VIRN視覚障害リソース・ネットワークVision Impairments' Resource Network
First produced by
VIRN crew
1996.8.31
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視覚に何らかの不可逆的なダメージを被ると、視機能の低下を来しそれがた めに、日常生活、経済生活、社会生活等に何らかの不自由を生じます。大きな 枠組みで考えるとこれが視覚障害と言えます。特に、情報収集が困難になるこ とは大きな問題です。例えば、何か文章を読もうとすると、文字がぼけてしまっ たり、文字が二重に見えてしまう。歩いているとちょっとした段差でもつまず いてしまう。景色が歪んでみえる。夜など暗いところでは周りを見ることがで きなくなる。明るい窓側に座っているとまぶしくてしかたがない。等々、様々 な不自由があります。
これらにより、子供では教科書や黒板の文字が見えず勉強についていけなかっ たり、体育の授業は全く参加できないという制限が出現します。
成人では、自由な職業選択や、結婚・出産・育児・家事労働等に制限を受ける ことになります。
老人では、単独での生活が困難となり、即老人介護の問題に直面させられます。
一般に眼科医で治る見込みがないということになると、福祉事務所に申請をす ることで、身体障害者手帳が交付されます。なお、身体障害者手帳には、障害 の程度に応じて1〜6級まであります。
現在、視覚障害の身体障害者手帳を所持されている方々は、平成3年の実態 調査(厚生省)では全国で約 35.3 万人です。以下は、現在の手帳等級表で す。
級別 | 視 覚 障 害 |
1級 | 両眼の視力の和が0.01以下のもの |
2級 | 1.両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野につい て視能率による損失率が95 %以上のもの |
3級 | 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野につい て視能率による損失率が90 %以上のもの |
4級 | 1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの |
5級 | 1.両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの 2.両眼による視野の2分の1以上がかけているもの |
6級 | 1眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両 眼の視力の和が0.2を超えるもの |
上の等級表でも分かるように,従来は,視野障害についての扱いが軽く,視力 が良い場合には,視野に障害があっても障害の認定がありませんでした。近年, 視野の障害に対する認識が高まり,障害認定の制度が新しくなり,視野障害と 視力の障害を併せて視覚障害の認定がおこなわれるように変わってきました。 これについては,別の資料, 視野障害の認定について を参照ください。
また、視覚障害だけでなく、聴覚障害を併わせている場合を「盲聾」や弱視難 聴、弱視聾、盲難聴などと呼びますが、これらについては別のニーズやサービ スがあります。 矢田礼人による「盲ろう者のホームページ」 を参照ください。
コメントは,下記アドレスの小田島明(国立身体障害者リハビリテーションセンター)まで電子メールでお願いします: fwge9682@mb.infoweb.or.jp