脳の科学履修者の皆様 浅川です。本日 11 月 7 日の課題をお送りします。 いつものとおり,課題は メーリングリスト brain_science@ml.twcu.ac.jp 宛 に送ってください。その際メールの件名は「20081107-自分の学生番号」とし 必ず自分宛に Cc: してください。提出期限は 11 月 13 日 23:59 とします。い つものとおり,自分より前に投稿された課題には目を通して,それを踏まえて 解答してください。これまた,いつものとおり何度,投稿しても構いません。 頑張って議論してください。 次の問いのいずれか一方,または両方に答えよ。 1) 今日の授業で,大まかながら,網膜から外側膝状体を経由して第一次視覚野 へ,そして第一次視覚野から高次視覚野 IT 野までの大まかな流れを見てきた。 その中で,おばあちゃん細胞は存在しなかった。最高次の物体認識の座である IT 野では,ある程度複雑な形態を認識するニューロンがあるものの,ある細胞 が視覚的認識を担っている訳ではなかった。その意味で,受容野という概念自 体受動的な認識である。ところが我々の認識は受動的ではなく能動的である。 ある概念がわかったと納得する時の自分を考えてみればよい。我々の能動的な 認識を支えている,あるいは神経学的な裏付けとなるような細胞,または脳内 物質,あるいは神経学的機構が存在するのだろうか,存在するとすれば,それ はどのような者だと考えられるか。換言すれば,我々の認識の神経学的基礎は どこにあるのだろうか。思うところを述べよ。 2) 二重拮抗細胞,例えば R+ センター G- 周辺(すなわち受容野中心では赤のス ポットが光った時,そして受容野周辺では緑の光が消えた時) であり,かつ, その反対の G+センター R-周辺のような複雑な細胞が意味するところは何なの だろうか?これまで見てきたように,脳のニューロンは様々な分業体制(色の 処理と形態の処理,運動視の処理,両眼立体視の処理が別々に行われている) によって情報を処理しているように見えたにもかかわらず,視覚情報処理では 一つのニューロンがこのような拮抗する刺激に応答するようにできている。 このような細胞が存在する意義を考えて記せ。 以上です。