PDFの画像を高解像度・高画質にする

小田浩一, 2001/2/20

PDFファイルの画質

Adobe のPDF (Portable Document Format,無理して翻訳すれば携帯文書形式) ファイルは,いくつかの方法で作ることが出来る:

どの方法を取ったとしても,Portablityを上げるために,画像ファイルをかなり圧縮するのがDefaultになっているために,もとの文書にあった高解像度の画像は,画質が著しく低下する.

しかし,上手に設定を調整することで画質を高く維持したままPDFファイルをつくることができる.ただし,そのためには,Portability が犠牲になり,ファイルサイズは画質を高くするほど大きくなる.画質を完璧に維持するには,圧縮しないという設定も可能だが,そうすると,Portability は完全になくなってしまい,on-line 文書としての価値は著しく下がってしまう.JPEG圧縮は,みかけの画質の低下をあまりしないで圧縮することができるので,できるだけJPEG圧縮をして,妥協点を探すことが重要である.無圧縮のPDFファイルでは,表示やスクロール,印刷に非常に時間がかかるので,その点でも圧縮が望ましい.

以下は,Adobe PageMaker 6.5J に画像を張り付けてPDFファイルを作成する場合に適した設定についてメモする.その他のアプリケーションについては,最後のDistiller の設定の部分は共通に利用できるが,アプリケーションからps ファイルに書き出す際に画像の解像度が低下しないような工夫,あるいはPDFWriter の設定などを工夫する必要があるであろう.


Adobe PageMaker 6.5Jで画質を下げないPDFを作る方法

ここでは,Adobe PageMaker 6.5J に画像を張り付けてPDFファイルを作成する場合に,画質を落とさずにできる設定方法についてメモする.

Adobe PageMaker 6.5Jのファイルメニューの「書き出し」のサブメニューから,AdobePDFを選択して,PDFへ書き出すを手順を開始する.

すると,Adobe PDF書き出しのウィンドウが表示される(図1).

ウィンドウ下部のPDF設定では,画面表示でなく,プリントを選択する.

図1. Adobe PDF書き出しのウィンドウ.まず,PDF設定でプリントを選ぶ

つぎに,ウィンドウ上部のプルダウンメニューから,圧縮を選択する(図2).

図2.上部プルダウンメニューから,圧縮を選択

圧縮方法を設定するページに切り替わるので,画像の圧縮について, 「自動的にZIP/JPEG(中-高)」を選択し,解像度は,オリジナルにする. 画像には,カラー画像,グレースケール画像,白黒画像とあるが, カラーとグレースケール画像は同じ設定に,白黒画像はCCITT 3などの圧縮をかけて,解像度はオリジナルのままにする(図3).

図3.圧縮のページでは,解像度をオリジナルのままにし, 圧縮は自動JPEGの高解像度を選択

以上の設定で書き出しボタンを押すと,あとはファイル名を設定するだけで,PDFファイルが生成される.

PDFファイルは,一旦 PageMaker 6.5Jがpsファイルを上記設定で書き出した後に,Distiller が自動的に起動されて,Distiller の働きによって生成される.Distiller の側で高度の圧縮をする設定になっていると,せっかく上で設定して生成した高解像度のPostScript ファイルが,Distiller によって圧縮されてしまう.そこで,生成されたPDFファイルの画質が思わしくない場合には,

図4.ジョブオプションの圧縮で品質が最高になるよう設定


Written by Koichi Oda (k-oda@twcu.ac.jp), 2000/2/20.