第89回月例ロービジョン研究会

田中千尋・小田浩一, 2006/7/8

1. 概要

  1. 日 時:2006年7月8日 (土) 13:00-18:00
  2. 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
  3. 参加者:(敬称略五十音順)
    1. 麻野井千尋
    2. 今井菜穂子@国立身体障害者リハビリテーション学院
    3. 尾形真樹@杏林アイセンター・東京ライトハウス
    4. 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
    5. 角田亮子@神奈川リハビリテーション病院
    6. 河野恵美@東京女子大学大学院・東京ライトハウス
    7. 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
    8. 齋藤奈緒子@神奈川リハビリテーション病院
    9. 清水美知子@東京ライトハウス
    10. 田中恵津子@杏林アイセンター・東京ライトハウス
    11. 田中千尋@立教大学心理学科
    12. 宮崎博子@東京女子大学大学院
    13. 山中幸宏@アサクラメガネ
    14. 山本百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ
    15. 山口成志@タイムズコーポレーション

* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。


2. プログラム

発表資料がオンラインで入手できるようになりました。 資料室を参照ください。

  1. 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
    「ベスマックスの新製品AMIGOの紹介」
    6.5インチ液晶の小型CCTVビュワ、2000ドル程度?Enhanced vision の製品を 国内ではベスマックスが扱います。
    「階段の視認性を高める段鼻用貼付シール ー7年間の成果―」
    3Mの段鼻用テープについて:輝度比で2あれば良いというのが現在の建築基準だが...Michaelson Contrastで西脇らが報告している効果のある50%というと、輝度比では4くらいになる。輝度比が4という建築系の報告もある。歓談に良く使われている白みかげ石、黒みかげ石などに置いて実測したデータでは、白みかげ石などでは、輝度比が2ないものすらあった。コントラストの測定値に疑問もあり再測定が必要?素材をマットにすべき?
  2. 西尾・大八木@トプコン
    「PSF-1000のデモ」
    近赤外光で固視点部分のPoint Spread Functionを測定してくれる。 PSFを使って眼球光学系のMTFや、見え方のシミュレーションができる。 白内障の術後の状態評価など、前眼部の客観評価に有力。 網膜の感度低下のせいでうまく矯正できない場合にも有効かもしれない。
  3. 山口成志@タイムズコーポレーション
    「新製品のポータブルCCTV センスビューP430のご案内」
    視覚障害の世界では、最近WinXPを搭載した点字ディスプレイマシン「ブレイスセンス」が有名な、韓国のHIMSの製品Sense View P430充を扱います。これは、5年補償バッテリ交換付きで156,450円!電式で5時間、221g, 4.3インチ液晶、4.7〜22.5倍。液晶の黒のレベルが良い(暗い)のでコントラストが高いところに良さがある。低倍率側2-3倍が欲しいという要望があった。
  4. 麻野井千尋@
    「バイオロジカルモーションにおける男女の違いを特徴付ける型と腰の動きの周波数解析」
  5. 山本百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ
    「画像処理ソフトウェアによる視覚のシミュレーション」
    視野障害を分かりやすいように視覚化するための試み。
  6. 阿曽沼早苗@大阪大学
    「中心暗点病例に対するプリズム眼鏡」 プリズムの効果のある例とない例があった。いつも効果的とは言えない。
  7. 道面由利香@東京都盲人福祉協会
    文献紹介、Morron & Bailey 1982「Visual Factors and Orientation-Mobility Performance」
    視力と移動のパフォーマンスにはほぼ無相関で、むしろコントラスト感度(曲線のピーク)や視野の広さが 関係していたという研究の紹介。いまさらながら、視力では行動の困難を説明できないということが1982年から提唱されていたことを再認識した。

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