第50回月例ローヴィジョン研究会

 

川嶋英嗣&小田浩一, 2002/6/8, 6/24

*今回は、これまでの反省をこめて、参加できなかった方、ページだけを見 ている方のために、今日の発表の要旨を小田の主観で書きました(学会発表が終 了したので、見どころを要旨に変更しました)。


日時:2002年6月8日 (土) 13:00 - 20:45

場所:東京女子大学コミュニケーション学科会議室(8号館4階)

参加者

(五十音順,敬称略)

  1. 麻野井千尋@立教大学心理学科
  2. 小田 浩一@東京女子大学
  3. 川嶋 英嗣@東京女子大学/長寿科学振興財団
  4. 河又 克幸@栃木県立盲学校
  5. 黒田 有希@東京女子大学
  6. 小林 章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
  7. 清水美知子@歩行訓練士
  8. 鈴木 あかね@山梨県立盲学校
  9. 田口 朋子@神奈川県総合リハビリテーションセンター病院眼科
  10. 田中恵津子@杏林アイセンター
  11. 中村 仁美@東京女子大学大学院/駿河台日大病院
  12. 西村つむぎ@東京女子大学
  13. 西脇友紀@杏林アイセンター
  14. 萩野美有紀@ぎゃどぺかどる/ユニバーサルデザイン
  15. 山口 成志@タイムズコーポレーション
  16. 山本 明彦@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ
  17. 山本 百合子@タイプデザイナ・グラフィックデザイナ

プログラム

13:00-20:45


50回を記念して、opening で乾杯をしました。

    第11回視覚障害リハビリテーション研究発表大会予演会

  1. 中村 仁美@東京女子大学大学院/駿河台日大病院
    「中心暗点を有するロービジョンの読書困難は身体障害者手帳で補償出来るか?」
    要旨:日大にくる中心暗点のある患者のうち10倍以上の拡大が 必要な人の割合は半数にもなる。 そのうちどのくらいが手帳を貰えるのは、8割で、 現在の手帳基準では、中心暗点の患者に相対的に不利が あるのではないか?

  2. 小林 章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
    「石突きが視覚障害者の白杖歩行に及ぼす影響について(2)」
    要旨:石突きのヴァリエーションと、実際の歩行成績の関係。 最近白杖の先端にとりつける石突き部分にいろいろなタイプが できてきた。ローラー、マシュマロ(回転しない)、ボール型の ローラーなど。これらの使用感と使用しての歩行成績をみた ところ、被験者の印象では、かならずしも良くないのだが、 直径の大きいボール型のローラ tip がもっとも 好成績を上げた。

    「透光体混濁をもつロービジョン者の夜間歩行におけるパフォーマンスの変化」
    要旨:マグライトと白状のどちらが夜間歩行の成績を 改善するかを透光体白濁のロービジョンシミュレーション をした歩行訓練の経験のある健常な成人でしらべたところ、 マグライトの効果は白杖と同じか、上回る効果があった。 両方で、相乗効果がある場合もない場合もあり、被験者による 違いがあった。

    Break: 小林巌さんのトロントからのお祝いメッセージの披露
    第11回視覚障害リハビリテーション研究発表大会予演会(続き)

  3. 小田 浩一@東京女子大学
    「触覚での読み取りに適したフォントForeFingerM(2)―濁点・半濁点・促音・拗音」
    要旨:ForeFinger M では、濁点・半濁点は、これまでの ゴシック体などに比べて 50%程度大きくデザインされている。 一報拗音・促音文字は、普通の文字より小さいが、その比率は、 これまでのフォントと同じにした。その効果は、濁音・半濁音の 触覚による読み取り成績は、ゴシック体よりもよかった。 拗音・促音については、ゴシック体でもForeFinger M でも 間違いがほとんどなく、比較ができなかった。 今回は、はじめて触覚で読む被験者ばかり であったが、清音のときと同じく、一貫してForeFinger M 書体が読みやすいという結果になった。
    *** 論文集に掲載した要約のPDFファイル(80KB)があります。

  4. 西村つむぎ@東京女子大学
    「触覚での読み取りに適したフォントForeFingerM(3)−離散ドット表現の可能性」
    要旨:点々でForeFinger M 書体を構成した場合、 触覚での読み取り成績はどうなるのかを調べたところ、 点で構成されていない細ゴシックよりも、点で構成した ForeFinger M は読み取り精度がよかった。また、フォントを 構成する点の数については、むしろ少ない方が成績が 良いという傾向がみられた。
    *** 論文集に掲載した要約のPDFファイル(157KB)があります。

  5. 川嶋 英嗣@東京女子大学
    「顔表情認知におけるサイズの効果」  
    要旨:顔の表情の認識精度を表示する顔サイズを 変えて測定した。被験者はすべて視覚正常の成人。 顔の幅が視角1度を切ると、成績が下がりはじめることが 分った。このサイズ(critical face size)を測定する ことで、ロービジョンの人の顔認知の困難さを 客観的に測定できるかもしれない。

  6. 田口朋子@神奈川県総合リハビリテーションセンター病院眼科 
    「視覚障害者のリハビリ施設利用に到るまでの期間とそれに影響を及ぼす要因- 七沢ライトホーム利用者の場合 -」
    要旨:七沢ライトホームに入所する患者について調べた ところ、最近の入所者には、病院や福祉事務所から紹介されて 来たケースが増えていた。ただ、他の関連施設の存在や 申請から入所にかかる時間、サービス内容についての 情報は十分に知られておらず、それらの情報があれば、患者は 違った行動をとったかもしれないことが分った。

    実験計画

  7. 萩野美有紀@ぎゃどぺかどる/ユニバーサルデザイン
    「浮き出し文字の調査について」
    要旨:ForeFinger M の有効性をテストする方法として 何が有効か?被験者は、学習効果は、サイズは、文字間隔は、 目隠しするかしないか?などを今後調べてみたい。

    第11回視覚障害リハビリテーション研究発表大会ワークショップ予演会

  8. 小林 章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
    鈴木あかね@山梨県立盲学校
    河又 克幸@栃木県立盲学校
    「盲学校における歩行指導−いつ何をするべきか・何ができるか− 」
    要旨:乳幼児からの発達援助、寄宿舎などでの生活の 体験、体作り、など、もしかすると多くの歩行訓練士すら見逃している 大事な点、移動の基礎になる部分をしっかり作ることに もっと注意を払うべきではないのか。


21:00- 恒例の夕食会、今日は 13 名も参加いただきました。 残金が 3,190Yen ありますので、次回にご期待ください。


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