第105回月例ロービジョン研究会

小田浩一, 2008/3/15

1. 概要

ゴーグル型の新しいロービジョンエイド

  1. 日 時:2008年3月15日 (土) 13:00-19:00
  2. 場 所:東京女子大学#8408コミュニケーション学科談話室
  3. 参加者:(敬称略五十音順)
    1. 麻野井千尋@NAT・東京女子大学
    2. 麻野井さんと同行される、荒井英俊さん、大菅祐介さん、中川健一さん
    3. 新井千賀子@杏林アイセンター・東京ライトハウス
    4. 岡島喜謙@筑波大学理療科教員養成施設
    5. 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
    6. 香川スミ子@浦和大学総合福祉学部
    7. 亀井笑@東京女子大学数理学科
    8. 唐澤真弓@東京女子大学(夕食会に参加)
    9. 川嶋英嗣@愛知淑徳大学・医療福祉研究科・コミュニケーション障害学専攻・視覚科学コース&東京ライトハウス
    10. 小林章@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科・東京ライトハウス
    11. 小林巌@東京学芸大学
    12. 鈴木理子@井上眼科(夜の会から参加)
    13. 田中恵津子@杏林アイセンター・東京ライトハウス(skype参加)
    14. 田中千尋@国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
    15. 田村良彦@読売新聞医療情報部(夜の会から参加)
    16. 道面由利香@歩行訓練士
    17. 中村仁美@東京女子大学大学院/駿河台日大病院眼科
    18. 御園政光@NHK放送技術研究所
    19. 宮崎博子@東京女子大学大学院現代文化研究科
    20. 宮下佳子@パルテノン多摩/財団法人多摩市文化振興財団/筑波大学大学院
    21. 宮地泰造@東海大学
    22. 山口えり@東京女子大学コミュニケーション学科
    23. 山中今日子@東京女子大学コミュニケーション学科
    24. 山中幸宏@アサクラメガネ
    25. 山本百合子@フォントデザイナ

* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。


2. プログラム

以下のような演題が発表される予定です。 また、19時からは、大学正門前のペーパーバンで夕食会が開催されます。夜からの参加も歓迎します!

  1. 川嶋英嗣@愛知淑徳大学・医療福祉研究科・コミュニケーション障害学専攻・視覚科学コース&東京ライトハウス
    「文献紹介:Nonlinear mixed-effects modeling of MNREAD data

    MNREADのデータからどのようにCPSを推定するのか?についてのpaper. 2直線フィットで交点推定と指数関数のフィットで最大値の80%のどちらが良いか? 非線形混合効果モデルによるより妥当な推定でAMDの患者でよく見られる不完全なデータからの推定ができる。 その場合、Acuity reserveとCPSが一致するかという議論も行われている。

  2. 御園政光@NHK放送技術研究所
    「2次元触覚パタンの提示条件がオブジェクトの探索に与える影響」 (電子情報通信学会で発表の内容、ハンドアウトのPDF有り)

    2.4mmピッチ、96 x 64 dotsのピンディスプレイを使って、3 x 4 の要素からの探索課題を使って、 触覚ディスプレイへの表示方法の良さを評価した。ターゲットを構成するドット数、ターゲット間の ドット数に主効果が有り、4 x 4 のターゲットが比較的良く、全体のディスプレイのサイズが60 mm の領域以内、つまり三本指の幅程度に収まる程度で探索時間が短くなるという傾向が見られた。

  3. 小林章@国立身体障害者リハビリテーション学院&東京ライトハウス
    「歩行訓練専門職の認定試験」

    2007年度に始めて試験的に実施した歩行訓練専門職の資格認定試験について、経緯や 内容、実施した結果(3/1に実施、受験者数は20名)について概要を紹介した。視覚障害リハビリテーションの 専門家の地位向上、社会的認知の(専門性の定義)ための大きな一歩となるであろう。 以下のようなポリシーで出題された:

  4. 石井 雅子@新潟医専・張替 涼子@新潟大学・阿部 春樹@新潟大学
    「ロービジョン者の羞明と遮光眼鏡の処方状況—補装具交付対象疾患および他疾患の比較—」

    手帳取得可能な視覚障害のレベルかどうか?羞明の主訴があるかないか?によって 遮光眼鏡の処方がどのように異なっていたかを300例弱のケースから検討した。

  5. coffee break

  6. 香川スミ子@浦和大学総合福祉学部
    「弱視乳幼児の視覚的行動と視力との関連」

    行動からロービジョンであることを推定できるいくつかの 典型的なパターンがあることを紹介した。それが知的レベルと どのように関係するかということについても述べた。

  7. 高野孝七@株式会社ビジュアルウェア
    「ロービジョン用補助具 LV920

    LVESの後継機種で、医師の処方により最適な見えをゴーグルの中に表示する装置。 入力にPCやDVDプレーヤ、TVチューナやCCTVが使える。また、輪郭線強調回路が あり、コントラストの改善もできる。非常に多様なロービジョンに対応する ポテンシャルのある補助具の紹介。3/24のプレスリリースを皮切りに日本でも 使えるようになるということでした。

  8. 新井千賀子@杏林アイセンター・東京ライトハウス
    「無水晶体眼で無虹彩の方がCLを使用できなくなる..という症例で 山中さん@アサクラが工夫したすばらしいメガネ」

    無水晶体で緑内障、事情があってコンタクトレンズが装用できない ロービジョンの事例に、どのようの光学エイドを作っていくかという Excellentな対応について報告した。

  9. 麻野井千尋@東京女子大学・NAT
    「富山の中途視覚障害者、特にロービジョンの中途視覚障害者への支援についての研究」

    富山のロービジョン対策は、そもそもなかったし、この数年でも 中途半端に終わっており、富山在住のロービジョンの 人々が救われていない。その問題の所在、様態と、存在する資源との関係、 その資源が既得権によってコントロールされている実態について 述べた。


  10. 夕食会の盛り上がり

  11. 富山からの3人のゲストの自己紹介をかねた体験談

    夕食会での講演、迫力のある話でした。そして、 これまでの扱いへの不満をばねに、富山を変えるという 力を感じる話ばかりでした。


(c) All rights reserved by members of the monthly low vision meeting at twcu. Any comments should be directed to Koichi Oda(k-oda あっと cis.twcu.ac.jp)