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コンピュータI(コンピュータリテラシ)第7回

目次
7.1 ワープロ(3)
7.1.1 ワープロとは
7.1.2 Wordの基本
7.1.3 フォントの変更
7.1.4 文字列の位置揃え
7.1.5 見出し
7.1.6 段落
7.1.7 箇条書き
7.1.8 文書のレイアウト
7.1.9 ページ数の挿入
7.1.10 図の挿入
7.1.11 図の書式
7.1.12 図の描画
7.1.13 表の挿入
7.1.14 表の書式
7.1.15 ヘルプの利用
7.2 参考文献
索引
引用   オートシェイプ   箇条書き   クリップアート   テキストボックス   フォント   見出し   ワープロ  

7.1 ワープロ(3)

7.1.1 ワープロとは

ワープロword processor ) とは、人が読む文書を作成・編集・印刷する機械のことです。 ワープロの機能を持つアプリケーションを、ワープロ・ソフトと呼びます。

ワープロは文書を清書する機械であると考えられがちですが、より重要なのは、ワープロを使うと文書が編集できることです。 ワープロでは、文章を順番に入力する必要はありません。 思いついた文章を次々と入力し、それらを移動・削除しながら文書を作り上げることができます。 また、できあがった文書の加筆・訂正も簡単です。

さらに、ワープロでは、字の大きさや色を変えたり、図や表を埋め込むこともできます。 ワープロを使えば、報告書や手紙だけでなく、チラシやポスターも書けるのです。

ワープロ・ソフトには色々なものがありますが、現在はMicrosoft社のWordが最も使われています。 なお、この授業ではMac用のWordを利用しますが、使い方はWindows用のWordとだいたい同じです。

なお、Wordは、バージョン2007以降、ファイル形式を変更しました。 新しいWordのファイルと古いWordのファイルは、ファイルの拡張子で区別します。 新しいWordは.docxで、古いWordは.docです。 東京女子大学のMacのWord(バージョン2008)で作成したファイルを、古いWordで開く可能性がある場合は、ファイルを保存するときに、「フォーマット」メニューを「Word文書(.docx)」から「Word 97-2004文書(.doc)」に変更してください。

7.1.2 Wordの基本

授業では、すでにWordの最低限の使い方は説明しました。 ここでは、まだ触れていない基本的な内容を紹介します。

まず、Wordを起動すると、新規文書のウィンドウが一つ開きます。 ウィンドウを増やすには、メニューバーで「ファイル」→「新規作成」とクリックします。 または、ツールバーの「新規作成」ボタンをクリックしてもよいです。 Dockのアイコンを何度クリックしても、ウィンドウは増えません。

Wordを起動すると、文書ウィンドウの上側にツールバーなどが表示され、書式パレットなどのウィンドウも開きます。 ツールバーや書式パレットでは、基本的な操作が行えます。 一般的な操作については、メニューバーを利用します。 したがって、基本操作については、メニューバーでもツールバーでも書式パレットでもできるわけです。 この授業では、主に書式パレットを利用することにします。 なお、書式パレットが表示されていない場合は、メニューバーで「表示」→「書式パレット」とクリックしてください。

Wordの使用中に、操作ミスで文章が消滅してしまっても、慌てることはありません。 メニューバーで「編集」→「元に戻す」とクリックすると、たいていは元に戻ります。 または、ツールバーの「元に戻す」ボタンをクリックしてもよいです。

ただし、Wordのような複雑なアプリケーションは、時々、操作中に動かなくなることがあります。 こうなると、アプリケーションを強制終了させるしかないのですが、保存していない文章はたいていは消滅します。 文書を作成するときは、最初にファイル名を決定し、作成中は小まめに保存するようにしてください。

7.1.3 フォントの変更

画面に表示したり紙に印刷したりする文字の種類を、 フォントfont ) と呼びます。 日本語のフォントには、明朝体やゴシック体などがあります。 英語のフォントには、TimesやCourierなどがあります。 文字の大きさ、太さ、傾きなども、フォントの要素です。

文字列のフォントを変更するには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「フォント」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「名前」を変更します。

「名前」の代わりに「サイズ」を変更すると、文字の大きさが変わります。 また、「B」をクリックすると太字になり、「I」をクリックすると斜体になります。 「U」をクリックすると下線が引かれます。

7.1.4 文字列の位置揃え

普通、文章は左端から書き始めますが、部分的に文字列を中央に揃えることがあります。 このとき、スペースをたくさん入力して揃えるのは正しくありません。

文字列を中央に揃えるには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に「横位置」の中央揃えのボタンをクリックします。

中央揃えボタンの代わりに右揃えボタンをクリックすると、右に揃います。

7.1.5 見出し

本などでは、全体はいくつかの章に分かれ、それぞれの章はいくつかの節に分かれ、それぞれの節はいくつかの小節に分かれます。 レポートなどでは、普通は章は設けませんが、節や小節は使われます。 章や節の最初にある、「第1章 宇宙の仕組み」や「1.1 太陽系」のような部分を、 見出しheading ) と呼びます。

見出しは目立つように書かれますが、そのスタイルを自分で決め、文書全体で統一するのは面倒です。 あらかじめ用意されているスタイルを利用すれば、簡単にスタイルを統一できます。

ここで、最も大きな文書単位(章や節)の見出しをレベル1の見出し、次に大きな文書単位の見出しをレベル2の見出し、…と呼びます。

文字列をレベル1の見出しにするには、まず、その文字列をドラッグします。 次に、書式パレットの「スタイル」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「見出し1」をクリックします。

「見出し1」の代わりに「見出し2」をクリックすると、レベル2の見出しになります。 「標準」をクリックすると、見出しではなくなります。

なお、見出しの左端には四角の印が表示されますが、これは印刷されません。

第1章 宇宙の仕組み
1.1 太陽系
太陽系とは...
1.2 銀河系
銀河系とは...
第2章 人類と宇宙
2.1 天動説と地動説
古代の学者は...
2.2 冷戦下の宇宙開発
20世紀に入り...
図 7.1  見出しの例(宇宙について)

7.1.6 段落

ワープロ・ソフトでは右端で自動的に改行されるので、returnキーは段落の終わりに使うことは、以前説明しました。 Wordでは、段落ごとに行間を広げたり、余白を設けたりできます。

段落の行間を広げるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「行間」欄のボタンをクリックします。

特殊な段落として、 引用quotation ) があります。 引用は他人が書いた文章なので、自分が書く文章と区別する必要があります。 引用を示す一つの方法は、上下左右に余白を設けることです。

段落の上下左右に余白を設けるには、まず、その段落をドラッグします。 次に、書式パレットの「配置と間隔」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「段落の間隔」欄の「段落前」と「段落後」を例えば1にし、「インデント」欄の「左」と「右」を例えば2にします。

人類で最初に宇宙に行ったのはガガーリンである。彼は

地球は青かった

という言葉を残した。
図 7.2  引用の例(ガガーリンの言葉)

7.1.7 箇条書き

いくつかの項目を列挙する場合、それらを 箇条書きlist ) にすると読みやすくなります。 箇条書きには、番号付きのものと記号付きのものがあります。 順番に意味がある場合は番号を付けます。 順番に意味がない場合は記号を付けます。

箇条書きを入力するには、まず、書式パレットの「箇条書きと段落番号」をクリックして詳細表示にします。 そして、「種類」欄の記号付きボタンか番号付きボタンをクリックします。 番号や記号は「スタイル」メニューで変更できます。

項目を入力し、returnキーを押して離すと、次の項目が入力できます。 もう項目がない場合は、deleteキーを押して離します。 項目の途中で改行する場合は、shiftキーを押しながらreturnキーを押して離します。

なお、箇条書きの全体をドラッグしてから「種類」欄のクリックしているボタンを再びクリックすると、標準の文章になります。 逆に、標準の文章をドラッグしてから「種類」欄の記号付きボタンか番号付きボタンをクリックすると、箇条書きになります。

太陽系の構成
●太陽
●惑星(8個)
●惑星の衛星
●その他の天体
図 7.3  箇条書きの例(太陽系の構成)
太陽系の惑星
1. 水星
2. 金星
3. 地球
4. 火星
図 7.4  箇条書きの例(太陽系の惑星)

7.1.8 文書のレイアウト

用紙の余白については、あらかじめ適切な長さが設けられますが、変更することもできます。 書式パレットの「文書の余白」をクリックして詳細表示にし、「余白」欄の「左」、「右」、「上」、「下」を変更してください。

1行の文字数や1ページの行数など、より細かな設定が必要な場合は、メニューバーで「書式」→「文書のレイアウト」とクリックしてください。

7.1.9 ページ数の挿入

Word文書にページ数を挿入するには、メニューバーで「挿入」→「ページ番号」とクリックします。 「ページ番号」ウィンドウが開くので、位置などを設定し、「OK」をクリックします。

ページ数を削除するには、ページ数を数回ダブルクリックしてページ数が選択されてから、deleteキーを押して離します。

7.1.10 図の挿入

Word文書に図を挿入するには、画像ファイルを埋め込む方法と、Wordで図形を描く方法があります。

最初は、画像ファイルについてです。 一般的に、画像ファイルを用意するには、

などの方法があります。

Word文書に画像ファイルを挿入するには、次のようにします。

  1. 画像を挿入する場所へカーソルを移動します。
  2. メニューバーで「挿入」→「図」→「ファイルから」とクリックします。
  3. 「図の選択」ウィンドウが開くので、挿入する画像ファイルをクリックし、「挿入」をクリックします。

画像の大きさを変えるには、画像をクリックし、画像の枠に四角印や丸印が付いてから、四角印か丸印をドラッグします。

画像を移動するには、多少注意が必要です。 まず、画像をクリックし、画像の枠に四角印や丸印を付けます。 縦方向の移動だけなら、ドラッグでできます。 縦横に移動するなら、書式パレットの「文字列の折り返し」をクリックして詳細表示にし、「折り返しの種類」メニューを「行内」から「上下」に変更します。 そして、画像を目的の位置までドラッグします。

なお、画像を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。

7.1.11 図の書式

ここで、画像の左右に注目します。 「折り返しの種類」メニューが「行内」のままなら、画像の左右には一行だけ文章が書けます。 「折り返しの種類」メニューを「上下」に変更すると、画像の左右には文章は書けません。 画像の左右に、画像の高さと同じだけ文章が書けるようにするには、次のようにします。

まず、画像をクリックし、画像の枠に四角印や丸印を付けます。 次に、書式パレットの「文字列の折り返し」をクリックして詳細表示にし、「折り返しの種類」メニューを「四角」にします。 最後に、「左右の折り返し」メニューを「左側」や「右側」などにします。

7.1.12 図の描画

画像ファイルの次は、Wordで図形を描きます。

まず、メニューバーで「表示」→「ツールバー」→「図形描画」とクリックします。 すると、図形描画用のツールバーが表示されます。

それぞれのボタンの意味は、次の通りです。

「図挿入」ボタン
画像ファイルを埋め込みます。
「クリップアート」ボタン
クリップアートを挿入します。 ここで、 クリップアートClipArt ) とは、Wordに付属している画像集のことです。
「横書き」ボタン
横書きのテキストボックスを挿入します。 ここで、 テキストボックスtext box ) とは、文字が書ける長方形のことです。
「縦書き」ボタン
縦書きのテキストボックスを挿入します。
「オートシェイプ」ボタン
オートシェイプAutoShape ) と呼ばれる、いろいろな図形を描きます。
「線」ボタン
直線や曲線を描きます。

図形を移動するには、図形をクリックしてからドラッグします。 図形の大きさを変えるには、図形をクリックし、図形の枠に四角印や丸印が付いてから、四角印か丸印をドラッグします。

図形を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。

惑星の位置関係
○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○-----○
太陽   水星   金星   地球   火星   木星   土星   天王星 海王星
図 7.5  図形の例(惑星の位置関係)

7.1.13 表の挿入

Word文書に表を挿入するには、メニューバーで「罫線」→「挿入」→「表」とクリックします。 すると、「表の挿入」ウィンドウが開くので、「列数」と「行数」を適切な値にし、「OK」をクリックします。

表を移動するには、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をドラッグします。 表の全体の大きさを変えるには、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の右下に現れる四角をドラッグします。 表のセルの大きさを変えるには、表の罫線にマウスカーソルを置き、マウスカーソルの形が変わったらドラッグします。

表を削除するには、deleteキーでも消せますし、カットでも消せます。 その際に、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をクリックすると、表の全体が選択できます。

惑星の衛星
惑星 衛星
水星 なし
金星 なし
地球 1
火星 2
図 7.6  表の例(惑星の衛星)

7.1.14 表の書式

挿入した表の罫線は、点線や二重線にすることができます。 また、色や太さも変えられます。

まず、表の中にマウスカーソルを置き、少し待ち、表の左上に現れる四角をクリックします。 次に、書式パレットの「罫線と網かけ」をクリックして詳細表示にします。 最後に、「罫線の種類」、「線の色」、「線の太さ」を変更します。

7.1.15 ヘルプの利用

Wordについて分からないことがあるときは、ヘルプを利用してください。 メニューバーで「ヘルプ」→「Wordヘルプ」とクリックします。


7.2 参考文献


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2011年6月8日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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