1. 相関係数を計算して意味のある二つの変数の例を 2 つ挙げよ。 それらの相関係数はどのくらいになると予想できるか数値を示せ。 「全国の」未就学児の年齢別の語彙数 これは0,8から1の強い相関係数があると思われます。 また、 「ある」未就学児の年齢別の語彙数 これは健常児であれば0,8から1の強い相関係数が得られ、言語的な発達障害を持っ た児童からは強い値 はえられないとおもいます。 なぜこのようなことを書いたかというと、ある雑誌で、 「ある〜の」と「全国の」を、ある結論に導きやすいように、文章のなかで効果的に 使われているのを見たからです。 複数の個人を対象にした統計結果と、単一の個人のそれとでは表現の仕方では、誤解 を招きやすいものだと思いました。 これが先生がはじめの授業で言っていた混乱しやすい統計学の注意点かと思いまし た。 コメント: 相関係数の計算は、特定のグループに対して算出されるもの。「ある」特定の未就学児の語彙数は相関係数で表されるものではなく、およその語彙数がいくらかと推定されるもの。 秀逸: 課題2:相関関係を計算する意味の無い二つの変数の例と、意味をなさない理由。 (例1)年齢と残存歯の本数の関係  生後は0本であるが、次第に乳歯が生え始め、小学校を卒業する頃には上下28本が生えそろう(漸増)。しかし、本数は20代〜30代をピークに、40代以降は歯が抜け落ちていくことが予想され、グラフは逆U字型になる。従って、相関関係を計算する意味が無いと考えることができる。(永久歯が生えそろってからという条件があれば−0.4〜−0.6の相関係数が予想される) (例2)年齢と会社への貢献度  新入社員時の会社への貢献度は最も低い。30〜50代が最も脂がのりきった時期であり、仕事もバリバリこなし、貢献度は最大。しかし、その後は次第に降下していく。 重要なコメント: 相関係数に表れるのは数字のみであり、計算結果だけでは それが正しく相関関係を表していると判断することができない ということを前回の授業で習いました。 「相関係数を計算する意味のない変数」というのは、 授業で例に出された曲線相関など、計算してもその値から 通常の相関と同じ関係は読み取れない変数のことだと思います。 相関係数を計算する意味が無い変数について、多くのメールでは 相関係数が0に近い、2つの変数とも別の変数の従属変数になっている、 相関の仕組みを説明できないからといった理由付けがなされていました。 私はそれによって相関係数を計算する意味が無いとは 考えられないと思います。 むしろそのような場合にこそ、関係性がある、ないという仮説の証明として 相関係数が重要になってきますよね? 心理学はもちろん、医療や脳科学などにおいては、 2つの変数に相関は見られるがその間にある関係性はわからない現象や、 相関がありそうに思われるが実は相関のないものについて 相関係数を算出して確証を得ることはとても重要だと思います。 以下はどう計算すれば良いのだろうか:   地震雲と地震が起きる関連     r=0.4     過去の大きい地震の前に地震雲が観察されており、     地震発生前の震源付近の岩盤から出る電磁波が影響しているとされる。   モーツァルトの音楽と免疫力を高める効果     r=0.5     モーツァルトの音楽は、3500ヘルツ以上の高周波数を含んでいて、     脊髄から脳にかけての神経系を効果的に刺激する。 感性データについてギリギリセーフ。印象に残ったTVCM、オーディオの質 「仕事の満足度」、「生きがい感」などの心理データも無批判で受け入れられることがある(反論も勿論ある)。