一般事務で働く弱視者へのサポート


  1. 中村 実 10.28.1999
    東京都で一般事務として働いています。こまかな事務も多くありますが、
    拡大読書器や95READERを持ち込んで、なんとか働いてきています。
    しかし、状況が厳しくなってきたため、自力で働いていくことにも
    不安を感じ始めています。
    一般事務で働く弱視者へのサポート状況について教えて下さい。

  2. 林 純一@富士通AMDセミコンダクタ株式会社 10.28.1999
    私は先天性色素変性症の弱視です。視力は0.09で、視野狭窄があります。
    あまり参考にならない回答かもしれませんが,私の場合についてお話しします.

  3. 山根 10.28.1999
    広島県庁で勤務している27歳です。職種は一般事務で、現在物品管理の
    仕事をしています。現在視力は、右目0.4、左目 光覚です。それと
    色変による視野狭窄(10度以内)があります。とりあえず今まで手書き
    だった物品関係書類を少しずつ、パソコン化しています。ここに職場介助者
    制度など雇用に関する詳しい情報がのってます。
    雇用連情報一覧へ

  4. 丸山@埼玉 10.30.1999
    私の視力は 0.01-0.02 程度です。視野もかなり狭いです。仕事は東芝の
    子会社でコンピュータのプログラム開発を中心とした業務をしています。
    会社からの補助としては、拡大毒初期や拡大ソフトなどを購入していた
    だいていること程度です。今年で8年目です。

  5. 中村 実 11.1.1999
    林さんがおっしゃるとおり、まわりに理解してもらうことは不可欠ですね。
    山根さんの歩行訓練みたいなことはいいカンフル剤になるかもしれません。
    何か考えてみます。
    丸山さんもおっしゃるように、得意なことが作っていけるといいのです。
    また、私も可能な限り仕事をパソコンで処理するようにしています。

Subject: [jarvi:10286]
一般事務で働く弱視者へのサポート状況について教えて下さい
Date: Thu, 28 Oct 1999 17:53:42 +0900
From: minoru-n@comp.metro-u.ac.jp (中村実)

JarviMLのみなさま
いつも有意義な情報を読ませていただいています。
今日は、情報頌供をお願いしたく、投稿しました。

私は、東京都で一般事務として働いている中村といいます。
視力は、0.03程度の色素偏清祥の弱視です。
事務職ということで、結構こまかな事務も多く、拡大読書器や95りーだー
を持ち込んで、なんとか働いてきています。
しかし、さまざまな状況が厳しくなってきており、このまま自力で働いてい
くことにも不安を感じ始めています。

そこで、同じような状況のかたがたがどのように働いていらっしゃるかを教
えて下さい。具体的には、自分で工夫をなさっていること、
職場から、どのていどサポートを受けているのか、
 ・拡大読書器や見やすいパソコンや、音声読み上げソフトの提供など
 ・仕事をサポートしてくれるアシスタントやアルバイトなどの人的な援
助、または、定数外の枠での人員配置を受けているなどできるだけ具体的に
教えていただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

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Subject: [jarvi:10288]
Re: 一般事務で働く弱視者へのサポート状況について教えて下さい
Date: Thu, 28 Oct 1999 19:20:13 +0900
From: "HAYASHI Junichi"

林@富士通AMDセミコンダクタです。

あまり参考にならない回答なのでご容赦ください。
私は先天性色素変性症の弱視です。視力は0.09で、視野狭窄があります。

就職する前から良く話し合い実習を経て就職しました。一般事務では無くて
開発職なので話があてはまるかどうかはわかりません。
仕事の内容としてはシステム(ソフトウエア・ハードウエア)の開発・運用
とそれに関連した業務です。一人での出張もあるし、外部教育もあるし、管
理職の前での定期プレゼンテーションもあるし、逆に言えば、一般事務らし
き仕事はしたことないです。

・就職前に21イン$`のモニター、Windows95/NT対応の画面拡
大ソフトの提供をお願いしておりました。入社時はこれがそろっていたとい
う状態です。当時NT対応の画面拡大ソフトは10万円もしたんですよね。

・共有の端末にしかインストールされない事務処理アプリケーションを私の
パソコンにも入れてもらっています。共有端末のモニターが14インチとい
うみにくさで業務上支障があるからです。

・社内での会議や教育の際は、最前列の席にしてもらっています。印刷でき
るホワイトボードの場合は、消す前にプリントアウトして渡してもらってい
ます。プリントアウトできないホワイトボードはあらかじめ書き移してほし
いということをお願いしておきます(おえらい部長さんなんかがノートテイ
クしてくれるときもあります)。

・いつもは会社のバスで通勤していますが、休みや深夜に作業が及んで足が
ないときはタクシーをだしてもらっています。

・業務の担当の変ア更をしてもらったことがあります。私の勤め先は半導体工
場なのですが、以前は毒ガスや放射線、高電圧ととなりあわせの業務を担当
していましたが(私の希望でその業務にしてもらっていたんですが)、会社
からの申し出と私の希望でその業務からははずしてもらいました。

・会社にはいつも聞く耳をもってもらっています。

こんなところでしょうか。一般企業で働いている方皆さんそうだと思います
が、自分の障害のことは上司や同僚には詳しく説明し理解してもらっていま
す。まー、今は、これが不自由っていうことはないですね。

何かご質問がありましたら、どうぞ。

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Subject: [jarvi:10291] 雇用連情報 一覧
Date: Thu, 28 Oct 1999 22:29:40 +090 0
From: 山根 勝宏

中村さん、こんにちは
広島市在住の山根と申します。
私は広島県庁で勤務している27歳です。
職種は一般事務で、現在物品管理の仕事をしています。
「視覚障害者に事務の仕事は出来ないだろう」という逆風を
「まあまあ、見ててくれ」と外見上は冷静に、しかし本心は
「どうしよう・・・」 と困惑している毎日です。

現在視力は、右目0.4、左目 光覚です。
それと色変による視野狭窄(10度以内)があります。
まだ拡大読書機などの補助器具がなくとも
十分に仕事が出来る状況ですが、将来のことを考え
まず職場周辺の歩行訓練から始めました。職場の人の目につきやすい
エレベーターホールから、バス停までといったコースです。
これが思いのほか、職場の人の心を打ったようで、以前にはなかった
「組織の輪(協力体制)」が生まれました。
「あいつ、てっきり辞めると思ってたのに・・本気か?」

8月にパソコンを購入し、9月に98READERをセットアップし
現在は自宅で毎日練習しています。
「あいつがパソコンを買ったらしい。どうやら今度は本気らしい・・」
自ら職場内に噂を流し、周囲の反応を待ちました。

先日、部長室に呼ばれ、「いよいよ解雇通告か・・」と覚悟を決めて
部長室に入ると、「君はパソコンを買ったそうだな。これぐらいのことは
もう調べているとは思うが・・」とインターネットで調べた厚さ1センチ程の
視覚障害関係の資料を私にくれました。雇用に関する資料もあり、
「継続雇用のケース」「三療業について」具体的に記されていました。
部長自身の考えは、やはり「三療の方がいいような気はするんだが・・
念のため盲学校にもう一度見学に行きなさい」でしたが、
継続雇用について調べてくれていたのには(今までの部長とは違う!)
何かを感じました。(これはいける??)

しかし、「何をすればいいんだ?)という厚い壁に
ぶつかっています。とりあえず今まで手書きだった物品関係書類を
少しずつ、パソコン化しています。
これを周囲が「業務改善!」と受け取り、
「これは助かるよ。俺もパソコン化しよう」
という動きになってきました。
(手書きじゃないと駄目だ!)帳簿が多く、どうするかが問題です。

中村さん、私はとりあえず周囲に対し、
「アピールする。噂を流す。業務改善する」ことから
始めています。
最も最終的には「自信」につながらないと
駄目だとは思いますが。
お互いに頑張りましょう!

(ご存じかも知れませんが)
ここに職場介助者制度など雇用に関する詳しい情報がのってます。

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Subject: [jarvi:10316]
Re: 一般事務で働く弱視者へのサポート状 況について教えて下さい
Date: Sat, 30 Oct 1999 15:55:17 +0900
From: Hiroshi Maruyama

以下のメッセージへの返信です。
From: minoru-n@comp.metro-u.ac.jp (中村実)
Date: Thu, 28 Oct 1999 17:53:42 +0900
Subject:
[jarvi:10286] 一般事務で働く弱視者へのサポート状況について教えて下さい

中村さん、みなさん,
皆さんこんにちは、埼玉の丸山です。

> 自分で工夫をなさっていること、
> 職場から、どのていどサポートを受けているのか、
>  ・拡大読書器や見やすいパソコンや、音声読み上げソフトの提供など
>  ・仕事をサポートしてくれるアシスタントやアルバイトなどの人的な援
> 助、または、定数外の枠での人員配置を受けているなど
> できるだけ具体的に教えていただけると幸いです。

私の視力は 0.01-0.02 程度です。視野もかなり狭いです。
一応進行性の病気ではありませんが、加齢と共に少しずつ見辛くな
っていることは否めません。
仕事は東芝の子会社でコンピュータのプァログラム開発を中心とした
業務をしています。
会社からの補助としては、
拡大毒初期や拡大ソフトなどを購入していただいていること程度です。
あとは周囲の人たちのご協力のもとに、なかなか1人前とはいきま
せんがそれなりに仕事をこなしています。
今年で8年目です。

周りの人のサポートというのは、例えば社員食堂で食器を座席まで
運んだりする際の援助、あるいは自力で書けない細かい書類(マー
クシートなど)を記入してもらうなど、いいようによってはちょっ
としたサポートの集合です。

もう一つ重要なサポートは、私にできそうな仕事をさせてもらって
いることです。
私の視力ではマウスを使って画面を作成するような仕事は不可能だ
ったりできても非常に効率が悪くて使い物になりません。
でも、データ処理や通信処理のようないわゆるロジックの開発には
あまりハンディがありません。というか自分でいうのもなんですが、
周囲の人たちより(そればかしやってるから当たり前ですが)得意
なものもいくつか出てきました。
同僚や一部のお客様が「ああいう仕事は丸山に頼もう」といってい
たハだけるようなことが最近は多少は出てきました。

ただ、世の中の動きは速くて、いろいろな意味で業務の内容が変わ
って来ています。
全体的な傾向として私にできるような業務の比率は減ってきています。
だいたい一つの業務は3ヶ月程度のスパンなので、いつも「半年後
には仕事がないのでは?」という恐れを感じながら、今までのとこ
ろはなんとか社内失業状態にならずに仕事をして来ました。
将来についてはとても不安ですが、視覚障害者=按摩や指圧の仕事
というのに対する抵抗感もあるし、あまり接客業向きでない性格
もあって、なんとか続けられればと思っています。

私自身もそれなりに努力してきたつもりだし、これからもそうでし
ょうが、今まで働けた最大の要因は周囲の人たちが私のできること
苦手なことについて理解してくれていて、サポートしてもらってい
るから働けているのは確かでしょう。

民間企業ですから定数などありませんが、私をサポートするための
人員を雇ってもらえるなどは今の時代とても考えられません。全く
無給でなら別でしょうが!

とりあえずこんな感じです。

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Subject: [jarvi:10340]
Re: 一般事務で働く弱視者へのサポート状況について教えて下さい
Date: Mon, 01 Nov 1999 12:34:50 +0900
From: minoru-n@comp.metro-u.ac.jp (中村実)

林@富士通AMDさん、山根@広島さん、丸山@埼玉さん
貴重なお話をありがとうございました。
情報提供をお願いしたナカムラです。
 林さんがおっしゃるとおり、まわりに理解してもらうことは不可欠ですね。
 私も就職したころは、よくも悪くも、まわりの関心も高く、こちらの状況
を説明する機会もそれなりにありましたし、受け入れ側も一生懸命だったと
思います。係の職員数も一人多く配置されていました。(私のためかどうか
は判りませんでしたが。)
 しかし、10年以上になってくると、人事異動が激しい職場であることも
あり、私のほうが受け入れが輪になってくることが多く、また、人員削減が
進む中で、定員割れの係にセ配置されることも出てきました。
 まあ、一人前に扱われていると思えば、うれしいのですが。確かに、私の
状況について説明したりする機械は減ってきていました。

 そんな状況下で、山根さんの歩行訓練みたいなことはいいカンフル剤にな
るかもしれません。何か考えてみます。
 また、私も可能な限り仕事をパソコンで処理するようにしています。ワー
プロの普及し始めと、就職の時期が同じだったのは私にとってはとてもラッ
キーでした。ワープロ・パソコンさまさまです。ただ、1日中パソコンの画
面を見ていると、クタクタになってしまうようになってきました。文字どお
り身を粉にしているっていう感じです。

 丸山さんもおっしゃるように、得意なことが作っていけるといいのです
が、標準化が進む事務の中ではなかなか自分だけの得意技というものを持つ
のはむずかしそうです。

 働く環境が厳しくなってきた中でも、みなさんが工夫しながら活躍なさっ
ているお話が聞けてとても参考になりました。改めてお礼申し上げます。
私も、再度声を大きくしてみずからの働く環境を浴していきたいと思います。
 
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