HTMLでは、テキストをイタリック体(斜体)、ボールド体(太字)などにすることができます。 フォントの切り換えは以下の表に従ってください。 タグを組み合わせることにより、ボールドイタリック体などにもできます。 ただし、システムに適切なフォントがなければ、タグが無視されたように表示されます。
タグ | フォント・スタイル | 覚え方 |
---|---|---|
<B> 〜</B> |
ボールド体 | Bold |
<I> 〜</I> |
イタリック体 | Italic |
<TT> 〜</TT> |
タイプライタ体 | Typewriter Type |
オリジナル: Good afternoon! こんにちは。<BR> ボールド体: <B>Good afternoon! こんにちは。</B><BR> イタリック体: <I>Good afternoon! こんにちは。</I><BR> タイプライタ体: <TT>Good afternoon! こんにちは。</TT><BR> ボールドイタリック体: <B><I>Good afternoon! こんにちは。</I></B>
文章を書いていると、一部の語句を強調したくなることがあります。
英語などの場合、強調する語句はイタリック体を用いるのが習わしです。
しかし、強調だから
<I>
〜
</I>
で囲むなどと考えていたのでは、作者は文章の内容に集中できません。
このため、HTMLには、ここからここまでを強調するというタグ
<EM>
〜
</EM>
が用意されています。
作者は、慣習を意識せず、このタグを使って強調する語句を指定します。
ブラウザは、慣習に基いて、その語句をイタリック体で表示します。
ブラウザは、強調以外にもいくつかの慣習を知っています。 主なものを表に示します。
テキスト | タグ | 表示 | 覚え方 |
---|---|---|---|
強調 | <EM> 〜</EM> |
イタリック体 | EMphasize |
より強い強調 | <STRONG> 〜</STRONG> |
ボールド体 | |
文献参照 | <CITE> 〜</CITE> |
イタリック体 | |
定義語句 | <DFN> 〜</DFN> |
ボールド体 | DeFiNition |
プログラムコード | <CODE> 〜</CODE> |
タイプタイタ体 | |
出力例 | <SAMP> 〜</SAMP> |
タイプライタ体 | SAMPle |
キー入力 | <KBD> 〜</KBD> |
タイプライタ体 | KeyBoarD |
変数 | <VAR> 〜</VAR> |
イタリック体 | VARiable |
なお、
<B>
,
<I>
,
<TT>
タグと同様に、タグが無視されたように表示されることがあります。
<P> <STRONG>Don't write</STRONG> <CODE>if (x = y)</CODE> .... A single equal sign (<CODE>=</CODE>) is used in an <EM>assignment statement</EM>. </P>
フォントの大きさを切り換えるには、
<BIG>
タグや
<SMALL>
タグを使います。
<BIG>
〜
</BIG>
で囲めば、より大きなフォントで表示されます。
<SMALL>
〜
</SMALL>
で囲めば、より小さなフォントで表示されます。
フォントの大きさによっては、タグが無視されたように表示されることがあります。
数式や化学式などでは、下付き添字や上付き添字が使われます。
HTMLでは、
<SUB>
〜
</SUB>
に囲まれると下付き添字(SUBscript)になり、
<SUP>
〜
</SUP>
に囲まれると上付き添字(SUPerscript)になります。
フォントの大きさによっては、タグが無視されたように表示されることがあります。
f(x) = a<SUB>1</SUB> x<SUP>2</SUP> + a<SUB>2</SUB> x + a<SUB>3</SUB>
スタイルシート ( style sheet )とは、文書のデザインを整える仕組みです。 スタイルシートを用いると、全体的に統一感のある文書が作成できます。
HTMLでは、スタイルシートとして、 カスケーディングスタイルシート ( Cascading Style Sheets , 以下 CSS )が利用できます。 CSSには、
という機能があります。
例として、「強く強調する部分は(ボールド体ではなく)赤で書く」という規則に従ってウェブ・ページを作成することにします。
強く強調していることを示すために、
<STRONG>
タグを使います。
<P> 本製品を取り付けるときには、 <STRONG> 必ずパソコン本体の電源をお切りください。 </STRONG> パソコンの内部には高電圧の部品が使われており、 <STRONG> 触ると危険です。 </STRONG> </P>
当然ですが、強調する部分は赤くはなりません。
ここでスタイルシートの出番です。
CSSでは、「
<STRONG>
タグの部分をボールド体ではなく赤で書く」という規則を
STRONG {font-weight: normal; color: red}
と書き表します。
そして、これを
<STYLE>
タグで囲みます。
<HEAD> <STYLE type="text/css"> STRONG {font-weight: normal; color: red} </STYLE> </HEAD> <BODY> <P> 本製品を取り付けるときには、 <STRONG> 必ずパソコン本体の電源をお切りください。 </STRONG> パソコンの内部には高電圧の部品が使われており、 <STRONG> 触ると危険です。 </STRONG> </P> </BODY>
このスタイルシートによって、ウェブ・ページがカラーになり、また、「強く強調する部分は(ボールド体ではなく)赤で書く」という統一感も得られるのです。
スタイルシートの書式は、
tag {property: value}
が基本です。 ここで、 property はプロパティの名前です。 プロパティ ( property )とは、テキストの色やフォントの大きさなど、見栄えに関する性質です。 CSSには数十種類のプロパティが定義されています。 この書式は、プロパティ property の値を value にするという意味です。
プロパティが2つあるときは、
tag {property1: value1; property2: value2}
と、セミコロンで区切って書きます。 3つ以上でも同様です。
HTMLファイルの中でスタイルシートを指定するには
<STYLE>
タグを用います。
<STYLE>
タグは次のパターンに従ってください。
<HEAD> <STYLE type="text/css"> tag {property: value; ...} tag2 {property2: value2; ...} ... </STYLE> </HEAD> <BODY> document body ... </BODY>
この雛形の要点は次の通りです。
まず、
<STYLE>
タグは
<HEAD>
〜
</HEAD>
の中に書くという決まりがあります。
次に、
<STYLE>
タグの
type
属性によって、スタイルシートがCSSであることを明示します。
最後に、表示内容の範囲を明確にするために、表示内容の全体を
<BODY>
〜
</BODY>
で囲みます。
フォントに関するプロパティには、種類や傾き、太さ、大きさなどがあります。 システムに適切なフォントがなければ、指定は無視されます。
font-family
プロパティ
は、フォントの種類を指定します。
セリフとはアルファベットに付いている「ひげ」のことです。
サンセリフとはセリフなしという意味です。
プロパティと値 | 種類 | 例 |
---|---|---|
font-family: serif |
ローマン体 | Good afternoon! |
font-family: sans-serif |
サンセリフ体 | Good afternoon! |
font-family: monospace |
タイプライタ体 | Good afternoon! |
font-style
プロパティ
は、フォントを傾けるかどうか指定します。
プロパティと値 | 傾き | 例 |
---|---|---|
font-style: normal |
傾けない | Good afternoon! |
font-style: italic |
イタリック体 | Good afternoon! |
font-weight
プロパティ
は、フォントの太さを指定します。
プロパティと値 | 太さ | 例 |
---|---|---|
font-weight: normal |
太くしない | Good afternoon! |
font-weight: bold |
ボールド体 | Good afternoon! |
<HEAD> <STYLE type="text/css"> ADDRESS {font-style: normal; font-weight: bold} </STYLE> </HEAD> <BODY> <ADDRESS> 市民講座事務局 電話 03-XXXX-XXXX </ADDRESS> </BODY>
font-size
プロパティ
は、フォントの大きさを指定します。
large
や
small
などのキーワードの他に、
16px
など長さでも指定できます。
プロパティと値 | 大きさ | 例 |
---|---|---|
font-size: larger |
前後より大きめ | Good afternoon! |
font-size: smaller |
前後より小さめ | Good afternoon! |
font-size: xx-large |
非常に大きめ | |
font-size: x-large |
より大きめ | Good afternoon! |
font-size: large |
大きめ | Good afternoon! |
font-size: medium |
通常 | Good afternoon! |
font-size: small |
小さめ | Good afternoon! |
font-size: x-small |
より小さめ | Good afternoon! |
font-size: xx-small |
非常に小さめ | |
font-size: 16px |
16ピクセル | Good afternoon! |
色と背景に関するプロパティには、テキストの色、背景の色、背景画像などがあります。 色の指定は、キーワードを用いるのが簡単です。
カラー・ネーム | 色 | 例 |
---|---|---|
aqua |
水色 | ■ |
black |
黒 | ■ |
blue |
青 | ■ |
fuchsia |
桃色 | ■ |
gray |
灰色 | ■ |
green |
緑 | ■ |
lime |
黄緑 | ■ |
maroon |
茶色 | ■ |
navy |
紺 | ■ |
olive |
黄土色 | ■ |
purple |
紫 | ■ |
red |
赤 | ■ |
silver |
銀色 | ■ |
teal |
深緑 | ■ |
white |
白 | ■ |
yellow |
黄色 | ■ |
color
プロパティ
は、テキストの色を指定します。
<BODY>
タグに指定すると、テキスト全体がその色になります。
background-color
プロパティ
は、背景の色を指定します。
<BODY>
タグに指定すると、ページ全体の背景がその色になります。
background-image
プロパティ
は、背景イメージを指定します。
このプロパティの値は、独特の形式を持ちます。
画像ファイルのファイル名が
filename
であり、HTMLファイルと画像ファイルが同じディレクトリにある場合、
background-image: url(filename)
と書きます。
<BODY>
タグに指定すると、ページ全体にその背景画像が用いられます。
<HEAD> <STYLE type="text/css"> BODY {background-image: url(triangle.png)} H2 {color: green} </STYLE> </HEAD> <BODY> <H2>講演スケジュール</H2> </BODY>
テキストに関するプロパティには、テキストの位置揃えや装飾などがあります。
text-align
プロパティ
は、テキストの位置揃えを指定します。
<HEAD> <STYLE type="text/css"> H1 {text-align: center} </STYLE> </HEAD> <BODY> <H1>市民講座のご案内</H1> </BODY>
text-decoration
プロパティ
は、アンダーラインなどテキストの装飾を指定します。
プロパティと値 | 装飾 | 例 |
---|---|---|
text-decoration: none |
装飾しない | Good afternoon! |
text-decoration: underline |
アンダーライン | Good afternoon! |
text-decoration: overline |
オーバーライン | Good afternoon! |
text-decoration: line-through |
打ち消し線 | Good afternoon! |
text-decoration: blink |
点滅 | Good afternoon! |
<HEAD> <STYLE type="text/css"> STRONG {text-decoration: underline} </STYLE> </HEAD> <BODY> <P> <STRONG> 入場無料 </STRONG> ですので、どなた様も気軽に参加してください。 </P> </BODY>
vertical-align
プロパティ
は、垂直方向の位置揃えを指定します。
「未来日記」のウェブ・ページを作成してください。 以下の例を参考にして、未来の日付を3つ選び、その日の日記を想像で書いてください。 このページのスタイルは、次の指定に従ってください。
H2
タグで書き、アンダーラインを引き、中央揃えにする。
ファイル名は、report10.htmlとしてください。
今日の演習10の答案(URL)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(b08a001@cis.twcu.ac.jpなど)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(12月5日)を明記してください。