これまでに、色々な検定や分析を行ってきました。 Excelに一つ一つ数式を入力したこともありましたが、本格的な検定や分析についてはExcelの分析ツールを利用しました。 この授業で扱った分析手法は以下の通りです。
それぞれの分析手法の操作方法はすでに説明しましたが、間違った分析手法を選んでしまうと、操作方法が正しくても意味のある結果は得られません。 最後の授業内容として、どのような目的のときに、どのような分析手法を選択すべきかということを考えます。
まず、変数の間の差異を見るか、関係を見るかを判断します。 差異を見る場合は、 t 検定か分散分析です。 関係を見る場合は、回帰分析になります。
次に、差異を見る場合、変数が2変数か3変数以上かを判断します。 2変数の場合は、 t 検定になります。 3変数以上の場合は、分散分析になります。
最後に、 t 検定の場合は、第10回のフローチャートの通りに判断します。 分散分析の場合も、第12回のフローチャートの通りに判断します。
例題1. 中学2年生10名に対して、数学と理科の試験を実施した。 理科の得点を数学の得点で説明する方程式を知りたい。
解答: 数学の得点と理科の得点の関係を見るので、「回帰分析」を選択します。
例題2. 小学5年生の男子10名と女子10名に対して、身長を測定した。 性別によって身長に違いがあるか知りたい。 母分散は等しいと仮定する。
解答: 男子の身長と女子の身長の差異を見るので、 t 検定か分散分析です。 男子と女子で2変数なので、 t 検定です。 さらに、2標本であり、母分散が等しいと仮定されているので、「t 検定: 等分散を仮定した 2 標本による検定」を選択します。
例題3. 高校1年生、2年生、3年生それぞれ10名に対して、1日の勉強時間を調査した。 学年によって勉強時間に違いがあるか知りたい。
解答: 学年による勉強時間の差異を見るので、 t 検定か分散分析です。 1年生、2年生、3年生で3変数なので、分散分析です。 さらに、因子は学年だけなので一元配置となり、「分散分析: 一元配置」を選択します。
今後の予定は以下の通りです。
試験会場は、学務課が配布する時間割で確認してください。
試験の形式は、四者択一問題が10問です。
試験の内容は、記述統計学と統計的推測の基本についてです。 Excelの操作方法は出題しません。
電卓、パソコンは使用不可です。 資料の持ち込みも不可です。
問1. 第3回から出題。 与えられた統計データを、どのような統計グラフ(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、帯グラフ)で表すのが適切かを選ぶ問題。
問2. 第4回から出題。 平均、中央値、分散を計算する問題。 公式を覚えておくこと。
問3. 第5回から出題。 散布図と相関係数の解釈に関する問題。
問4. 第6回から出題。 クロス集計表の解釈に関する問題。
問5. 第7回から出題。 正規分布のシグマ範囲に関する問題。
問6. 第9〜13回から出題。 適切な分析手法( t 検定、分散分析、回帰分析)を選択する問題。
問7. 第9〜13回から出題。 適切な分析手法( t 検定、分散分析、回帰分析)を選択する問題。
問8. 第9〜10回から出題。 分析ツールで t 検定を行ったとき、どの数値を見ればよいかを問う問題。
問9. 第11〜12回から出題。 分析ツールで分散分析を行ったとき、どの数値を見ればよいかを問う問題。
問10. 第13回から出題。 分析ツールで回帰分析を行ったとき、どの数値を見ればよいかを問う問題。
この授業の成績は、レポートの提出が60%, 試験の得点が40%という割合で決まります。 レポートが未提出の場合、そのレポートは0点になりますので、レポートはすべて提出するようにしてください。
「学生による授業評価」アンケートを実施します。 2限の授業については、17番の個別設問1を「授業の学生アシスタントまたはTAは役に立ちましたか?」とします。