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コンピュータIIJ(統計データ解析)第3回

目次
3.1 統計グラフ
3.1.1 統計グラフの種類
3.1.2 棒グラフ
3.1.3 折れ線グラフ
3.1.4 円グラフ
3.1.5 帯グラフ
3.2 統計グラフの作成
3.2.1 棒グラフの作成
3.2.2 折れ線グラフの作成
3.2.3 円グラフの作成
3.2.4 帯グラフの作成
3.3 演習3
3.4 レポート課題
3.5 参考文献
索引

3.1 統計グラフ

3.1.1 統計グラフの種類

前回は、度数分布表をヒストグラムで表しました。 度数分布表に限らず、表にまとめられた統計データをグラフにすると、より分かりやすくなります。

統計グラフには、色々な種類があります。 それぞれの統計グラフには、統計データの表現方法に特徴があります。 統計データを分かりやすくするには、適切な統計グラフを選ぶ必要があります。

今日は、基本的な統計グラフである、

について説明します。

なお、今日扱うデータは、総務省統計局の平成22年国勢調査のホームページから引用しました。

3.1.2 棒グラフ

棒グラフ は、棒の高さ・長さでデータの大きさを表します。 データの大小を比較するときは、棒グラフが適しています。

以下の例は、世界の人口の上位10か国です。 棒の長さで、人口の比較ができます。

なお、棒グラフはデータの大きい順に並べることが多いです。

表 3.1  世界の人口
国名 人口(億人)
中国 13.54
インド 12.14
アメリカ合衆国 3.18
... ...
日本 1.28
棒グラフの例(世界の人口)
図 3.1  棒グラフの例(世界の人口)

3.1.3 折れ線グラフ

折れ線グラフ は、線の方向でデータの増減を表します。 データの変化を見るときは、折れ線グラフが適しています。

以下の例は、日本の人口の推移です。 線の傾きで、人口の増え方が分かります。

表 3.2  日本の人口
年次 人口(千人)
1920年 55,963
1925年 59,737
1930年 64,450
... ...
2010年 128,056
折れ線グラフの例(日本の人口の推移)
図 3.2  折れ線グラフの例(日本の人口の推移)

3.1.4 円グラフ

円グラフ は、扇形の面積でデータの構成比を表します。 全体の中の割合を見るには、円グラフが適しています。

以下の例は、地位別雇用者数の割合です。 面積を比べると、正規・非正規の比率が分かります。

なお、円グラフはデータ(割合)の大きい順に並べることが多いです。

表 3.3  地位別雇用者数(2010年)
地位 雇用者数(千人)
正規の職員・従業員 30,559
労働者派遣事業所の派遣社員 1,550
パート・アルバイト・その他 14,272
円グラフの例(地位別雇用者数の割合)
図 3.3  円グラフの例(地位別雇用者数の割合)

3.1.5 帯グラフ

帯グラフ は、帯の区分の位置関係で、構成比の大小を表します。 割合を比較するときは、帯グラフが適しています。

以下の例は、年齢別人口の割合の推移です。 どの年齢が増えているかが分かります。

表 3.4  年齢別人口(千人)
年次 0〜14才 15〜64才 65才以上
1995年 20,014 87,165 18,261
2000年 18,472 86,220 22,005
2005年 17,521 84,092 25,672
2010年 16,798 80,730 29,293
帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)
図 3.4  帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)

3.2 統計グラフの作成

3.2.1 棒グラフの作成

それでは、Excelを利用して、上記の4種類の統計グラフを作成しましょう。 以下のExcelファイルをダウンロードしてください。

comp2j_03_data.xls

まず、世界の人口の表を棒グラフにします。 この表は、すでに人口の多い順に並んでいます。

表全体(A2からB12まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。

「グラフの種類」は「横棒」、「形式」は「集合横棒グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。

棒グラフの作成(1)
図 3.5  棒グラフの作成(1)

「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。

棒グラフの作成(2)
図 3.6  棒グラフの作成(2)

「グラフタイトル」に「世界の人口」と入力し、「X/項目軸」に「国名」と入力し、「Y/数値軸」に「人口(億人)」と入力します。

棒グラフの作成(3)
図 3.7  棒グラフの作成(3)

同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」のチェックを外して、「次へ」ボタンをクリックします。

棒グラフの作成(4)
図 3.8  棒グラフの作成(4)

「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。

棒グラフの作成(5)
図 3.9  棒グラフの作成(5)

これで、棒グラフが表示されます。

棒グラフの作成(6)
図 3.10  棒グラフの作成(6)

ただし、このままでは、人口の多いデータが下に来てしまいます。 縦軸を右クリックし、「軸の書式設定」をクリックして、「軸の書式設定」ウィンドウを開いてください。

「目盛」タブをクリックし、「軸を反転する」と「最大項目でY/数値軸と交差する」にチェックを入れてください。

棒グラフの作成(7)
図 3.11  棒グラフの作成(7)

すると、人口の多いデータが上に来ます。

棒グラフの例(世界の人口)
図 3.12  棒グラフの例(世界の人口)

3.2.2 折れ線グラフの作成

次に、日本の人口の表を折れ線グラフにします。

表全体(A15からB34まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。

「グラフの種類」は「折れ線」、「形式」は「マーカー付き折れ線グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。

折れ線グラフの作成(1)
図 3.13  折れ線グラフの作成(1)

「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。

折れ線グラフの作成(2)
図 3.14  折れ線グラフの作成(2)

「グラフタイトル」に「日本の人口の推移」と入力し、「X/項目軸」に「年次」と入力し、「Y/数値軸」に「人口(千人)」と入力します。

折れ線グラフの作成(3)
図 3.15  折れ線グラフの作成(3)

同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」のチェックを外して、「次へ」ボタンをクリックします。

折れ線グラフの作成(4)
図 3.16  折れ線グラフの作成(4)

「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。

折れ線グラフの作成(5)
図 3.17  折れ線グラフの作成(5)

これで、折れ線グラフが表示されます。

折れ線グラフの例(日本の人口の推移)
図 3.18  折れ線グラフの例(日本の人口の推移)

3.2.3 円グラフの作成

次に、地位別雇用者数の表を円グラフにします。

グラフにする前に、雇用者数の多い順に並べ替えます。

表全体(A37からB40まで)をドラッグし、メニューバーで「データ」→「並べ替え」とクリックします。

「最優先されるキー」を「雇用者数」に変更し、「降順」をクリックし、「範囲の先頭行」は「タイトル行」をクリックし、「OK」ボタンをクリックします。

円グラフの作成(1)
図 3.19  円グラフの作成(1)

表を並べ替えたら、グラフにします。

表全体(A37からB40まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。

「グラフの種類」は「円」、「形式」は「円グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。

円グラフの作成(2)
図 3.20  円グラフの作成(2)

「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。

円グラフの作成(3)
図 3.21  円グラフの作成(3)

「グラフタイトル」に「地位別雇用者数の割合(2010年)」と入力します。

円グラフの作成(4)
図 3.22  円グラフの作成(4)

同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」にチェックをいれます。

円グラフの作成(5)
図 3.23  円グラフの作成(5)

同じウィンドウで、「データラベル」タブをクリックし、「ラベルの内容」の「パーセンテージ」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。

円グラフの作成(6)
図 3.24  円グラフの作成(6)

「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。

円グラフの作成(7)
図 3.25  円グラフの作成(7)

これで、円グラフが表示されます。 パーセンテージが自動的に表示されることに注意してください。

円グラフの例(地位別雇用者数の割合)
図 3.26  円グラフの例(地位別雇用者数の割合)

3.2.4 帯グラフの作成

最後に、年齢別人口の表を帯グラフにします。

円グラフと違い、帯グラフでパーセンテージは自動的には表示されません。 別途、パーセンテージの表を作成すると、グラフ上にパーセンテージが表示できます。

まず、セルE43に「総数」と入力します。

パーセンテージの表の作成(1)
図 3.27  パーセンテージの表の作成(1)

次に、セルE44に数式=SUM(B44:D44)を入力し、このセルをE45からE47までコピー・アンド・ペーストします。

パーセンテージの表の作成(2)
図 3.28  パーセンテージの表の作成(2)

次に、元の表の数値以外を、セルG43にコピー・アンド・ペーストします。

パーセンテージの表の作成(3)
図 3.29  パーセンテージの表の作成(3)

次に、セルH44に数式=B44/$E44を入力し、このセルをH44からJ47までコピー・アンド・ペーストします。

パーセンテージの表の作成(4)
図 3.30  パーセンテージの表の作成(4)

最後に、セルH44からJ47までをドラッグし、右クリックして「セルの書式設定」をクリックし、「表示形式」タブをクリックし、「パーセンテージ」をクリックします。

パーセンテージの表の作成(5)
図 3.31  パーセンテージの表の作成(5)

これで、パーセンテージの表ができます。

続いて、パーセンテージの表全体(G43からJ47まで)をドラッグし、メニューバーで「挿入」→「グラフ」とクリックして、グラフウィザードを開きます。

「グラフの種類」は「横棒」、「形式」は「100%積み上げ横棒グラフ」をクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。

帯グラフの作成(1)
図 3.32  帯グラフの作成(1)

「系列」が「列」であることを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。

帯グラフの作成(2)
図 3.33  帯グラフの作成(2)

「グラフタイトル」に「年齢別人口の割合の推移」と入力し、「X/項目軸」に「年次」と入力し、「Y/数値軸」に「人口の割合」と入力します。

帯グラフの作成(3)
図 3.34  帯グラフの作成(3)

同じウィンドウで、「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」にチェックを入れます。

帯グラフの作成(4)
図 3.35  帯グラフの作成(4)

同じウィンドウで、「データラベル」タブをクリックし、「ラベルの内容」の「値」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。

帯グラフの作成(5)
図 3.36  帯グラフの作成(5)

「グラフの場所」が「オブジェクト」であることを確認して、「完了」ボタンをクリックします。

帯グラフの作成(6)
図 3.37  帯グラフの作成(6)

これで、帯グラフが表示されます。

帯グラフの作成(7)
図 3.38  帯グラフの作成(7)

ただし、このままでは、古い年次のデータが下に来てしまいます。 縦軸を右クリックして、「軸の書式設定」をクリックして、「軸の書式設定」ウィンドウを開いてください。

「目盛」タブをクリックし、「軸を反転する」と「最大項目でY/数値軸と交差する」にチェックを入れてください。

帯グラフの作成(8)
図 3.39  帯グラフの作成(8)

すると、古い年次のデータが上に来ます。

最後に区分線を入れます。 帯を右クリックして、「データ系列の書式設定」をクリックして、「データ系列の書式設定」ウィンドウを開いてください。

「オプション」タブをクリックし、「区分線」にチェックを入れれば完成です。

帯グラフの作成(9)
図 3.40  帯グラフの作成(9)
帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)
図 3.41  帯グラフの例(年齢別人口の割合の推移)

3.3 演習3

以下のExcelファイルをダウンロードしてください。

comp2j_03_report.xls

(1)人員別一般世帯数の表を棒グラフにしてください。 1人世帯、2人世帯、…という順序には意味があるので、並べ替える必要はありません。 1人世帯のデータが上に来るようにしてください。

表 3.5  人員別一般世帯数(2010年)
世帯 世帯数(千世帯)
1人 15,885
2人 13,819
3人 9,435
... ...
7人以上 524
棒グラフの例(人員別一般世帯数)
図 3.42  棒グラフの例(人員別一般世帯数)

(2)女性の労働力率の表を折れ線グラフにしてください。

表 3.6  女性の労働力率(2010年)
年齢 労働力率(%)
15〜19才 15.6
20〜24才 71.6
25〜29才 78.0
... ...
65才以上 14.7
折れ線グラフの例(女性の労働力率)
図 3.43  折れ線グラフの例(女性の労働力率)

(3)住宅別一般世帯数の表を円グラフにしてください。 表は、世帯数の多い順に並べ替えておいてください。

表 3.7  住宅別一般世帯数(2010年)
住宅 世帯数(千世帯)
持ち家 31,466
公営の借家 2,044
都市再生機構・公社の借家 865
... ...
間借り 507
円グラフの例(住宅別一般世帯数の割合)
図 3.44  円グラフの例(住宅別一般世帯数の割合)

(4)産業別就業者数の表を帯グラフにしてください。 パーセンテージの表を作成しておくと、グラフ上にパーセンテージが表示できます。 古い年次のデータが上に来るようにしてください。

表 3.8  産業別就業者数(千人)
年次 第1次産業 第2次産業 第3次産業
1995年 3,848 19,936 40,004
2000年 3,208 18,392 40,671
2005年 2,981 15,957 41,425
2010年 2,456 14,131 40,034
帯グラフの例(産業別就業者数の割合の推移)
図 3.45  帯グラフの例(産業別就業者数の割合の推移)

3.4 レポート課題

今日の演習3の答案(Excelファイル)をメールで提出してください。 差出人は学内のメール・アドレス(b08a001@cis.twcu.ac.jpなど)とし、宛先はkonishi@cis.twcu.ac.jpとします。 メールの本文には、学生番号、氏名、科目名、授業日(10月12日)を明記してください。


3.5 参考文献


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2011年10月21日更新
小西 善二郎 <konishi@cis.twcu.ac.jp>
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