前回は、度数分布表をヒストグラムで表しました。 度数分布表に限らず、表にまとめられた統計データをグラフにすると、より分かりやすくなります。
統計グラフには、色々な種類があります。 それぞれの統計グラフには、統計データの表現方法に特徴があります。 統計データを分かりやすくするには、適切な統計グラフを選ぶ必要があります。
今日は、基本的な統計グラフである、
について説明します。
なお、今日扱うデータは、総務省統計局の平成22年国勢調査のホームページから引用しました。
棒グラフ は、棒の高さ・長さでデータの大きさを表します。 データの大小を比較するときは、棒グラフが適しています。
以下の例は、世界の人口の上位10か国です。 棒の長さで、人口の比較ができます。
なお、棒グラフはデータの大きい順に並べることが多いです。
国名 | 人口(億人) |
---|---|
中国 | 13.54 |
インド | 12.14 |
アメリカ合衆国 | 3.18 |
... | ... |
日本 | 1.28 |
折れ線グラフ は、線の方向でデータの増減を表します。 データの変化を見るときは、折れ線グラフが適しています。
以下の例は、日本の人口の推移です。 線の傾きで、人口の増え方が分かります。
年次 | 人口(千人) |
---|---|
1920年 | 55,963 |
1925年 | 59,737 |
1930年 | 64,450 |
... | ... |
2010年 | 128,056 |
円グラフ は、扇形の面積でデータの構成比を表します。 全体の中の割合を見るには、円グラフが適しています。
以下の例は、地位別雇用者数の割合です。 面積を比べると、正規・非正規の比率が分かります。
なお、円グラフはデータ(割合)の大きい順に並べることが多いです。
地位 | 雇用者数(千人) |
---|---|
正規の職員・従業員 | 30,559 |
労働者派遣事業所の派遣社員 | 1,550 |
パート・アルバイト・その他 | 14,272 |
帯グラフ は、帯の区分の位置関係で、構成比の大小を表します。 割合を比較するときは、帯グラフが適しています。
以下の例は、年齢別人口の割合の推移です。 どの年齢が増えているかが分かります。
年次 | 0〜14才 | 15〜64才 | 65才以上 |
---|---|---|---|
1995年 | 20,014 | 87,165 | 18,261 |
2000年 | 18,472 | 86,220 | 22,005 |
2005年 | 17,521 | 84,092 | 25,672 |
2010年 | 16,798 | 80,730 | 29,293 |
それでは、Excelを利用して、上記の4種類の統計グラフを作成しましょう。 以下のExcelファイルをダウンロードしてください。
まず、世界の人口の表を棒グラフにします。 この表は、すでに人口の多い順に並んでいます。
表全体(A2からB12まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。
「グラフの種類」は「横棒」、「形式」は「集合横棒グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。
「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフタイトル」に「世界の人口」と入力し、「X/項目軸」に「国名」と入力し、「Y/数値軸」に「人口(億人)」と入力します。
同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」のチェックを外して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。
これで、棒グラフが表示されます。
ただし、このままでは、人口の多いデータが下に来てしまいます。 縦軸を右クリックし、「軸の書式設定」をクリックして、「軸の書式設定」ウィンドウを開いてください。
「目盛」タブをクリックし、「軸を反転する」と「最大項目でY/数値軸と交差する」にチェックを入れてください。
すると、人口の多いデータが上に来ます。
次に、日本の人口の表を折れ線グラフにします。
表全体(A15からB34まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。
「グラフの種類」は「折れ線」、「形式」は「マーカー付き折れ線グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。
「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフタイトル」に「日本の人口の推移」と入力し、「X/項目軸」に「年次」と入力し、「Y/数値軸」に「人口(千人)」と入力します。
同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」のチェックを外して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。
これで、折れ線グラフが表示されます。
次に、地位別雇用者数の表を円グラフにします。
グラフにする前に、雇用者数の多い順に並べ替えます。
表全体(A37からB40まで)をドラッグし、メニューバーで「データ」→「並べ替え」とクリックします。
「最優先されるキー」を「雇用者数」に変更し、「降順」をクリックし、「範囲の先頭行」は「タイトル行」をクリックし、「OK」ボタンをクリックします。
表を並べ替えたら、グラフにします。
表全体(A37からB40まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。
「グラフの種類」は「円」、「形式」は「円グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。
「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフタイトル」に「地位別雇用者数の割合(2010年)」と入力します。
同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」にチェックをいれます。
同じウィンドウで、「データラベル」タブをクリックし、「ラベルの内容」の「パーセンテージ」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。
これで、円グラフが表示されます。 パーセンテージが自動的に表示されることに注意してください。
最後に、年齢別人口の表を帯グラフにします。
円グラフと違い、帯グラフでパーセンテージは自動的には表示されません。 別途、パーセンテージの表を作成すると、グラフ上にパーセンテージが表示できます。
まず、セルE43に「総数」と入力します。
次に、セルE44に数式=SUM(B44:D44)を入力し、このセルをE45からE47までコピー・アンド・ペーストします。
次に、元の表の数値以外を、セルG43にコピー・アンド・ペーストします。
次に、セルH44に数式=B44/$E44を入力し、このセルをH44からJ47までコピー・アンド・ペーストします。
最後に、セルH44からJ47までをドラッグし、右クリックして「セルの書式設定」をクリックし、「表示形式」タブをクリックし、「パーセンテージ」をクリックします。
これで、パーセンテージの表ができます。
続いて、パーセンテージの表全体(G43からJ47まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。
「グラフの種類」は「横棒」、「形式」は「100%積み上げ横棒グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。
「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフタイトル」に「年齢別人口の割合の推移」と入力し、「X/項目軸」に「年次」と入力し、「Y/数値軸」に「人口の割合」と入力します。
同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」にチェックを入れます。
同じウィンドウで、「データラベル」タブをクリックし、「ラベルの内容」の「値」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。
「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。
これで、帯グラフが表示されます。
ただし、このままでは、古い年次のデータが下に来てしまいます。 縦軸を右クリックして、「軸の書式設定」をクリックして、「軸の書式設定」ウィンドウを開いてください。
「目盛」タブをクリックし、「軸を反転する」と「最大項目でY/数値軸と交差する」にチェックを入れてください。
すると、古い年次のデータが上に来ます。
最後に区分線を入れます。 帯を右クリックして、「データ系列の書式設定」をクリックして、「データ系列の書式設定」ウィンドウを開いてください。
「オプション」タブをクリックし、「区分線」にチェックを入れれば完成です。
以下のExcelファイルをダウンロードしてください。
(1)人員別一般世帯数の表を棒グラフにしてください。 1人世帯、2人世帯、…という順序には意味があるので、並べ替える必要はありません。 1人世帯のデータが上に来るようにしてください。
世帯 | 世帯数(千世帯) |
---|---|
1人 | 15,885 |
2人 | 13,819 |
3人 | 9,435 |
... | ... |
7人以上 | 524 |
(2)女性の労働力率の表を折れ線グラフにしてください。
年齢 | 労働力率(%) |
---|---|
15〜19才 | 15.6 |
20〜24才 | 71.6 |
25〜29才 | 78.0 |
... | ... |
65才以上 | 14.7 |
(3)住宅別一般世帯数の表を円グラフにしてください。 表は、世帯数の多い順に並べ替えておいてください。
住宅 | 世帯数(千世帯) |
---|---|
持ち家 | 31,466 |
公営の借家 | 2,044 |
都市再生機構・公社の借家 | 865 |
... | ... |
間借り | 507 |
(4)産業別就業者数の表を帯グラフにしてください。 パーセンテージの表を作成しておくと、グラフ上にパーセンテージが表示できます。 古い年次のデータが上に来るようにしてください。
年次 | 第1次産業 | 第2次産業 | 第3次産業 |
---|---|---|---|
1995年 | 3,848 | 19,936 | 40,004 |
2000年 | 3,208 | 18,392 | 40,671 |
2005年 | 2,981 | 15,957 | 41,425 |
2010年 | 2,456 | 14,131 | 40,034 |
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