タイマー設定,MD編集を簡単にできるコンポ
福井哲也@大阪府 2001/9/9
Date: Sun, 09 Sep 2001 12:15:14 +0900
From: 福井 哲也
Subject: [jarvi:20575] タイマーもMD編集も使えるコンポ
大阪の福井です。
日本ビクターが数ヵ月前に発売したMDコンポ「UX−F70MD」は、ディスプレ
イが読めなくてもタイマー予約からMDの編集まで多彩な機能が操作可能な注目すべ
き製品です。
大阪の日本ライトハウス、エンジョイ!グッズサロンにこのコンポのデモ機が展示さ
れたということで、昨日さっそく見てきました。
本機は、CD、MD、カセット各1台とAM/FMチューナーを内蔵したマイクロコ
ンポーネント。MDは、4倍長時間録音・再生に対応しています。
設計で視覚障害者を意識したところは、ディスプレイが読めなくても操作できるよう
に、ビープ音によるサインをかなり豊富に付けたことです。キーを押すとピッと反応
音がし、いろいろなメニューの選択時は、基準点に戻ってきたときにピピッと2回音
がして知らせます。
時刻合せ、予約タイマーのセットは、「時」「分」を順に数字キーで入力する方式。
アップ/ダウンキーではありません。
とてもユニークなのは、現在時刻をビープ音で知らせる機能。リモコンのディマーボ
タンを押すと、「○○時○○分」という4つの数字をビープ音の階数で表現します。
午後2時7分なら、「14:07」ですから、
短いビープ1回
短いビープ4回
長いビープ1回
短いビープ7回
となります。長いビープは「0」を意味します。また、ビープ7回は等間隔では数え
にくいので、最初の5回は速いテンポで、残り2回はゆっくり、という具合に鳴りま
す。「ピピピピピ ピ ピ」という感じです。4つの数字を表すビープのピッチ
(音の高さ)は少しずつ変えてあります。
音声時計に比べると、聞き取りには結構練習が必要ですが、時計合せがちゃんとでき
たかを確認する手段としては使えると思います。時計が合っているかどうかは、目覚
ましタイマーや留守中の予約録音の設定をするときにどうしても確認すう必要がある
ので重要です。
そのタイマー設定も、開始時刻・終了時刻の入力、ソースの選択など手順がいっぱい
でしたが、マニュアル通りにリモコンのキーを押していって、できました。時刻の数
字を入力したときはビープ音1回ですが、1段階ずつセットし終わるごとにピポと高
さの違う音が鳴り、操作終了のときにはピーピーと長く2回鳴るというふうに工夫が
されていました。
MDの編集には、「曲を分ける」「曲を繋げる」「曲を移動する」「曲を削除する」
「全部の曲を削除する」の5つのメニューがります。例えば「曲を分ける」を選ぶ
と、対象となる曲が流れ、切り分けたいところでボタンを押します。すると、切った
ポイントから3秒間の部分を繰り返しプレーしてくれますので、もし思ったところよ
り少しずれていたら、前と後のキーで微調整します。微調整の結果は、すぐにプレー
されますので、安心して操作できます。これでよしと思ったら、エンターキーで確定
します。「曲の移動」でも、「何番のトラックを何番へ移動」というように数字で入
力し、しかも番号を入力するとその曲が聞こえてきますから、これも操作に安心感が
あります。
昨日は重立った機能しか試しませんでしたが、その範囲では「使えない機能はない」
という印象でした。
一方、デザイン的にかなり悪いと言わざるを得ないのは、リモコンです。横4列×縦
10段の小さな同じ形のボタンがぎっしり並んでいます。ボタンには、どれひとつと
して触覚的な印はありません。数字の「5」のキーにもです。バリアフリーを意図し
た製品として、このリモコンはまったくいただけません。数字キーと他のキーを離す
こと、「5」には当然凸点を付けること、他のキーももう少し機能別にグループ化
し、配置や形に工夫するなどしないと、とてもキー配置を覚えて使うのは大変です。
本機の録音版マニュアルには、キーの2段目と3段目の間、および8段目と9段目の
間に輪ゴムをかけて目印にするとよいと書かれていましたが、このリモコンのデザイ
ンの悪さは輪ゴムぐらいでどこまでカバーできるものか、いささか疑問でした。
ところで、このコンポは、視覚障害者にとって確かに画期的な新製品だと思うのです
が、その情報が新聞等でほとんどまったく取り上げられていなかったようなのです。
日経新聞等を検索してみても、本製品の紹介はあるものの、内容はMD4倍録音、七
色に光るディスプレイ、CD・MDの挿入時に前面パネルが斜めに動くおもしろいデ
ザインといったことばかり。メーカーの開発担当者は、かなり意識してこのビープ音
満載の設計に取り組んだはずなのに、そのことがマスコミに載らないというのは、ど
ういうわけなのでしょう。メーカーがプレスリリースを書くときに、そのことを大き
く書かなかったのでしょうか。今、企業の新製品に関するプレスリリース記事には、
しょっちゅう「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」という言葉がおどってい
て、その中には「そんなに言うほどのことなの?」と疑問を投げかけたくなるような
ものもあるのに、肝心な情報が流れなかったようなのです。いや、もし私が探しきれ
ていなかったというのでしたら、是非とも教えてください。
以上、日本ビクターのマイクロコンポのご報告でした。
製品についての詳しい情報は、日本ビクターお客様ご相談センター、
東京 03−5684−9311、
大阪 06−6765−4161
に問い合せるのがよいと思います。
また、日本ライトハウス、エンジョイ!グッズサロンの連絡先は、
電話 06−6225−0035
水曜から土曜の、10時から17時にお願いします。
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