本講義はコンピュータIの続編である。 より本格的にパソコンを使うことが目標となる。 UNIXコマンドによるテキスト処理とファイル管理、HTMLによるホームページ作成などをテーマとする。 また、ファイル・システムについても理解を深める。
http://www.twcu.ac.jp/~konishi/index-j.html
授業内容に応じて参考資料を紹介する。
原則として毎回レポート課題を出す。 最後の授業では筆記試験を行う。 レポートの採点結果と試験の得点を総合して成績を決定する。
レポートはすべて提出すること。
レポート課題に取り組むこと。
コンピュータの台数の関係により、履修希望者が80名を越えた場合は抽選を行います。 抽選用紙には、時間割番号J204Eを記入してください。
UNIX (ユニックス)とは、1970年代から使われている、高性能コンピュータのためのOSです。 何人もの人が利用できる マルチユーザ という機能や、一度にたくさんの仕事をこなせる マルチタスク という機能を持っています。
1990年代からは、パソコンの性能も向上し、パソコンでもUNIXを動かせるようになりました。 パソコンの中では、UNIXは、WindowsとMacに次ぐ第三勢力と考えてもよいでしょう。
UNIXは、主に次のような目的で利用されています。
実は、UNIXにはいろいろな種類があります。 ここでは、現在よく使われているものを紹介します。
この授業では、MacでUNIXの勉強をします。 一体、どうやってUNIXを利用するのでしょうか。
実は、MacのOSであるMac OS Xは、 Darwin (ダーウィン)というUNIXを土台にしています。 Darwinは、FreeBSDとは兄弟にあたるOSです。
ちょっと土台をのぞけば、MacはUNIXパソコンとして使えるのです。
自宅のWindowsパソコンでUNIXの勉強をしたい人もいるでしょう。 しかし、Windowsの土台はUNIXではありません。
WindowsをUNIXのように使うために、 Cygwin (シグウィン)というソフトがあります。 興味のある人は、インストールしてみてください。
ここで、この授業でUNIXを勉強することのメリットを説明しておきます。
まず、他の情報処理科目でUNIXを使うことがあります。 特に、プログラミングの授業では、UNIXに慣れていたほうが有利です。
次に、将来、システム・エンジニアとして働くチャンスが広がります。 UNIXの経験があれば、高度な仕事を任されるかもしれません。
最後に、パソコンの仕組みについて、理解を深められます。 UNIXを使えば、パソコンの内部を詳しく調べることができます。
WindowsやMacを使っている様子と言えば、画面にはウィンドウが表示され、人間はマウスを動かして色々な操作をすることです。 UNIXでも、ウィンドウとマウスは使えますが、これは本来の使い方ではありません。 本来のUNIXでは、画面には文字だけが表示され、人間はキーボードを押すだけです。 つまり、文字列だけでパソコンを操作するのです。
具体的には、UNIXでは 対話的 な操作を行います。 つまり、人間は、キーボードを押して文字列を作り、パソコンに対して指示をします。 パソコンは、画面に文字列を表示して、指示に対する返答をします。 人間は、返答の文字列を見て、キーボードで次の指示をします。 パソコンは、画面にその返答を表示します。 これを繰り返すのが、UNIXを使っている様子なのです。
人間からの指示を表す文字列のことを、 コマンド と呼びます。
シェル とは、コマンドを解釈するソフトウェアです。 コマンドは、そのまま実行されるのではなく、まずシェルによって解釈されます。 そして、UNIXの中心部分に伝えられ、実行されるのです。 この、UNIXの中心部分のことを、 カーネル と呼びます。
「シェル」という言葉は、カーネルを包み込む貝殻のようなイメージを表しています。 間違った指示がカーネルに伝わらないよう、シェルがコマンドをチェックしたり、面倒な指示をカーネルに伝えるために、シェルがコマンドを言い換えたりしているのです。
2003年9月から、情報処理センターのシステムはSolarisからMac OS Xに変更されました。 新システムを利用するには、はじめに初期設定が必要です。 まだ設定していない人は、手元のプリント「クイックガイド」の通りに操作してください。 「クイックガイド」には、Mac OS Xの基本操作の説明もありますので、これも覚えてください。
この授業で利用するアプリケーションは次のようなものです。
アプリケーション | Solaris | Mac OS X |
---|---|---|
端末ソフト | 端末エミュレータ | ターミナル |
テキスト・エディタ | XEmacs | Jedit |
ウェブ・ブラウザ | Netscape | Safari |
メール・ソフト | XEmacs + Mew | Apple Mail |
「ターミナル」とは、Mac OS Xに付属しているアプリケーションで、ウィンドウの中でシェルが利用できるものです。 「ターミナル」のウィンドウの中でキーボードをたたきますと、その文字列はシェルに入力されます。 シェルから出力される文字列は、「ターミナル」のウィンドウに表示されます。
「ターミナル」を使うとき、入力モードが日本語(メニューバーに「あ」)でしたら、これを英語(星条旗)に切り替えてください。
「ターミナル」の起動の仕方は以下の通りです。
「ターミナル」を終了するには次のようにします。
なお、「ターミナル」の字が小さくて読みにくい場合は、次のようにしてください。
「ターミナル」は毎回使いますので、Dockに登録しておくと便利です。 「EUC-JP」のアイコンをDockの右側にドラッグ・アンド・ドロップしますと、Dockに登録できます。
UNIXでは、テキスト・ファイルが基本的なデータ単位となります。 テキスト・ファイル とは、文字だけで構成されるファイルです。 テキスト・ファイルには、図や表は入りません。 また、文字の色や大きさなども無意味です。 テキスト・ファイルを作成・変更するアプリケーションを、 テキスト・エディタ と呼びます。
Jeditとは、Artman21社のテキスト・エディタです。
Jeditの起動の仕方は以下の通りです。
Jeditを終了するには次のようにします。
なお、Jeditの字が小さくて読みにくい場合は、次のようにしてください。
Jeditも毎回使いますので、Dockに登録しておくと便利です。 JeditのアイコンをDockの左側にドラッグ・アンド・ドロップしますと、Dockに登録できます。
それでは、実際にUNIXのシェルを使ってみます。 まず、「ターミナル」を起動してください。 すると、次のような画面が表示されます。
Last login:(以下略) Welcome to Darwin!(以下略) (中略) b04a001@AsiaA1:~%
最後の行は プロンプト と呼ばれるものです。 プロンプトは、コマンドが入力できることを表しています。
最初に入力するのは、dateコマンドです。
dateコマンド は、現在の日時を出力します。 date とキーボードを押し、最後にreturnキーを押してください。 間違った場合は、deleteキーを押してください。 正しく入力できますと、次のようになります。
b04a001@AsiaA1:~% date 水 9 27 13:45:15 JST 2006 b04a001@AsiaA1:~%
もし、間違ったコマンドを入力しますと、そのようなコマンドはないと表示されます。
b04a001@AsiaA1:~% abcde abcde: Command not found. b04a001@AsiaA1:~%
dateコマンドの他も試してみましょう。
calコマンド (CALendar)は、今月のカレンダーを表示します。
b04a001@AsiaA1:~% cal September 2006 S M Tu W Th F S 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 b04a001@AsiaA1:~%
unameコマンド は、OSの名前を表示します。
b04a001@AsiaA1:~% uname Darwin b04a001@AsiaA1:~%
hostnameコマンド は、パソコンの名前を表示します。
b04a001@AsiaA1:~% hostname asiaA1.cis.twcu.ac.jp b04a001@AsiaA1:~%
whoamiコマンド (WHO AM I?)は、ユーザの名前を表示します。
b04a001@AsiaA1:~% whoami b04a001 b04a001@AsiaA1:~%
もし、コマンド入力の途中に間違いを見つけた場合、deleteキーでそこまで消す必要はありません。 左右の矢印キーを使ってカーソルを移動し、deleteキーで文字を消したり、一般キーで文字を入れたりできます。 コマンド入力を直しましたら、returnキーを押してください。 カーソルが途中にあっても大丈夫です。
シェルは、過去のコマンド入力をある程度覚えています。 これを、コマンドの 履歴 と呼びます。 コマンドの履歴を取り出すのが、上下の矢印キーです。 上矢印キーで直前のコマンド入力が表示され、下矢印キーで直後のコマンド入力が表示されます。
コマンドの中には、長い文字列のものもあります。 このような場合は、 補完 と呼ばれる機能を利用します。 補完とは、コマンド入力の途中で、残りを予想することです。 tabキーを押しますと、コマンドが補完されます。 候補が複数ある場合は、補完できる範囲で補完したり、候補が画面に表示されたりします。
履修者の予備知識を確認するため、アンケートを行います。 以下の質問に答え、回答をメールでkonishi@twcu.ac.jp宛に提出してください。 メールを送るときは、大学のパソコンを使うか、大学のメール・サーバに接続するかして、差出人が大学のメール・アドレスになるようにしてください。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(9月27日)を明記してください。
なお、メールを書くには次のようにします。