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情報処理技法(Javaプログラミング)I 第1回

目次
索引

教員の紹介

名前
小西 善二郎(こにし ぜんじろう)
肩書き
東京女子大学非常勤講師
連絡先
konishi@cis.twcu.ac.jp

シラバス

内容

本講義では、プログラミング言語Javaを用いてプログラミングの基本を学ぶ。 プログラムの制御構造と配列などのデータ型を理解し、簡単なプログラムを作成することを目標とする。 また、アプレットなどについても触れる。

到達目標

Java言語を用いて、プログラムの仕組みやデータ型、制御構造などのプログラミングの基本を理解し、これらを用いて簡単なプログラムの作成ができるようになる。

スケジュール

  1. コンピュータとプログラム
  2. アプレット
    アプレットに関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  3. 変数と式(1)整数
    変数と式に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  4. 変数と式(2)実数
    変数と式に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  5. 条件文(1)if文とif-else文
    条件文に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  6. 条件文(2)多重if-else文とswitch文
    条件文に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  7. 繰返し文(1)for文
    繰返し文に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  8. 繰返し文(2)while文と2重ループ
    繰返し文に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  9. 配列(1)配列の使い方
    配列に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  10. 配列(2)配列のコピーと並列配列
    配列に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  11. 手続きと関数(1)メソッドの引数と返り値
    手続きと関数に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  12. 手続きと関数(2)論理型とブール値メソッド
    手続きと関数に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  13. レコード
    レコードに関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  14. 文字と文字列
    文字と文字列に関する課題を出すので、そのプログラムを作成すること。
  15. まとめ

教室外の学習方法

スケジュール欄を参照のこと

教材(テキスト)

http://www.cis.twcu.ac.jp/~konishi/index-j.html

教材(参考書等)

授業内容に応じて参考資料を紹介する。

成績評価方法

毎回の課題80%と試験20%で成績を評価する。

成績評価基準

以下の基準にしたがって成績を評価する。

  1. 毎回の課題については、正しいプログラムを作成しているか。
  2. 試験については、プログラミングの基本を理解しているか。

備考

課題のプログラムはすべて提出すること。

試験は最後の授業の時間に実施する。

メール・アドレス: konishi@cis.twcu.ac.jp


履修者の抽選

コンピュータの台数の関係により、履修希望者が40名を越えた場合は抽選を行います。 抽選用紙には、時間割番号(JJ603B)を記入してください。


コンピュータとプログラム

パソコンの仕組み

この授業の内容は、一言で言うと、プログラミングです。 プログラミング programming )とは、プログラムを作成することです。 それでは、プログラムとは一体何かと言いたくなるでしょう。 これを説明するには、パソコンの仕組みを理解する必要があります。

パソコンの部品の中で、最も重要なのがCPUです。 CPU Central Processing Unit )は、中央処理装置と訳され、加減乗除などの演算をしたり、他の部品を制御したりします。

次に重要なのが、記憶装置です。 記憶装置 memory unit )は、文字通り、情報を記憶する装置です。 記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置に分類されます。

主記憶装置 main memory unit )は、単にメモリと呼ばれたり、 RAM Random Access Memory )と呼ばれたりします。 主記憶装置の中の情報は、CPUから直接読み書きできますが、電源を切ってしまうと、主記憶装置の中の情報は消滅します。

一方、 補助記憶装置 auxiliary memory unit )とは、具体的にはハードディスク、フロッピーディスク、CD-ROM, DVD-ROM, USBメモリなどのことです。 補助記憶装置の中の情報は、CPUから間接的にしか読み書きできませんが、電源を切っても、補助記憶装置の中の情報は保持されます。

なお、パソコンには、CPUや記憶装置の他にも、キーボード、マウス、ディスプレイなどの部品があります。 これらをまとめて、 ハードウェア hardware )と呼びます。

パソコンが動くとは

CPUは演算や制御を行う装置ですが、どんな演算をするかや何を制御するかは決まっていません。 CPUが何をするかは、人間が命令を与えると決まります。 命令 instruction )とは、CPUに行わせる演算や制御を示す情報です。

人間は、CPUに対して、演算や制御の詳細を命令の列として与えます。 すると、CPUはその命令の列に従って、具体的な演算や制御を行うのです。 この命令の列が プログラム program )です。 CPUがプログラムに従って演算や制御を行うことを、プログラムを 実行する execute )と言います。 パソコンが動くとは、CPUがプログラムを実行することです。

以上をまとめると、人間がプログラムを作成してパソコンに与えると、パソコンはそのプログラムに従って動くというわけです。 つまり、プログラミングができるようになれば、パソコンを思い通りに動かせるようになります。

さて、CPUにプログラムを実行させるには、CPUが直接読み書きできる主記憶装置に、そのプログラムを格納する必要があります。 しかし、主記憶装置は電源が切れると、その中の情報は消滅します。 そこで、主記憶装置と補助記憶装置を次のように使い分けます。

パソコンの電源が入る前、プログラムは、ハードディスクやCD-ROMなどの補助記憶装置に格納されています。 パソコンの電源が入ると、必要に応じて、プログラムは主記憶装置にコピーされます。 そして、CPUは主記憶装置の中のプログラムを実行します。 パソコンの電源を入れてから使えるようになるまで時間がかかるのは、補助記憶装置から主記憶装置にプログラムをコピーしているからです。

なお、プログラムの集合体は ソフトウェア software )と呼ばれます。 この言葉は、ハードウェア(元々の意味は金物)の反対という意味で作られた言葉です。

また、ソフトウェアという言葉はソフトと略されることが多く、「ワープロ・ソフト」や「表計算ソフト」のように使われます。 ワープロ・ソフトも表計算ソフトも、もともとは誰か(実際は技術者集団)が作ったプログラムなわけです。

プログラミングを学ぶ利点

この授業ではプログラミングを学ぶわけですが、勉強すると何がよいのかについて説明しておきます。

1. プログラマになれる。

プログラマ programmer )とは、プログラムを作成する人のことです。 この授業より難しい勉強が必要になりますが、プログラマとしての職が得られるかもしれません。

2. パソコンをより便利に使える。

たとえ10行程度のプログラムでも、道具として役に立つことがあります。 自分でプログラムを作成し、それを自分の道具にすることで、パソコンをより便利に使うことができます。

3. パソコンについての理解が深まる。

プログラミングの経験があれば、パソコンがどのように動いているのか、ある程度理解ができます。 パソコンにトラブルが発生しても、適切に対処できるかもしれません。


プログラミング言語Java

プログラミング言語とは

プログラミング言語 programming language )とは、プログラムを作成するときに使う言語です。 プログラマは、何らかのプログラミング言語を選択し、その文法に従ってプログラムを作成します。 作成したプログラムをパソコンに与えると、パソコンはそのプログラムを実行します。 プログラミング言語によっては、人間が理解できるプログラムを、CPUが理解できるプログラムに翻訳するという作業を行います。 このことを、 コンパイル compile )と言います。

Javaとは

Java とは、1995年にSun Microsystems社(現在はOracle社の子会社)から発表されたプログラミング言語です。 Javaは、ネットワークやGUI(Graphical User Interface)など、現代的な機能が充実しています。 特に、アプレットとよばれる、ホームページにプログラムを埋め込む技術は、Javaが一気に有名になった切っ掛けでもあります。 また、Javaは基本的にマルチプラットホームであり、一度プログラムを書けば、それはWindowsでもMac OS XでもLinuxでもSolarisでも動きます。 Javaの言語体系は比較的整理されているので、プログラミングの入門にも適しています。

現在、Javaは色々な所で使われています。 パソコン・ソフトとしてはあまり使われていませんが、ネットワークなどJavaの強みを生かした場面では使われています。 Webアプリケーション(Webブラウザで利用する各種サービス)では、本格的なシステムになるとJavaを使うことが多いです。 従来型携帯(ガラケー)のアプリでは、ドコモとソフトバンクがJavaを採用しています。 スマートフォン(スマホ)のアプリでは、アンドロイドがJavaを採用しています。

情報処理センターのJava環境

一般的に、プログラムを作成するには、プログラム開発用ソフトウェア(言語処理系、開発環境などとよばれる)を用意する必要があります。 プログラマは、開発用ソフトウェアに備わっている機能を利用して、プログラムをコンパイルしたり、プログラムの間違いを見つけたりします。

Javaの開発用ソフトウェアには、いくつか種類があります。 この授業では、Mac OS X標準の、 JDK (Java SE Development Kit)を用います。 プログラミングの学習が目的なら、JDKの提供する機能で十分でしょう。 JDKには、いくつかのバージョンがあります。 情報処理センターのシステムには、JDK 6がインストールされているので、授業ではそれを用います。


授業の準備

授業で使うソフト

この授業で使うソフトは次のようなものです。

授業で使うソフト
ソフトの種類 授業で使う 使ってもよい
ターミナル・ソフト ターミナル
テキスト・エディタ Jedit X Emacs
ウェブ・ブラウザ Firefox

「ターミナル」は、Mac OS Xに付属しているソフトウェアです。 Jedit(X)は、Artman 21が開発したソフトウェアです。 Emacsは、GNUプロジェクトが開発したソフトウェアです。 Firefoxは、Mozilla Foundationが開発したソフトウェアです。

Jeditの起動の仕方は以下の通りです。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリック。
  3. 「Jedit X Folder」をダブルクリック。
  4. 「Jedit X」をダブルクリック。

Jeditはこのままでも使えますが、この授業用に設定をしておくと、より使いやすくなります。

まず、メニューバーで「Jedit X」→「環境設定」とクリックすると、「環境設定」ウィンドウが開きます。 「新規書類」ボタンをクリックし、「書式」タブをクリックして、「文書幅」の「ウインドウ幅に合わせる」をクリックします。

Jeditの設定(1)
Jeditの設定(1)

次に、「フォントとカラー」タブをクリックし、「プレインテキスト」の「フォント変更」ボタンをクリックし、「フォント」ウィンドウで「日本語」→「Osaka」→「レギュラー-等幅」→「12」とクリックします。

Jeditの設定(2)
Jeditの設定(2)
Jeditの設定(3)
Jeditの設定(3)

最後に、「すべてを表示」ボタンをクリックし、「エンコーディング」ボタンをクリックして、「エンコーディング」を「Unicode (UTF-8)」、「改行」を「Unix (LF)」にします。

Jeditの設定(4)
Jeditの設定(4)

Jeditを終了するには次のようにします。

  1. タイトルバーの赤ボタンをクリック。
  2. メニューバーで、「Jedit X」→「Jedit Xを終了」とクリック。

「ターミナル」の起動の仕方は以下の通りです。

  1. DockのFinderアイコンをクリック。
  2. サイドバーの「アプリケーション」をクリック。
  3. 「ユーティリティ」をダブルクリック。
  4. 「ターミナル」をダブルクリック。

「ターミナル」はこのままでも使えますが、この授業用に設定をしておくと、より使いやすくなります。

まず、メニューバーで「ターミナル」→「環境設定」とクリックすると、「環境設定」ウィンドウが開きます。 「設定」ボタンをクリックし、「テキスト」タブをクリックし、「フォント」の「変更」ボタンをクリックし、「フォント」ウィンドウで「Osaka」→「レギュラー-等幅」→「12」とクリックします。

「ターミナル」の設定(1)
「ターミナル」の設定(1)
「ターミナル」の設定(2)
「ターミナル」の設定(2)

次に、「テキスト」の「テキストをアンチエイリアス処理」をオンにします。

「ターミナル」の設定(3)
「ターミナル」の設定(3)

最後に、「詳細」タブをクリックして、「文字エンコーディング」を「Unicode (UTF-8)」にします。

「ターミナル」の設定(4)
「ターミナル」の設定(4)

「ターミナル」を終了するには次のようにします。

  1. タイトルバーの赤ボタンをクリック。
  2. メニューバーで、「ターミナル」→「ターミナルを終了」とクリック。

授業用フォルダの作成

Javaでプログラムを作成すると、たくさんのファイルを扱うことになります。 そこで、授業用のフォルダ(java1)をデスクトップに作り、そのフォルダの中で作業を行うことにします。 デスクトップを右クリックして、「新規フォルダ」をクリックして、 java1 と入力して、授業用のフォルダを作成してください。

再び「ターミナル」を起動してください。 「ターミナル」の最後の行は、次のようになっています。

24102a1:~ k12x1001$

続いて、カレント・ディレクトリを変更します。 カレント・ディレクトリ current directory )とは、操作の基準となるディレクトリのことです。 (ディレクトリとフォルダは同じ意味です。) カーソルの左にあるのが プロンプト prompt )とよばれる文字列で、これを見るとカレント・ディレクトリが分かります。 (プロンプトの設定によりますが。) 例えば、プロンプトが

24102a1:~ k12x1001$

ならば、カレント・ディレクトリは~で、これはホーム・ディレクトリを意味します。 また、

24102a1:java1 k12x1001$

ならば、カレント・ディレクトリはjava1です。

カレント・ディレクトリがホーム・ディレクトリ(~)であることを確認して、 cd Desktop/java1 と入力すると、カレント・ディレクトリがjava1になります。

24102a1:~ k12x1001$ cd Desktop/java1
24102a1:java1 k12x1001$

この、 cdコマンド は、カレント・ディレクトリを変更するものです(Change Directory)。

もし、 Desktop/java1 と入力するのが面倒なら、アイコンをドラッグ・アンド・ドロップしてください。 cd とスペースを入力してから、java1のフォルダ・アイコンを「ターミナル」にドラッグ・アンド・ドロップすると、

24102a1:~ k12x1001$ cd /Users/k12x1001/Desktop/java1
24102a1:java1 k12x1001$

となります。 カレント・ディレクトリがホーム・ディレクトリなら、 Desktop/java1 /Users/k12x1001/Desktop/java1 は、同じディレクトリを表します。


プログラムの動かし方

全体の手順

今日の授業では、Javaのプログラムが与えられたとき、そのプログラムをどうやって動かすかについて説明します。 今日はプログラムの内容を気にする必要はありません。

Javaプログラムの作成から実行までの手順は以下の通りです。

  1. テキスト・エディタ(Jeditなど)を用いてプログラムを入力する。
  2. 入力したプログラムをファイル(〜.java)に保存する。
  3. javacコマンド(Javaコンパイラ)を用いてプログラムをコンパイル(バイトコードを生成)する。
  4. javaコマンド(Javaインタプリタ)を用いてプログラムを実行(バイトコードを実行)する。
プログラムの実行までの流れ
プログラムの実行までの流れ

「コンパイラ」、「インタプリタ」、「バイトコード」などの用語は、後で説明します。

プログラムの入力と保存

ここで、再びJeditを起動します。 そして、次のプログラムをそっくりそのまま入力します。 アルファベットの大文字を小文字に変えたりしないでください。 /* */ は入力する必要はありません。

/*  1*/ class ProgramTest {
/*  2*/     public static void main (String[] args) {
/*  3*/         System.out.println("OK");
/*  4*/     }
/*  5*/ }

次に、このプログラムをファイルに保存します。 Javaのプログラムを保存するときには、ファイル名の拡張子を〜.javaにする必要があります。 今日は、ファイル名をProgramTest.javaとします。

新規に作成したプログラムをファイルに保存するには次のようにします。

  1. ウィンドウをクリック。
  2. メニューバーで、「ファイル」→「別名で保存...」とクリック。
  3. 「名前」欄に、ファイル名(今日はProgramTest.java)を入力。
  4. 「名前」欄の右の三角ボタンを数回クリックし、詳細表示に変更。
  5. デスクトップ→「java1」とクリック。
  6. 「エンコーディング」メニューで「Unicode(UTF-8)」を選択。
  7. 「改行タイプ」メニューで「Unix(LF)」を選択。
  8. 「保存」をクリック。

コンパイル

プログラムをファイルに保存したら、次に「ターミナル」で javacコマンド を実行します。 プログラムはProgramTest.javaに保存されているので、 javac ProgramTest.java と入力してください。 プログラムが正確に入力できていれば、ProgramTest.classというファイルが生成されます。 ( Picked up 〜は設定情報なので、気にしないでください。)

24102a1:java1 k12x1001$ javac ProgramTest.java
Picked up JAVA_TOOL_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
24102a1:java1 k12x1001$

もし、 ProgramTest.java と入力するのが面倒なら、アイコンをドラッグ・アンド・ドロップしてください。 javac とスペースを入力してから、ProgramTest.javaのアイコンを「ターミナル」にドラッグ・アンド・ドロップすると、

24102a1:java1 k12x1001$ javac /Users/k12x1001/Desktop/java1/ProgramTest.java
Picked up JAVA_TOOL_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
24102a1:java1 k12x1001$

となります。 カレント・ディレクトリがjava1なら、 ProgramTest.java /Users/k12x1001/Desktop/java1/ProgramTest.java は、同じファイルを表します。

もし エラー1個 のようなメッセージが表示されたら、どこかに入力ミスがあります。 ファイルProgramTest.javaを見直して、入力ミスを正し、保存して、もう一度javacコマンドを実行してください。 エラー・メッセージの見方は後述します。

javacコマンドは、〜.javaファイルをもとに〜.classファイルを生成します。 この〜.classファイルの内容が バイトコード bytecode )です。 バイトコードは、もとのプログラムとは似ても似つかない、特殊な文字の並びです。

Javaの場合、コンパイルとはバイトコードを生成することです。 一般的に、コンパイルを行うソフトウェアは、 コンパイラ compiler )と呼ばれます。

プログラムの実行

最後に、「ターミナル」で javaコマンド を実行します。 バイトコードがProgramTest.classに格納されているので、 java ProgramTest と入力してください。 (ファイル名から.classを取り除きます。)

24102a1:java1 k12x1001$ java ProgramTest
Picked up JAVA_TOOL_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
OK
24102a1:java1 k12x1001$

もし、 ProgramTest と入力するのが面倒なら、アイコンをドラッグ・アンド・ドロップしてから、いらない部分を消してください。 java とスペースを入力してから、ProgramTest.classのアイコンを「ターミナル」にドラッグ・アンド・ドロップすると、

24102a1:java1 k12x1001$ java /Users/k12x1001/Desktop/java1/ProgramTest.class // まだreturnキーは押さない。

となり、deleteキーと矢印キーを使って /Users/k12x1001/Desktop/java1/ .class を消してからreturnキーを押せば、

24102a1:java1 k12x1001$ java ProgramTest
Picked up JAVA_TOOL_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
OK
24102a1:java1 k12x1001$

となります。

実は、今日のプログラムは、「ターミナル」に OK と出力するだけのものです。 javacコマンドで、そのプログラムからバイトコードを生成し、javaコマンドで、そのバイトコードを実行したのです。

Javaの場合、プログラムを実行するには、そのプログラムをコンパイルしてバイトコードを生成し、そのバイトコードを実行します。 一般的に、プログラム(バイトコードを含む)を(解釈しながら)実行するソフトウェアは、 インタプリタ interpreter )と呼ばれます。

プログラムのエラー

javacコマンドは、プログラム中におかしな点を見つけると、コンパイルを止め、エラー・メッセージを出力します。

例えば、ProgramTest.javaで、3行目

        System.out.println("OK");

        Systemout.println("OK");

と間違ったとします。 javacコマンドを実行すると、

24102a1:java1 k12x1001$ javac ProgramTest.java
Picked up JAVA_TOOL_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
ProgramTest.java:3: シンボルを見つけられません。
シンボル: 変数 Systemout
場所    : ProgramTest の クラス
        Systemout.println("OK");
        ^
エラー 1 個
24102a1:java1 k12x1001$

というメッセージが表示されます。 これは、ProgramTest.javaの3行目のSystemout(記号^の指す点)がおかしいという指摘です。

javacコマンドは必ずしも本当の間違いを指摘するとは限りませんが、エラー・メッセージを参考にしてプログラムを直してください。

直したプログラムをファイルに保存するには次のようにします。

  1. ウィンドウをクリック。
  2. メニューバーで、「ファイル」→「保存」とクリック。

保存したら、再びjavacコマンド( javac ProgramTest.java )でコンパイルします。 またエラーが発生したら、またプログラムを修正し、また保存し、またコンパイルします。 エラーが発生しなくなったら、コンパイルは成功です。 バイトコード・ファイル(ProgramTest.class)が作られていることを確認して、javaコマンド( java ProgramTest )でバイトコードを実行します。


アンケート1

履修者の予備知識を確認するため、アンケートを行います。 以下の質問に答え、回答をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(学生番号@cis.twcu.ac.jp)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(9月25日)を明記してください。

  1. 表計算ソフト(Excelなど)で、数式を利用したことがあるか答えてください。
  2. パソコンのプログラムを作成したことがあるか答えてください。
  3. 数式 1+2+...+100 を計算するプログラムが作成できるか答えてください。
  4. 授業内容に関して、何か希望がありましたら答えてください。

付録

自宅で自習するには

自宅のパソコンにJDKをインストールすれば、自宅でこの授業の自習ができます。 例として、Windows 7が動いているパソコンに、最新版のJDK(JDK 8)をインストールする方法を説明します。

始めに、JDK 8のインストール用ファイルを手に入れます。 URL

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/

を開き、「Java DOWNLOAD」ボタン(下に「Java Platform(JDK)8uXX」と書かれている)をクリックします。 次に、表「Java SE Development Kit 8uXX」の中の「Accept License Agreement」をクリックし、「Windows x86」の行(64ビット版のWindowsならば「Windows x64」の行)のファイル名をクリックします。 ファイルを実行するか保存するか聞かれるので、「保存」ボタンをクリックすると、ダウンロードが始まります。

ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルを実行(アイコンをダブルクリック)します。 インストール・プログラムが実行され、いくつか質問されますが、「次へ」ボタンをクリックするだけでよいです。

インストールが完了したら、JDKの設定を行います。 まず、スタートボタン→「コンピューター」とクリックし、C:ドライブ→「Program Files」→「Java」とダブルクリックして、JDKがインストールされたフォルダ名(jdk1.8.0_XX)を確認します。

JDKの設定(1)
JDKの設定(1)

次に、スタートボタン→「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「システム」とクリックし、左側の「システムの詳細設定」をクリックします。

JDKの設定(2)
JDKの設定(2)

すると、「システムのプロパティ」ウィンドウが開くので、「詳細設定」タブをクリックし「環境変数」ボタンをクリックします。

JDKの設定(3)
JDKの設定(3)

すると、「環境変数」ウィンドウが開くので、「ユーザー環境変数」の変数の列に「PATH」がないことを確認して、「新規」ボタンをクリックします。 (もし「PATH」があれば、それをクリックして「編集」ボタンをクリックします。)

JDKの設定(4)
JDKの設定(4)

すると、「新しいユーザー変数」ウィンドウが開くので、「変数名」欄に PATH 、「変数値」欄に C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_XX¥bin (jdk1.8.0_XXはJDKがインストールされたフォルダ名)と入力し、「OK」ボタンをクリックします。 (「ユーザー変数の編集」ウィンドウの場合は、「変数値」欄の最後にセミコロン(;)と C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_XX¥bin を追加します。)

JDKの設定(5)
JDKの設定(5)

「環境変数」ウィンドウの「OK」ボタンをクリックし、「システムのプロパティ」ウィンドウの「OK」ボタンをクリックします。

最後に、スタートボタン→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コマンド プロンプト」とクリックします。 すると、「コマンド プロンプト」ウィンドウが開くので、 javac -version と入力し、 javac 1.8.0_XX と出力されれば設定は成功です。 (もし 'javac' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。 と出力されれば設定は失敗です。)

JDKの設定(6)
JDKの設定(6)

自宅で動かすには

自宅のWindowsパソコンでプログラムを動かすには、Macとは違うソフトを使います。

まず、プログラムを入力するときは、Jeditではなく「メモ帳」を使います。 スタートボタン→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「メモ帳」とクリックして起動してください。

「メモ帳」でJavaのプログラムを保存するときに、注意することがあります。 メニューバーで「ファイル」→「名前を付けて保存」とクリックすると、「名前を付けて保存」ウィンドウが開きますが、ファイル名を入力する前に、「ファイルの種類」を「すべてのファイル」にしてください。 そうしないと、拡張子が「〜.java.txt」となってしまいます。 また、「文字コード」は「ANSI」のままにしてください。

メモ帳で保存(1)
メモ帳で保存(1)

また、「ターミナル」の代わりに「コマンド プロンプト」を使います。 (設定を確認するときに使いました。) スタートボタン→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コマンド プロンプト」とクリックして起動してください。

「コマンド プロンプト」のプロンプトの見方は、ユーザー名がkyokoの場合、

C:¥Users¥kyoko>

ならば、カレント・ディレクトリはホーム・ディレクトリで、

C:¥Users¥kyoko¥Desktop¥java1>

ならば、カレント・ディレクトリはjava1です。

javacコマンドやjavaコマンドは、授業と同じように使えます。 ただし、ファイルの区切り記号については、授業ではスラッシュ(/)なのに対して、Windowsでは円記号(¥)になります。


参考文献

どうしてもJavaの入門書が必要なら、書店に行って自分に合った本を探してください。 どれを選べばよいか分からないなら、以下の本が有名です。

Javaに関する公式文書は以下の通りです。 日本語版があるものは日本語版を選んでいます。


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2015年10月3日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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