前回、レポート課題を出しましたが、自宅からレポートを提出した学生が何人かいました。 その中の数名は、メール・ソフトの設定がうまくいかなかったらしく、差出人が大学と無関係のメール・アドレスになっていました。 さらに悪いことに、名前まで違っている(家族か友人か)ものもありました。 差出人が学内のメール・アドレスでないレポートは、先生に受け付けてもらえないと考えてください。
自宅のパソコンでレポートを書きたいけれど、メール・ソフトの設定がうまくいかないならば、次のようにしてください。
WWW とは、World Wide Webの略で、世界規模の文書閲覧システムです。 テキスト・データの閲覧だけではなく、画像や音楽といったマルチメディア・データも閲覧・再生できます。 また、ハイパーテキストと呼ばれる機能を持ち、リンクされたページに素早く移動できます。 Webとは、もともとクモの巣の意味ですが、WWWでは、世界中に設置されたページが、あたかもクモの巣のようにリンクで結ばれているのです。 WWWは、単に Web とも呼ばれます。
Webを利用するには、 Webブラウザ ( Web browser ) と呼ばれるソフトを使います。 東京女子大学では、Webブラウザとして、Safari, Mozilla Firefox, およびOperaが用意されています。 Webの話であることが明らかならば、Webブラウザを単に ブラウザ ( browser ) と呼びます。
ブラウザに表示される内容を、 Webページ ( Web page ) と呼びます。 Webページに似た言葉に、 ホームページ ( home page ) があります。 ホームページという言葉は曖昧で、Webページ全般を意味したり、サイト(組織)を代表するWebページを意味したり、ブラウザのホームボタンに登録されたWebページを意味したり、自作のWebページを意味したりします。 Webの話であることが明らかならば、Webページを単にページと呼びます。
ハイパーテキスト ( hypertext ) とは、関連性のあるページが結びつけられた文書のことです。 この結びつきは、 リンク ( link ) と呼ばれます。 ブラウザは、ページのリンク元がクリックされると、リンク先のページを表示することで、ハイパーテキストの機能を実現します。
なお、WWWをインターネットと呼ぶのは勧められません。 WWWは、電子メールと同様に、インターネットで行われるサービスの一つです。
電子メールでは、メールアドレスが宛先や差出人を特定しました。 Webでは、URLというものがWebページを特定します。
URL とは、Uniform Resource Locatorの略で、情報源の設置場所の統一表現という意味です。 WebページのURLは、http://ドメイン名/パス名、という形式が基本です。 これで、ドメイン名で特定されたコンピュータの、パス名で特定されたファイルを示します。
例えば、東京女子大学のホームページのURLは、http://www.twcu.ac.jp/index.htmlです。 このページは、ドメイン名www.twcu.ac.jpで特定されるコンピュータに設置されている、パス名index.htmlで特定されるファイルということです。 ファイル名index.htmlは特別で、URLでは省略可能です。 したがって、http://www.twcu.ac.jp/でも同じWebページが特定されます。
ここでは、Macの標準Webブラウザである Safari の使い方について説明します。
Safariを起動するには、DockのSafariアイコンをクリックします。 Safariを終了するには、メニューバーの「Safari」をクリックし、「Safariを終了」を選択します。
Safariのウィンドウで、タイトルバーの直下の部分を アドレスバー ( address bar ) と呼びます。 アドレスバーの入力欄にURLを入力してreturnキーを押して離しますと、そのページが表示されます。 (URLを入力するときは、英字モードにしてください。) 入力欄が水色になるのは、内容転送の進捗状況を示しています。
普通、ページの中には、いくつかのリンク元があります。 リンク元は、下線が引かれたり、違う色で書かれたりして、目立つようになっている場合が多いです。 リンク元をクリックしますと、リンク先のページが表示されます。
元のページに戻るには、アドレスバーの左端にある左向き三角ボタンをクリックして前へ戻ります。 戻りすぎたときは、右向き三角ボタンをクリックして先へ進みます。
時々、一部の画像がいつまでも表示されず、アドレスバーが水色のままということがあります。 そのときは、バツ印ボタンをクリックして中止し、曲がった矢印ボタンをクリックして再読み込みしますと、今度はちゃんと表示される場合があります。
いくつかのページを同時に開くには、Safariアイコンを何度もクリックするのではありません。 メニューバーの「ファイル」をクリックし、「新規ウィンドウ」を選択しますと、新しいウィンドウが開きます。
Webページを印刷するには、メニューバーの「ファイル」をクリックし、「プリント」を選択します。 ただし、最近、紙の消費があまりにも激しく、大学として問題になっています。 印刷は、本当に必要なときだけにしてください。
Webページによっては、文字が小さくて読みにくい場合があります。 そのときは、メニューバーの「表示」をクリックし、「文字の拡大」を選択しますと、文字が大きくなります。 逆に、「文字の縮小」を選択しますと、文字が小さくなります。
また、Webページによっては、意味のない文字が並び、まったく読めないこともあります。 これは、俗に「文字化け」と呼ばれる現象で、多くは文字コードの判定ミスによるものです。 メニューバーの「表示」をクリックし、「テキストエンコーディング」を選択しますと、文字コードの候補が表示されます。 その中から適当に選択しますと、大抵は読めるようになります。 日本語のページでしたら、日本語の文字コードから選びますが、Unicode(UTF-8)の場合もあります。
長文のWebページの場合、必要な内容を見つけ出すのは一苦労です。 そのようなときは、適当な検索語を考え、ページ内を検索しますと、すぐに見つかるものです。
メニューバーの「編集」をクリックし、「検索」→「検索」と選択しますと、検索語を入力するダイアログ・ウィンドウが開きます。 検索語を入力し、「次へ」をクリックしますと、最初に見つかった検索語が水色で表示されます。 もう一度「次へ」をクリックしますと、次に見つかった検索語が水色で表示されます。
アドレスバーの三角ボタンをクリックしますと、一つ前へ戻ったり、一つ次へ進んだりできます。 いくつか前へ戻ったり、いくつか次へ進むときには、三角ボタンを長押しします。
昨日見たページに戻りたいときは、 履歴 ( history ) の機能を利用します。 メニューバーの「履歴」をクリックしますと、表示の履歴が現れます。 下の方に、履歴が日付ごとに分類されていますので、その中から選択します。
URLを登録する機能は、 ブックマーク ( bookmark ) と呼ばれます。 今後も訪れる予定のWebページは、ブックマークに登録しておきますと、同じURLを入力する手間が省けます。
アドレスバーの下の部分を、 ブックマークバー ( bookmark bar ) と呼びます。 ブックマークバーの、開いた本の印をクリックしますと、ブックマークのページが開きます。 もう一度クリックしますと、元に戻ります。 ブックマークには、あらかじめいくつかのページが登録されています。 それらを開くには、項目をダブルクリックします。
自分用のページをブックマークに登録するには、まず、自分用のブックマークフォルダを作成します。 ブックマークのページを開き、左下のプラスボタンをクリックし、追加されたブックマークフォルダに適当な名前を付けてください。
Webページを閲覧していて、ブックマークに登録したいページに出会ったなら、メニューバーの「ブックマーク」をクリックし、「ブックマークに追加」を選択します。 追加先のブックマークフォルダを選択し、「追加」をクリックしますと、今表示されているページが選択したブックマークフォルダに追加されます。
Webブラウザは、リンク先のファイルがブラウザで開けない形式であるときは、ファイルとして転送しようとします。 この、ファイルとして転送することを、 ダウンロード ( download ) と言います。 ダウンロードしたファイルは、ほかのソフトで開きます。
東京女子大学のSafariでは、ダウンロードしたファイルはデスクトップに保存する設定になっています。 ダウンロードした後は、デスクトップのアイコンをダブルクリックして、ファイルを開いてください。
Webにおける通信は、基本的には内容をそのまま流すものです。 つまり、通信経路にいる人は、通信内容を簡単に傍受できます。 しかし、それではクレジットカードでショッピングなどのビジネスが成り立ちません。 そこで、通信内容を暗号化して、セキュリティを保護する技術が導入されました。
Safariでは、通信内容が暗号化されるときは、タイトルバーの右端に南京錠の印が付きます。 クレジットカード番号やパスワードなど、秘密の内容を入力するときは、この印があることを確認してください。
ここで、WWWを利用する際に注意すべき点を列挙します。 注意事項は、システムに関すること、マナーに関すること、および防犯に関することです。
1. URLは正確に入力する。
URLを間違えて入力しますと、大抵はNot Foundと表示されます。 英字モードで入力したか、チルダ(~)、マイナス(-)、アンダースコア(_)を間違えていないかなど、もう一度確認してください。
2. ダイアログ・ウィンドウは読んで確認する。
Safariを利用していますと、「通信内容は暗号化されません」や「通信内容は暗号化されます」などのダイアログ・ウィンドウが開くことがあります。 内容を読んで確認するようにしてください。 また、キーチェーンについて聞かれたときは、「すべてを変更」をクリックしてください。
3. どうしてもうまく表示されないときは、ブラウザを変えてみる。
文字化けならば、前述の方法で解決できます。 しかし、世の中には、特定のブラウザでしか表示できないページが結構あります。 そのようなページに出会ってしまったなら、Safariではなく、Mozilla FirefoxやOperaを試してみてください。
4. Webページの内容を鵜呑み(うのみ)にしない。
世の中には故意にデマを流す人がいます。 また、悪意がなくても、勘違いで間違った内容が書かれることもあります。 内容の真偽を判断するには、経験を積むしかありません。 ただし、URLはどのサイトが情報源かを示していますので、一応の判断材料になります。 また、複数の情報源から同じ内容が得られるなら、それは正しい可能性が高いです。
5. Webページの内容を安易にコピーしない。
クリップボードを利用しますと、Webページの内容は簡単にコピーできます。 しかし、それをそのままレポートとして提出しますと、不正行為と見なされます。 引用は許されますが、盗用は許されません。
6. 掲示板やブログに個人情報を書き込まない。
掲示板で意見交換をしたり、ブログで日記を公開するのは楽しいかもしれませんが、内容の組み合わせによってはストーカーに個人情報を与えてしまうことにもなります。
7. 怪しいWebページは開かない。
Webページを開きますと、Webサーバ(Webのサービスを行うコンピュータ)にはアクセス記録が残ります。 悪意のある人は、それを手がかりにしてメールアドレスを割り出し、情報料を請求してきます。 もちろん、明確な契約行為(「OK」をクリックするなど)がなければ、料金請求は無効です。 しかし、トラブルの元ですので、怪しいページは開かないようにしてください。
8. 個人情報の入力は慎重に行う。
パスワード、暗証番号、クレジットカード番号などを入力するときは、セキュリティが保護されたページであることを確認してください。 また、セキュリティが保護されたページのように見えても、実はフィッシング詐欺だったということもありますので、メールで届いたリンクは信用しないでください。
Webページを閲覧しますと、色々な情報が手に入ります。 その中には、思わずコピーしたくなる情報もあります。 しかし、実際にコピーしますと、著作権侵害で訴えられるかもしれません。 ここでは、著作権について、その概略を説明します。
著作権とは、小説、音楽、美術、映画などを創作した人や団体が、勝手なコピーで損をすることがないようにするための権利です。 著作権で保護する対象を著作物と呼びます。 著作物は、創作的な表現と特徴づけられます。
著作権は、著作物を創作すると発生し、著作者の死後50年まで保護されます。
著作権の目的は、創作活動を維持することです。 例えば、あなたは作家で、ある小説を発表したとします。 これがそれなりに売れて、それなりの収入があれば、あなたは次の小説を書く意欲を持つでしょう。 しかし、だれかが勝手にコピーを配って、あなたの収入がゼロになれば、あなたはもう小説を書かなくなるでしょう。 著作権の侵害が増えれば増えるほど、世の中から創作活動が消えていくのです。
著作物をコピーするには、著作権者の承諾を取ります。
著作権者の承諾が必要ない場合もあります。 例えば、私的利用のためのコピーについては、承諾は必要ありません。
電子メールで他人の著作物を配布したり、Webページで他人の著作物を公開するのは、私的利用ではありません。 自由に配布・公開してよいと言われている場合を除き、著作権侵害に当たります。
授業のレポートなどで他人の著作物をコピーする場合は、正当な方法で引用すれば、著作権者の承諾は不要です。
授業のレポートなどで他人の著作物を引用するには、次のようにします。
1. 字下げや空行などを使って、自分で書いた部分と引用部分が区別できるようにする。
2. 出典を明記する。 本ならば、著者名、題名、出版社名、出版年などを書く。
3. 引用部分は改変しない。
4. 引用する必然性がある部分だけを引用する。