注意の特徴統合理論 Anne Treisman and Garry Gelade 注意の焦点の役割についての新しい仮説を提案する。注意の特徴統合理論は、 提示された対象を特徴付けたり識別したりするために必要となる一つ以上の分 離した特徴の結合がどのようなものであれ、系列的にディスプレー内の各刺激 に対して向けられなければならないということを示唆している。視覚探索、テ クスチュア分離、同定と所在、などを含む多様なパラダイムを使って一連の予 測がテストされた。そしてそれは、特徴を複雑な全体へと統合する特徴として の、分離した特徴次元(形と色)と、図中の局所的な要素あるいは部分(文字の 中の線分、曲線など)との両者が用いられた。結果は概ね仮説と一致するもの だった。これらの結果から、統合された特徴から分離され区別するための新し い基準と課題が注意の制限を示すもの化そうでないかを予測するための新しい 原理とを提供している。 a001(佐久間) われわれが似た状況で目を開いたとき、認識可能な物体や空間構 成の論理的に組織された瞬間的な印象を形づくる。さらに基本的な感覚への実 験は難しく、めずらしい型の知覚活動を独自に必要とするように思われる。反 対に、心理学的な根拠は、目に見える光景は早い段階で受容体の特別化された 連中によって分析される。その連中とは、方向や色、空間の頻度または動きと いった特性に選択的に対応し、脳の違った部分で測量する。知覚の分解論と合 成論間の論争は、何年も前にさかのぼる。ゲシュタルト心理学者が、全体が部 分に選考する、つまりわれわれは最初から統合された物質と関係を登録してい て、後に必要であれば構成要素の部分または特性に分解する、と唱える一方で 統合主義者は、複雑な全体の実験はさらに基本的な感覚を結びつけることで構 成されていると言い張っている。 a003(半田)ゲシュタルト心理学では認知は内省的な経験に確実に従うことを 述べているが神経システムの中の情報を処理する初期段階において効果の直接 性と率直性が反映される保証はない。私たちは優先的に処理されることの複雑 な結論に気づくことは論理的に明らかである。トップダウン効果は意識的な経 験を表しているだろう;この論は客観的な助けを必要とする知覚記号ともいえ るだろう(トリーズマン、1979) a004(伊藤)我々は、最近、特徴が知覚において一番最初にくると仮定した、注 意に関しての新しい報告をだした(トリーズマン, シーケス,& ジェラード、 1977)。われわれのモデル(それを注意の特徴‐統合理論と呼んだ)では、対 象物が別々に、そして、後の段階でだけ確認される間、すばやく自動的に、並 列に視野を横切って、特徴は記録される。そして、それは集中力の要する注意 を必要とする。視覚場面というのはまずはじめに、いくつかの分離できる特質、 たとえば色とか方向、空間周波数、明るさ、動きの方向といったものに沿って 記号化される、と我々は推測している。これらの別々の記号を結合し直して、 複雑な表示の各対象物に対して、特徴の正しい統合を確実にするために、刺激 場所は、焦点注意をもって連続的に処理される。同じ注意の中心固定において 現れるどんな特徴でも、一つの物を作るために結合される。このように、焦点 注意は、初めに分離できる特徴をまとまった物へと統合する接着剤を提供しま す。一度、それらが正確に記録されたら、そういうものとしてその結合物は受 け取られ、また蓄えられ続ける。しかしながら、記憶の衰退および阻害につれ、 その特徴はばらばらになり、かつての“つながれていない状態”になるかもし れないし、あるいは、たぶん“誤った結合状態”へと再結合するかもしれない (トリーズマン、1977)。 a005(星野)焦点注意なしでは、特徴はそれぞれお互いのものとは関係されない と私達は主張する。これは、現象経験を説明する際に問題を与える。色や大き さ、明るさ、場所を与えられていない独立した形を、私達が意識的に“知覚” 出来る方法はないように思える。だが、独立した空間は空っぽのスペースとし て知覚されない。それゆえ、結合理論はある種の解明が必要である。私達の主 張は、注意は正確な結合の知覚にとっては必要であるが、独立した特徴、意識 的知覚に先立って結合される。独立した特長のトップダウン処理は、過去の経 験や文脈上の情報の利用を可能とする。注意がどこかに向けられているときで さえ、私達はありそうもない、黄色の空や青い太陽を見るだろう。しかしなが ら、焦点注意やトップダウン処理における効果的な強制がないとき、特徴の結 合はランダム基礎で構成される。これらのどくりつした結合は、“幻影的な結 合”を生むだろう。 a006(田代)刺激がはじめに機能的に離れた範囲の間で分析されるという考えに 対してふるまいと生理学上の結果の両方が、物理的に明らかな方向によって必 要ではないけれどもある。(シェパード、1964;ガーナー、1974;デ・バロワ &デ・バロワ、1975)私達が範囲として使っている用語は、いくつかの機能的 に独立した知覚システムによる別々の分担された完全な変化の範囲のことであ り、特徴とは範囲においての特異な価値についてのことである。このように、 色や定位は範囲である。赤や垂直というのは、それらの範囲の特徴である。知 覚的な範囲ははっきりとした物理的な範囲とは特有に対応していない。いくら かの身体的な態度の側面は基本的な特徴として記録される。例えば私達は、全 くの強度よりも対比する強度をコード化し、そして対称や同質のような高い秩 序のある特性を直接的に感覚しているのかも知れない。私達は知覚の言葉であ るかもしれない、プリオリという初歩的な言葉を予測することはできない。  a007(沼田) ShepardやGarnerよって提唱されたもののように、ある知覚特性の 存在は実験から推定されるべきである。この論文は特性の分割可能ないくつか の新しい診断を示すであろう。そして、それは注意の特徴-統合理論を導く。 分割可能な特徴が統合への注意を要求する一方で、全体の特徴が自動的に結合 されるのを私たちは認めるであろう。結果として、この論文で述べられている 前注意的かつ分割された注意のタスクにおける結果のパターンから、分割可能 性を推定することができる。 a008(佐久間) われわれは特徴拡大仮説を先端の、当初のわれわれにとっては まったく信じがたく思える形ではじめた。それゆえ、実例と予測をできるかぎ り幅広くすることは、集中操作からの取得を最大化するために重要であった。 論理をもとに違った予測をテストし、数多くの違った理論的枠組みを発達させ た。おのおのの実験自体は他の解釈を許す他かもしれないが、事実すべてのも のは独立した予測として(以降訳せませんでした。) a009(半田)(1)視覚探索視覚探索のパラダイムは標的が個々の特性を持つ か、関連した特性を持つかによって定義される。もし、1つだけ異なる特性を 持つターゲット刺激を見つけ出そうとすると、探索はある特性がディスプレイ 上のいくつかの誤答選択肢の変動にわずかに影響されると定義されるだろう。 周囲からの干渉(妨害刺激)や鋭敏さの限界はディスプレイの大きさが大きく なるにつれて探索時間が増える傾向にあり、ひょっとすると連続視覚固着(凝 視)の力によるものかもしれない。対照的に、焦点注意は関連性を持つ特性に よって定義された標的を探し出すためには必要なことだと想定する。それゆえ にある標的は多くの誤答選択肢を連続して読み取った後にのみ見つかる。 a010(伊藤)(2)テクスチャー分離 テクスチャー分離と特徴領域のまとまり というのは、注意原初的な平行したプロセスであることは、ありそうなことで ある。もしそうなら、それらは特徴分類の点で異なる刺激グループ間の空間的 な不連続性によってのみ決定されるか、はたまた不連続性ではなくて、特徴の 結合性、連続性により決定されなければならない。 a011(星野) 結合錯誤:もし特定の対象に対する焦点注意が妨げられたら、時 間は短すぎる、または注意が他の対象へ向けられているのどちらかの場合、独 立した対象の特徴は、互いに関して“自由に浮かんでいる”。これは、1つ以 上の独立した対象が呈示されたとき、特徴の結合に誤りがでる可能性を認める。 このような“結合錯誤”は報告されてきた。たとえば、2分された音色のピッ チと音の強さは時々誤った結合として聞こえ(Efron & Yund, 1974)、2音節 の際を示す特徴もまたそうである(Cutting, 1976)。視覚において被験者は、 連続的に同じ場所へ呈示される。視覚言語のケースと内容を時々間違って再構 成する(Lawrence, 1971)。トリーズマン(1977)は、同様な連続において多 くの積極的に間違える誤りを手に入れた。2つのテスト刺激において形や色の 2つのターゲットのアイテムが交換される違ったマッチング課題で。それぞれ そのような交換は一定的な正解回答時間を加え、特徴の結合はそれらの特徴の 存在から分割的にチェックされていると提案している。 m012(田代)識別と位置再び、もし集中した注意が妨げられたならば、別々に関 係していないものと同様に注意を引いていない対象の特徴のは空間にさまよっ てしまうかも知れない。確かに、家を見つけることは素早くできるのだが、こ のように私達は、それらがどこにあるのか知らずに決定的な特徴の存在を検出 しているのかも知れない。この仮説において特徴が位置することは、それを認 識することから引き離す働きであり、論理的に同一視より前にある代わりに続 いている。しかしながら、その説はこれが特徴の結合とともに起こることはで きないと予測している。もし私達が正しく検出したり、特定の結合を認めてい るのならば、初めに注意の集中と特徴をまとめるためにそれを位置していなけ ればならない。そのように、位置は結合のための認識に先立たなければならず、 しかしこの2つのことは特徴に独立している。 a013(沼田)無視された刺激からの推論無視された刺激は、特徴のレベルだけで 記録されるべきである。そのような刺激が生み出しうる注意が向けられたタス クへの妨害や促進の量は、したがって、それらが構成する特徴のみに依存する べきで、そのような特徴が起こる結合には影響を与えられるべきではない。 a014(佐久間) 言語知覚には、結果を伴わない単語の意味が時として意識のあ る認識にとどいていないのに登録される、という重要な証拠がある。言葉は確 かに結合によって定義されるので、注意外の単語認識の証拠はわれわれの仮説 と矛盾するようにみえる。しかしながら、これらの研究のデータは、結果を伴 わない経路での、情報を与えられて、関係のある単語への対応が試行のうちたっ た5から30%しか起こらなかったことを示唆する。対応がときとして、これ らの特徴がどのように結び付けられたかの正確な記述を必要とせずに、1つま たはしれ以上の予測された単語の特徴によって引き起こされた可能性はあるか もしれない。ある研究は結果を伴わない経路上で関係のある単語の対応が、疑 いの余地なく間違っているとみなされてきた。(次の一文わかりませんでした。) これは、結果をともなわない事項または不完全な感覚のデータの不完全な分解 を示唆した。 a015(半田)これらの推論は二つの結果群になることがわかる。それらは個々 の特徴や関係性による知覚と合致する。個々の特性は同様のものの探索によっ て検知可能である;それらは不注意の中で錯覚の関連性を引き起こしてしまう; それらは探索しようとしたり、簡単な組織の分離を伝えようとする必要性を感 じなくなる;それらは無視されたときですら行動の効力を持つ。一方で関連性 は、連続探索を必要とする;それらは焦点注意でないかぎり結果に影響を与え ない;それらは同一視と探索の中で高い関連性を示す;それらは組織の分離を 伝える中で効果のないことを証明する。私たちの意図するところは形や色、生 理的や行動の原因などの二つの要素によってそれらの推論をテストし、区別で きる。もし、推論が正しいと証明されたら、私たちはこのテストにガーナーの 尺度を加えることが出来るだろう。これは分離できるか不可欠な要素の全ての 行動を示すことを指している。したがって、もし、二つの生理的性質が不可欠 なものだとすると、それらは私たちのパラダイム(理論)のなかで単一性質と しての働きをし、類似したものを探索し、組織の分離や焦点を集中させること 以外の発見をする。一方で、もし、それらが区別できるものだとすると、それ らの関連性は正確な知覚をするために必要な焦点集中であり、それらの欠乏は 錯覚の関連性の中から結果として生じなければならない。私たちは区別できる ための明らかな候補はないと判断し、それは文字や概要の表面の構成要素のよ うなものである。 a016(伊藤)最初の3つの実験は視覚探索にかかわっている。それらは対象とし て、色彩―形結合と、色彩―形分離的な特長のものを比較する。それらは実際 の効果と結合探索における特長の識別能力の役割を調べ、そして類似関係の点 から代わりの根拠をテストした。実験4は結合した形の特定の要素(たとえば 文字)、あるいは正しくない結合が形作られうるときに、連続的な調査が必要 となる分離可能特徴としての機能といった可能性を調べた。実験5,6,7は テクスチャー分離に関係していて、それは色のついた形や、テクスチャーの要 素としての文字を使う。実験8、9は同一視と空間局在の間の関係を、ひとつ の特徴によって、あるいはひとつの結合によって定義される対象に対し調べる。