第92回月例ロービジョン研究会

宮崎博子・小田浩一, 2006/12/12

東京女子大学キャンパスの紅葉風景

1. 概要

  1. 日 時:2006年12月9日 (土) 13:00-18:00
  2. 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
  3. 参加者:(敬称略五十音順)
    1. 上光 陽子@高知県立盲学校
    2. 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
    3. 楠紗代子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    4. 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    5. 道面由利香@東京都盲人福祉協会
    6. 長原照子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    7. 保坂由美子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    8. 宮崎博子@東京女子大学大学院
    9. 宮地泰造@東海大学
    10. 森田茂樹
    11. 山口成志@タイムズコーポレーション
    12. 吉野由美子@高知女子大学
    13. この他千葉大学大学院自然科学研究科デザイン専攻の学生4名

* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。


2. プログラム

  1. 吉野@高知女子大学
    「町田病院1年2ヶ月のロービジョンケアについて」
    今年の合同会議での発表を再考してみる。みつかった問題や 議論をどうまとめていくか?今後どのようなデータを出して 他のところで使えて、役に立てるようにするか?
  2. 森田茂樹
    「視覚障害1級の当事者自身がおこなうロービジョンケア」
    経験したロービジョンの沢山のケースから大きな問題を 述べた。サービス内容に深まりがなく、ちっとも すくわれない人に沢山遭遇する。今回のロービジョンの 広がりも、第二次ロービジョンブームとして、ちっとも 深まらずに終わってしまうのではないかという危惧を抱く。 個々の患者の屈折を問わずに近いところにしか提示しないケース、 盲学校でずっと全盲として扱われて来たが、かなり 視覚が利用できる例、手動弁としかカルテにないけれど 日常課題ではもっと見えると考えざるを得ないケース、 0.04未満ではCCTVは使えないというような意見など。 「これでいいのかロービジョンケア」というタイトルが ふさわしいような警鐘。
  3. 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
    「ITバリアフリーの実験参加報告」
    点字ブロックの中にRFIDを埋め込んで、白杖の先端のチップ内の アンテナで位置情報を検知し、携帯電話タイプの受信機に その情報を電波で送って、携帯電話内にnavigationソフトが 動いていて、音声でガイドしてくれる経済産業省NEDOのプロジェクトに 評価委員?として参加したときの報告。GPS, 方位センサ、赤外線・FM電波の マーカーなど、複数の技術を統合して視覚障害のある歩行者への 移動サポートシステム。
  4. 道面由利香@東京都盲人福祉協会
    「東京都における障害者情報バリアフリー化支援事業のその後」
    障害者情報バリアフリー化支援事業で視覚障害1級/2級の人がPCなどを 購入するのに補助があったが、今年から地域生活支援事業日常生活用具給付等事業 の情報・通信支援用具に含まれることになり、地方自治体ごとに 給付の仕方がかなりことなることとなった。東京都の23区30市町村について 聞き取り調査をしたところ、14の区と市は、以前のバリアフリー化事業と同じ形に なっているが、18の区市町村ではPCや周辺機器・ソフトは日常生活用具の対象にならない としている。対象となっている品目が決まっていないところが多く、カタログを持参して必要性を アピールすること、購入先が新規の指定業者となることが多いはずなので、業者との契約に時間を 要するので時間的に余裕を持つ事、対象外でもあきらめずに交渉し、他の市区町村で 認められているという情報を利用することも有効であろう。
    道面さんの発表資料は、 東京都における障害者情報バリアフリー化支援事業のその後(資料室内)です。利用にはパスワードが必要です。

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