第87回月例ロービジョン研究会
河野恵美・小田浩一, 2006/5/13
1. 概要
- 日 時:2006年5月13日 (土) 13:00-18:00
- 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
- 参加者:(敬称略五十音順)
- 阿佐宏一郎@横浜国立大学環境情報学府博士課程
- 新井千賀子@杏林アイセンター・東京ライトハウス
- 内野大介@七沢ライトホーム
- 尾形真樹@杏林アイセンター・東京ライトハウス
- 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
- 角田亮子@神奈川リハビリテーション病院
- 河野恵美@東京女子大学大学院・東京ライトハウス
- 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
- 齋藤奈緒子@神奈川リハビリテーション病院
- 清水美知子@東京ライトハウス
- 田中-石垣恵津子@杏林アイセンター・東京ライトハウス
- 田中千尋@立教大学心理学科
- 道面由利香@東京都盲人福祉協会
- 仲泊聡@神奈川リハビリテーション病院
- 藤田京子@駿河台日本大学病院
- 中村透@日本盲導犬協会・東京ライトハウス
- 宮崎博子@東京女子大学大学院
- 宮地泰造@東海大学
- 安山周平@日本盲導犬協会仙台センター
* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。
2. プログラム
- 安山周平@日本盲導犬協会仙台訓練センター
「日盲仙台訓練センターの視覚リハ提供の試み〜失敗イベントを含めて〜」
年間20-30人が在宅訓練(O&M, PC,点字, 日常生活訓練)を利用している。仙台市内では、在宅訓練は対象者の収入によるが、最大1回500円。宮城県では無料。
それ以外の都道府県については、地域サポートサービスという名称で最近始めた。1回1000円(自立支援法で1割負担を想定)で在宅訓練を1年につき2県を今年度を予定。まだまだ利用者の掘り起こし(out reach)ができていないので、歩行訓練講習会を
はじめたが、そちらもあまり芳しい結果は出始めていない。
短期リハビリテーションという二週間の宿泊訓練も行っている。1日75分の訓練を4コマこなす。内容は在宅訓練と同じ。2006年度は3回予定、そのうち1回は中高生対象。
小学生を対象にした(在籍学校は不問、家族と一緒に)サマーキャンプも毎年
行い、すでに3年の経験がある。
議論:ユーザから行政にニーズを訴えるチャンネルをどうつくるか、
out reachの方策をどうするかということについての議論があった。
視覚障害のユーザの声を行政にとどけるpod castingというアイデアも
あった。
日本盲導犬協会は、日本一の盲導犬施設(有用な盲導犬を出す団体)から、日本一の福祉団体(日本盲人訓練協会?)へと目標を転換しつつあるそうです!
ある人
- 仲泊聡@神奈川リハビリテーション病院
「人工眼最前線2006inARVO」
先週のアメリカの眼科学会ARVOで発表された人工眼関係のすべての発表を
まとめました。アメリカが元気なくなっていて、ドイツと日本が健闘して
いるという感じでした。ユーザの観点からみると、まだ満足な方法はないという
のが現状でしょうか?
人工眼ではないが、人工眼のセッションの中に、眼内に入れる小型の
望遠鏡;IMT(implantable miniature
telescope)のポスターがあり、百人規模のAMDの適用例があり、効果を上げている
ということだったのは興味深い。
- 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
「学院におけるロービジョンOM演習カリキュラムについて」
今まであまり整理していないのですが、現在どのような方法でロービジョン歩行の演習(実技)を行っているか紹介させていただいて、みなさんのご助言をいただけたらと思います。ロービジョンの疑似体験を天候や時間帯、さまざまな場所の
移動経験から発見的に学習させていくカリキュラムを中心にすえている。
- 河野恵美@東京女子大学大学院
「"白杖"を持ってみたいという希望のロービジョンの学生に対する訓練」
大学進学後、白杖使用の希望があったロービジョンの学生(現在、白杖貸し出し中)に対して訓練の進め方。主訴は移動についてだが、潜在的なニーズもありそう?どの点を重点的にみるべきなのか、様々な評価をどう判断すればいいのか、等みなさんのご助言をいただきたくよろしくお願いいたします。
議論:学生のニーズの評価の仕方、白杖はmobilityのエイドなので、mobilityの
評価をきっちり行って、必要な訓練を行っていくこと、大学で学習するのに
必要な環境の調整を行うこと。また、時間をかけてもQOL評価をしてニーズを
掘り起こしていくことも大事である。
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