自力通勤


  1. ryse 2001/2/19 視覚障害者の就職条件として,自力通勤を要求されています.単独,または自分で介 助者を確保しなくてはいけません.これは法律でいわれていることなのでしょうか?
  2. 星野@富士通中部 2001/2/19 単独で移動する能力をもっていた方が,就労のチャンスが大きいということではない ですか?
  3. 関 良介@新潟県 2001/2/19 未だ自力で通勤できることを就労の条件とするのが根強いですね.
  4. 稲垣@愛知県春日井市 2001/2/20
  5. 清水英郎@神戸市 2001/2/20
  6. 矢部健三@盲ろう者向け通訳介助者 2001/2/22
  7. 清水英郎@神戸市 2001/2/23

From: "ryse" Subject: [jarvi:17617] 視覚障害者の雇用条件についての質問 Date: Mon, 19 Feb 2001 10:27:01 +0900 「視覚障害者に接するヒント」という本の中で、視覚障害者の就職の際しては、自力 通勤ができることが条件として要求されることがほとんどであると書いてあります。 自力通勤とは単独で通勤することか、または、介助者とともに行き、独自で介助者を 確保することを言うのか、二通りありますが、一般的には単独での通勤を要求してい ると説明されています。 このことは法律で認められていることなのか、慣例であるのかが分かりません。 それから、高齢の中途視覚障害者の方にとって点字習得が難しいのはなぜでしょう か。訓練に時間がかかりすぎるということでしょうか? 何かご存知の方,教えてください. ページの最初に戻る
Subject: [jarvi:17622] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問 From: Fumitaka HOSHINO Date: Mon, 19 Feb 2001 15:27:34 +0900 星野@富士通中部です。 全盲でSE職として勤務しています。25歳のときに中途失明です。 > このことは法律で認められていることなのか、慣例であるのかが分かりません。 視点が少し違うのですが、 単独で移動する能力を持っていたほうが就労のチャンスが大きいということでしょう。 これは情報機器の操作能力があるほうがチャンスが大きいことや、活字処理の能力が あったほうがチャンスが大きいことと同様でしょう。身につけている能力が多いほ ど、自身の職域が拡大できるということです。 > それから、高齢の中途視覚障害者の方にとって点字習得が難しいのはなぜでしょう > か。訓練に時間がかかりすぎるということでしょうか? 高齢者への点字指導については、専門の方にお願いします。 私は視覚障害者が居住地域で点字指導を受けることについて述べます。 地域の点訳グループの方から、中途の視覚障害者が点字の訓練を受けることには配慮 が必要です。つまり点訳者のように点字図書製作の専門知識があることと、視覚障害 者に点字を指導することの違いが以外にも認識されにくいということです。 目で見て点字を読み書きできるだけの人が、目を使わずに点字を読み書きすることを 指導してしまうことの危うさです。私は日本ライトハウスで点字の指導を受けまし た。指導員は晴眼でしたが指で点字が読める方々でした。 一般に初心者にとっても点字を書くことは比較的容易です。それに比べて初心者が指 で点字を読めるようになるにはずいぶんの努力が必要です。簡単だからといって読め ないのに書くことを先行して学習してもあまり実用にはならないでしょう。しかし地 域において、周囲も本人も結果を求めるあまり、書くことが点字指導の中で先行して しまっている事例をしばしば見かけます。 その結果、書けるけれども、自分が書いた点字も読めないということになってしまい ます。書けるだけという状態を否定はしませんが、本来点字の習得にはそれなりの努 力やしんぼうが必要なことは本人に告知すべきでしょう。 ページの最初に戻る
Date: Mon, 19 Feb 2001 23:53:56 +0900 (JST) From: 関 良介 Subject: [jarvi:17628] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問  こんにちは、新潟の関です。  自力通勤しなければいけないとは法律には書かれてはいないと思いますが、これま では自力通勤が就労の条件のようだったと思います。最近のように自宅就労というこ ともあれば、必ずしもそうとはいえないでしょうが、まだ根強いと思います。それ に、職場内でも行動しなければ ならず、自力で通勤できるようでないと、職場内での行動にも不自由で、ここらが問 題になるかと思います。仕事の能力と通勤できるという移動の能力とは別だといえな いこともありませんが、まだそのようにはなっていないと思いますし、だから行動し やすい環境を求めていくことにもなるのではないでしょうか。  わたしも全盲でバスと電車を利用して通勤しますが、今年のように雪が積もると、 どうやって職場へ行くかを考えてしまいます。誘導ブロックなどは役に立たなくなり ますから。でも、「今日は雪が積もったので休みます」とはなかなか言えるものでは ありません。また、「どうぞお休みください」と言われるのも恐ろしいです。  はっきりとはいえませんが、ガイドヘルパーは仕事に利用してはいけないというこ とがあったと思います(地域によっては事情が異なるとは思いますが)。ガイドヘル パーに介助されての通勤もちょっとむずかしいでしょうね。偏見に入るのかもしれま せんが、介助されて通勤という場合、その人の能力を他の職場の人たちが理解してく れるのかというのも心配になります。 > それから、高齢の中途視覚障害者の方にとって点字習得が難しいのはなぜでしょう > か。訓練に時間がかかりすぎるということでしょうか? > > 何かご存知の方,教えてください.  触読というのは点字の形がわかれば読めるというようなものではなく、指先にその 感触を覚え込ませなければできません。知識というよりは技術みたいな。だから修得 に時間がかかります。まして高齢となると、触読ができるようになるまでの時間、そ の意欲を維持してもらうのが簡単ではないのでしょう。どうしても点字を覚えないと いけないということもありません。その必要性があまり感じられなければ、修得に対 する意欲も減退してしまいます。むずかしいところですね。 ページの最初に戻る
From: "Hisato INAGAKI" Subject: [jarvi:17634] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問 Date: Tue, 20 Feb 2001 06:51:51 +0900 稲垣@愛知県春日井市です  実態は別として、考えられる論理を書きます。  たとえば、公務員の場合、現行の法令では職務上知り得た秘密は守らなければなら ないことになっています。また、プライバシー保護の観点からも、他人に漏らしては 行けない仕事上の事柄がそれなりに発生します。  この点、介助者が常に側にいると、秘密を守るという単純なことが介助者が見てし まうという理由で守られないと判断されているのです。介助者も公務員であれば、法 的に強制的に秘密を守らなければならないわけですが、独自の介助者だと、その介助 者は公務員ではないので、秘密を守る義務はありません。  もちろん、介助者も公務員であれば問題は無いわけですが、1人分の仕事を本人と 介助者の2人でなければできないとなれば、介助者を公共機関として雇用するには、 健常者の労働者と比較して人件費を浪費していると判断されてしまうの、無理だとい う論理ですね。  たとえば、公務員関係の法令が改正され、独自に確保した介助者・・・公務に携わ る者の介助者・・・にも自動的に秘密を守る義務が課せられるようになれば、独自で 確保した介助者と共に採用される道は開けます。しかし、可能性は限りなくゼロに近 いと思います。 ページの最初に戻る
Date: Tue, 20 Feb 2001 15:51:05 +0900 (JST) From: 清水英郎 Subject: [jarvi:17640] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問 こうべの清水です。 ひとつの、ケースとしてふくしま・さとし助教授の場合です。彼は今度東大にいきま したね。 通勤だけでなく仕事も指点字などで奥さんの解除を必要としています。私も進路指導 を長年してきましたが、このケースに類するものは多数あります。 ちなみにふくしま君も校2まで兵庫盲にいました。(もう君とは言えないほどえらく なりましたけど)東京にいってしおやさんたちに出会い大空へはばたきました。 しおやさんが、このメールにおられるならご意見を書いてもらいたいですね。サリバ ンじゃないけど、しおやさんはただの人じゃないですよ。 それから、最初に質問された方、たにあい・すすむさんの(盲人の歴史とかチャレン ジする盲人)などの本を読まれましたか?その脈々たる情熱を得てくださいね。 長文になるのでまたいつか私見を書きます. ページの最初に戻る
Date: Thu, 22 Feb 2001 17:49:38 -0000 From: 矢部健三 Subject: [jarvi:17683] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問 こんにちは矢部@盲ろう者向け通訳介助者です。 清水英郎 Wrote: > ひとつの、ケースとしてふくしま・さとし助教授の場合です。彼は今度東大にい > きましたね。 > 通勤だけでなく仕事も指点字などで奥さんの解除を必要としています。私も進路 > 指導を長年してきましたが、このケースに類するものは多数あります。 ちょっと訂正です。細かいことですが・・・。 福島さんの通訳介助に当たっているのは妻の光成さんだけではありません。仕事上で の介助はむしろ別の人の方が中心になっています。東大ではどうなるのかまだ聞いて いませんが、金沢大は彼の通訳介助者に報酬を支払っていたと聞いています。 障害者の自立や社会参加を考えるとき、その介助は家族が中心に担って当然ともとら れかねない例の出し方でしたので、補足させてもらいました。 ページの最初に戻る
Date: Fri, 23 Feb 2001 02:02:34 +0900 (JST) From: 清水英郎 Subject: [jarvi:17698] Re: 視覚障害者の雇用条件についての質問 神戸のしみずです。 矢部さんのお説のとおりです.なるべく短文にしようという気短が書き落としをした んです。また、行き方としてもそうあるべきですよね。現実派東京のようになっては いないようですけどね。 HUMAN アシスタントも制度としてどの程度定着してきたのか?現状もここにだして ほしいですよね。 ともかく、完全な自立も含めてあらゆる可能性を駆使して視覚障害者が働けるように なってほしいです。あの方式がよいとか悪いとかの問題でもないでしょうしね。 重度の障害で苦しんでいる後輩たちの一人一人に適切な道が開かれ協力者と資金と場 所が確保されますようともに努力しましょうや。 ページの最初に戻る
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