Detail of Access Tech. Database for the Visually Disabled

視覚障害者用アクセス技術製品データベースの詳細


はじめに

これは、東京女子大学・小田研究室が 1995 年の元旦からサービスを開始した、 視覚障害者向け情報処理テクノロジーに関する製品のデータベースです。

1995年3月に卒業した秋元典子が、卒業研究の一貫として、 視覚障害関係のアクセス・テクノロジー製品 (視覚障害者が自分自身で一般健常者の社会で情報を入手・発信するための 情報機器) の資料を国内の企業や輸入元・販売店などに直接調査をして、2年間で集めました。 集められたデータは、画像を除いた形で Microsoft Excel の表に整理されました。

小田が、その資料に画像を加え、 ネットワーク型のマルチメディア・データベースにしたのがこれです。


動機と利点

小田は、1984年に国立特殊教育総合研究所の視覚障害教育研究部に研究員として 就職してから、視覚障害者に対する情報機器の利用を1つのテーマとして 研究してきました。

その中で大きな問題の1つが、視覚障害者自身やリハビリ・教育に携わる人たちが 抱える、情報不足の問題でした。いろいろな良い機器があっても、障害者がそれを 知るチャンスが少ない。リハビリや教育サービスをする人たちが、それぞれ 自分の身近なコネクションを通じて、偏った情報を得ており、それが元で、 せっかくの良い機器が使われないなどは、しばしば起こっていました。 この種の情報は、一部の例外 (畏友増田さんが長年書き続けている、月刊アスキーのワンステップ通信は、 マスコミにありがちな誇張も誤謬もなく、障害者ユーザの視点で毎回優れた 試みを紹介しています) を除いてマスメディアから伝わることがないので、多くの人が「情報障害」に苦し んでいるのです。

これを解決するためにいつくかの資料がつくられてきました。公的な機関がつくる 報告書やブックレットは、印刷部数に限りがある上、市販されないので、特定の 人にしか入手できません。予算が単発だと、継続して発行されることもありません。 ある協会がつくった資料は、大変網羅的で用語解説もあった上、点字版も用意 されていたのですばらしかったのですが、これも完全にオープンなものでは ありませんでしたし、印刷物なので部数に限りがありました。印刷物では、 視覚障害者が読むときに困難です。

これらの問題点を解決するためには、もっとオープンで、なんとかコストの かからない方法を取る必要がありました。

インターネットとWeb サービスの出現は、この難しい問題に画期的な解決を もたらしました。以下のような利点を考えると、Web の応用としては、 このような情報サービスは最も効果を上げるものの1つであろうと自負しています。 一般にもオープンになった、Webによる、この種のデータベース・サービスは、 これが世界でも最初のものの1つになるのではないでしょうか。


おわりに

調べてみると、このデータベースにはまだ、分類や記述の不備、 PDS, シェアウェアが記載されていないとか、すでに古いもの、 転機ミスなどの欠陥があると思われますが、少しづつ改訂していきます。 完璧を期していては、いつまでたっても公開できないので。

ご覧になった方からのコメントを歓迎します。 また、ここにない製品の情報など連絡頂けると幸いです。

お近くに視覚障害の人がいらっしゃれば、是非情報を教えてさしあげてくださ い。

また、企業や大学の工学部などで視覚障害者を対象とした機器を開発する際に、 すでにどのような製品がどのくらいの価格で提供されているかを知るのは、能 力と労力を効率よく配分するのに役立つと思います。ここに示した製品も視覚 障害者(その多くは、一般就労の困難に直面しています)にとっては、高価す ぎると言われています。


Comments are welcome to:
k-oda@twcu.ac.jp