAD>
<STYLE type="text/css">
ADDRESS {font-style: normal; font-weight: bold}
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
<ADDRESS>
市民講座事務局 電話 03-XXXX-XXXX
</ADDRESS>
</BODY>
市民講座事務局 電話 03-XXXX-XXXX

font-sizeプロパティ

font-sizeプロパティ は、フォントの大きさを指定します。 largesmall などのキーワードの他に、 16px など長さでも指定できます。

表 10.6  フォントの大きさ
プロパティと値 大きさ
font-size: larger 前後より大きめ Good afternoon!
font-size: smaller 前後より小さめ Good afternoon!
font-size: xx-large 非常に大きめ
font-size: x-large より大きめ Good afternoon!
font-size: large 大きめ Good afternoon!
font-size: medium 通常 Good afternoon!
font-size: small 小さめ Good afternoon!
font-size: x-small より小さめ Good afternoon!
font-size: xx-small 非常に小さめ
font-size: 16px 16ピクセル Good afternoon!

10.2.5 色と背景のプロパティ

色と背景に関するプロパティには、テキストの色、背景の色、背景画像などがあります。 色の指定は、キーワードを用いるのが簡単です。

表 10.7  色の名前のキーワード
カラー・ネーム
aqua 水色
black
blue
fuchsia 桃色
gray 灰色
green
lime 黄緑
maroon 茶色
navy
olive 黄土色
purple
red
silver 銀色
teal 深緑
white
yellow 黄色

colorプロパティ

colorプロパティ は、テキストの色を指定します。 <BODY> タグに指定すると、テキスト全体がその色になります。

background-colorプロパティ

background-colorプロパティ は、背景の色を指定します。 <BODY> タグに指定すると、ページ全体の背景がその色になります。

background-imageプロパティ

background-imageプロパティ は、背景イメージを指定します。 このプロパティの値は、独特の形式を持ちます。 画像ファイルのファイル名が filename であり、HTMLファイルと画像ファイルが同じディレクトリにある場合、

background-image: url(filename)

と書きます。 <BODY> タグに指定すると、ページ全体にその背景画像が用いられます。

<HEAD>
<STYLE type="text/css">
BODY {background-image: url(triangle.png)}
H2 {color: green}
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
<H2>講演スケジュール</H2>
</BODY>
triangle.png
三角形のパターン
講演スケジュール

10.2.6 テキストのプロパティ

テキストに関するプロパティには、テキストの位置揃えや装飾などがあります。

text-alignプロパティ

text-alignプロパティ は、テキストの位置揃えを指定します。

表 10.8  テキストの位置揃え
プロパティと値 位置揃え
text-align: left 左揃え
text-align: center 中央揃え
text-align: right 右揃え
<HEAD>
<STYLE type="text/css">
H1 {text-align: center}
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
<H1>市民講座のご案内</H1>
</BODY>
市民講座のご案内

text-decorationプロパティ

text-decorationプロパティ は、アンダーラインなどテキストの装飾を指定します。

表 10.9  テキストの装飾
プロパティと値 装飾
text-decoration: none 装飾しない Good afternoon!
text-decoration: underline アンダーライン Good afternoon!
text-decoration: overline オーバーライン Good afternoon!
text-decoration: line-through 打ち消し線 Good afternoon!
text-decoration: blink 点滅 Good afternoon!
<HEAD>
<STYLE type="text/css">
STRONG {text-decoration: underline}
</STYLE>
</HEAD>
<BODY>
<P>
<STRONG>
入場無料
</STRONG>
ですので、どなた様も気軽に参加してください。
</P>
</BODY>
入場無料 ですので、どなた様も気軽に参加してください。

vertical-alignプロパティ

vertical-alignプロパティ は、垂直方向の位置揃えを指定します。

表 10.10  垂直方向の位置揃え
プロパティと値 位置揃え
vertical-align: baseline ベースライン
vertical-align: sub 下付き添字
vertical-align: super 上付き添字

10.3 演習10

「未来日記」のウェブ・ページを作成してください。 以下の例を参考にして、未来の日付を3つ選び、その日の日記を想像で書いてください。 このページのスタイルは、次の指定に従ってください。

ファイル名は、report10.htmlとしてください。

演習10(未来日記)

2008年12月30日

部屋の大掃除を始めたけれど、面倒になって、途中でやめた。

2008年12月31日

紅白歌合戦を見ていたら、知らないうちに寝てしまった。

2009年1月1日

意外な人から年賀状が届いたので、急いで返事を書いた。

10.4 レポート課題

今日の演習10の答案(URL)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(b08a001@cis.twcu.ac.jpなど)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(12月5日)を明記してください。


10.5 参考文献


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2008年12月5日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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