小田浩一, 2008/10/11
* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。
以下のような演題が発表されています。
参加していたビジュアルウェアの山地正城さんから、見えない二次元バーコードについて紹介があった。後のLV920のデモのときに、この見えないコードを読み取る グリッドスキャナとLV920の眼鏡型ディスプレイを組み合わせたデモもあった。
初代の拡大読書器であるミカミのオプチスコープ(当時120万円!?)から17台を使って来た韓星民(ハンスンミン)さんが、 歴代の拡大読書器について、自分から見た長所短所を説明しつつ、拡大読書器にはどのような要素が必要なのかということを述べた。 また、ロービジョンエイドは、その日から使えるものでなく、かなりの習熟を必要とするものであること、拡大読書器を使う場合には、 人間は目の周辺視機能をあまり使わない視覚の方法であり、眼球運動の代わりにx-yテーブルを手で、つまり体性感覚と 運動制御機能をつかってテキスト上をスキャンしていく。読書時のスムーズな手の運動によるテキスト移動の画面上の 移動とそれに追従する目の追従眼球運動、テキスト改行時には、サッカードと同じように瞬時に行頭へもどる手の動きと、 サッカード抑制にも似た知覚上の不注意という形になる。つまり眼球運動と視知覚だけで行っていた読み課題の一部が 体性感覚(すなわちマルチモーダル)と手の運動制御機能を含むものになる。読書材料のレイアウトは体制感覚の 中に表象されており、その表象を使いながら、拡大読書器のx-yテーブルを正確に手を動かして見たい箇所を 注視点に移動させるのである。
眼鏡に取り付けられたビデオカメラの性能が上がり、イメージをフリーズしてから拡大したりコントラスト強調したりできるように なっている。また、フリーズしたイメージ内を上下左右のパンすることもできる。マウス型の スキャナ(ビデオカメラ)で取込んだ手元の印刷教材のイメージをNTSC入力で受付、マウスの電源オンオフでLV920のカメラと マウスの画像の切り替えができ、近見遠見を楽に切り替えて使える。高知工科大学の 学生支援で導入実績ができた。
プロジェクタの光源を使い、タッパウェアに水道水を満たし、牛乳をたらして 小さい脂肪粒子を加え、光の散乱における光の波長の影響を デモした。レイリー散乱とは、光の散乱が光の波長の4乗に反比例するというもの。 つまり短波長の光の方がより散乱する。透光体混濁のある目でなぜ まぶしいか?網膜像のコントラスト感度が下がるのか?の原因が 混濁部での短波長光の散乱であるという、根拠を紹介した。
この後有志(13人)で、新所沢の駅近くのHIROというイタリアンレストランにて、夕食会をし、 閉店までわいわいと楽しい時を持ちました。