日本語ドメイン名に関する問題


  1. 関戸 直明@湘南文化社 2001/2/23 「汎用JPドメイン名」という名称で,今までと違ったドメイン名の取得ができるよう になり,以下のような問題が生じます. 1.点字でドメイン名が正しく表記できなくなる 2.外国人など日本語環境の無い人は事実上アクセスが不可能になる 3.アクセスするのに有る程度の漢字の知識が必要になるため、事実上年齢制限をす   ることになる
  2. 今野@東京都 2001/2/23
  3. 稲垣@愛知県春日井市 2001/2/24

From: 関戸 直明 Date: Fri, 23 Feb 2001 21:52:46 +0900 Subject: [jarvi:17711] 日本語ドメイン名に関する問題点  関戸@湘南文化社です。もう少し早く投稿できればと思っていましたが、今からで も何とかなればとの思い出投稿します。  すでにご存知の方も多いと思いますが、「汎用JPドメイン名」という名称で今まで と違ったドメイン名の取得ができるようになります。そのうち一番大きな問題は、ド メイン名に漢字や平仮名などの全角文字が使えるようになることです。このことに よって起きる問題点は以下の通りです。 1.点字でドメイン名が正しく表記できなくなる 2.外国人など日本語環境の無い人は事実上アクセスが不可能になる 3.アクセスするのに有る程度の漢字の知識が必要になるため、事実上年齢制限をす   ることになる 上記の1.と3.はご存知の方が多いと思いますので、ここでは2.について詳しく 説明します。  最初にドメイン名に漢字や平仮名が使えるようになると書きましたが、これは日本 だけの話しでは有りません。韓国ではハングル文字のドメインが、中国でも漢字のド メインが使用できるようになるなど世界的な動きなのです。それによりその国の言語 を使用できる環境の有る人にとっては便利になりますが、それ以外の人は全くアクセ スができなくなってしまいます。それを防止するため、他言語のドメイン名を英数字 だけの文字列に変換する方式が定められようとしています。しかし、これはとても長 いため、自分でキーボードから打ち込んでWEBにアクセスしたりメールの送信をする のはかなり大変です。以下に日本語ドメイン名の例を記します。 日本語ドメイン名.JP ↓ BQ--3BS6KZZMRKPDBSJQ4EYKIMHTKQGQ.JP 混在EXAMPLE.JP ↓ BQ--3BW7OVZIABCQAWAAIEAE2ACQABGAARI.JP ABCカンパニー.JP ↓ BQ--GD7UD72C75B2X46RZP6A.JP  これはかなり大きな問題なので、日本でドメイン名の管理を行っているJPNICに 「ドメイン名を申請するときは、日本語だけの申請でも良いのですか?」と問い合わ せました。その結果、「日本語だけでも申請できます。ですから英数字のドメインが 無い場合もあり得ます。」との応えでした。これではWEBへのアクセスやmailの送受 信等ができなくなる危険性が有ります。また、上記でも書きましたように視覚障害者 だけの問題では有りません。バリアフリーの実現のため、日本語ドメイン名を申請す るときは英数字のドメインもセットで申請することを義務化してもらうように要望す る必要が有ると思いますが、皆さんはどのように思われますか? ページの最初に戻る
From: Hiromi Konno Subject: [jarvi:17713] RE: 日本語ドメイン名に関する問題点 Date: Fri, 23 Feb 2001 23:21:31 +0900 東京の今野です。 関戸 直明 さんは書きました: > このことによって起きる問題点は以下の通りです。 > 1.点字でドメイン名が正しく表記できなくなる  どうしてもドメイン名を漢字やひらがなで伝えなければならない場合には、6点漢 字や漢点字、点訳者挿入符を駆使しなければならないでしょうね。  通常の点字印刷物を8点形式で作りにくいときには6点漢字で表現するようにもな るかも知れません。  点字の印刷物において、情報処理点字がurl表記でだんだん一般化しつつある事 実と同じように、点字の漢字もはじめから「使わない」という理念に立つことが難し くなってきたのではないでしょうか。  結局、表音文字の点字には限界があるということだと思います。 > 2.外国人など日本語環境の無い人は事実上アクセスが不可能になる  外国の人にアクセスしてもらうことに価値を見出だすWeb製作者やドメインネー ム管理者なら、いろいろな手段で外国からのアクセスを確保するわけなので、わたし にはこじつけの議論に感じました。  従来のドメイン名も使えますし、複数取得(お金はかかるようですが)も可能です。 > 3.アクセスするのに有る程度の漢字の知識が必要になるため、事実上年齢制限 > をすることになる  ドメイン名を申請しようというのは、上にも書きましたように不特定の人にサーバ を公開しようとする目的があります。漢字を使ってもらいたい所はそうなるでしょう し、使って欲しくないという所は申請しないでしょう。  問題の本筋は1の場合が当面問題、2と3は、ちょっとわたしには、こじつけに思 えました。 ページの最初に戻る
From: "Hisato INAGAKI" Subject: [jarvi:17728] Re: 日本語ドメイン名に関する問題点 Date: Sat, 24 Feb 2001 21:07:43 +0900 稲垣@愛知県春日井市です。  まず、「義務」というものは、その必然性があるから義務化されているということ ですね。ある程度の社会的な必要性から義務化されるわけです。  また、義務には権利が表裏一体の問題として存在することも上げられます。義務化 するとしても、それによって権利が損なわれる状態は本当に「義務」なのでしょうか?  これは、国民の義務である「税を支払う」「教育を受けさせる」などの事項と同等 とは思えず、むしろドメイン名を取得しようとする者の「権利」を阻害する可能性の ほうが高く、またその必然性からも反発が予想されるとおもいます。 ----- Original Message ----- From: "関戸 直明" > バリアフリーの実現のため、日 > 本語ドメイン名を申請するときは英数字のドメインもセットで申請することを義 > 務化してもらうように要望する必要が有ると思いますが、皆さんはどのように思 > われますか?  視覚障害者の利用をはじめ、バリアフリーを意識する企業や個人であれば、義務化 しなくても自主的に日本語とアルファベティックなドメインと両方取るものと思われ ます。  この「自主的」にバリアフリーに配慮する精神がなければたとえ義務化したとして も、ドメイン名だけのものになってしまうでしょう。  ISO14000やISO9000シリーズの国際規格がありますが、環境や品質に気を配る企 業は自主的に取得に努力していましたが、それらの規格が一般にしられるにつれ、そ の場限りでそれらの規格の認証を受ける企業や、安易に金を積まれて認証してしまう 危ない認証機関が増えているそうです。自主的に、しかも、その精神を理解した上で それらの規格の認証を受けている会社や組織は信頼できますが、一般化してしまった 現在では、いいかげんな審査でISO14000とかISO9000の規格を認証してしまってい る可能性がある以上、もはやそれらの規格の認証を受けているからといって信頼でき る企業ではありません。  たとえ話が脱線してしまいましたが、義務化するとその企業や個人の姿勢が見えな くなる可能性があるという思いで上記の例を書きました。  アクセスできないURLにむりしてアクセスする必要もありません。また、アクセス できなくて、その企業や個人の印象が悪くなったとしてもそれはやむをえないでしょ う。それを「義務」でわざわざカバーする必要は無いのではないでしょうか? ページの最初に戻る
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