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コンピュータIID(UNIXとHTML)第9回

目次
9.1 HTMLの概要
9.1.1 HTMLとは
9.1.2 HTMLファイル
9.1.3 HTMLの構成要素
9.2 ウェブ・ページ作成の準備
9.2.1 公開フォルダ
9.2.2 ファイル名とURL
9.3 文章
9.4 文字実体参照
9.5 基本的なタグ(1)
9.5.1 開始タグと終了タグ
9.5.2 段落
9.5.3 見出し
9.5.4 引用
9.5.5 強制改行
9.5.6 整形済みテキスト
9.5.7 連絡先
9.5.8 水平線
9.6 演習9
9.7 レポート課題
9.8 参考文献
索引

9.1 HTMLの概要

9.1.1 HTMLとは

HTML とは、HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ言語)の略です。 この言語を利用しますと、ウェブ・ページが作成できます。 なお、 ハイパーテキスト とは、リンク構造を持つテキストのことです。 また、 マークアップ とは、「ここは段落」、「ここは見出し」といった指示をすることです。

9.1.2 HTMLファイル

ウェブ・ページを作成するには、まず、HTMLファイルを作成します。 必要に応じて、画像ファイルなども用意します。 そして、ファイル一式をウェブ・サーバへ転送(アップ・ロード)します。 すると、URLが決定し、ウェブ・ページが公開されます。

HTMLファイルは、テキスト・ファイルです。 したがって、特にソフトを買う必要はなく、Jeditなどのテキスト・エディタで作成できます。 なお、HTMLファイルの拡張子は、.htmlか.htmです。

世の中には、ホームページ作成ソフトというものがあります。 これは、ワープロのような操作で、ウェブ・ページを作成するものです。 このソフトのやっていることは、操作画面に基づいて、HTMLファイルを生成することです。

9.1.3 HTMLの構成要素

HTMLの構成要素は、主に次の3つです。

最近は、画像ばかりのウェブ・ページも多いですが、ウェブ・ページの基本は文章です。 HTMLファイルに文章を書けば、ウェブ・ページにその文章が表示されます。 例えば、HTMLファイルに"こんにちは"と書けば、ウェブ・ページに"こんにちは"と表示されます。

タグ とは、「ここは段落」、「ここは見出し」といったことを指示する印です。 HTMLファイルにタグを書けば、その指示に従ってウェブ・ページが表示されます。 例えば、タグ<P>は段落開始を表し、タグ</P>は段落終了を表します。 したがって、HTMLファイルに"<P>こんにちは</P>"と書けば、ウェブ・ページに段落らしく"こんにちは"と表示されます。

画像のあるウェブ・ページも、タグを使って画像ファイルを指示します。 また、リンクのあるウェブ・ページも、タグを使ってリンク先を指示します。

文字実体参照 とは、特殊な文字を表す記号列です。 HTMLファイルに文字実体参照を書けば、ウェブ・ページに対応する文字が表示されます。 例えば、文字実体参照&amp;は文字&を表します。 したがって、HTMLファイルに"&amp;"と書けば、ウェブ・ページに"&"と表示されます。


9.2 ウェブ・ページ作成の準備

9.2.1 公開フォルダ

通常、ウェブ・ページを公開するには、作成したHTMLファイルをウェブ・サーバへ転送(アップ・ロード)します。 しかし、東京女子大学のシステムでは、HTMLファイルを特定のフォルダに保存するだけで、ウェブ・ページが公開されます。 フォルダWWWに保存しますと、世界中に公開されます。 フォルダWWW-localに保存しますと、学内だけに公開されます。

この授業では、作成したウェブ・ページを学内だけに公開します。 すでに、他の授業でウェブ・ページを作成した人もいると思いますので、授業用のフォルダWWW-local/comp2dを作成し、その中にHTMLファイルを保存することにします。

まず、Finderのウィンドウを開き、サイドバーのホームをクリックしてください。 もし、ホーム・フォルダの中にフォルダWWW-localがなければ、新規フォルダを作成して、名前をWWW-localにします。 そして、フォルダWWW-localを開き、その中に授業用のフォルダcomp2dを作成します。

9.2.2 ファイル名とURL

東京女子大学のシステムでは、HTMLファイル

/Users/ username /WWW-local/ filename .html

は、URL

http://www-local.twcu.ac.jp/~ username / filename .html

で学内公開されます。 HTMLファイル

/Users/ username /WWW-local/ directory / filename .html

は、URL

http://www-local.twcu.ac.jp/~ username / directory / filename .html

で学内公開されます。

HTMLファイルindex.htmlは特別な存在です。 このファイルについては、URLでファイル名を省略できます。 この規則は、東京女子大学に限らず、ほとんどのシステムで共通です。

それでは、テスト用のHTMLファイルを作成します。 次のようなテキスト・ファイルを作成してください。 ファイル名はtest01.htmlとし、保存フォルダはWWW-local/comp2dです。 文字コードはUTF-8, 改行コードはCR(Mac)にします。

東京子のホームページ
これはテストページです。

HTMLファイルを作成しましたら、ウェブ・ブラウザSafariのウィンドウを開きます。 そして、アドレスバーにURL

http://www-local.twcu.ac.jp/~b04a001/comp2d/test01.html

と入力します。 次のように表示されれば成功です。

東京子のホームページ これはテストページです。

もし、おかしな文字が表示されたら、文字コードを指定します。 メニューバーの「表示」をクリックし、「テキストエンコーディング」→「Unicode(UTF-8)」と選択してください。

ウェブ・ページを更新するには、まず、HTMLファイルを変更して、保存します。 そして、Safariの再読み込みボタンをクリックします。


9.3 文章

HTMLファイルに文章を書けば、ウェブ・ページにその文章が表示されます。 ただし、HTMLファイルで改行しても、ウェブ・ページでは改行されません。 改行は、ウィンドウの幅に合わせて行われます。 また、HTMLファイルでスペースや改行を続けて書いても、ウェブ・ページでは1つのスペースになります。

メールなどのプレーン・テキストでは、改行を利用して、見出しや段落を表しました。 HTMLでは、タグを利用して、見出しや段落を表すのです。

おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。
おはようございます。 こんにちは。 こんばんは。

9.4 文字実体参照

ウェブ・ページに特殊な文字を表示するには、HTMLファイルに文字実体参照を書きます。 基本的な文字実体参照は、以下の通りです。

表 9.1  基本的な文字実体参照
文字 文字実体参照 覚え方
< &lt; Less Than
> &gt; Greater Than
& &amp; AMPersand
" &quot; QUOTe

&lt;---&gt;
<--->

9.5 基本的なタグ(1)

9.5.1 開始タグと終了タグ

HTMLでは、タグを使って色々な指示をします。 多くの指示は、「ここからここまでを、こうしなさい。」というものです。

タグには、開始タグと終了タグがあります。 開始タグ は指示の始まりを表し、 終了タグ は指示の終わりを表します。 開始タグの形式は<〜>で、終了タグの形式は</〜>です。

なお、タグによっては、終了タグのないものもあります。 この場合は、「ここを、こうしなさい。」という指示です。

9.5.2 段落

Pタグ (Paragraph)は段落を表します。

HTMLファイルで<P>〜</P>で囲みますと、ウェブ・ページでは上下に空白が設けられます。

<P>
太陽に最も近い惑星は、
水星です。
</P>
<P>その次は金星です。</P>
太陽に最も近い惑星は、水星です。

その次は金星です。

9.5.3 見出し

H1タグ (Heading)は見出しを表します。 数字の1は、最も重要な見出しという意味です。 次に重要な見出しには、H2タグを使います。 重要度の順に、H3タグ、H4タグ、H5タグ、H6タグまで用意されています。

HTMLファイルで<H1>〜</H1>で囲みますと、ウェブ・ページでは上下に空白が設けられ、大きな文字で表示されます。 <H2>〜</H2>で囲みますと、H1タグよりは小さく表示されます。 H3タグ、H4タグ、…となるにしたがって、文字は小さくなります。

<H1>太陽系について</H1>
太陽系について

9.5.4 引用

BLOCKQUOTEタグ は引用を表します。 他人の書いた文章は、自分のものとは区別する必要があります。 そのときに使うのが、引用です。

HTMLファイルで<BLOCKQUOTE>〜</BLOCKQUOTE>で囲みますと、ウェブ・ページでは上下左右に空白が設けられます。

<P>ガガーリンは言った。</P>
<BLOCKQUOTE>
<P>地球は青かった。</P>
</BLOCKQUOTE>
ガガーリンは言った。

地球は青かった。

9.5.5 強制改行

BRタグ (line BReak)は強制改行を表します。 このタグに、終了タグはありません。 改行については、HTMLファイルで段落などの指定だけを行い、ウェブ・ページで自動的に改行させるべきです。 どうしても改行したいときだけ、このタグを使います。

HTMLファイルで<BR>と書きますと、ウェブ・ページでは改行されます。

9.5.6 整形済みテキスト

PREタグ (PREformatted text)は整形済みテキストを表します。 これは、改行やスペースに意味のあるテキストのことです。

HTMLファイルで<PRE>〜</PRE>で囲みますと、ウェブ・ページでは、改行は改行のまま、スペースはスペースのまま表示されます。

<PRE>
--o----o----o----o----o----o----o----o--
水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星
</PRE>
--o----o----o----o----o----o----o----o--
水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星

9.5.7 連絡先

ADDRESSタグ は連絡先を表します。 世界中に情報を公開するのでしたら、ページの最後に、自分の名前とメール・アドレスは書いておくべきです。

HTMLファイルで<ADDRESS>〜</ADDRESS>で囲みますと、ウェブ・ページでは前後に改行が入り、文字は斜体で表示されます。

9.5.8 水平線

HRタグ (Horizontal Rule)は水平線を表します。 このタグに、終了タグはありません。 これは、ページの区切りとして使うのが普通です。

HTMLファイルで<HR>と書きますと、ウェブ・ページでは水平線が表示されます。

<HR>
<ADDRESS>
2006年11月22日<BR>
東京子 b04a001@twcu.ac.jp
</ADDRESS>

2006年11月22日
東京子 b04a001@twcu.ac.jp

9.6 演習9

歴史上の人物や有名人の中から、自分の好きな人を一人選んでください。 そして、その人についてのウェブ・ページを作成してください。

具体的には、その人の名前を見出しにし、その人の簡単な紹介文を段落にします。 もし、その人が何か言葉(小説の文章や歌詞でもよい)を残していれば、それを引用します。

ファイル名は、report09.htmlとしてください。

夏目漱石の紹介

夏目漱石といえば、『吾輩は猫である』が有名です。

吾輩は猫である。名前はまだ無い。

という書き出しは、知らない人はいないでしょう。

9.7 レポート課題

今日の演習9の答案(URL)をメールでkonishi@twcu.ac.jp宛に提出してください。 メールを送るときは、大学のパソコンを使うか、大学のメール・サーバに接続するかして、差出人が大学のメール・アドレスになるようにしてください。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(11月22日)を明記してください。


9.8 参考文献


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2006年11月22日更新
小西 善二郎 <konishi@twcu.ac.jp>
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