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コンピュータIID(UNIXとHTML)第1回

目次
1.1 教員の紹介
1.2 シラバス
1.2.1 授業の目標・概要
1.2.2 授業のスケジュール
1.2.3 教材(テキスト)
1.2.4 教材(参考書等)
1.2.5 成績評価の方法と基準
1.2.6 履修者への要望
1.2.7 教室外の学習方法
1.3 履修者の抽選
1.4 UNIXの概要
1.4.1 UNIXとは
1.4.2 UNIXの種類
1.4.3 MacとUNIX
1.4.4 WindowsとUNIX
1.4.5 UNIXを勉強するメリット
1.5 シェルの概要
1.5.1 対話的な操作
1.5.2 シェルとカーネル
1.6 利用するアプリケーション
1.6.1 システムの更新
1.6.2 ターミナル
1.6.3 Jedit
1.7 コマンドの入力
1.7.1 コマンドの例
1.7.2 コマンドの履歴と補完
1.8 アンケート1
1.9 参考文献
索引

1.1 教員の紹介

名前
小西 善二郎(こにし ぜんじろう)
肩書き
東京女子大学文理学部非常勤講師
連絡先
konishi@cis.twcu.ac.jp

1.2 シラバス

1.2.1 授業の目標・概要

本講義はコンピュータIの続編である。 より本格的にパソコンを使うことが目標となる。 UNIXコマンドによるテキスト処理とファイル管理、HTMLによるホームページ作成などをテーマとする。 また、ファイル・システムについても理解を深める。

1.2.2 授業のスケジュール

  1. ガイダンス
  2. テキスト処理(テキストの出力と整列)
  3. テキスト処理(テキストの探索と置換)
  4. テキスト処理(パイプとリダイレクト)
  5. ファイル管理(ファイル・タイプと文字コード)
  6. ファイル管理(ファイルとディレクトリ)
  7. ファイル管理(ファイルのアクセス権)
  8. ファイル管理(コマンドによるファイル管理)
  9. ホームページ作成(HTMLの基本)
  10. ホームページ作成(画像とリンク)
  11. ホームページ作成(フォントと配置)
  12. より高度な話題

1.2.3 教材(テキスト)

http://www.twcu.ac.jp/~konishi/index-j.html

1.2.4 教材(参考書等)

授業内容に応じて参考資料を紹介する。

1.2.5 成績評価の方法と基準

原則として毎回レポート課題を出す。 最後の授業では筆記試験を行う。 レポートの採点結果と試験の得点を総合して成績を決定する。

1.2.6 履修者への要望

レポートはすべて提出すること。

1.2.7 教室外の学習方法

レポート課題に取り組むこと。


1.3 履修者の抽選

コンピュータの台数の関係により、履修希望者が80名を越えた場合は抽選を行います。 抽選用紙には、時間割番号(水曜は J204D, 金曜は J204E)を記入してください。


1.4 UNIXの概要

1.4.1 UNIXとは

UNIX (ユニックス)とは、1970年代から使われている、高性能コンピュータのためのOSです。 何人もの人が利用できる マルチユーザ という機能や、一度にたくさんの仕事をこなせる マルチタスク という機能を持っています。

1990年代からは、パソコンの性能も向上し、パソコンでもUNIXを動かせるようになりました。 パソコンの中では、UNIXは、WindowsとMacに次ぐ第三勢力と考えてもよいでしょう。

UNIXは、主に次のような目的で利用されています。

サーバ
メールを配送するメール・サーバや、ホームページを配信するウェブ・サーバなど、多くのサーバでUNIXが使われています。
研究・開発
情報系の研究者やエンジニアの多くが、UNIXを利用して研究・開発を行っています。
フリー・ソフト
いくつかのUNIXでは、ソース・コードとよばれる設計図が公開され、無料で利用でき、好きなだけ改造ができます。

1.4.2 UNIXの種類

実は、UNIXにはいろいろな種類があります。 ここでは、現在よく使われているものを紹介します。

Linux(リナックス)
フィンランドのLinus Torvalds(リーナス・トルバルズ)氏が中心となって開発されたOSです。 数年前、「Windowsの次はLinuxだ」というブームがありました。
FreeBSD(フリービーエスディー)
カリフォルニア大学バークレー校で開発されたシステムを起源とするOSです。
Solaris(ソラリス)
サン・マイクロシステムズ社で開発されたOSです。 東京女子大学では、2003年8月まで情報処理教室で使っていました。

1.4.3 MacとUNIX

この授業では、MacでUNIXの勉強をします。 一体、どうやってUNIXを利用するのでしょうか。

実は、MacのOSであるMac OS Xは、 Darwin (ダーウィン)というUNIXを土台にしています。 Darwinは、FreeBSDとは兄弟にあたるOSです。

ちょっと土台をのぞけば、MacはUNIXパソコンとして使えるのです。

1.4.4 WindowsとUNIX

自宅のWindowsパソコンでUNIXの勉強をしたい人もいるでしょう。 しかし、Windowsの土台はUNIXではありません。

WindowsをUNIXのように使うために、 Cygwin (シグウィン)というソフトがあります。 興味のある人は、インストールしてみてください。

1.4.5 UNIXを勉強するメリット

ここで、この授業でUNIXを勉強することのメリットを説明しておきます。

まず、他の情報処理科目でUNIXを使うことがあります。 特に、プログラミングの授業では、UNIXに慣れていたほうが有利です。

次に、将来、システム・エンジニアとして働くチャンスが広がります。 UNIXの経験があれば、高度な仕事を任されるかもしれません。

最後に、パソコンの仕組みについて、理解を深められます。 UNIXを使えば、パソコンの内部を詳しく調べることができます。


1.5 シェルの概要

1.5.1 対話的な操作

WindowsやMacを使っている様子と言えば、画面にはウィンドウが表示され、人間はマウスを動かして色々な操作をすることです。 このような、画像を使う操作方法を、 GUI (Graphical User Interface)と呼びます。

UNIXでも、ウィンドウとマウスは使えますが、これは本来の使い方ではありません。 本来のUNIXでは、画面には文字だけが表示され、人間はキーボードを押すだけです。 つまり、文字列だけでパソコンを操作するのです。 このような、文字を使う操作方法を、GUIに対して CUI (Character User Interface)と呼ぶことがあります。

具体的には、UNIXでは 対話的 な操作を行います。 つまり、人間は、キーボードを押して文字列を作り、パソコンに対して指示をします。 パソコンは、画面に文字列を表示して、指示に対する返答をします。 人間は、返答の文字列を見て、キーボードで次の指示をします。 パソコンは、画面にその返答を表示します。 これを繰り返すのが、UNIXを使っている様子なのです。

人間からの指示を表す文字列のことを、 コマンド と呼びます。

1.5.2 シェルとカーネル

シェル とは、コマンドを解釈するソフトウェアです。 コマンドは、そのまま実行されるのではなく、まずシェルによって解釈されます。 そして、UNIXの中心部分に伝えられ、実行されるのです。 この、UNIXの中心部分のことを、 カーネル と呼びます。

「シェル」という言葉は、カーネルを包み込む貝殻のようなイメージを表しています。 間違った指示がカーネルに伝わらないよう、シェルがコマンドをチェックしたり、面倒な指示をカーネルに伝えるために、シェルがコマンドを言い換えたりしているのです。


1.6 利用するアプリケーション

1.6.1 システムの更新

2007年9月に、情報処理センターのシステムが更新されました。 Mac OS Xであることは変わりませんが、一部のアプリケーションがバージョン・アップしています。

この授業に関係するアプリケーションは次のようなものです。

表 1.1  授業に関係するアプリケーション
アプリケーション 更新前 更新後
端末ソフト ターミナル ターミナル
テキスト・エディタ Jedit 4 Jedit X
ウェブ・ブラウザ Safari Safari
メール・ソフト Apple Mail Safari+Gmail

1.6.2 ターミナル

「ターミナル」とは、Mac OS Xに付属しているアプリケーションで、ウィンドウの中でシェルが利用できるものです。 「ターミナル」のウィンドウの中でキーボードをたたきますと、その文字列はシェルに入力されます。 シェルから出力される文字列は、「ターミナル」のウィンドウに表示されます。

「ターミナル」を使うとき、入力モードが日本語(メニューバーに「あ」)でしたら、これを英語(メニューバーに「A」)に切り替えてください。

「ターミナル」の起動の仕方は以下の通りです。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリック。
  3. 「TWCU」をダブルクリック。
  4. 「term」をダブルクリック。
  5. 「EUC-JP.term」をダブルクリック。

「ターミナル」を終了するには次のようにします。

  1. exit と入力。
  2. タイトルバーの赤ボタンをクリック。
  3. メニューバーで、「ターミナル」→「ターミナルを終了」とクリック。

なお、「ターミナル」の字が小さくて読みにくい場合は、次のようにしてください。

  1. ウィンドウをクリック。
  2. メニューバーで、「フォント」→「大きく」とクリック。

「ターミナル」は毎回使いますので、Dockに登録しておくと便利です。 「EUC-JP」のアイコンをDockの右側にドラッグ・アンド・ドロップしますと、Dockに登録できます。

1.6.3 Jedit

UNIXでは、テキスト・ファイルが基本的なデータ単位となります。 テキスト・ファイル とは、文字だけで構成されるファイルです。 テキスト・ファイルには、図や表は入りません。 また、文字の色や大きさなども無意味です。 テキスト・ファイルを作成・変更するアプリケーションを、 テキスト・エディタ と呼びます。

Jeditとは、Artman21社のテキスト・エディタです。

Jeditの起動の仕方は以下の通りです。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリック。
  3. 「Jedit X Folder」をダブルクリック。
  4. 「Jedit X」をダブルクリック。

Jeditを終了するには次のようにします。

  1. タイトルバーの赤ボタンをクリック。
  2. メニューバーで、「Jedit X」→「Jedit Xを終了」とクリック。

なお、Jeditの字が小さくて読みにくい場合は、次のようにしてください。

  1. ウィンドウをクリック。
  2. メニューバーで、「書式」→「フォント」→「大きく」とクリック。

Jeditも毎回使いますので、Dockに登録しておくと便利です。 JeditのアイコンをDockの左側にドラッグ・アンド・ドロップしますと、Dockに登録できます。


1.7 コマンドの入力

1.7.1 コマンドの例

それでは、実際にUNIXのシェルを使ってみます。 まず、「ターミナル」を起動してください。 すると、次のような画面が表示されます。

Last login:(以下略)
Welcome to Darwin!(以下略)
(中略)
b04a001@AsiaA1:~%

最後の行は プロンプト と呼ばれるものです。 プロンプトは、コマンドが入力できることを表しています。

最初に入力するのは、dateコマンドです。

dateコマンド は、現在の日時を出力します。 date とキーボードを押し、最後にreturnキーを押してください。 間違った場合は、deleteキーを押してください。 正しく入力できますと、次のようになります。

b04a001@AsiaA1:~% date
水  9 26 13:45:15 JST 2007
b04a001@AsiaA1:~%

もし、間違ったコマンドを入力しますと、そのようなコマンドはないと表示されます。

b04a001@AsiaA1:~% abcde
abcde: Command not found.
b04a001@AsiaA1:~%

dateコマンドの他も試してみましょう。

calコマンド (CALendar)は、今月のカレンダーを表示します。

b04a001@AsiaA1:~% cal
   September 2007
 S  M Tu  W Th  F  S
                   1
 2  3  4  5  6  7  8
 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
b04a001@AsiaA1:~%

unameコマンド は、OSの名前を表示します。

b04a001@AsiaA1:~% uname
Darwin
b04a001@AsiaA1:~%

hostnameコマンド は、パソコンの名前を表示します。

b04a001@AsiaA1:~% hostname
asiaa1.cis.twcu.ac.jp
b04a001@AsiaA1:~%

whoamiコマンド (WHO AM I?)は、ユーザの名前を表示します。

b04a001@AsiaA1:~% whoami
b04a001
b04a001@AsiaA1:~%

1.7.2 コマンドの履歴と補完

もし、コマンド入力の途中に間違いを見つけた場合、deleteキーでそこまで消す必要はありません。 左右の矢印キーを使ってカーソルを移動し、deleteキーで文字を消したり、一般キーで文字を入れたりできます。 コマンド入力を直しましたら、returnキーを押してください。 カーソルが途中にあっても大丈夫です。

シェルは、過去のコマンド入力をある程度覚えています。 これを、コマンドの 履歴 と呼びます。 コマンドの履歴を取り出すのが、上下の矢印キーです。 上矢印キーで直前のコマンド入力が表示され、下矢印キーで直後のコマンド入力が表示されます。

コマンドの中には、長い文字列のものもあります。 このような場合は、 補完 と呼ばれる機能を利用します。 補完とは、コマンド入力の途中で、残りを予想することです。 tabキーを数回押しますと、コマンドが補完されます。 候補が複数ある場合は、補完できる範囲で補完したり、候補が画面に表示されたりします。


1.8 アンケート1

履修者の予備知識を確認するため、アンケートを行います。 以下の質問に答え、回答をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(b04a001@cis.twcu.ac.jpなど)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(9月26日、9月28日)を明記してください。

  1. Windowsを使ったことがあるか、もしあれば、どのように使ったかを答えてください。
  2. Macを使ったことがあるか、もしあれば、どのように使ったかを答えてください。
  3. UNIXを使ったことがあるか、もしあれば、どのように使ったかを答えてください。
  4. Excelなどの表計算ソフトを使ったことがあるか、もしあれば、どのように使ったかを答えてください。
  5. プログラムを作成したことがあるか、もしあれば、どのようなプログラムかを答えてください。
  6. ホームページを作成したことがあるか、もしあれば、どのようなホームページかを答えてください。
  7. 授業内容に関して、何か希望がありましたら答えてください。

1.9 参考文献


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2007年9月26日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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