第85回月例ロービジョン研究会
鈴木理子・小田浩一, 2006/3/11
1. 概要
下記の要領で開催します。演題には余裕がありますので
ふるってご参加ください。
- 日 時:2006年3月11日 (土) 13:00-18:00
- 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
- 参加者:(敬称略五十音順)
- 阿佐宏一郎@東京大学文学部行動文化学科心理学専攻
- 新井千賀子@杏林アイセンター
- 尾形真樹@杏林アイセンター
- 小田浩一@東京女子大学
- 角田亮子@神奈川リハビリテーション病院
- 鎌田貴身江@和田町眼科クリニック
- 楠紗代子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
- 河野恵美@東京女子大学大学院
- 小林幸一郎@NPO Monkey Magic<--初参加・特別講演
- 斎藤奈緒子@神奈川リハビリテーション病院
- 鈴木理子@東京女子大学大学院
- 田中章浩@東京大学大学院人文社会系研究科心理学研究室<--初参加・特別講演
- 田中千尋@立教大学心理学科
- 道面由利香@東京都盲人福祉協会
- 仲泊聡@神奈川リハビリテーション病院
- 長原照子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
- 那須優子@医療ジャーナリスト・東京大学大学院医学系研究科客員研究員<--初参加
- 信末裕子@愛知コロニー
- 保坂由美子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
- 宮崎博子@東京女子大学コミュニケーション学科
- 山本百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ
2. プログラム
-
小田浩一@東京女子大学
「線の太さと視認性について」
ロービジョンにも見やすいのは太い線ということは知られているが、ではどのくらい?
ということになると、明確にはなっていない難しい問題。書体の太さについても、
はっきりした最適太さは決められないのだろうか?ということに挑んでドツボに
はまった途中経過を特別講演の前座として紹介した。
- 阿佐宏一郎@東京大学文学部行動文化学科心理学専攻
「単語探索課題における文字サイズの影響」
単語探索についても読みと同じように最大効率を維持できる最小の文字サイズ、
臨界文字サイズを見いだす事ができる。2005年度の日本視覚学会、日本心理学会、
日本基礎心理学会などで報告したものをまとめて報告した。2文字の漢字単語探索、
漢字中のカナ文字探索の課題の両方で読みで見いだされたのと同じ程度(0 logMARあたり)
の臨界文字サイズが得られた。
- 特別講演(1)
小林幸一郎@NPO Monkey Magic
「視覚障害とフリークライミング、その新しい可能性」
視覚障害のある人に新しい楽しみを与える活動をしている。フリークライミングは、
視覚に障害があるかないかに関係なく楽しめる。いったん岩に取り付くと、
ハンデがなく、フリー(自由)に動けるようになる!
フリークライミングは視覚障害用に特別に作られたものではない、もともと
ユニバーサルデザインなスポーツで成長や達成感を実感
できる素晴らしさがある。
もっと知りたい人は、Monkey Magicのweb pageへどうぞ。
- 特別講演(2)
田中章浩@東京大学大学院人文社会系研究科心理学研究室
「読みにおける音韻情報の利用と課題負荷の関連性」
文字を見たときに音韻コードに自動的に変換され、資源は
ほとんど消費されないという考えは違っており、二重課題実験を
行うと資源が枯渇することで音韻コード化が阻害されることを
示した。ロービジョンでは読むこと自体に資源を使い切って
読んだ内容が理解できないということもあり、読むことの
中にある心的プロセスの間の関係や心的資源の問題を再考を
示唆する内容。
- 鎌田貴身江@和田町眼科クリニック
「ロービジョン児の文字学習の導入」
未熟児網膜症の4歳の児童に文字の導入をしてみた。
行動観察から推定できた視力をもとに文字サイズを決めて
カードを使うと一日のうちに文字の導入ができた。その後どうするかを
議論した。
- 仲泊聡@神奈川リハビリテーション病院
「脳はこころの窓になるか」
fMRIを使って視覚野のmappingをし、fMRIの記録から
逆に患者が見ている刺激や視野を再現する方法を開発した。
- 道面由利香@東京都盲人福祉協会
「歩行で関わった視野狭窄の70代女性の事例」
中心視野欠損のありそうな女性、「困っていることがない」
事例へのロービジョンケアとは?
- 新井千賀子@杏林アイセンター
「青山学院小学部でのお話(レジメ):ご意見募集」
国立特殊教育総合研究所で作った、
障害のある多様な子供のことを子供たちが理解するための
絵本の紹介(だけにおわってしまいました、時間切れ)。
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