触地図はなぜ使われないのか?
- 村上@横浜国立大学 2000/11/20
触地図を利用すれば,周囲の環境がよくわかるのではないかと思うのですが,なぜあ
まり利用されないのでしょうか?
- Masamitsu MISONO 2000/11/20
ないよりは,あったほうがましなので触地図を作製することにはまったく問題ないと
思います.
- 高野幸男@千葉県 2000/11/21
確かに自分も全盲で,触地図があったほうが初めての場所などは周囲の様子を把握す
るのに役立つとは思っています.しかし,あまり使っていません.
- Masamitsu MISONO 2000/11/21
コストの問題もあると思います.
- 船越正夫 2000/12/22
- 関 良介@新潟県 2000/11/22
- 望月 優@株式会社アメディア 2000/11/22
初めての場所に出かけるときには,触地図や文書による道順の点字表記には,いつも
助けられています.
- 塚田哲夫 2000/11/22
- 望月 優@株式会社アメディア 2000/11/22
- 蒔田麻耶@神奈川県横浜市 2000/11/23
From: "Mai Murakami"
Subject: [jarvi:16181] 触地図の利用について
Date: Mon, 20 Nov 2000 15:40:49 +0900
こんにちは。横浜国立大学の村上です。
以前視覚障害者のオリエンテーリングのメールにお返事をいただいた方ありがとうご
ざいました。
この視覚障害者のオリエンテーリングは触地図を使ってある地域を歩行するというも
のですが触地図はあまり利用されないということを聞きました。触地図を使った方が
周りの環境がよく分かるのではないかと思うのですが。
実際に触地図を使っているかたやまた、使わないかたにその理由やみなさんの触地図
についての意見をお聞きしたいのです。
お願いします。
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Date: Mon, 20 Nov 2000 16:38:03 +0900
From: "M.MISONO"
Subject: [jarvi:16183] Re: 触地図の利用について
みそのです。 Mai Murakamiさん、こんにちは。
2000年11月20日 15時40分頃に書かれました
[jarvi:16181] 触地図の利用について
のメールへの返信です。
> 触地図を使った方が周りの環境がよく分かるのではないかと思うのですが。
確かにそう思いますが・・・。
実際に視覚障害者が地図を理解するには、晴眼者よりも倍以上の時間がかかってしま
うので、ほとんどの場合、地図を使わないということだと思います。ないよりはあっ
たほうがましということで、触地図を作成することは全く問題ないと思います。
触地図を作製する上で気を付けないといけないのは、指で触れたときの分かりやすさ
ですね.どの程度まで縮小するか、記号類をどのように表すか、地名等をどのように
して略すか等。
オリエンテーリングみたいなものでは、触地図はないと反対に困ることが多いような
気もします。スタート前に、予めルートを説明し、それを全て覚えられればいいです
が、全て覚えられてしまうのなら、オリエンテーリングの意味もなくなってしまいま
すし・・・。
地域の把握という意味では、触地図は必要。かな?
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From: 高野 幸男
Subject: [jarvi:16195] RE: 触地図の利用について
Date: Tue, 21 Nov 2000 22:14:46 +0900
mlの皆さん、村上さん初めまして。高野@千葉市です。
Mai Murakami さんは書きました:
> 触地図はあまり利用されないということを聞きました。
> 触地図を使った方が周りの環境がよく分かるのではないかと思うのですが。
そうですね。確かに全盲の自分としても触地図があった方が初めての場所などは周
囲の様子をも把握するためにはいいと思っています。
ただ…実際にはあまり使っていません。
> 実際に触地図を使っているかたや
> また、使わないかたにその理由や
> みなさんの触地図についての意見をお聞きしたいのです。
あまり使っていない理由は
1)実際に活用しやすい触地図があまりないこと。
2)道路マップのようにとにかく細やかな所まで書かれた物がないこと。
3)そして同じ視覚障害者でも触地図の表現法などへの解釈がまちまちのように思わ
れる。そう言ったこともあるためか、建物や道路などの表示法がまちまちで、ある程
度土地勘のあるところの地図でもすぐには分りにくい。
と言ったところが今自分が思っている感想です。
10歳まで弱視で、住んでいる町の航空写真や都市市街地の道路マップも見たこと
がある経験上触地図でもどうしてもそれに近い物を求めてしまいます。でも、やはり
触地図だとより詳細にしようとするとどうしても煩雑になってしまうため見る側とし
てはとても疲れることになってしまいます。
そこでふと思ったのは、b5サイズの機械の一面がピンディスプレイになっていて
そこにユーザーが求める場所や主体とする物を好きなように表示できてしかも、どの
程度の尺度にするのかとか、建物や道路鉄道などの点図表示はどのような形態にする
のかなどなど、ユーザーが好みに合わせてカスタマイズできるようになっていたら…
。そして持ち歩けるようにノートパソコンのように折り畳むとb6サイズになってバ
ッテリーで駆動するようになっていたらもっと便利かも……。
などと夢のようなことを書いてしまいました。ハード面のことは全く分りませんの
で、思ったままの発想ですが、このような機械があったら便利かなと思っています。
ただ、目的地まで間違えずに行ければいいのでしたら、コンパスとGPS・通信機
能などが一体化されたあの(ナビゲーションシステム)が完璧に完成し導入されれば
いいのではないかと思ってもいます。
でもやはり地図が好きな自分としては上記のような機械があったらなぁ…と思うし
だいです。点字を読むときにも丸々1ページが表示できるピンディスプレイにも使え
るし…。
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Date: Tue, 21 Nov 2000 23:23:08 +0900
From: "M.MISONO"
Subject: [jarvi:16196] Re:触地図の利用について
みそのです。 高野 幸男さん、こんにちは。
一番難しいのは、コストでしょうね。
あ、こんなこと書いたら、話がおもしろくないですね。もっと、発展的に考えなくては。
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Date: Wed, 22 Nov 2000 03:31:20 +0900 (JST)
From: 船越 正夫
Subject: [jarvi:16198] Re: 触地図の利用について
遅ればせながら触地図について書かせていただきます。
私は八才まで僅かながら見えていたので、色や物の形などを見た覚えがあります。
1.普通の地図と触地図の違い:
目で見る地図は一目でまず全体を把握し詳細な点を見て行くと思います。
触地図は何度も何度も触れて地図を頭の中に写すようなものです。(マインドマッ
プ)だから時間もかかるし、婚期も必要です。触地図だけによって単独歩行でどこか
を尋ねるという使い方は、あまりしません。知らない所へ行くにはいろいろな情報を
集めてから初めての所へ行きます。それらの情報の一つとして使います。
触地図を見るには時間がかかるので、「今からオリエンテーリングをやるからこの
触地図を見て」なんて言われると「どうせ分からないんだから見なくても」とあきら
めてしまう人が多いのだと思います。それを見て晴眼者は、触地図を作っても見ても
らえないんだから触地図なんか作らなくてもいいと思われては、誠に残念です。
触地図を作ったんだから、それを見て理解しなさい、と言う訳にはいかないので
す。説明を加えながら触地図を見せれば比較的単時間で理解できます。また説明が必
要な触地図は、作り方が悪いなどと思わないでください。
触地図を見るのが得意でない人もいます。訓練が足りなかったり触図に恵まれな
かったり理由はいろいろでしょうし、晴眼者の中にだって地図の好きでない人はいま
す。だから触地図作りは無駄だとは思わないでください。
2.マインドマップができていると歩くのが楽しい:
単独歩行はもちろんですが、介添え歩行や観光旅行などでもマインドマップができ
ているのとできていないのとでは印象が全く違います。以前日本点字図書館からサー
モフォームによる多数の(点図にしては多数の)点図が販売されていました。今は原
図を作るボランティアがいないので販売されていません。誠に残念です。
京都や奈良の触地図を買って、家でじっくり触ってマインドマップを作ってから、
観光に行くと楽しいし印象にも残ります。それなしで観光バスに乗せられて名所・旧
跡ごとにバスから降りたり乗ったりしてもあまり面白くありません。乗物に乗ってい
ても「もうそろそろ左側の窓に○○山が見えるかな」などと同行者と話ができます。
旅行もハイキンクもオリエンテーリングも楽しいのです。
3.高野さんご提案のようなものができれば、泣いて喜びます。
しかし、当分の間は、同じ場所の山川の図だけ、道路と名所だけ、行政区画と鉄道
だけ、といったふうにいろいろな要素に分けた地図を作り最後に全部の要素を表わす
地図を作るとマインドマップが作りやすくなります。
点字図書館や盲人施設の職員に触地図が欲しいと言うと「何に使う?」と聞かれた
ことが一度ならずあります。触地図を欲している全盲者もいることだけでもこの機会
に知っていただきたいと思います。
長々と書いてしまい失礼いたしました。
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From: 関良介
Subject: [jarvi:16200] Re: 触地図の利用について
Date: Wed, 22 Nov 2000 07:49:40 +0900 (JST)
今から十数年前になりますが、視覚障害者100人ほどとボランティア数十人とい
うメンバーでウォークラリーをやったことがあります。これも地図を読みながら歩く
ということではオリエンテーリングに共通していますね。事前にこのウォークラリー
に何度か参加した経験から、介助者に連れ歩かれて、方向を定めたり、考えたりする
ことになかなか参加できないと楽しくないと思いましたので、できる限り視覚障害者
中心に、介助者はあくまで介助するという形を考えて行いました。
ここで問題になったのは地図のこと。触地図を考えましたが、日本地図や世界地図
なら別ですが、案内図のような、地図を見ながら道を歩けるような地図はあまり触れ
る機会がなく、友人に案内図を使ってバス停から福祉会館までを何度説明しても理解
してもらえず、口で説明したらすぐに理解したという経験などもあったため、口で説
明するような点字文を作って地図の代わりにしました。
このときはそれがどれほど成功したかわかりませんが、少なくとも視覚障害者の指
示で目印になるようなものを介助者が探すという形で道を歩いていました。
わたしは弱視から全盲になりましたが、弱視のころは地図が好きで、よく見ていま
した。点字の地図を見たとき、情報量が少ないのにわかりにくく、つまらなく思った
ものでした。しかし、日点をはじめ、いろいろな所から触地図が出され、工夫されて
きましたので、また触地図を楽しめるようになっています。
建物の中の案内図や狭い地域の案内図(道や建物がわかるような)は、歩く上では
重要な情報を与えてくれます。できれば壁などにあるものを読むのではなく、持ち歩
けるようなものがありがたいですが。
話は違いますが、楽譜や数学記号のように、地図に関しても決まった規則はあるの
でしょうか?それとも定まったものがないのでしょうか?これからはもっと触地図が
身近かになると思いますので、定まった規則がないのなら、定めていただきたいと思
います。
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From: 望月 優
Subject: [jarvi:16201] Re: 触地図の利用について
Date: Wed, 22 Nov 2000 08:51:12 +0900
皆さんこんにちは。アメディアの望月です。
仕事柄初めての場所に一人でよく出かけますので、触地図や文書による道順の点字表
記にはいつもとても助けられています。
ひとつだけ体験談です。
ある図書館にヨメールEZの状態を見にいった時のことです。図書館の玄関を入る
と、館内の案内が点字であることに気づきました。(音声での誘導があったかどうか
よく覚えていませんが、いずれにしても、その存在を発見できたのは、音声誘導かあ
るいは点字ブロックのおかげです。)そこで、その説明文を読んで、目的の部屋がわ
かったと思いました。ところが、同じように、触地図もあるのに気づいて、それも見
てみました。すると、点字の文章での説明と触地図には矛盾がありました。少し考え
た結果、触地図のとおりに歩いてみました。これで正解でした。結局、点字文書での
説明は間違っていたのです。このような表示版は、いずれにしても晴眼者が作成して
いると思われます。とすれば、点字のチェックはあまり信頼がおけませんが、まさか
触地図の間違いに気がつかないはずがありません。ですから、私は職地図に従いまし
た。これまでの経験上、点字の文章による説明は間違っていることがしばしばありま
す。そのために、大幅な時間のロスをしたこともあります。点字表示版の内容チェッ
クを何とか有効にできないものかなと思います。
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Date: Wed, 22 Nov 2000 17:33:20 +0900
From: 塚田哲夫
Subject: [jarvi:16204] 触地図の利用&パスネットについて。
皆さんこんにちは。塚田す。
望月さんこんにちは。ヨメールの調子を見に行くために望月さんが図書館へ行った体
験について書かれていました。
点字の文章による説明と点字の地図との間に矛盾があったようですが、具体的にどの
ような矛盾があったのでしょうか?
最近点字図書館や一部の駅で周りの説明を文章や地図で示したものを見かけますが、
どのような食い違いが具体的にあったのか教えて頂けると、今後の利用の参考になる
のではないかと思い、書かせて頂きました。
宜しくお願いいたします。
これから、昨日どなたか生産機の事を書かれていましたが、パスネットとはどのよう
なものでしょうか?この件についても、宜しくお願いいたします。いつも、質問ばか
りで済みません。
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From: 望月 優
Subject: [jarvi:16205] RE: 触地図の利用&パスネットについて。
Date: Wed, 22 Nov 2000 18:41:08 +0900
塚田さん、望月優です。
> 点字の文章による説明と点字の地図との間に矛盾があったようですが、
> 具体的にどのような矛盾があったのでしょうか?
具体的な文章は覚えておりませんが、点字の説明どおりに歩くと、触地図とはまった
く別の方向に行ってしまうような記述でした。具体的な説明ができなくてすみません。
ついてなので別件をお伝えします。以前、名古屋の地下鉄の中の点字表記にしたがっ
て歩いたところ、大幅にロスをしてしまいました。
点字案内板には、1200メートルという距離が書いてありましたが、実際には、こ
れを120メートルと解釈して歩くべきでした。
曲がる個所を大幅にとおりすぎた段階で、「あれは120メートルと考えれ葉よかっ
たのでは」ということに気がつきました。
実際には、その案内板は、地下鉄の出口を出た時のどちらの方角を向いているかとい
う記述も間違えていました。しかし、その点は、読んでいて「矛盾だな」と気づいた
ので、方向をだまされることはなかったのですが、まさか、距離までも間違えている
とは思いませんでした。
でも、よく考えてみると、そこに出かける前に、駅からの所要時間を電話で聞いてい
たのです。
その所要時間とこの距離表示を比較してみると、明らかに矛盾があり、そんなに遠い
はずはなかったのです。
ですから、結局は、私の気配りが足りなかったのでした。
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Date: Thu, 23 Nov 2000 09:40:30 +0900 (JST)
From: 蒔田麻耶
Subject: [jarvi:16215] 触地図について
横浜の蒔田です。 触地図について書きます。 私は今 皆さんが書いている触地図
による案内とかまた触地図を見て歩くとかいうことではなくて私がまだ盲学校の生徒
だったころに地理の時間によく触地図を使ったりパズルを使ったりした経験がありま
す。 それらを用いて例えば関東地方にはどのような県があるかとかまた県庁の所在
地はどこかなどということを学んだわけですが触地図やパズルを用いて良かったとお
もったことはそれぞれの県の形がわかったということと山や川などの形が良くわかっ
たということなどです。 触地図を用いて道の様子を調べて歩くということはとても
難しいことなのですが日本の地理や世界の地理を学んだりする時や地図以外でももの
の形例えば単純に円とか△などを書いたりグラフ用紙を書いたりなどする時にはやは
り触地図は必要だとおもいます。 それも含めて例えばレーズライターというもので
文字の形や物の形を書いてみるなどの時にも書くずは必要だとおもいます。
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