Macのユニバーサル・アクセス


小田浩一@東京女子大学 2002/5/7
Subject: [jarvi:23932] Apple's new OSX 10.2 would be better in accessibility!? - Jaguar
Date: Tue, 07 May 2002 23:10:32 +0900
From: Koichi Oda

小田@東京女子大学です

詳しいことは分りませんが、ニュースを1つお報せします。

5/6 のWWDC (Worldwide Developer's Conference)で アップルコンピュータが、Mac OS X 10.2 で アクセシビリティを高めるとアナウンスしています。以下のページです:

http://www.apple.com/macosx/newversion/

全部英語なので、関係個所を翻訳してみます。

新しい機能の1つとして、ユニバーサル・アクセスという項目を立てて、

「連邦政府が義務づけている標準をかなり越えて、コンピュータアクセシビリティに新しいアプローチを提供している。Quartz (訳注:画面表示をしているソフトウェアの別名)では全体にアンチエイリアスをしたゴージャスな画面拡大、ZoomView と呼ぶ機能が可能になっている。単に一部を拡大するのでなく、画面全体を拡大する(画面をスクロールするのにマウスを使う)。また、Jaguar (訳注:OS X 10.2 の別名)は文書内の画面に表示されているテキストや、インターフェース部品や、マウスがある場所のテキストを読み返したりできる。」

と書いています。アンチエイリアスつきの拡大は計算時間がかかるので、実時間でソフト的に行うのはこれまできびしかったわけですが、画面制御のハードの性能があがったということで可能になったのだと思われます。それでも、その性能の向上を OS がアクセシビリティの向上に使ったということはそれなりに評価できるかもしれないし、一社でハードもソフトも作っているからできる技なのかもしれません。

残念ながら、上記の文からは、それ以外には、あまり目新しい機能があるとも思えませんけれど、ここのところ、ずっとアクセシビリティにあまり熱心でなかったメーカが戻ってきたのは、歓迎すべきかもしれません。ユーザインターフェースについては、定評がある OS ですから、新しい考え、よりユニバーサルに使いやすいものを作ってくれるとありがたいです。

アップルコンピュータという会社が作っているマッキントッシュという名前のコンピュータは、実は、アウトスポークンというソフトで最初に GUIの画面読みができるようになった PC です。画面拡大のソフト、closeView を最初に標準で添付した PC でもあります。残念ながら、その後は、アクセシビリティでは、あまり貢献していたとは言えませんが。そのマッキントッシュ・コンピュータの基本ソフトがヴァージョンアップするときに、視覚障害のあるユーザにアクセスが容易になる機能を加えるぞというアナウンスをしているというニュースでした。

もっとも、これまでの OS 9 には付属していたCloseView と EasyAccess が、OSXではついてなかったから、連邦政府の調達対象になれず、その意味では、問題があったので、これに対する処置がやっと追い付いたということかもしれません。

米国連邦政府は、アクセシビリティがないつまり障害のある職員に使えないコンピュータは調達しないことになっていますので。

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