第83回月例ロービジョン研究会

鈴木理子・小田浩一, 2006/2/3

1. 概要

下記の要領で開催しました。

  1. 日 時:2006年1月28日 (土) 13:00 -18:00
  2. 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
  3. 参加者:(敬称略五十音順)
    1. 浅生佳恵子@東京女子大学コミュニケーション学科
    2. 浅川香@東京女子大学大学院
    3. 新井千賀子@杏林アイセンター
    4. 安藤 伸朗@済生会新潟第二病院眼科
    5. 石橋まどか@東京女子大学コミュニケーション学科
    6. 小田浩一@東京女子大学
    7. 加藤聡@東京大学大学院感覚運動機能医学講座眼科・視覚矯正科
    8. 楠紗代子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    9. 河野恵美@東京女子大学大学院
    10. 小林巌@東京学芸大
    11. 鈴木理子@東京女子大学大学院
    12. 長原照子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    13. 保坂由美子@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    14. 宮崎博子@東京女子大学コミュニケーション学科
    15. 山中幸宏@アサクラメガネ
    16. 山本百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ

2. プログラム

小田研究室の卒論、修論の中からロービジョン研究会に関係する演題を 集めました。残念ながら、最近では卒業旅行というもののために 発表できない学生も少なからずあり、その場合、小田が代理で紹介します。一人当たりの 持ち時間は、通常通り30分程度です。小田の紹介分は、15-20分になる 予定ですので、演題は多そうに見えますが時間的にはまだ余裕があります。

  1. 石橋まどか@東京女子大学コミュニケーション学科
    「自閉症ー偏見解消を目指してー」
    自閉症の子供と90分楽しく遊ぶという体験を通して、それまで自閉症の人と 接することのなかった人の自閉症に対する認知に有意な変化が観察された。 このような体験が自閉症に対する偏見を解消するのに有効である可能性がある。
  2. 鈴木理子@東京女子大学大学院
    「視野制限と読みの困難」
    一度に見える文字数が少ないと読みの効率が低下するが、 それがどうしてなのかを、スクロールするテキストを使って 調べた修士論文についての報告。文字サイズを変更させた 場合に一度に見える文字数とどのように関係してくるかを調べた。 特に、視野狭窄のあるロービジョンの人では、CCTV画面に 大きな文字を1文字を出して読むのが良いという有名な主張が あり、実験的環境でもそれが再現できるかにも関心があった。
  3. 浅生佳恵子@東京女子大学コミュニケーション学科
    「よいピクトグラム」
    JISで検討されたピクトグラム85点について視認性を 問題にして、人工的に視力を低下させて実際に理解できるかという 実験を行い、視力とともに視認性が低下する程度を指標に した場合、これまでの主観的な視認性の数値と比較した。 2つには有意な相関がみられず、主観的な視認性は 実際に人工的に視力を低下させた場合の視認性を反映して いないこと、人工的に視力を低下させて測定する視認性の 尺度が良いピクトグラムを評価するための1つに なりえることが分かった。
  4. 大島愛@東京女子大学コミュニケーション学科(小田が代理紹介)
    「触覚による文字の読み取り」
    6mmから7.5cmまで26%きざみで文字サイズを変えながら ForeFinger-Mフォントを使って浮き出し文字を作り、 カタカナ単語を触覚で読むという実験を 行った。大きい側の限界値としてどのくらいを考えたらよいのか? ということを検討するためのデータが得られた。
  5. 倉林真弓@東京女子大学コミュニケーション学科(小田が代理紹介)
    「まぶしさーまぶしさの客観的評価の実現に向けてー」
    昼間の明るさの中で視力検査ができsる特殊な装置を 作り、低いコントラストのランドルト環を使い人工的な 視力低下を加えながらまぶしさを定量化するための 方策を探った。まぶしさがかなり手強いことが分かった。
  6. coffee break

  7. 永林晴香@東京女子大学コミュニケーション学科(小田が代理紹介)
    「歩きやすい環境ーロービジョンの夜間歩行ー」
    スライドが間違っていたのか、大事なデータがあまり 明示されないさえない発表でした。もう一度やりなおします。
  8. 村上裕子@東京女子大学コミュニケーション学科(小田が代理紹介)
    「見やすい情報表示ーアイコンの視認性ー」
    アイコンのコントラスト、提示位置の偏心度、被験者の視力を 変化させて検出成績を測定した。視力が下がると検出に必要な コントラストは規則的に増大した。また、刺激の背景輝度の 時間変化が視力が下がると大きな影響を与えることも 分かった。
  9. 加藤聡@東京大学大学院感覚運動機能医学講座眼科・視覚矯正科
    「糖尿病性網膜症に対する光凝固の適応と管理」
    手術学会の教育講演を参加者はただで聞けました。勉強になりました。
  10. 宮崎博子@東京女子大学コミュニケーション学科
    「顔の表情の認知」
    顔の認知に困難を感じるロービジョン(加齢黄斑変性)の人口は 世界的に増えている。顔の表情認知の困難を測定できるような 尺度がつくれないかという研究。
  11. 山本百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ
    「きくばりすと養成講座」
    多様な人がいることを理解できるようなweb pageを公開します。

研究会の後に大学生門前のペーパーバンで新年会をしました。


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